パズルボトル
【ぱずるぼとる】
ジャンル
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パズル
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対応機種
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ニンテンドー3DS
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メディア
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ダウンロード専売
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発売元
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レイニーフロッグ
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開発元
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Bplus
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配信開始日
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2015年3月25日
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定価
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400円
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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1箇所・オートセーブ方式
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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なし
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ポイント
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2015年クソゲーオブザイヤー携帯機部門次点
カラータイルを下に落としていくゲーム 明らかにパズルゲームではない 的当てシューティングとしては遊べなくはない
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クソゲーオブザイヤー関連作品一覧
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概要
レイニーフロッグ発売、Bplus開発によるニンテンドー3DSのダウンロードソフト。
ジャンルとしては公式ではパズルゲームということになっている。詳細は後々解説するが、大まかにいえば「タイルを下に落としていく」ゲームである。
「グラスボトルの中でジオラマ風の絵柄を作っていく」という設定で、クリア後は完成した絵柄の鑑賞が行える。
ゲームルール
本作では3DS本体を180度回転させてのプレイを推奨している。すなわち、下画面が上に、上画面が下に位置する形でのプレイとなる。
本記事では公式のプレイ方式に準じ、下画面を「上画面」、上画面を「下画面」と表記する。
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ゲームの流れ
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本作では「クラシックモード」と「スナップショットモード」という2種類の専用モードがあり、各ステージを順々にプレイしていく。
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ルールはモードによって異なるが、タイルを下に落としていくという点は共通している。各種モードにおけるルールは下記を参照にされたし。
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ステージ中にゲームオーバーになる要因は原則としてない。何かしらの条件を満たせばクリアとなり、それぞれの成績が記録される。
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操作体系
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上画面からタッチを行い、下画面にある箇所へとタイルを直進発射する(落としていく)のが主な操作体系となる。
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上画面には発射位置を示す「横枠」と、色を示す「縦枠」で構成されたタイル集合体が配置されており、タッチするとそれに対応した位置及び色のタイルが発射される。
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下画面には色の付いた「サイト(半透明枠)」が常時表示されるので、それを狙って対応したタイルをシューティング感覚で発射していく。
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タイルの発射制限は特に定められていないが、無暗な発射は成績に悪影響を及ぼすので好成績を狙うにはピンポイントでの操作が要求される。
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コンボコインについて
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ステージ中に特定条件を満たすと「コンボコイン」が獲得でき、これを溜めると好成績や隠し要素の解禁の恩恵を受けられる。
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サイトに5回連続で正しいタイルを落とすとコンボコインが1つ蓄積される。一度でもミス操作をすると1回からカウントのやり直しとなってしまう。
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コンボコインはクリア時の重大な成績の一つとして記録され、累計蓄積によってボックスやスタイル(下記)が順次解禁される。
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スタイルについて
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コンボコインを特定数累計蓄積させると、最大4種類からのタイルのスタイル選択ができる。
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外観が変わるだけでゲームそのものの影響はないが、気分転換の意味を込めてスタイルを変えていくのもいいかもしれない。
モード別のルール
ステージ構成は「10ボックス × 3ステージ × 2モード」となっており、後半のボックスはコンボコインを特定数溜めないと選択できない。
1つのステージにクラシックとスナップショットの各モードが収録されている。なお、必ずクラシックモードを先にプレイしなければならない。
一度プレイしたボックス・ステージ・モードはいつでも選択可能。また、スタッフロール表示後にておまけのステージがプレイできる。
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クラシックモード
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上下画面が左方向へと同時にスクロールするので、それを考慮した操作が重要視されるモード。全30ステージ。
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このモードでは「SLOW」と「FAST」からスクロールスピードが選択できる。なお、どちらのスピードでプレイしても成績は共有となる。
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上画面のタイル集合体の範囲は「横約10マス × 縦2~4色」となる。また、モード中に「SPPEDアイコン」をタッチするとスクロールが一時的に早送りされる。
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発射したタイルは下画面のいずれかへと着色される。ただし、サイトとは無関係な位置及び色にも着色されるため、操作を誤ると見栄えが悪くなる恐れあり。
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スクロールが最後まで進み切るとクリア。操作の正確を表す達成度やコンボコインの数などが成績として記録される。
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スナップショットモード
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スクロールなしの固定状態で操作をしていくモードで、クラシックモードよりも発射位置の範囲が一回り広い。全30ステージ + おまけ。
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上画面のタイルの範囲は「横20マス ×縦2~4色」となる。このモードでは「透明のマス」があり、他の色と同じ感覚で発射しなければならない。
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クラシックモード同様に発射したタイルは下画面のいずれかへと着色される。ただし、サイトとは無関係な位置及び色に発射しても着色はされない。
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すべてのサイトにタイルを発射し、全着色をし終えればクリア。クリアタイムとコンボコインの数が成績として記録される。
問題点
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180度回転のやり辛さ
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公式では3DS本体180度回転でのプレイを推奨しているが、プレイが無駄にやり辛いだけである。
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そもそもDS系本体はタッチスクリーンを下側か横側に持ちながらのプレイを前提で作られている。180度持ちは本体の構造上、不自然な持ち方になりやすい。
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そのため、無理に180回転をさせなくとも通常持ちの方がプレイしやすく、ゲーム的にもこれといった不備や違和感は感じられない。
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明らかにパズルゲームではない
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本作をプレイする上でよく突っ込まれる事として、パズル要素が微塵もない点が挙げられる。
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パズルと名乗るからには思考性が含まれているはずなのだが、本作は「サイトと同色のタイルをそのまま発射していくだけ」で思考性がない。
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例えるならば「パズルの解き方がすべて見えており、その通りの操作をしていけばいいゲーム」となる。パズルから思考性を取っ払ったものが本作といえる。
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むしろ本作は「色を撃ち分ける的当てシューティング」であり、これのどこにパズル要素があるのかはかなり謎。壮大なタイトル詐欺である。
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困惑必至のタッチ操作
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クラシックモードのステージは上下画面が同時にスクロールする関係上、どこにタッチをすればいいのかが混乱しがち。
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タイル集合体が常に左へとスクロールしており、タッチしたい位置まで常に左へとずれる。操作のタイミングを誤ると、事の状況が極めて把握困難となる。
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この辺は実際にプレイすれば嫌でも分かるとしかいい様がない。FASTでプレイしようものなら、一度操作を誤ると連鎖ミスの連発は必須。
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スナップショットモードは横幅が20マスもあるので、画面をよく凝視しないと発射すべきタイルの位置が見極めにくい。
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特に通常サイズの3DS本体でのプレイとなるとより深刻な問題となる。とはいえ、固定スクロールなのでクラシックモードのような混乱が発生しにくいのが救い。
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一部のサイトの色が識別し辛いステージがあり、初見ではタイルの着色操作ミスをしてしまいがち。
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特にクラシックモードではスクロールが過ぎるので、ミスすらも気付かない恐れあり。もっとも、タイルの色数が限定的なので、そこまで混乱するものでもない。
評価点
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的当てシューティングとしては割と遊べる
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パズル性が全くない反面、見方を変えれば的当てシューティングとして割り切れば割と遊べる内容ではある。
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ちゃんと「位置と色を定めてタイルを発射する」というシューティング感覚は含まれており、何もかもゲーム性が崩壊しているとも言い難い。
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タイルをすべてのサイトに着色して絵柄を完成させた時の達成感はそれなりにあり、ゲームとしての目的にブレのない一貫性は持っている。
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問題点で述べた操作性の件に関しては、「操作に特有のクセがある」程度のもので、操作性そのものが格別に劣悪ともいえない。
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むしろタッチの操作感知は良い方で、操作に慣れてくれば結構楽に好成績が出せる。あくまでも操作が困惑しやすいという話。
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クラシックモードはSLOW固定でプレイすれば、比較的安定した操作が維持できる。FASTは上級者向けの縛りプレイとして触れるべきだろう。
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プレイ環境はなかなか快適
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操作関連に多々問題はあるものの、それ以外の環境は快適な部類に属する。
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ゲームテンポは至って軽快で余計なウエイトなしでさくさくとプレイでき、運が絡む要因は全くなく確実にプレイヤーの実力が反映される。
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クラシックモードのSLOWはスクロール遅めで操作に暇ができやすい。それに対する対策としてスクロールの早送りが搭載されているのは便利。
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実はコンボコインの入手条件はゆるめに設定されている。クラシック及びスナップショットモードはある程度のミス操作をしても全コンボコインの獲得は可能。
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それなりのボリューム感
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400円の販売価格としては60ものステージが収録されており、ボリュームがそれなりにある。
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各ステージは手短にクリアできるが、コンボコインの獲得といったやり込みもあり、総合的なプレイ時間はそれ相当にかかると思われる。
総評
ゲームタイトルに堂々と「パズル」の冠を付けておきながら、それらしき要素が全く存在しない本末転倒な一作。困惑必至な操作性も人を選ぶ可能性がある。
一方でゲーム自体はクソゲーというほどの壊滅的なものではなく、的当てシューティングとして割り切ってプレイする分には大きな問題は見受けられない。
余談
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クソゲーオブザイヤーの2015年度携帯機部門の次点である。
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「どうみてもパズルゲームではない」「タッチ操作の問題」「サイトの色の識別がし辛い」といった点が指摘されている。
最終更新:2022年08月21日 22:03