バニーガーデン

【ばにーがーでん】

ジャンル 心が清らかなお紳士様向けの恋愛ADV
対応機種 Nintendo Switch
Windows(Steam/GOG.com/DMM GAMES/DLsite)
開発・販売元 qureate
発売日 【Switch DL版】2024年4月18日
【Steam/GOG】2024年4月19日
【DMM/DLsite】2024年7月1日
【Switch パッケージ版】2024年12月19日
定価 【Switch DL版】2,980円(税込)
【Switch パッケージ版】4,378円(税込)
【Steam/DMM】3,480円(税込)
【DLsite】3,520円(税込)
【GOG】$24.99
プレイ人数 1人
レーティング CERO:D(17才以上対象)
判定 なし
ポイント 令和版『ドリームクラブ
紳士向け要素は期待通り
PTA(パンツ・たくさん・ありがとう)システム
ゲーム性・難易度は低い
qureate作品


概要

いわゆる「紳士向け(お色気系)」作品を多く手掛けているqureateによる、「お紳士の憩いの場」を題材にした恋愛ADV。
プロデューサーの臼田裕次郎がD3パブリッシャー時代に手掛けたドリームクラブシリーズとは、題材やゲーム性の共通点が多く、ユーザーからは上記シリーズの精神的続編と扱われることも多い。


ゲームシステム

バニーガーデン

  • 基本はバニーガーデンというバーに来店し、キャストの女の子たちと仲を深めていく恋愛アドベンチャー。期間内に告白イベントに到達できればグッドエンド、そうでなければバニーガーデンが閉店してしまうバッドエンドとなる。
    • バニーガーデンは、名前の通りバニースーツ姿の女の子がカウンター越しにお酒を提供してくれる、いわゆるガールズバーのようなスタイルのお店*1
  • キャスト(攻略可能ヒロイン)は3人。
    • 花奈(かな)
      • 明るく前向きな性格。ある夢のために上京してきたため一人暮らし。
    • 凜(りん)
      • 一見軽いノリの白ギャルだが、趣味はアニメやゲームなどオタク系のインドア派。
    • 美羽香(みうか)
      • クールで落ち着いた性格だが、やや口が悪い。年の離れた妹と二人暮らし。

来店時の流れ

  • バニーガーデンに来店すると、好感度が最も高いキャストが出迎えてくれる。
    • ただし土曜日に来店した場合は、3人のキャストのうち誰か1人が休んでいる。
  • まず自分が飲むお酒を注文する。注文したお酒の値段が高いほどキャストの好感度が上がる。
  • 次にキャストが飲むお酒を注文する。キャストごとに好みが異なる。
    • この際、お酒を注文しないと他のキャストが代わりに接客にやってくる。
    • 度数の高いお酒を注文すると、キャストが酔っ払う。口調やこちらの呼び方が変わったり、特殊な会話を聞けたりする。
  • お酒を注文すると、キャストが後ろの棚から瓶を取ってくれるが、この際にパンツが見える。その間、視点を操作したりズームしたりもできる。
  • その後は、「会話」「プレゼント」「フード」のいずれかを選択する。
    • 「会話」は基本の選択肢で、キャストとのおしゃべりを楽しめる。選択肢によっては好感度が上がったり、これまでの会話をちゃんと覚えていないと答えられないクイズを出されたりする。
    • あらかじめプレゼントを買っているとキャストに渡すことができる。こちらも値段が高いほど好感度が上がりやすい。渡した後は自動で会話が始まる。
    • 「フード」を選ぶと女の子に食事を注文することができる。お酒と同じく好みが決まっており、こちらも注文後に会話に繋がる。
  • 会話が終わると、「延長」(1日に2回まで、有料)するかを聞かれる。延長した場合は、再びお酒の注文から同じサイクルを繰り返す。
    • ある程度キャストの好感度が上がった状態で特定の日に2回延長すると、「アフター」として退店後に外でデートでき、普段の制服ではなく私服姿を見ることができる。もちろん費用はこちら持ち
  • 7月の「水着デー」ではキャストたちが水着姿で接客してくれる。

プレイルーム

  • キャストに誘われると「プレイルーム」で様々な遊び(ミニゲーム)を行える。有料
  • チェキ
    • キャストにポーズを取ってもらって写真撮影できる。ローアングルから撮ればパンツも見える。撮影に失敗した場合はやりなおしもできるが、追加料金がかかる
  • Tゲーム
    • ルーレットを回し、指示された場所にキャストが手足を置く、いわゆるツイスターゲーム*2。もちろんパンツは見え放題だが、ルーレットを回すたびに追加料金がかかる
  • 手押し相撲
    • 手のマーカーが重なるタイミングでボタンを押し、キャストを倒してパンツを見るゲーム。ちなみに失敗すると誤って相手の胸を押してしまうどっちに転んでも良いのだが、再挑戦にはもちろん追加料金がかかる
  • いずれもメニュー画面の「エクストラ」から自由に行うこともできる。水着衣装や酔い状態に変更も可能だが、チェキは保存できない。

VIP席(個室)

  • キャストの好感度が上がると奥の個室に案内されるようになる。無論有料
    • 個室では一緒のソファに座って隣で接客をしてくれるようになる。いわゆるキャバクラ形式。
  • 個室では「ASMRシーン」として、バイノーラルマイクで録音された特別なイベントが発生することがある。購入したプレイヤーだけのお楽しみということか、ここのみ配信禁止区間となっている。

行動選択肢

  • プレイ期間は5月上旬から~9月末までの5ヶ月間。ただし平日は自動で日付が進み、行動できるのは土日のみ。
    • 毎週土曜日に自動で給料が入り、これが主な軍資金となる。
  • 入店
    • バニーガーデンに行く。基本の選択肢。
  • ショップ
    • キャストへのプレゼントを購入できる。好感度が上がると下着やパンストが店に並ぶこともあり、キャストにプレゼントすると、以後その下着を着用してくれる
  • 派遣
    • 追加で仕事をしてお金を稼ぐ。土曜日にしか行えず、土日2日分の行動権が消費される。
  • ギャンブル
    • ランダムで所持金が増減する。ミニゲームなどはなく完全に運のみで結果が決まる。
    • 10回ギャンブルすると自動で日付が進む。逆に言うと9回ギリギリまでギャンブルしてからバニーガーデンに来店するのは休日の過ごし方としてはともかく可能。
  • 旅行
    • キャストの好感度を上げると一緒に旅行に行き、特別なイベントを見ることができる。もちろん大量の資金が必要
  • ちなみに行動選択を行う画面で隠しコマンド(公式Xより)を入力すると、キャストの衣装を常時水着や私服に変更できる。
    • 私服で接客してもらったりミニゲームできるのはこのコマンドを使ったときのみ。

成金モード

  • 3人のキャストのグッドエンドをすべて見ると解禁される。最初からお金を5000万円持ってスタートできる公式チートモード。
    • 実質的にお金が使い放題になるので、最高級のお酒とプレゼントで豪遊すればキャストたちの好感度も一瞬で上がる。3人のキャストの攻略条件を同時に満たすと見られる「ハーレムエンド」もこのモードなら楽勝。

評価点

  • 独自性の高いコンセプト
    • 恋愛ADV(ギャルゲー)と言えば学園ものが定番の中、「紳士の社交場」を題材にしているという独自性は『ドリームクラブ』と同様。
    • キャストとお客という特殊な関係、酔うと反応が変わる、エンディングでヒロインの本名がわかる、と言った『ドリームクラブ』ならではの要素も引き継がれている。
  • お色気要素もふんだん
    • キャストのパンツは毎日色や柄が変わるというこだわりよう。公式名称、PTA(パンツ・たくさん・ありがとう)システム略称にするほどでもない。
      • ちなみにプロデューサーの臼田裕次郎氏が手掛けた他作品にも同名の「PTAシステム」が存在しており、『バレットガールズ』は「パンツ・チラリ・アクション」、『オメガラビリンス』は「パイ・タッチ・アクション」となっている。
    • キャストの3Dモデリングも高質で、胸はことあるごとに揺れる。
    • チェキのポーズでは、「足の運動」と称して座って足の裏をこちらに向け上下に動かす、ASMRのセリフでは、主人公の固くなっている部分(※肩)をマッサージするなど、直接的ではないものの紳士にはわかる暗示も豊富。

賛否両論点

  • シミュレーションとしてのゲーム性・難易度はかなり低い
    • 前述の通り毎週軍資金は毎週自動で入ってくる上に金額も多めなので、普通にプレイするだけならそれだけで十分。
    • 「派遣」は土日が潰れてお店に行けない上に稼げる額も少ないため非効率。対して「ギャンブル」は9回までならターンを消費しないため、セーブ&ロードでリセマラすれば手間はかかるが確実に黒字にできる。お店に行くか、それとも我慢してお金を稼ぐか、といったゲーム性はかなり薄い。
      • 所持金がマイナスになると借金状態になってしまうが、2ヶ月以内に完済すれば特にデメリットはない。
    • ひたすら来店して目当ての女の子にお酒を頼み続ければクリアはできるバランス。プレイしやすいのは良いが、良くも悪くもゲーム性は薄い。
  • ヒロインが全員巨乳
    • 3Dモデリングの都合等もあるのか、キャスト3人の体型は全員ほぼ同じ。
    • 大きいに越したことはない派の紳士には単純に嬉しい点だが、この手のゲームはキャラクターごとにスタイル(胸の大きさ)で個性を付けるのが定番であり、その点から見るとバリエーションに乏しい。
    • ちなみにSteamでは、過去に貧乳キャラが登場するゲームが未成年とみなされ差し戻しになったケースや、BANされて販売不可になったケースが存在するため、そういった事情を鑑みている可能性もある。

問題点

  • 全体的な作業感の強さ
    • 前述のようにシミュレーション的なゲーム性は薄いため、プレイ時間の大半はひたすら好感度が一番上がるお酒とフードを頼み続けるだけの作業となる。
  • グッドエンドの条件が作中で明かされていない
    • 告白イベントを起こすには、キャストの好感度を上げた状態で、9月下旬の日曜日に来店しアフターに行く必要がある。これを知らないと、好感度が上がったからと安心して終盤に来店せず、バッドエンドの罠に嵌まってしまう。
  • エクストラから私服でミニゲームが行えない
    • あくまで隠しコマンドによるおまけ要素だからか、本編からしか行うことができない。
  • UIの問題点
    • お酒を頼んだ際、カーソルの位置が記憶されないため、特に高額のお酒を頼む際は毎回カーソルを動かす必要がありやや面倒。
    • ギャンブルをした際の演出も無駄に長い。特にセーブ&ロードで稼ぐ場合は何度も見ることになる。
      • もっとも、普通に目当ての1人を攻略するだけなら、定期収入のみで特に問題ないバランスではある。

総評

「紳士の社交場」を題材にしたコンセプトやゲーム性など、『ドリームクラブ』シリーズの精神的続編としてSNSでも話題になった作品。
高質なヒロインの3Dモデルや、お酒やお金をテーマにした独自性など、同シリーズの魅力はしっかりと引き継がれている。一方で、価格や開発規模を考えると致し方ないものの、全体的なボリューム減少やゲーム性の薄さは否めない。良くも悪くもコンパクトでカジュアルになった『ドリームクラブ』といったところだろうか。


余談

  • スピンオフ作品『へべれけ ばにーがーでん』が2025年10月9日に発売予定(Switch/Steam)。退店後に千鳥足となった本作のキャストたちを操作して家まで送り届けるアクションゲーム。
  • Switchダウンロード版が初出だが、荒い金遣いのネタプレイやパンツが拡散され話題となっていた。
    • Steam版は元々「今春配信予定」となっていたが、要望を受けて急ピッチで開発を進行、予定を前倒ししての配信となった。(参考:ファミ通
最終更新:2025年09月29日 17:56

*1 ただし作中では「ガールズバー」や「キャバクラ」といった単語は使われていない。

*2 一般的には複数人向けの遊びだが、本作でプレイするのはキャストのみ。