餓狼伝説スペシャル
【がろうでんせつすぺしゃる】
ジャンル
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格闘ゲーム
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対応機種
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アーケード(MVS) ネオジオ・ネオジオCD
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販売・開発元
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SNK
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稼働開始日
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1993年9月16日
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発売日
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【NG】1993年12月22日 【NGCD】1994年9月9日
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プレイ人数
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1~2人(同時プレイ)
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レーティング
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CERO:B(12歳以上対象)
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配信
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バーチャルコンソール 【Wii】2009年11月4日/926ポイント アーケードアーカイブス 【PS4/One/Switch】2017年7月13日/823円(税8%込)
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判定
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良作
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ポイント
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『餓狼2』のアッパーバージョン 多彩な連続技が可能に 過去作のキャラが復活 『龍虎』からリョウがゲスト出演 お祭り格闘ゲームの先駆け
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餓狼伝説シリーズ
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※本項では主にアーケード版を中心に解説します。SFC移植版は餓狼伝説スペシャル (SFC)を参照。
概要
「餓狼伝説」シリーズ第三作目。内容的には前作『餓狼伝説2 新たなる闘い』のアッパーバージョンである。略称は『餓狼SP』、『ガロスペ』など。
『2』の使用可能キャラ8人に加えて、使用不可能のボスキャラだった三闘士+クラウザーが使用可能になり、さらに初代『餓狼伝説』から「ダック・キング」「タン・フー・ルー」「ギース・ハワード」の3人が新たに描き直しや再調整を施されて追加。そして隠し要素として『龍虎の拳』より「リョウ・サカザキ」が参戦。キャラ総数は15人+隠し1人に倍増した。
ゲームバランス・ゲームシステムも『2』から改良と調整を施され、まさに完全版というべき作品に仕上がった。
同月に『スーパーストリートファイターII』が同時に稼働したことも手伝い、格闘ゲームブームの勢いに乗っ取り本作は大多数の客を獲得。一躍格闘ゲームの二大巨頭として注目されるようになった。
ストーリー性はなく、時系列や一部キャラの生死などの整合性も考えられていない。また一連の『餓狼伝説』の物語にも組み込まれていない。
このような、俗に言う「お祭りゲー」という方向性は、後のKOFこと『THE KING OF FIGHTERS』シリーズに受け継がれる事になる。
新要素・変更点
基本システム・操作方法等はほぼ『2』から継承しているが、大小さまざまな変更点が多い。
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『2』には存在しなかった連続技が可能になった(『2』ではのけぞり中無敵)。
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『2』の避け攻撃はガードポーズ移行中にしか出せなかったが、本作ではガード硬直中でなければガードポーズ中いつでも出せるようになり、使い勝手が向上した。
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『2』はヒット時に相手をダウンさせる必殺技が多かったが、本作では弱版がヒットした場合に「自動的に受身を取って復帰する」必殺技が多くなり、テンポの向上に繋がっている。
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必殺技によって「空中で受け身を取って着地する」ものと「着地後に体勢を立て直す」ものに分かれている。
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アクセル・ホークの飛び道具が真空カッターから、竜巻を発生させるトルネードアッパーに変更。
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公式には「真空カッターはアクセルの負担が大きいので、負担の少ないトルネードアッパーをマイケル・マックス(『餓狼1』の敵キャラ)に教わった」という設定になっている。
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これに合わせて、ボイスもマイケル・マックスのものを流用している。
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なお、真空カッターのパンチを振り回すモーションは、ボタン連打でパンチを繰り出す新必殺技「アクセルダンス」に流用された。
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『2』では不知火舞の必殺技「ムササビの舞」は舞ステージ限定だったが、どのステージでも使用できるようになった。
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一方でこの技、舞ステージとそれ以外では性能がかなり異なる。イメージとしては『ストリートファイターII'』のバルログのフライングバルセロナアタックの変化に近い。
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『2』に存在したローレンス・ブラッドの攻撃避けが削除された。モーション自体は(当時からあった)避け攻撃に残っている。
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対人戦において「挑戦者側のステージに移動」する仕様になった。
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このため三闘士で乱入すると、必ずラインの無い三闘士ステージでの対戦となる。当然、三闘士同士の対戦だと絶対にラインは存在しない。
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キャラクター選択画面が各キャラの集合絵から、『ストリートファイターII』同様に顔アイコンに変更された。
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カーソルを合わせたキャラは対戦中のグラフィックが表示され、決定すると挑発ポーズをとり、対戦前デモでのリングコール時には弱パンチ・強キックを披露する。
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この変更に伴い、非プレイアブルキャラであった三闘士やクラウザーにも用意されていた全身グラフィックが削除されている。
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クラウザーが『餓狼1』の登場キャラ達を倒していくデモシーン、それに関連したエンディングのカットシーンがカットされた。
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デモで倒されているダックとタンの参戦、およびストーリーがほぼ廃されていることに合わせた変更と思われる。
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各エンディングにおいて『2』のプレイアブルキャラについては絵が全て差し替えられ、テリー・十平衛・ビッグベア以外のキャラは台詞も変更されている。
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『2』ではストーリーありきの内容であったジョーとキムを除き、大筋の内容はほぼ『2』のままだが、絵柄の変更により稚拙さはだいぶ抑えられている。
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新規プレイアブルキャラについても、同様に新しくエンディングが追加されている。
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そのうちダック・アクセル・ギース・クラウザーの4名は台詞のボイスが英語になっており、日本語の字幕とは発言内容が異なっている。
評価点
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システム、ゲームバランスが調整された。『2』で問題となった斬影拳ハメ等は消去されている。
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バランスに難のある(後述)ライン移動を抜きにしても無敵時間のあるバックステップや避け攻撃の存在、軌道が大きいジャンプなどの調整により全体的に守りが強い一方、隙が少なめの突進必殺技や必殺技の削りダメージの大きさなどにより攻める楽しさも十分に味わえるゲームバランスとなっている。
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連続技の導入により、コンボの爽快感が味わえるようになった。
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本作は連続技のヒット数によるダメージ減少補正、いわゆるコンボ補正を初めて導入した対戦格闘ゲームと考えられる。
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キャラクター数は15人+1人と当時としては豊富。
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前々作で死亡したはずのギース・ハワードが参戦しているのも嬉しい点。時系列や設定を無視したプレイができる。
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後の『餓狼3』にて「実は死んでいなかった」と言う事になり、本作での追加技の一つもそれに関連した設定が付加されたが、この時点では一応死亡している。
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追加キャラの一人、ダック・キングは『餓狼1』では序盤の敵キャラの一人に過ぎなかったが、本作でコスチュームや登場ステージなどブレイクダンサーとしての個性を強めたキャラ付けが行われ、逆立ち回転で相手を巻き込む超必殺技「ブレイクスパイラル」は非常に格好良い上に性能的にもロマンと実用性を兼ねた秀逸なものであり、一躍魅力あるキャラとしてリメイクされている。
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隠しキャラクターとして、同社製の格闘ゲーム『龍虎の拳』の主人公「リョウ・サカザキ」が登場する。SNKの対戦格闘ゲームにおいて、別作品のキャラクターが参戦するのは本作が初めてであり驚きの声が上がった。
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設定上は『龍虎の拳』(1978年が舞台)は『餓狼伝説』(発売年と同じ1992年が舞台)より10年以上昔の話であるため、若い姿のリョウの参戦はある意味お祭りゲームならではと言えるだろう。
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基本的にCPU専用キャラであり、使用はメモリーカードを用いた対戦に限られるものの、必殺技や超必殺技も再現されている(覇王翔吼拳は通常必殺技。超必殺技の龍虎乱舞は投げ技扱いで、ガード不能。気力ゲージは無い)。原作で特徴的だった「龍虎音」は本作準拠のSEにて再現されている。
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専用ステージもゲスト出演らしく出典のキャラクターの何人かが登場しており、サプライズゲストで迎えてくれたような雰囲気を出すのに一役買っている。
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一方で、一部技のエフェクトに虎が描かれているといった独自要素が存在している(後述)。
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尚、当初は『ワールドヒーローズ』の主人公「ハンゾウ」や当時のSNK社長・川崎英吉氏などが隠しキャラの候補に挙がっていたらしいが、当時は傘下企業とはいえ他社のキャラであった事や、分かりやすいという理由から最終的にリョウで落ち着いたとのこと。
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SNKらしく背景のドットが緻密で、条件次第で様々な演出が挿入されるなど芸も細かい。一例を挙げると、ダックステージではディスプレイでダンシングしているダックが映っているのだが、その動きは本物のテレビの演出と比べても遜色ないほどに非常に秀逸。
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BGMの人気が高い。特に、ロックでありながらも何処か和風テイスト漂う「ギースにしょうゆ」は、現在もなお支持されている。
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「ギースにしょうゆ」は『餓狼1』の「ギースにキッス」のアレンジ。以後、ギースのテーマとして定着している(『龍虎の拳2』でもアレンジ曲(「ギースにキッス~サイバー・エディット」)が使用されている)。
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『2』同様、ビッグベアのテーマ「ターくんと北ピー」は、『餓狼1』の「勇者雷電(ライデンのテーマ)」のアレンジである。その一方同じ続投キャラであるビリー・カーンのテーマは、『餓狼1』の「橋を歩けば棒にあたる」アレンジではない(本作と『2』は共通して「ロンドンマーチ」)。なお、主人公3人(テリー、アンディ、ジョー)は『~1』でステージを持っていなかったため、専用BGMは『2』が初出となる。
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ちなみにここまで出てきたBGMのタイトルはそのまんまであり、タイトルが妙にはっちゃけてるのはSNK作品の常である。テリーのテーマこと「クリキントン」はマウントラッシュモアステージということでクリントン大統領をもじってクリキントン…という具合か。
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新規曲ではダック・キングのステージBGMである「Duck Dub Dub」がダンスミュージックのテイストを盛り込んだ変わった曲として一定の支持がある。
問題点
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このあたりからキャラクター性能が複雑化、超必殺技の威力が高いもののコマンドが複雑なのも相まって、「初心者お断り」の空気が漂い始めた。「対戦」面における難点と言える。
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中でもギースの超必殺技「レイジングストーム」とローレンスの超必殺技「ブラッディフラッシュ」は、後年でもなお格ゲー屈指の高難度コマンドとして名が挙がる。
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また、本作にはSNK格ゲーでは初出となる「上方向ことジャンプ入力を含むコマンド投げ」も登場した。ベアの必殺技「ベアボンバー」と、
「お便所ベイビィ!」
ことダックの超必殺技「ブレイクスパイラル」が該当する。
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前者はジャンプ入力が最後であるため、いわゆるスクリュー(パイルドライバー)コマンドに慣れていたプレイヤーにはさほどの壁でもなかった。
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しかし後者は途中でジャンプ入力を経由する必要があるため、地上で技の硬直やジャンプ中の入力を利用せず出すには精密かつ高速なレバー入力が要求される。立ち状態から前フリなしでこれを出す「立ち(地上)ブレスパ」「立ちベイビィ」はダック使いのステータスとなった。
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クラウザーの超必殺技「カイザーウェイブ」も、テンキー表示で「4溜め9+AC」、すなわち「真後ろ溜め→前ジャンプ入力+AC」という、単純ながら癖のあるコマンドになっている。溜め中はバレやすい上に下段がお留守になり、さらに入力失敗でジャンプしやすい。この失敗時のジャンプは俗に「カイザージャンプ」と呼ばれている。
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もっともこちらは一度出してしまえば硬直中に溜めを作れるので連射が可能となっている分、ここで挙げられている高難度コマンドよりは幾分か優しくなっている。
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『2』のバランス調整・発展バージョンではあるものの、対戦ツールとして見た場合はまだ理不尽さを感じる点が多々ある。
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A+Bのライン移動攻撃、および相手と別ラインにいる時に出せる転がり移動を繰り返せば、1ラインステージでない限りどのキャラでも延々とガン逃げできる。これを徹底すると実質、一度体力をリードしたら終了になってしまう。
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厳密にはクラウザーのみ追いつくことは可能なのだが、後述の通りクラウザーはライン移動攻撃の判定が非常に弱く、少し姿勢の低いしゃがみ技を出されると簡単に返されてしまうため、実質的に追いついても不利になる。
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現在でも本作をやり込み続けている所謂「ガチ勢」はいるが、彼らの間では「(2ラインステージでは)自分からライン移動するのは禁止」という暗黙の了解が前提の対戦になっている。
そのため「現在のキャラ評価」もそのルールありきの下で作られており、ゲーメストで言われていたダイヤグラムとは大分評価が違っているキャラが多い。
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『2』から大幅強化されたキム・カッファンが強キャラとなったが、強化幅が極端に大きい。ジャンプ後すぐに出せて奇襲や飛び道具へのカウンターとして強力な「飛翔脚」・完全無敵対空技の「飛燕斬」・隙がなくごりごり削る弱「半月斬」・同じく隙がなく連打でケズリ殺しも狙える超必殺技の「鳳凰脚」と、飛び道具がないことがハンデにならないほど強い。
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弱攻撃→少し歩いて弱攻撃→少し歩いて弱攻撃……が多段コンボになるキャラが少なからずいる。
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弱攻撃が届かなくなるあたりで強攻撃(+キャンセル必殺技)に繋いで〆るキャラが多いが、ダックなど弱だけで気絶に追い込めるキャラもいる。
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これができるキャラは、劣勢であっても小技の差し込みから大逆転を果たすチャンスが残されている。しかし、もともと最強とされるキムが「歩き弱P×4~5→強Por強K→キャンセル半月斬」のコンボを持っているので、対戦バランスが覆るような事は無かったが……。
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一方、弱いキャラはかなり厳しく、強キャラと弱キャラの差が大きかった。
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『2』で最弱とされたベアは、新技のコマンド投げ・ベアボンバーの追加こそあったものの、基本的な弱点が何も改善されておらず、コンボゲー化にも対応できていない。
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追加キャラであるタン・フー・ルーは、身体が小さい(≒クラウザーの飛び道具であるブリッツボール上段にあたらないほど当たり判定が小さい。)こと以外に利点がないとまで言われ、「ベアよりも弱い、ぶっちぎりの最弱」とまで評価する人も多い。
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本作のヒットによりSNK格闘ゲームはよりキャラクター性を前面に押し出すようになり、システム面でもコンボ重視の傾向を強めていく事になる。
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当時のSNK製及びネオジオで発売された格闘ゲーム全般に言えることだが、CPU戦の難易度は相当なもの。余程やりこまない限りはパターンを知らないとお話にならない。しかも後半になればなるほど理不尽に攻撃力が高くなる。
にもかかわらず隠しボスのリョウに会いたいなら1本も負けられないため、パターンを熟知して練習を積むのは尚更必須。
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この頃の格闘ゲームでは珍しくないが、本作も使用キャラと同じキャラを含めた登場キャラ全てとの「総当たり戦」方式のCPU戦となっている。しかし本作は登場キャラが15人(+隠しボスのリョウ)と多いため、必然的にクリアまでが長くなり、当然ながらそれ相応の根気と集中力も必要になるのも高難易度に拍車をかけている。
1クレジットで遊べる最大時間が長いとも取れるが、長過ぎるのもかえって「疲れる」という意見も少なからずあった。
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中でも山田十平衛は後の方に出てくるとアルゴリズムが非常に凶悪になるため、勝つのは相当難しくなる。そのためCPU戦を楽にしたいなら彼かその一つ前のタン・フー・ルーを1人目に選ぶのが基本と言われている。
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必殺技の大半が溜め技だが、CPUは「溜めなしで繰り出す」という理不尽な行動を行う。ズンズン接近しながら隙の少ない飛び道具「センベイ手裏剣」を連射し、プレイヤーが固まった瞬間に投げ技「ダッシュ二本背負い」「大いずな落とし」、本作で追加された「猫じゃらし」で吸い込むなど滅茶苦茶。体力点滅状態になると「大いずな落とし」の上位版である超必殺技「ダイナマイトいずな落とし」をやはり溜め無しで繰り出してくる。
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次点で、溜め無しライジングタックルを異常な精度で出すテリー。無敵時間も比較的長めな上に攻撃判定が広く、何をやってもカウンターされる危険性が高まる。デモ画面で見られるタン・フー・ルーとの対戦(両者CPU)が分かりやすい。最初はタンも攻撃を当てる事ができるのだが、途中から何をやってもライジングタックルで返されて負ける。
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そんな中ラスボスのクラウザーはライン移動攻撃が弱く、殆どのキャラのしゃがみパンチorキックで簡単に返せるため、ここまで来れたプレイヤーならばパーフェクトで勝つのは簡単。
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リョウ・サカザキの「虎煌拳」が虎型の気をぶつける飛び道具になってしまっている。
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『龍虎の拳』の設定ではリョウが「無敵の龍」、ロバートが「最強の虎」であり、「虎煌拳:(龍が)虎を煌う(敬う)拳」「龍撃拳:(虎が)龍を撃つ拳」が本来の意味である。それを本作スタッフが「虎が煌まう拳」「龍が撃つ拳」と勘違いしたようだ。
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「煌」は「きらめく」の漢字のため、「虎が煌めく拳」と勘違いしたのかもしれない。
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そもそも『龍虎の拳』スタッフでさえ設定を忘れているのか、正史である『龍虎の拳2』でさえ、リョウに「虎砲」ロバートに「龍牙」「飛燕龍神脚」が追加されている。
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更に後のKOFシリーズでもリョウに「猛虎雷神刹」ロバートに「地龍背穿脚」など、リョウが「虎」ロバートが「龍」だとイメージさせる技が追加されている。
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初代龍虎当時から「お互いを敬い合う」という設定は存在していたが、どちらが龍であり虎なのか混乱してしまうようなネーミングも見られ始めたせいか、後に後付けだが「お互いに技(名)を譲り合う」という設定も一応ながら付加されてはいる。
総評
ライン移動によるガン逃げやキャラバランスがお世辞にも良好とはいえないこと、CPU戦が難しいという問題点はあったものの、攻めの爽快感を追及した本作は、『ストリートファイターシリーズ』と並ぶゲームセンターの主役として一躍人気作となる。
SNKも本作の成功により、カプコンと並ぶ対戦格闘ゲームメーカーとして広く認知されることとなった。
移植
SNKの看板作になっただけあり、自社のネオジオ・ネオジオCDは勿論、X68k・FM TOWNS・SFC・GG・PCE・メガCD・PS2・360DLC・Wiiバーチャルコンソールなど多くのハードに移植されている。
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家庭用ネオジオ版は基本的には互換・同一規格のMVS(アーケード用ネオジオ)版と変わりはないのだが、対戦でのみリョウ・サカザキが使用できる。また、サウンドテストモードの裏技がある。
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ネオジオCD版は基本的には前述のネオジオ版(ROM版)と変わらないが、ハードとCDというメディアの性質故に長いロード時間がネックとなっている。それでも後年のデータ容量が比にならないレベルまで膨れ上がった作品群に比べたら速い方ではあるが。
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PCエンジン版は周辺機器のアーケードカードとCD-ROM2ドライブが必要(「Duo」シリーズなら「アーケードカードDuo」のみでよい)。SNKから資料提供を受けたこともあり、若干色がおかしいことを除けば動きも含めてNEOGEO版ほぼそのままである。
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また大容量RAMであるアーケードカード専用ソフトながら高速ロードを実現したことも高く評価されている。
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しかし揃える周辺機器が多い上にアーケードカードが高価だったのと、『2』と同様、過剰出荷したためあまり売れなかった。
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メガCD版は同世代の家庭用ハードと比べて発売時期が遅かった。
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「(出来の悪い)SFC版とは五十歩百歩」と言われるようなアレ過ぎる移植度がファンの間で有名。
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CPU戦の順番が「1人目と三闘士以降の相手を除いてランダム」に変更。
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勝利デモ・EDがBGMカットの上スタッフロールもカット。
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外注開発委託先が海外企業という事もあってか一部ステージ背景・演出のカットや一部背景がカオス化…等、
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ネオジオ版の再現なのか何故かクレジット(コンティニュー)制限があるのも地味に不便。
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BGMについてはネオジオ版を流用している為か、好評。
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ちなみにリョウ・サカザキがCPU戦でも使用可能。SFC版と違いコマンド入力の必要もない。
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余談だが本作のメガCD版が発売されたのは既に同じセガ製ハードの次世代機であるセガサターンが発売された後であり、先程で記したように再現度もお世辞にも高いとは言えなかったこともあってか「どうせならスペックが向上したサターンで出した方が良かったのでは」という意見もしばしば聞かれた。
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ゲームギア版は性能や容量の都合でキャラが大幅に減少していたり、エンディングの1枚絵のカット、2ライン制の廃止などの削除要素はあるが、キャラやデモ絵自体はAC版を忠実に再現していたりと携帯機ながら意外とあなどれない移植である。
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当時の携帯機への格ゲー移植としては数少ない、等身大のキャラクターを採用している。操作性も悪くなく、ゲームそのものもアーケードとはうって変わって非常にスピーディー、モーションの削減は殆どなくそれでいてフレームレートも60fpsを維持していたりと、一作品として良質な部類。
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最終ボスであるクラウザーが削除された替わりに、こちらもメガCD版同様、隠しキャラのリョウ・サカザキがゲームクリアによる解放や隠しコマンドの類を使わなくとも、最初から使用できる。オープニングもクラウザーが登場する部分が龍虎乱舞発動時のポーズを決めるリョウの一枚絵に差し替えられるなど芸が細かい。
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ジョー・東だけ性能が原作と違い、最後にタイガーキックを決めて倒すと多段ヒットを起こしたり、暫烈拳と同様ロック式の連打技になった爆裂拳などやや違和感があるが、特に支障はない。
最終更新:2025年01月26日 14:29