七怪談 -メッセージアプリ風ゲーム-
【しちかいだん めっせーじあぷりふうげーむ】
| ジャンル | シミュレーション | 
| 対応機種 | iOS 8.0以降,Android 5.0以上 | 
| メディア | ダウンロード | 
| 開発元 | グローバルギア | 
| 発売日 | 2016年1月22日 | 
| 定価 | 無料(広告視聴あり) | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| レーティング | 12歳以上対象 | 
| セーブデータ | 1個 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 有名な怪談の焼きなおし LINE風の対話システムとのミスマッチ感
 | 
 
概要
グローバルギア製作の怪談風ADV。LINE風の擬似的なアプリを舞台に、LINE友達となるキャラクターたちと文章をやりとりする内容。
主人公(=プレイヤー)は女子大生であり、大学生友達や高校にいる後輩、バイト仲間から相談をもちかけられる。
これらのLINE友達は化け物によって命の危険にさらされており、こちらがとった返答によって会話しているキャラクターの命運が決まる。
    
    
        | + | ストーリー | 
キャラクターとあらすじ
藤田つぐみ
大学のクラスメイト。とある理由から大学からの帰りが遅くなっており、話し相手になってほしいともちかけられる。
ひょんなことから、踏み切りで下半身を失って亡くなった女の人をテーマにした怪談を耳にすることとなった彼女だが、話を聞いた人には、下半身の無い女の人が襲い掛かってくるという。
 
三原れい
妹の友人で高校生。不審者情報があり一斉下校となったが、一人で帰宅しようとする彼女はとある不審者に出くわす。
 
小町ちとせ
近所に住む美術部の中学生。部活で描いている絵を仕上げるために居残っていたが、学校のトイレに立ち寄り怪異なる存在に襲われてしまう。
 
浜崎ことね
近所に住む高校生。自己主張が苦手で友達に「こっくりさん」で遊ぶように強要されてしまう。友達はとある秘密を抱えていて…。
 
月島としき
主人公のバイト先の同僚。
休憩中の公園で食べた弁当を地面に落としてしまうのだが、落とした弁当は奇妙な穴につながっており…。
 
花本すずな
高校の頃の部活の後輩。ドール用の洋服を作り主人公に見せに来るのだが、かつて捨てたはずの日本人形を見つけるのであった。
 
鳥井ひろむ
通っていた大学のOBで現在は営業部づとめの社会人。お金に困って主人公に相談を持ちかけてくる。
相談の内容は、彼がみた奇妙な夢の「お告げ」であった。
 | 
システム
- 
基本的な流れ
- 
LINE風の通話アプリにて、LINE友達がこちらに文章を送信してくるので、3つの返答から好きな返答を選ぶ。
- 
こちらが文章を送信してからしばらく待つと、さらにLINE友達から文章が送られてくるので、さらにこちらも返信する…といった流れでストーリーが進んでいく。
- 
キャラクターが返信してくるかどうかは、こちらが文章を送ってから何分何秒経ったかで判定される。文章を送ってさえしまえば、アプリをシャットダウンしていても時間経過はカウントしてくれる。
 
- 
各キャラにつきエンディングは5つ。バッドエンドが3つ、ノーマルエンドとグッドエンドがそれぞれ1つずつある。
 
- 
ろうそくによるED分岐
- 
各LINE友達との対話画面では、命に見立てた長さ10cmの「ろうそく」が据え付けられており、こちらのとった選択肢に応じてろうそくの長さが短くなる。
- 
選択肢は基本的に「正解」「はずれ」「大はずれ」の3つ。正解の選択肢を選ぶとろうそくの長さは維持され、外れの選択肢を選ぶと短くなる。
- 
最後まで会話したときにろうそくの長さが8cm以上であればグッドエンド。それ未満であればノーマルエンドとなる。
- 
時折、対話画面がおどろおどろしいBGMと雰囲気に包まれ、ろうそくの火が消えかかる演出が入る。このとき間違った選択肢を選ぶと、残りのろうそくの長さに関係なく一発でバッドエンド直行となる。
 
- 
最初は一人のLINE友達としか対話できないが、長時間プレイしていることで次第にLINE友達が増えていき最終的に7人になる。
評価点
- 
雰囲気づくり
- 
LINE風の通話アプリのデザインがホラーテイストとなっている。ゲーム中の色づかいが全面的に暗いほか、危険がさし迫っているときはBGMが変わるといった工夫もある。
- 
通話相手は怖い写真を定期的に送ってくるので、ただ怪談を読むゲームの枠にはとどまっていない。
 
- 
ほどよい不親切感
- 
LINE画面に表示されるロウソクが短くなったりするが、短くなることで何が起こるのかをあえてゲーム中では説明していない。初見プレイ時では、プレイヤーがとった行動が良かったのか悪かったのかすら分からないので、良い意味で不安感をかきたてる。
- 
かといって選択肢を選ぶだけのゲームなので、何をすべきか分からないといった事態にもなりにくい。
 
- 
手軽さ
- 
基本的にタップのみでゲームを進められる。難しい操作は必要ないので暇な時に片手間にプレイできる。
- 
一度見たEDは記録されいつでも見返すことができる。
 
賛否両論点
- 
EDのテイスト
- 
グッドエンドになってもキャラクターによっては、救いがないエンディングとなっている場合がある。
- 
怪談に後味の悪さを求めるならいいかもしれないが、全員を本当の意味での救済することはできない。
 
- 
逆にバッドエンドも妙にあっさりキャラクターが殺されるだけで終わってしまうようなものが多め。
 
- 
1キャラごとにエンディングが5つあること
- 
ひとりのキャラごとにEDをコンプしたいのであれば、そのキャラごとに5周程度の会話をやり直さなくてはならない。無料のADVゲーとしてみればボリュームは多いだろうが、面倒くさいともいえる。
 
問題点
- 
リアルタイムで誰かと話している雰囲気が出ていない
- 
明らかに化け物に追われているような状況だったり、第三者と会話中だったり、こっくりさんを遊んでいる最中であっても、流暢にLINE友達はLINEで文通してくるのでいまいちリアリティがない。
- 
返信時間についても、早ければ30秒経過後に返信してくるが、遅いと20~30分かかることもある。
- 
LINE友達以外の存在との対話になることも多い。ストーリーが中盤・終盤に差し掛かると、化け物の類が友達のLINEアカウントをのっとってプレイヤーへと会話を試みるケースがほとんど。
- 
化け物にのっとられたLINEアカウントは怪文書を送りつけてくるようになるので、怖さを醸し出すにはひとまず成功はしているが、結局対話アプリ風のコンセプトでやるには無理な演出となっている。
 
 
- 
各LINE友達にふりかかるストーリーの意外性はない
- 
どの怪談もネットで有名になった怪談や民話がベース。
- 
元ネタを知っていると話のオチや選ぶべき選択肢もおのずと予想がついてしまうことがある。
- 
おおむね、会話の流れを寸断しないような選択肢を選んでいれば正答となることが多い。
 
- 
LINE風の対話をするだけの内容なので、結局は対話文の応酬になってしまう。脅かしのギミックがある程度であり、読み物としての怪談の完成度は低い。怪談の元ネタを知らないと何が起こったのかよくわからない場合もありうる。
 
- 
グッドエンドを見るのがなかなか大変
- 
ろうそくの残り長さによるフラグ管理はなかなかシビア。ストーリー終了時にろうそく残り8.0cm以上をキープしたいならほぼすべて「あたり」の選択肢を選んでおかないと厳しい。
- 
多少の「はずれ」の選択肢を選んでもグッドエンドは見られるが、2回以上「大はずれ」の選択肢を選ぶと見ることが難しくなる。
- 
結局ストーリーを覚えて、どの選択肢を選ぶべきかの作業になってしまうきらいがある。
 
 
総評
おどろおどろしいBGMや画像の演出、怪文書による演出に光るものはあるものの、根幹のストーリーは有名な怪談の焼き直しであり、本作オリジナルの恐怖体験や純粋な意味での怪談としての怖さを味わいにくい。
選択肢を選ぶだけなので暇つぶしのゲームとしては機能しているが、場合によっては20~30分待たなければならないなど、手軽さに関しては課題がある。
十三怪談 -完全無料!メッセージアプリ風ゲーム-
【じゅうさんかいだん かんぜんむりょう めっせーじあぷりふうげーむ】
| ジャンル | ミニゲーム | 
| 対応機種 | iOS 8.0以降,Android 5.0以上 | 
| メディア | ダウンロード | 
| 開発元 | グローバルギア | 
| 発売日 | 【iOS】2016年8月11日 【Android】2016年8月8日
 | 
| 定価 | 無料(広告視聴あり) | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| レーティング | 12歳以上対象 | 
| セーブデータ | 1個 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 待ち時間に関する課題を一部改善 | 
 
概要(十三怪談)
上記の『七怪談』の続編にあたるゲーム。
本来は上記作の追加シナリオとしてアップデート予定だったが、諸事情により別アプリとして展開された。
前作からの変更点
- 
前作7人のLINE友達に加えて、新たに6人と会話できるようになっている。
- 
6人分の新規ストーリーも収録されている。『七怪談』で楽しむことができたストーリーはそのまま特に改変されずに収録されている。
    
    
        | + | 追加ストーリー | 
菊池ほのか
高校からの友達。入浴中に「だるまさんをころんだ」を思い浮かべると、不吉な目に遭うというオカルト番組を見てしまい、プレイヤーに不安を吐露してくる。
 
広瀬えり
大学の先輩。終電の後にやってきた電車にのることになったが、電車の終点は聞いたことの無い「きさらぎ駅」という場所だった。
 
成田すばる
近所に住む中学1年生。祖母の家で虫取りをしていたところ、白い服を着た異様に背の高い女性を目にする。
祖母にこのことを話したところ、とある事情があるのか部屋に閉じ込められてしまった。
 
黒崎かける
ダンスが得意な大学の知り合い。
田舎育ちで、帰省先の水田で白いくねくねとした怪異に出会う。彼はダンス対決を仕掛けるのだが…。
 
有村ひより
高校の頃の後輩。オカルト小説の執筆が好きで、曰くつきの場所を取材する行動力もある。
廃寺で古い木箱を見つけ持ち帰ったところ体調不良に襲われる。
 
沢口りょう
近所の定食屋の店長。彼の娘と山道でドライブ中にエンストしてしまった。
圏外なのでプレイヤー以外と連絡がとれなかったものの、彼の車には何かが近づいてきていた。
 | 
- 
返信までの待ち時間
- 
あと何分何秒待てば相手から返信がくるようになるか、表示されるようになった。
- 
スマホ画面を何度もタップすることで、返信までの待ち時間を縮められるようになった。
 
- 
ポイント制
- 
LINE友達への返信をするたびに10P稼がれるシステムを搭載。
- 
たまったポイントでヒントを見られる。ヒント機能を使うと3つの選択肢のうちどれが「あたり」「はずれ」「大はずれ」「バッドエンド直行」なのかを「◎」「○」「△」「×」で表記してくれる。
- 
最初は1人のキャラクターとしか対話できないが、ポイントをためて使用することで別のキャラとも対話できるようになっていく。
 
評価点(十三怪談)
- 
利便機能の追加
- 
返信までの待ち時間が表示されるようになった。プレイヤーはあといくら待てばいいか、アプリを中断するべきタイミングはいつかといった判断を下しやすくなった。
- 
ポイントをためる必要はあるが、ヒントを見る機能も追加されたのでグッドエンド自体は見やすくなった。
 
- 
LINE友達に追加できる友達を選べるようになった
- 
ポイントを消費して、新たに会話するLINE友達を選べるのだが、その選ぶ順番はプレイヤーの任意である。興味のある話を先にプレイしても良いし、後にとっておいてもいい。
 
- 
追加シナリオについて
- 
前作のシナリオと比べて、無茶な状況でLINEを送信してくるような事態は減った。
- 
無料のADVゲームであるが、キャラクターが13人かつそれぞれにエンディングが5つ用意されているのでボリュームはかなりのものになった。
- 
追加された6つのシナリオのテイストは、おおむね前作『七怪談』のときの7つの雰囲気に合致している。有名な怪談を焼きなおしたものであり、選ぶべき選択肢も見当がついてしまうことが多いが、前作の雰囲気は遵守している。
 
問題点(十三怪談)
- 
クネクネのストーリー
- 
追加ストーリーの中に、田園に人型の白いクネクネした存在を見つけるものがあるが、そこでのLINE友達の行動がおかしい。中途半端に英単語を織り交ぜたような文章(いわゆるルー語)をしゃべるほか、クネクネ相手にダンス対決をしようとするなど怪談としての緊張感が薄れるような行動をとる。
 
- 
待ち時間短縮の機能が弱い
- 
相手からの返信を待っている際、ろうそくの炎を連続タップすると待ち時間を縮められるシステムがあるがいまいち力不足。
- 
5分程度の待ち時間であれば、必死にタップすれば1分程度に短縮できるので使い道はあるが、20~30分の待ち時間をタップでなんとかするのは大変。あきらめてアプリをシャットダウンしてしばらくてから再開したほうがプレイヤー側からすれば疲れない。
 
 
総評(十三怪談)
前作の内容も内包しつつ新規シナリオを追加し、さらにはヒント機能、待ち時間に関するシステム改善を行った作品。
『七怪談』『十三怪談』いずれも未プレイというのであれば、本作『十三怪談』のプレイを推奨する。
最終更新:2021年06月05日 21:52