落っことしパズル とんじゃん!?
【おっことしぱずる とんじゃん!?】
ジャンル
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パズル
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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発売元
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ジャレコ
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開発元
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NMK
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発売日
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1989年9月29日
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定価
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5,600円
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プレイ人数
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1人
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判定
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なし
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ポイント
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単純明快だが少々単調すぎにも感じられる 不快なBGMに悩まされることも 女の子の描き込みが見事
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概要
1989年9月にジャレコから発売されたパズルゲームで、プレイヤーキャラには『ぶたさん』を採用している。
『上海』同様、麻雀牌を用いたパズルだが、特に麻雀の知識はいらない。麻雀牌を使用しているもののゲーム自体は『倉庫番』に近い。
麻雀牌は現実準拠なものだが、オリジナルの牌も多数出ている。
内容
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麻雀牌で構成されたスペースで指定された牌をすべて穴に落とせばクリアーという非常に単純明快なルールになっている。
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穴に落とせる数「イン数」の初期値がステージごとに決められており、余裕があれば指定された牌以外を落とすことができる。
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根本的には「決められた数の内に決められた牌を落とすか」にある。
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クリアに必要な牌だけでなく、それ以外のも落とすことで+αの得点を稼ぐことも可能。
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十字ボタンでぶたさんを動かし、Bボタンで牌をプッシュ、Aボタンならばパンチ。
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プッシュは1マスのみ動かし、パンチは直接触れた牌だけでなくその直線状にある牌もまとめて全部を壁にぶつかるまで動かす。
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ぶたさん自身は穴の上でも落ちたりはせず普通に歩くことができる。
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各ステージのクリア条件は「クリア牌」をすべて穴に落とすこと。
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失敗の条件は3通り。
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「失牌」(魚の骨のような絵が描かれた牌)を穴に落とす。
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「クリア牌」を落とし切れないまま「残りイン数」が0になる。
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「降参」セレクトを押すことでできる。1人失ってやり直し。
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一度も失敗(降参含む)せずにクリアすると「ノーミス」としてボーナス5000点が追加される。
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特殊な牌(麻雀では存在しないオリジナル牌)
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「失牌」(青い魚の骨)
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「もう一牌」(青い徳利)
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「アップル牌」(林檎)
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「レモン牌」(レモンの輪切り)
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「ピーチ牌」(桃)
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「ミート牌」(豚)
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クリア牌以外で特別な条件が付いてくる牌。
これらは普通の麻雀牌の中から、面毎に特定のものが決められている。
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チャンス牌
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対象の牌を落とすと、その面では以後入る点数が倍になる。
対象の牌を2つ落とせば4倍、3つ落とせば8倍になる。ただし、それで頭打ちで4つ目以降を落としても8倍のままで、特にボーナス点などもない。
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ボーナス牌
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面クリア時にはクリアの仕方により1~5の評価がされ、その数だけスターがもらえる。
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スターはストックされており、10個集まると残り人数が1人増える。
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また、面によっては配置されている牌を落とすことで字一色などの役満が成立することがあり、その場合は特別なファンファーレとともに役満と同じ点数がもらえる。
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パスワード。
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文字ではなく麻雀牌で構成されており、萬子9種・筒子9種・索子9種・字牌7種の34通りが文字の代わりに使われている。この絵面8つの並びで構成される。
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基本の99面をクリアすると、一度エンディングを挟んでタイトルに戻り、裏ステージ全40面に挑戦。
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この時得点はキープされているが、残人数は初期状態に戻ってしまう。
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トータルで139面ということになる。
評価点
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ルールは単純明快でわかりやすい。
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そのため大抵の序盤面のクリアだけならば、低年齢層でも難しくはないので徐々に慣れていける。
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特に序盤面は簡単なものばかりなので適当に蹴っているだけでもクリアできるため、まず操作を覚えてゆっくりルールを覚えていくこともできる。
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クリア時の女の子の一枚絵が豊富。
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ファミコンにしては鮮明に描き込まれており、ある意味本作の目玉な部分である。
賛否両論点
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ステージは全139面と豊富なのだが、クリアだけがやっとの面や簡単なだけでなく作業的な面も相当な数がある。
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パズルゲームにしてはクリアするのが呆気なさすぎる実質通過の面だけでなく、スコアアタックの意味合いでも、ただ単純にクリアするだけでその幅もないステージも少なくはない。
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特に後半はやっとこクリアするだけの面が多く、そんな面ではボーナス牌やチャンス牌などもない。
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そう考えるとスコアアタック要素のあるステージは終盤はほとんどなくなる。
問題点
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ゲーム本編部分は全体的に地味臭さが目立つ。
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クリア時の女の子のグラフィックの多彩さの反面ゲーム本編はとにかく純粋にハイスコアを目指すことにあるが、下記の通り高得点につながる牌などを落としても、無演出で処理だけが加算されるだけというのは無機質な一面が強い。
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ボーナス牌や、特殊な牌を落としても特に特別なSEもなく他の牌と何ら変わりない。
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そのため折角付加価値のある牌を落としたのに、それが今一つ伝わりにくい。
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パスワードが非常に扱いにくい。
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このようなゲームならバックアップでなくとも文句の出るレベルではないが文字ではなく麻雀牌で構成されているため、他のゲームのように文字や数字でないため書き写しが少々面倒。
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現在ならばスマホやデジカメで簡単に記録できるのだが当時は紙ベースで手書きによる書写ししかできなかった時代なので、このような形ではメモすることが非常に面倒くさいものだった。
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文字34種類で8文字構成ならば本来ならば手軽で便利だっただけに結果的にこだわりが裏目に出ている。
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BGMの出来があまり良くない上に、雰囲気に合わないものも多々ある。
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『おにゃんこTOWN』のような短周期で洗脳的な曲調のものまであり、考えているとイライラを促進してしまうものまである。
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クリア時のSEも、ファンファーレにしては今一つ喜びの気分を高めるものではなく、むしろズッコケたようなイメージである。
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裏ステージをクリアしても、エンディングは表99面をクリアしたのと同じ一枚絵でしかない。
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折角そこまでクリアしたならもっと特別な演出がないと達成感が削がれる。
総評
クリア時の女の子のグラフィックはよくできているものばかりで華やかさがあるがゲームそのものを見ると、とにかく単調で地味なせいもあってモチベーションの持続がしにくい。それでいてBGMも聞き心地の悪さからプレイ意欲の阻害になりかねない。
ゲーム初心者にとってはとっつきやすい利点はあるものの長時間続けていくとなるとだれやすく、上級者にとっては爽快感のなさもあって退屈に感じやすい。むしろ膨大なステージ数という強みがむしろ仇になっている一面もある。
スコアアタックが許される面ではハイスコアを目指しクリアだけの面はいかにパズルを解くといった部分にどれだけ楽しみを感じられるかで本作自身の賛否イメージが変わることだろう。
余談
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本作は元々アーケードでの展開を目論んで開発されたが結果的にはボツとなり、ファミコン用ソフトとして発売された。
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ただしこれを元としてNMKと関わりのあった韓国のドーヤン社から、グラのみを変えて『YAM!YAM!?』(ヤムヤム)として同じゲームがリリースされている。
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こちらではプレイヤーキャラはタヌキになっている。女の子のグラフィックは残念ながらナシ。
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日本でも1995年2月にスーパーファミコンソフトとして『ヤムヤム』(バンダイ)というタイトルのゲームが発売されているが、これは完全に別物。
最終更新:2024年01月06日 05:59