ボンバーマンウォーズ
【ぼんばーまんうぉーず】
ジャンル
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テーブルゲーム
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対応機種
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プレイステーション セガサターン
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発売元
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ハドソン
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発売日
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1998年4月16日
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定価
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5,800円
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プレイ人数
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1人~2人
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判定
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なし
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ポイント
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テーブルゲームとなったボンバーマン ボンバーマンワールドの「先代たちの戦い」を描く
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ボンバーマンシリーズ
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概要
本作の数か月前に発売された『ボンバーマンワールド』の関連作。
ボンバーマンワールドにおける「先代たちの戦い」を描いた作品となっている。
あちらのバトルゲームに登場したキャラクター、及びノーマルゲームに登場した「ダークフォースボンバー(アースボンバー、サイクロンボンバー、ファイアーボンバー、アクアボンバー)」が本作でも登場する。
従来のボンバーマンシリーズと異なり、ジャンルがアクションから将棋・チェスに似たテーブルゲームとなっている。
ゲームシステム
ゲームモードは「クエストモード」と「バトルモード」の2種。
爆弾を用いてバトルを行うのは従来のボンバーマンシリーズと同様であるが、テーブルゲームとしてアレンジがなされている。
基本仕様
「概要」にも記載した通り、本作は従来のボンバーマンと異なり、将棋・チェスに似たゲームとなっている。
「キング」を含むユニット5人でパーティを組み、碁盤状のフィールドでバトルを行っていく。
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バトルはターン制。自分のターンに自身のユニットを操作した後、相手のターンに移る…という流れを交互に繰り返す。
爆弾を使って相手のユニットを倒していき、「相手のキングを倒した」または「相手のキング以外のユニットを全て倒した」プレイヤーが勝利となる。
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1ターンに各ユニットが行える操作は、基本的に「移動」と「バクダン・特殊能力・アイテムのいずれか一つ」。
ただし、一部ソフトブロックから入手できるアイテムについては、「バクダン・特殊能力・アイテムのいずれか一つ」とは別に操作が可能。
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これらの操作の順番は任意であり、爆弾設置後に移動することも、その逆も可能。
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「移動」は現在のマスから「移動力」の範囲内でユニットを移動させる。
移動方向は上下左右の4方向。
他のユニットや爆弾、障害物があるマスには移動できない。
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「バクダン」は「爆弾設置距離」の範囲内で爆弾を置く。
こちらも「移動」と同様、他のユニットや爆弾、障害物があるマスに爆弾を置けない。
従来のボンバーマンシリーズと同様、爆弾の所持数分置くことができ、所持数分置ききった場合、置いた爆弾が爆発するまで置けなくなる。
なお、1ターンにおける爆弾の数は各ユニット共に1個だけ。
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爆弾の左上には数字が記されており、設置後は「5」と表示される。
ターンが変わるごとに数字が4・3・2・1とカウントダウンが進んでいき、数字が「0」になったターンの開始時に爆発する。
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それぞれの爆弾には火力が設定されており、通常は2マス。
爆風は従来のボンバーマンシリーズと同様、上下左右の4方向。
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爆風に当たった爆弾が誘爆するのも、従来のボンバーマンシリーズと同様となっている。
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画面の右下にはターン数を示す数字が表示されている。
通常は30ターンとなっており、ターン数が0になるとフィールド上に爆弾がランダムで降ってくる「サドンデス」に突入する。
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各ユニットには「移動力」と「爆弾設置距離」が設定されている。
ユニットによっては「特殊能力」を持つものも存在する。
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「移動力」は1ターンに移動できるマス数を表す。数値が大きいほど1ターンに多く移動できる。
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「爆弾設置距離」は、爆弾を置ける射程を表す。数値が大きいほど遠くに爆弾を置ける。
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「特殊能力」は2種類あり、各ターン中に操作して使用するものと、移動時に発揮するものとに分かれる。
前者は爆弾のカウントを変化させたり、他のユニットを移動させるような効果を持つ。
後者は障害物を飛び越えたり、特殊な地形を無視して移動できる効果を持つ。
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本作に登場するユニットは、中世ファンタジー風のキャラクターとなっている。
「ボンバーマンワールド」のバトルゲームに登場したキャラクターも引き続き登場しており、戦士や僧侶、魔法使いといった王道のキャラクターに加え、盗賊や狩人、果ては巨人や侍をモチーフにしたものも。
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設定上、本作で使用可能なユニットは「ライトフォースボンバー」と称される。
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ステージによってはソフトブロックが設置されている場合もあり、爆弾で破壊するとアイテムを入手できる。
アイテムの効果は従来のボンバーマンシリーズに準拠しているが、一部本作のシステムに合わせて効果が変更されている。
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登場アイテム
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ボムアップ:爆弾の所持数が1つ増える。(最大8個)
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ファイアーアップ:爆弾の火力が1マス増える。(最大8マス)
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フルファイアー:爆弾の火力が最大になる。
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スピードアップ:移動力が1マス増える。
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ゲタ:移動力が1マス減る。
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リモコン:リモコン爆弾を設置する。
リモコン爆弾の数字は「R」となっており、ターン経過でカウントが変化しない。 リモコン爆弾を置いたユニットで「リモコン」を選ぶと、カウント1の爆弾に変化し、次のターン開始時に爆発する。
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ただし、特殊能力等によりカウントが変更された場合、通常の爆弾扱いとなり、「リモコン」でカウントを1にできなくなる。
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ボムキック:アイテムを所持しているユニットで「ボムキック」を選ぶことで、隣接している爆弾を他の障害物に当たるまで移動させる。
移動方向はアイテムを使用したユニットの向いている方向と同じ。
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タイマー:全ての爆弾のカウントを2つ増やす。
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ハート:一度だけ爆風を受けてもやられなくなる。
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タマゴ:乗り物に乗る。乗り物は「ドラゴン」と「ケルベロス」の2種類。
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前者は障害物を飛び越える能力を持つ。
後者は特殊能力こそ無いものの、移動力が高く、爆弾の所持数が初期状態で2となっている。
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乗り物に乗っている状態で爆風を受けると、元の状態に戻る。
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コイン:クエストモード限定。勝利時にボーナスコインが多くもらえる。
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クエストモード
従来のボンバーマンシリーズにおける「ノーマルゲーム」にあたるモード。1人プレイ用。
4人の「ダークフォースボンバー」及び本作のラスボスを倒すことが目標となる。
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ワールドが5×5の碁盤状になっており、ワールドの中心にある「ボンバー城」を拠点に攻略を進めていくことになる。
開始直後は上下左右に隣接した4つステージしか攻略できないが、ステージで勝利するごとに隣接したステージが解放されていく。
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各ステージでは、こちらと同じく「ライトフォースボンバー」により編成された相手パーティと対戦する形になる。
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なお、必ずしも全てのステージを攻略する必要は無い。
ダークフォースボンバーの4人はワールドの4隅のステージに存在するため、最低でも13ステージ攻略すればクリアは可能。
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ステージで勝利するとボーナスコインが手に入り、ボンバー城でアイテムが購入できるようになる。
自分のユニットが誰も倒されることなく勝利した場合は、より多くコインが手に入る。
なお、ステージで敗北しても特にペナルティは無い。
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ゲーム開示直後は使用できるユニットが限られているが、ステージ攻略を進めることで使用可能なユニットが増えていく。
使用可能なユニットが増えた場合、ボンバー城で知らせてくれる。
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ボンバー城ではゲームデータのセーブの他、以下の行動が行える。
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パーティ編成:バトルに使用するユニットを選択してパーティを組む。
なお、パーティには同じユニットを2人以上使用できない。
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アイテム購入:ボーナスコインを消費し、ボンバーアキンドからアイテムを購入する。
同じアイテムは複数所持できないが、ユニットの移動力を上げたり、サドンデスに強制的に突入したり、果ては自分ターン終了後に再び自分のターンにする等、ソフトブロックから手に入るアイテムよりも強力な効果を持ったアイテムも。
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ダークフォースボンバー戦のみ通常のバトルと異なり、「ターン数が60ターン」「ダークフォースボンバーを倒さなければ勝利とならない」仕様になる。
4人目のダークフォースボンバーを倒した場合、そのままラスボス戦に突入する。
バトルモード
対人用のモード。各プレイヤーごとにパーティを編成してバトルを行う。
クエストモードとは異なり、こちらでは同じユニットを複数使用してパーティを組める。
ステージ数は8つ。
評価点
可能な限り従来のボンバーマンを再現したゲームシステム
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ユニットや爆弾を駆使して相手を追い詰め、爆弾で倒していく…という流れは、従来のボンバーマンシリーズの流れを汲んでいる。
基本的なボンバーマンでのバトルの流れを、テーブルゲームのシステムに落とし込めている点は充分評価に値する。
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一方で、従来のボンバーマンと異なり、ユニット同士が同じマスに移動できないようになっている。
これを利用し、自分のユニットを使って相手のユニットの移動を妨害し、爆風から逃れられなくするといった本作ならではのテクニックがある。
従来のボンバーマンとは違ったバトルの進め方ができる点は、充分新鮮味があると言える。
やり応えのあるボス戦
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ダークフォースボンバーの4人とも、通常のユニットに比べて強力な特殊能力を持っている。
その能力は「手持ちの爆弾を一直線に配置」「他のユニットや爆弾を突き飛ばす」「8マス先にある爆弾のカウントを1にする」「自分の周囲の爆弾を消す」といったもの。
加えて、移動力・爆弾射程距離・爆弾所持数などが通常のユニットよりも高くなっている。
相手の特殊能力を受けずに、如何にして自分のユニットの攻撃を通していくかを考えながらバトルを進めていく必要があり、やり応えは高い。
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ラスボスに至っては、上記のダークフォースボンバーの特殊能力をほぼ全て所持している。
加えて、4人目のダークフォースボンバー戦に勝利後、即座に連戦となるため、ダークフォースボンバー戦の時点からこちらの消耗を抑えつつバトルを進める必要もある。
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また、特定の条件を満たすと、とあるステージにてハドソンのマスコットキャラクターである「ハニー」「小鉄」とも対戦できる。(隠しボス扱い)
彼らに勝利しても特に特典は無いが、舐めてかかると痛い目に遭うため、気が抜けない相手となっており、おまけ要素として充分楽しめるようになっている。
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ハニーは特殊能力こそ無いものの、爆弾射程距離5マスと全ユニット中最長の射程を誇り、爆弾所持数の多さと合わせて遠距離から次々と攻撃を仕掛けてくる。
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小鉄は移動力・爆弾射程距離こそ平凡であるものの、4マス先にある爆弾のカウントを1にする特殊能力を持っている。
バトル中の演出
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爆弾を設置する際、キャラクターに応じてエフェクトが発生するようになっている。
通常は爆発のエフェクトであるが、ユニットによっては魔法のようなエフェクトだったり、炎の中から爆弾が出現するようなエフェクトになっていることも。
従来のボンバーマン作品には見られなかった演出であり、工夫を凝らしていることが見受けられる。
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各ユニットが爆弾を設置した時や特殊能力・アイテム使用時、ユニットがやられた際のボイスも用意されている。
ボンバーマンワールドにおいてもダークフォースボンバーのボイスが用意されていたが、本作ではライトフォースボンバーについてもボイスが付けられている。
セリフの内容は掛け声程度であるものの、ユニット毎にセリフの内容が異なっており、聞き比べるのも一興である。
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各ユニットのキャストはダークフォースボンバー役の声優陣が兼役している他、ボンバーマンシリーズのCMでおなじみの杉山佳寿子氏が担当している。
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ダークフォースボンバーについては、ボンバーマンワールドのキャストが続投している。
中世ファンタジー風の世界観
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ライトフォースボンバーのモチーフを始めとして、中世ファンタジー風の世界観を無理なくボンバーマンに落とし込めている。
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各ステージも平原や海、山岳といった自然物や、船上や神殿といった人工物まで様々で、いずれも中世ファンタジーに登場しても違和感がないものばかり。
ハードの性能に合わせ、グラフィックも丁寧に描写されている。
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BGMも従来のボンバーマンシリーズとは異なり、クラシック調の勇壮な曲が多くなっている。
曲数こそ多いとは言えないものの、いずれも本作の世界観にマッチした曲調となっており、中世ファンタジーらしい雰囲気作りに一役買っている。
問題点
システム・演出に起因する爽快感の欠如
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バトルシステム上、爆弾の爆発に5ターンを要することもあり、従来のボンバーマンシリーズに比べるとゲームのテンポが落ちてしまっている。
従来のボンバーマンシリーズでも、置いた爆弾は即座に爆発せず、少し時間をおいてから爆発するようになっているため、その点を再現したと思われる。
ただ、ターン制のバトルシステムになり、1回のバトルに時間を要するようになった点も踏まえると、従来のボンバーマンほど爽快感は得にくい。
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また、ユニットがやられた際、「爆風の中で回転し続け、断末魔のセリフをしゃべった後に消滅」という演出が挟まる。
演出のスキップはできず、そのターンにやられた全ユニットに対し、1体ずつ演出がなされるため、こちらもゲームのテンポを落とす要因になっている。
なお、従来のボンバーマンシリーズでも、キャラクターがやられた時の演出はあるものの、ごく短時間で終わるものであった。
アイテム頼みの戦術に頼れない
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本作のステージは、クエストモード・バトルモード共にソフトブロックが存在しない、あるいはソフトブロックが少量しか配置されていないステージが大多数を占める。
仮にアイテムを入手できたとしても、せいぜい1~2個程度になりやすく、劇的なユニットの強化は見込めない。
そのため、従来のボンバーマンシリーズのように「序盤にソフトブロックを破壊してアイテムを集め、強化する」という戦術に頼れず、初期状態の能力のユニットで戦わざるを得ない状況に陥りやすい。
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ソフトブロックが配置されているステージでも、相手パーティへの進攻方向から外れたところに固まっているケースがほとんど。
爆弾の爆発に5ターンを要する点も相まって、アイテム狙いでソフトブロックへと向かうと、5ターンもメインの進攻から外れざるを得ない。
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仮にソフトブロックを破壊しても、有用なアイテムが出るとも限らないのが悩みどころ。
クエストモードにて「ソフトブロックを破壊したが、中身はコイン」だったという光景はザラ。
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テーブルゲームとして見れば、あらかじめ性能が固定された駒・ユニットを用いて勝負を行う仕様そのものは問題ない。
しかし、ボンバーマンとして見ると、アイテムによるパワーアップが見込めない点は、シリーズ経験者にとって物足りなく感じる。
クエストモードにおけるパーティの仕様
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クエストモードではパーティに同じユニットを2人以上入れることができない。
ステージによっては、同じユニットを複数入れたパーティを相手にすることもあるため、少々理不尽。
ボンバーヒーローの扱い
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パッケージ及びタイトル画面のセンターに登場している「ボンバーヒーロー(金属鎧を着こんだボンバーマン)」の扱いが不憫。
一見すると本作の主人公として使えるように見えるが、クエストモードではゲーム開始時のチュートリアル(ボンバー城)でしか使用できず、バトルモードでは使用不可となっている。
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これに関してはストーリー面、ユニットの性能が影響していると思われる。
クエストモードにて、「チュートリアルに登場する敵を倒す→平和を取り戻す→ボンバーヒーローがボンバー城の王となり、ボンバーキングとなる」というストーリーが描かれており、ボンバーヒーローとボンバーキングが同一の存在であることが示されている。
また、ボンバーヒーロー自体も移動力3・爆弾射程距離3と、他のユニットを喰ってしまう位の性能の高さを誇っているため、普段のバトルで使用できないようになっているのも致し方ないのだろう。
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特定の条件を満たせば、クエストモード限定でボンバーヒーローの代替ユニットといえる「ボンバープリンス」が使用可能。
ゲーム内で出現条件は一切明かされないものの、その分移動力3・爆弾射程距離2と十分な性能を誇っている。
特徴的な斜め視点
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本作発売当時にPS/SSで登場したボンバーマン作品と同様、斜め視点になっている。
本作ではステージはもとより、ボンバー城内、ワールドも全て斜め視点となっている。
ボンバー城内やワールドの操作は慣れれば問題ないが、ステージによっては障害物で移動・爆弾設置可能なマスが分かりにくくなる場所も存在する。
総評
従来のボンバーマンのゲームシステムを、ジャンルの異なるテーブルゲームに落とし込んだ異色のボンバーマン。
爆弾を使って相手を倒すというコンセプトはそのままに、テーブルゲームのシステムで可能な限り再現を試みた点は評価できる。
一方で、「爽快感のあるバトル」「アイテムでボンバーマンを強化していく」といった、従来のボンバーマンシリーズにあった良さが失われているのもまた事実。
従来のボンバーマンシリーズと同様に構えているとギャップを感じやすいだろう。
とは言え、ボンバーマンシリーズで唯一のテーブルゲームであり、本作以降に同様のコンセプトの作品がシリーズから登場していない点を踏まえると、稀有な存在と言える。
いつものアクションではなく、違ったタイプのボンバーマンに触れてみたいのであれば、本作を手に取る意義もあるだろう。
余談
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シリーズでも異色作かつマイナーな作品故に、コミカライズなどの展開も無かったのだが、コミックボンボンで連載されていた『みなさ〜ん!ボンバーマンですヨ!!』(著・佐藤元)の終盤は中世ファンタジー世界が舞台となり、部分的に本作をモチーフとしていた。ストーリー自体は別物だが、本作に関連する内容も少し描かれている。
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同作は独特のテンションながら『スパボン3』『スパボン4』『サタボン』と原作要素もしっかり取り入れていたが、後半以降はゲームとほぼ関係無く当時の流行に乗りまくったギャグ・パロディ漫画へと路線変更していった。その路線自体は最後まで続いたが、終盤にて再び取り入れられた原作要素が本作と『ワールド』であった。
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ただし、漫画自体は打ち切りとなり、この中世編は単行本未収録となってしまった。
最終更新:2024年01月05日 18:29