妄想凶ザナトリウム
【もうそうきょうざなとりうむ】
ジャンル
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ノベルアドベンチャー
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対応機種
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Nintendo Switch PlayStation 5 PlayStation 4 Xbox Series X/S Xbox One Windows(Steam/Microsoft Store)
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発売元
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ケムコ
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開発元
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Pageratta
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発売日
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2024年4月26日
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定価
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880円
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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IARC 16+(16歳以上対象)
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判定
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なし
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ポイント
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漫画家制作フリーゲームの移植 妄想と現実のギャップを描く
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ケムコノベルアドベンチャーシリーズ
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概要
漫画家・ぱげらった氏が制作したフリーゲームの移植作品。なお、原作であるフリーゲーム版は2024年現在も配信中であり、PC用ソフトの他、投稿サイト経由でブラウザゲームとしてもプレイができる。
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ケムコによるパブリッシングに辺り、UIはケムコ製ノベルゲームと同様のものに変更された他、特別エピソードとCGギャラリーが追加されている。ギャラリーを全て埋めればキャラ設定の閲覧も解禁される。
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特別エピソードは(本編のネタバレを多少含むものの)完全に本編から独立した内容であり最初からタイトル画面にて選択が可能。
あらすじ
公式サイトより引用。
世界中で妄想や幻覚症状を引き起こすウィルス“スピリア”が流行。
主人公、玄崎 類(ゲンザキ ルイ)も、運悪くスピリアに感染して幻覚が見えるようになってしまう。
そして、妹の萌音(モネ)に連れられて神川サナトリウム病院という施設に入院することになるが…。
登場人物・用語
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玄崎類
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主人公。剣道部員である大学生。スピリアに感染しており、幻覚症状に悩まされている。
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玄崎萌音
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天星理座(テンショウ リザ)
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ヒロインの一人。ルイの初恋の女性であり、彼女もスピリアに感染した。そのためか、会話の内容が支離滅裂気味。
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ゲル二
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類が見る幻覚であり本作のマスコット。左右が赤と緑に分けられた脳みそが見えてるハイテンションな性格の髑髏であり、ルイを小馬鹿にしている。
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アンリ
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神川サナトリウム病院の院長。ルイの妄想なのか、何故か常にガスマスクを付けライフルを携えた女性。
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スピリア
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劇中に登場する病気。蚊など血液を媒介として感染し、妄想や幻覚を引き起こすとされる。
評価点
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「妄想」をテーマに緩急が豊かに付けられつつ纏まった王道の展開。
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主人公は妄想や幻覚に苛まれているという「信頼できない語り手」であり、最序盤から怪物の存在や鉄格子に覆われた病院などの怪現象、
ゲル二やアンリといったコメディチックな強烈なキャラクターも現れて、ホラーとコメディが交互に挟まれる形で物語が進んでいく。
これらの妄想は伏線も兼ねており、後半からはそれまでの伏線が一気に明かされコメディ描写もほぼ無くなり、怒涛の展開へと一気に駆け抜ける事となる。
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ぱげらった氏が立ち絵・背景・スチルを全て描いているため画に統一感がある。種類もなかなか豊富。
賛否両論点
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ネタバレ注意
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最後の最後で謎が残った事で選択肢が出るが、最初は片方を選ぶことが出来ず一旦もう片方の選択肢を選び、エンディングを見た後、先ほどの選択肢へと戻される(見ないことも出来る)。
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そこで更なるエンディングに分岐するのだが、どの選択肢を選んでも謎が残されたままとなる。
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最も要約すれば「真実を全て明かす事が正解とは限らない」という内容であり、妄想と現実の差を描いた本作ならではの落としどころとも言えなくはない。
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問題点
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若干割高感がある。
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総プレイ時間は1〜2時間程度と短く、内容も追加はあれど原作とほぼ同じ。
原作は現在も配信中であり、人によっては880円の定価は高いと感じるかもしれない。
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ギャラリーモードでCGの拡大縮小が出来ない。
総評
「妄想と現実」を題材に上手く纏まった短編ノベル作品である。ちょっとした映画を見る感覚で味わえば価格相応と言えるかもしれない。
余談
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原作であるフリーゲーム版は「妄想狂ザナトリウム」と1字違いとなっている。
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個人での配信がされる予定だったSteamにストアページが登録された際、原作と同じタイトルとなっていたようだ。規制に引っかかったのだろうか。
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当初はSteam版は上記の通りで2023年内に配信される予定だったが、何か問題があったのか一向に配信されず、現在のケムコがパブリッシャーが付く形で配信に至った。
最終更新:2024年11月06日 15:01