ポップンミュージック Jam&Fizz

【ぽっぷんみゅーじっく じゃむあんどふぃず】

ジャンル 音楽ゲーム
対応機種 アーケード
販売・開発元 コナミアミューズメント(2025/09/30まで)
コナミアーケードゲームス(2025/10/01以降)
稼動開始日 2024年9月25日
判定 良作
ポイント アーケード音ゲーとして堅実に仕上げた一作
解禁イベント含めエンジョイ勢・初心者でも安心して楽しめる
曲別オプション保存機能やクイックリタイア、ガイドSEの音量設定追加でプレーもさらに快適に
EXTRA STAGE専用楽曲実装
Vtuber(hololive)の楽曲がついにポップンに登場
他機種とは一線を画する版権曲
マイナーキャラの再登場が目立つ
楽曲編重・キャラクター軽視の姿勢はいつも通り
プレイ料金や楽曲解禁の実質値上げ
ポップンミュージックシリーズ


概要

アーケード音楽ゲーム『ポップンミュージック』シリーズの28作目。今回のテーマは「アメリカンダイナー」。キャッチコピーは「きっとみつかる キミだけのフレーバー♪」
サブタイトルはそのまま「ジャム(Jam)」「発泡性飲料(Fizz)」の意で、背景などにもそれらの要素が多数含まれているが、「即興的な演奏(Jam)」「活気(Fizz)」といった意味合いも含まれている。公式略称は「ジャムフィズ」。
飲食店関連のテーマはカフェをテーマにした『ポップンミュージック9』以来となる。

peace』『解明リドルズ』『UniLab』と同様、ロケテスト等は行われていない。
しかし正式な新作稼働告知は稼働1か月前に公式ツイッターで告知されており、過去作に比べ早く告知されていた。
これまで同様データ引継ぎの確認等はなく、内部的には24作目『うさぎと猫と少年の夢』から続くアペンドバージョン扱いという点は変わらない。


特徴

  • システム面の改善
    • ガイドSEの音量変更機能実装
      • 家庭用の『Lively』からの輸入要素だが、あちらと違い音量が5段階(Livrlyは3段階)で設定可能になっている。
    • クイックリタイア機能搭載
      • 家庭用ではおなじみだった強制終了機能が本作でついに実装。演奏中にテンキーの9を押しっぱなしにすると本来は一定時間放置することで発動するリタイア機能を任意で発動し、演奏を即座に終わらせることができる。ただしPASELIスタンダードプレー限定。
      • 当然だがネット対戦中は無効となる他、そもそもリタイアが存在しないバトルモードでも使用不可。
    • オプション保存機能搭載
      • 楽曲ごとに前回プレーした際のオプション(ハイスピードオプションなど)をそのまま保存、次回プレー時にそのまま適用できるようになり、プレー毎に毎回設定しなおす必要が無くなった。完了時に「設定を保存しない」を選ぶことで使用したオプションを保存しないことも可能。
      • オプション設定履歴がない譜面を遊ぶ際は「オプション注意!」と表示され、これまで同様直前プレーのオプションがそのまま適用される。
    • 「お気に入りカテゴリ」の登録数が100曲(これまでは30曲)に大幅増加
    • 一部楽曲の難易度変更
      • 対象は前作UniLabの楽曲のみだが、「pastel@sweets labo(*'v'*)」「Redemption Tears」「葬送のエウロパ」「Stylus」など明確な詐称・逆詐称曲にメスが入っている。
      • なお、前作で散々問題児扱いされた超高難易度譜面「Mecha Kawa Breaker!!」EXはLv49からLv50へ昇格を果たしている。
      • 一方で『48別格』と問題児扱いされている「Versa(UPPER)」EXは昇格せず48に留まっている。
  • EXTRA STAGE専用楽曲実装
    • 『GITADORA』の「ENCORE STAGE」専用楽曲と似たようなシステムで、PASELIプレーでエクストラステージに進出することで、ここでしか選曲できない楽曲が登場する(出現するだけで他の楽曲を遊ぶことも可能)。専用楽曲は一定期間で変更され、前の楽曲は解禁イベントに回される。
    • プレーしても常駐させることはできず、常駐は後に解禁イベントにて解禁されるのを待つ必要がある。常駐まではNET対戦も不可能。BATTLEモードでもエクストラステージに進出しないと遊ぶことはできない。
      • 担当キャラクターも常駐させるまでは使用不可能。
    • 専用楽曲のEX譜面はいずれもLv48~49、EASYやNORMAL、HYPERといった下位譜面でもEASYはLv15前後、NORMALはLv32前後、HYPERがLv43前後と全譜面が高レベルに設定されており、基本的には上級者向け楽曲の立ち位置となっている。とはいえギタドラの「PREMIUM ENCORE STAGE」のように遊ぶために高いCOOL率が求められる等はなく、ポップンではエクストラステージを出すこと自体も容易いので腕前関係なく楽しむことができる。
    • なお、この要素の存在により、「優位性が少なくPASELIスタンダードプレーを遊ぶ必要性がない」とされていた点も改善されたことになった。
  • 解禁イベント「Poppin' Burger」
    • 本作のメイン解禁イベント。ゲーム内紹介では「ゲームをプレーして食材をあつめてうまうまバーガーつくっちゃお!」と紹介されている。
    • イベントが進行している際は選曲画面に「ブーストカテゴリ」が用意され、そのカテゴリ内から1曲選曲することで解禁進捗にボーナスが入る。
      • ブースト楽曲は最大21曲選曲され、ステージ毎にある程度入れ替わる。
    • プレー結果に応じて「熟成厚切りチーズ」「ジューシー炭火焼パティ」「朝どれリーフレタス」「ソウジ似のソーセージ」といったバーガーの食材が手に入り、それを使ってバーガーを作りゲストに提供するのが目的。
      • 食材の中には「爆辛スーパーチリ」「あま~いストロベリー」「濃厚ホイップクリーム」「ヤミーおすすめゼリー」「縁起物こいのぼり」「初夏香るかしわもち」など、どう考えてもバーガーに挟むようなものではない食材もちらほら。
    • 食材の入手には「ポップンをプレーした(最低保証)」「ステージをクリアした(最大4個)」「ブーストカテゴリから選曲(1個まで)」「今日初めてプレーした(デイリーボーナス)」「特典付きプレーで開始した(プレミアムプレーを選んだ)」などの条件がある。ただし内部的には細かく数値が決められており、「今日初めてプレーした」「特典付きプレーで開始した」で手に入る食材の方が解禁進捗が進みやすい。
    • ゲスト(楽曲)は最大で3人までしか来店できず、それ以上未解禁楽曲が溜まっている場合はその前に来店しているゲストを捌かなければならない。来店順は楽曲配信順で完全固定されている。
    • なお楽曲解禁に必要な食材数の都合上、完成品のバーガーは20段を優に超すとんでもない高さのバーガーとなる。イベント画面の構図や降り注ぐ食材のカオスさも相まって、アーケードゲーム『ビシバシチャンプ』シリーズに収録されていたミニゲーム「お姉さんがバーガー屋でサクサク作る」を思い出したプレイヤーもいたとか。
  • 「ReGLOSS プレミアムグッズキャンペーン」
    • 「hololive DEV_IS」所属のVtuberグループ「ReGLOSS」とのコラボイベント。ReGLOSSに所属するVtuber「音乃瀬奏(おとのせかなで)」「一条莉々華」「儒烏風亭(じゅうふうてい)らでん」「轟はじめ」の4人*1によるカバー曲が1曲ずつ、kors kによるイベント用書き下ろし楽曲「Shooting Star」の計5曲がポップンをはじめとした『beatmania IIDX 33 Sparkle Shower』『DanceDanceRevolution WORLD』といった現行機種や各機種のコナステ版(家庭用)に配信される。
      • 配信対象である全機種ですべての楽曲が無条件解禁*2という太っ腹なイベント。
    • 配信機種にはBEMANIシリーズではないが『ポラリスコード』も対象。音ゲーではない『麻雀格闘倶楽部 Extreme』『麻雀ファイトガール』の2機種も楽曲は配信されていないが、後述のプレゼントキャンペーンに参加している。
    • 楽曲配信と同時に、アーケード限定でグッズキャンペーンも開催。これまでのグッズキャンペーンと同様、対象機種をプレーしてポイントを貯め、店頭でグッズを受け取る方式。店頭のグッズ以外にも限定絵柄のe-amusement passが当たる抽選にも応募可能。
  • 復刻イベント「なるなる♪ユニラボプチ実験室!」「なるなる♪ユニラボ実験室 プチMAX」
    • 前作「UniLab」の前半戦楽曲が解禁できる期間限定の復刻イベント。前者のプチ実験室では初期の30曲、後者のプチMAXでは前半ボス曲の「F/S」を含めた60曲全てが解禁対象となる。
    • プレー内容にかかわらず1プレーごとに必ず1曲が解禁される。ただし最初の解禁楽曲だけは「ラブケミ」で固定(未解禁の場合のみ)され、ボス曲の「F/S」は他の59曲全てを解禁していないと出現しないという制限がある。
    • 2025/09/11のプチMAX復刻以降は終了日時が設定されておらず、実質無期限の過去曲救済イベントとなっている。
  • 復刻イベント「覚醒のエルム プチ 第一弾・第二弾・FINAL」
    • 前作「UniLab」の後半戦楽曲が解禁できる期間限定の復刻イベント。「第一弾」では18曲、「第二弾」では36曲、「FINAL」では54曲全てが解禁対象となる。
    • 必ず1曲解禁できるのは同じだが、実験室と違い解禁順は完全ランダム。実質的な後半ボス曲である「Megalara Garuda[UPPER]」が早期に出現することもある他、解禁に特定の条件があった「狼弦暴威」も無条件で出現する。
    • 前作での合同イベント「BEMANI×東方Project ~幻想郷音樂祭2024~」で配信された東方アレンジ楽曲「閉塞的フレーション」「残像ニ繋ガレタ追憶ノHIDEAWAY」「弾幕信仰」の3曲もこのイベントで解禁できる。
    • こちらも2025/08/28のFINAL以降は終了日時が設定されておらず、実質無期限の過去曲救済イベント。

評価点

  • 相変わらず豪華な新曲群
    • デフォルト楽曲では「阿部靖広」「m@sumi」「BEMANI Sound Team "HuΣeR"」といった常連アーティストに加え、「北川翔也」「T-HEY & TANEKO」「My Complex of Academy」「アマギセーラ」「T4K」といった直近のシリーズで存在感を示している新参アーティストも多数参加。
    • 近年の追加版権曲でおなじみの「キミのね」も「大谷舞 feat.つむぎしゃち」名義でオリジナル楽曲を提供。AC16以来の参加となる「青野りえ」、AC18以来のオリジナル曲を提供して以来の単独参加となる「mizuno」の参加も意外性あり。
    • 解禁イベントの先駆けにしてメインテーマ曲「Saturday's Reward」はポップンでおなじみの劇団レコードと秋成が担当。以降の追加楽曲でも「Tomoyuki Uchida」「cosMo@暴走P」「山本真央樹」「豚乙女」「red glasses feat.ゆきまめ」「OSTER project feat. Hinatanso」「情次2号&ジン」「ARForest feat.nayuta」「藤野マナミ&うさおりーぬ」と常連・新参問わず様々なアーティストが楽曲提供。
    • EXTRA STAGE専用楽曲も「BEMANI Sound Team "PON" feat.NU-KO」「Hommarju」「削除」と豪華アーティストの楽曲が続々と登場。
    • 他機種からの移植曲では「轟け!恋のビーンボール!! (STARDOM Remix)」「Rushiest Rush」といった『DANCERUSH STARDOM』からの移植の他、「ONYX(OVER 200)」「Flower-Band ver.-(BEMANI曲をバンドで演奏してみた)」といった過去作でも収録されたアルバムからの収録も健在。
    • ゲーム関連曲では『ボンバーマン』シリーズのサウンドトラック「Super Amazing Music」の配信記念として「Amazing Bomberman*3」「CRAZY ARTS」といったボンバーマン関連の楽曲が『DanceDanceRevolution』『jubeat』と共に初収録された。
    • UPPER譜面は「胸キュン☆マレット / キセキはじまり☆」「リトルロック / Little Rock Overture」「ハイパンク / cobalt」といった人気曲への追加だけでなく、「カレッジポップ / ペパーミントは私の敵」「NUスタイルロカビリー / Electronic or Treat!」といった意外な楽曲への追加も行われている。
      • 版権曲へのUPPER譜面追加も引き続き行われており、「いーあるふぁんくらぶ」「一触即発☆禅ガール」の2曲に追加。特に後者はLv47と高難易度枠。
    • 「ReGLOSS プレミアムグッズキャンペーン」ではファン待望のVtuber*4によるボーカル曲が実装され、次々とVtuberによるボーカル曲が実装される他機種を羨んでいたシリーズファンを喜ばせた。カバーの選曲に「朱と碧のランページ」「リメンバーリメンバー」「murmur twins」と既にポップンに収録済みの楽曲が多いのも嬉しい点と言える。
      • いずれのカバー曲も若干のアレンジがかかっており、特に「murmur twins」はwacによるセルフアレンジ版「murmur twins (hotchpotch pop ver.)」として大幅なアレンジが施されて登場している。
  • 解禁イベント「Poppin' Burger」
    • 指定のノルマを達成することで解禁が進む前作では「GREAT率10%以下でクリア」「GOOD率1%以下でクリア」「500コンボ達成してクリア」「フルコンボを決める」といった初心者どころか上級者でも明らかにハードなノルマが提示されることがあったが、本作では「ステージをクリアする」「イベントブーストカテゴリから1曲選ぶ」という点さえこなせば最大数の食材が入手できる非常にシンプルなルールとなっており、初心者やエンジョイ勢にも分かりやすい。
    • 前作や前々作のように細かいノルマや選曲を考えることなくプレーできるようになったのが最大の評価点と言える。
    • また、来店するゲストは全てイベントに合わせたデフォルメ絵で描かれており、来店時・楽曲解禁時でしっかりセリフが用意されている。セリフも「お休みの日って 自分へのごほうびだよね(レオくん)」「たまには1人のんびりしたっていいよな(タクト)」「今日も言えなかった でもきっと明日は…(ちなつ)」「うずく俺の右目を癒すとするか…(アシュレイ=ボア)」とキャラクターのイメージに合わせた内容。
  • マイナーキャラの優遇
    • 本作では「バンブー」「マリィ」「エリカ」「アメトリ」「ウェルダン」「ニッキー」「ハッシュマン」「キリ」「サユリ」「ハラ=ヘッタ」「キャロル」「えりりん」といったマイナーキャラの優遇傾向が目立つ。
      • 特に「キャロル」と「エリカ」はJam&Fizzだけで2曲も担当曲をもらっており、地味に優遇されている。
    • 中には「アシュレイ=ボア(14年ぶりの登場)」「シャルロット(17年ぶりの登場)」「ポプコン(17年ぶり)」「ボブ・ザ・スパイダー(18年ぶり)」「パル(20年ぶり)」「サイバー(22年ぶり)」「ジェシカ(22年ぶり)」「ソウジ(22年ぶり)」「ローリィ(23年ぶり)」といった10数年単位で出番がもらえなかったキャラクターも登場している。
    • もちろんマイナーキャラばかりではなく、「レオくん」「ジュディ」「Mr.KK」「タクト」「シャル」「ノーヴァ」「ミニッツ」といった人気キャラもしっかり再登場している。
    • 版権曲の担当キャラも「ラグトレイン」に「サユリ」、「メズマライザー」に「うさぬこ」、「エクスプロウル」に「カジカ」など、曲に合ったキャラ選出が光る。
  • 他機種と一線を画する新規版権曲群
    • 「ラグトレイン」「メズマライザー」といった定番どころと言える版権曲も収録されている一方、「シャンティ」「ビノミ」「ワカンナイト☆フィーバー!?」「白龍 (Struggle)」「らいふいずびゅーてぃふぉー」など、BEMANIどころか音ゲー自体初収録の版権曲も少なくない。
      • とはいえ現状のポップンで『太鼓の達人』『CHUNITHM』『maimai』といった新鮮なアニメソングやネット音楽を軽快なフットワークで湯水の如く投入してくる他社の大人気音ゲーに版権曲の質や量で張り合ったところで勝負にもならないのは明白であり、あえて有名どころを避けた変化球路線で攻めるのは方針としては間違いではない。
    • 前作から引き続き「キミのね」の楽曲が登場しているが、「ハルカナアルカナ*5」「ウォン・テッド」のどちらも前作同様公開されて1か月足らずで収録されるスピード収録となっている。
    • 変わり種枠としてはKONAMI、ブシロードクリエイティブ、ドロッセルマイヤーズによって2021年に始動した次世代ボードゲーム企画「ヨフカシプロジェクト」のイメージソング楽曲「まっぷたツートンソウル*6」「そして惨劇は灰色に踊る*7」が版権曲として追加された。
    • ちなみに本作での追加版権曲は前述のボンバーマン曲とヨフカシプロジェクト曲を除けば大半がボーカロイド楽曲となっており、シリーズ通して初めてアニメソングが一切新規収録されていないという、従来の傾向からすれば異例のラインナップとなっている。そういったこともあってか、「ポップン=アニメソングの雄」というイメージを抱く一部のファンは再び不満を漏らすことに。
    • 最も、あくまで新規追加がないというだけで、既に過去作で収録済みの「千本桜」「Bad Apple!! feat. nomico」「残酷な天使のテーゼ」「GET WILD」「ブルーバード」「Butter-FLY」「第ゼロ感」といった豊富なアニメソングや有名版権曲は削除されることもなく未だ健在であり、新規や初心者が遊べるようなアニメソングが一切存在しないなんてことはないのでそのあたりは安心と言える。
  • バランスの取れた譜面難易度
    • 過去作ではLv48~49の高難易度譜面が極端に不足していたり、あまりに高難易度譜面が多すぎて初心者泣かせであるシリーズも見受けられたが、本作では概ねEXTRA STAGE専用楽曲がLv49を担当するという形となり、通常の解禁曲は高くてもLv48、大抵の楽曲はLv44~46とほどほどの難易度に設定されており、幅広い実力に対応している。HYPERやNORMAL、EASYの難易度も良い感じにバラけており極端に偏っていることもない。
      • 通常配信曲でも「ホットドッグドカぐいレース!!!!(Lv49)」「Primitive Whimsical Chopped Salad(Lv48)」のような場違いな高難易度譜面、「そして惨劇は灰色に踊る」「エトランジェ」のようなEX譜面の難易度がLv42~43と控えめで良心的な譜面も登場しており、バリエーション豊か。
    • Liveryからの移植枠ではあるが「円環のヴァルキュリア -lopulla tragedia-」「No Border」「AVEL」といったボス曲も登場している。
  • 「ポップンスコアチャレンジ」復活
    • 25作目『peace』で開催されていたスコアアタックイベントが復活し、課題楽曲は週替わりというルール等に変更はないが、本作では「ハルカナアルカナ」「ラグトレイン」「千本桜」のような版権曲も課題楽曲に選ばれるようになった。
    • また、本作では新たに直近5週間分の順位でスコアを付ける「5週間ランキング」が新たに追加された。
  • 「デコパーツ」の継続収録
    • 本作でも前作に引き続き、解禁イベントにてキャラクターを彩る新たなデコパーツを入手することが可能。
  • 一部イベント楽曲の無条件解禁
    • 前作UniLabでの「いちかのごちゃまぜMix UP!」、前々作の解明リドルズで行われた「出張!ポップンクエスト Lively II~ノスタルジア編~」の楽曲は無条件解禁。
    • BEMANI7機種の合同企画「BEMANI×ボカコレ 2025 Winter」で採用された6曲は全て無条件解禁。なお『GITADORA GALAXY WAVE DELTA』で同イベントの楽曲が配信された際はBASICのみ無条件解禁でADVANCED以上の上位譜面は「超聴力!ギタドラドン♪」での解禁が必要、『ポラリスコード』では最高難易度の「INFLUENCE」のみゲーム内通貨での解禁が必要という仕様だった。
    • 前作での「Awakening Wings」にて「他機種では無条件で遊ばせている曲にポップンだけ金を取っている」と批判された影響か、本作でそういった扱いの楽曲は「Amazing Bomberman」のみとなっている(同曲は『jubeat』でのみ無条件解禁、『DanceDanceRevolution』ではポップンと同様に要解禁)。
  • 一部楽曲への追加譜面
    • 2025年4月のアップデートにて「胸キュン☆マレット[UPPER] / キセキはじまり☆」といった本作初出のUPPER譜面にEASY譜面が追加された他、『peace』で追加された「バトルダンス[UPPER] / シャムシールの舞」にEASY譜面が追加された。
    • また、BATTLEモードの「Amazing Bomberman」「CRAZY ARTS」は当初NORMAL譜面しか存在しなかったが、アップデートでHYPER譜面が実装。BATTLEモードへの追加譜面実装は極めて稀なケース。

賛否両論点

  • 本作ではポップ君を叩いた際のエフェクト(キービームではない)が泡がはじけるようなエフェクトとなっており、過去作に比べて大きくなっている。
    • そのため稼働当初は「ポップ君が見辛い」という意見も出ていた。
  • 新規収録のひなビタ♪楽曲「ロマンシングエスケープ」、ボーカロイド版権曲「メズマライザー」がキー音なし
    • この2曲は『beatmania IIDX 32 Pinky Crush』で既に収録済みであり、こちらではキー音も切り出されているのだが、ポップンでは『Sunny Park』から12年以上続く「版権曲の殆ど、およびひなビタ♪楽曲は原則キー音なし」の慣習に倣ってキー音なしとなっている。
    • 要するに「ポップンではいつもの事」でしかないのだが、IIDXを引き合いに出してポップンを「手抜き」と批判するユーザーも一部存在する。
    • 同様の前例として、前作『UniLab』でもひなビタ♪の「ポラリスノウタ」「めうめうぺったんたん!! (ZAQUVA Remix)」がIIDX側ではキー音あり、ポップンではキー音無しという格差が発生していた。
  • 古参版権曲の複数削除
    • 版権曲の削除もいつもの事だが、本作での削除対象は「only my railgun(AC19初出、収録期間14年)」「夏祭り(AC17初出、収録期間15年半)」「シュガーソングとビターステップ(エクラル初出、収録期間9年)」といずれもかなり長い期間収録されていた版権曲が削除対象に選ばれた。なお、この3曲の削除と入れ替わりで収録されたのが前述の「メズマライザー」である。
      • ちなみにこの3曲はいずれも高難易度バージョンの「UPPER譜面」が実装された楽曲であり、「UPPERが実装されたらその版権曲は安泰」というイメージも崩れることとなった。
      • なお、これらの楽曲は削除より少し前にPC版のコナステ『ポップンミュージック Lively』にてUPPERが実装されており、それを代替としてアーケードの方からは削除された可能性が高い。

問題点

  • 痒い所に手が届かない今作の解禁イベント「Poppin' Burger」
    • 今作の解禁イベント「Poppin' Burger」は、ルールこそシンプルで楽曲解禁もしやすいものの、前作の「覚醒のエルム」のように好きな楽曲を選んで解禁することはできず、基本的に配信された時期が一番古い楽曲から順番に解禁しなければならない。カウンターは3席あるので複数の楽曲から選べられるのだが、興味のない楽曲をスルーしても最古から3曲程度しか選べず、席が埋まってしまえば必ずどれかを解禁して枠を空けなければならないので、より自由度が低く感じられやすい。
    • 一応、上述の前作曲解禁イベントが脇道的な存在になっているのだが、どれも本イベントと並行して進んでいくので、結局一方通行という事には変わらない。
    • このイベントは自由度の低さから、稼働が進むにつれて仕様変更されると思われていたのだが、新筐体の製作(後述)にリソースを割かれてしまった影響なのか、結局後期になっても稼働初期の仕様のままになっている。
    • また、「ステージをクリアする」が解禁進捗を早める条件であるため、本作で実装されたリタイア機能との相性も悪い。
  • 実質的な値上げラッシュ
    • PASELIプレーの利用が必須となる前述のEXTRA STAGE専用楽曲はもちろんのこと、PASELIスタンダードプレーの基本料金も1.2倍から1.3倍へ引き上げられている。店舗設定にもよるが概ね120円→130円への値上げである。
    • 解禁イベントでの楽曲解禁に必要なクレジットも概ね6~7クレ程度(ライトプレーの場合)と、過去作に比べ1~2クレ程度増加。イベントブースト未選曲やステージクリア失敗などが嵩むとさらに増加する。
    • また、近年のシリーズでは無条件解禁していた過去作の楽曲解禁も本作では「解禁イベントの復刻」という形で有料化。とはいえ1回のプレーで必ず1曲解禁できるので良心的ではあるし、過去作の楽曲を有料解禁にしていたケースは過去作でも存在するので本作のみが批判されるような点でもない。
    • そもそも値上げに関してはポップンだけに限った話ではなく、『beatmania IIDX』『DanceDanceRevolution』といった他機種でも行われていることであり、むしろ他機種の基本料金や解禁の必要クレジットを考慮すればポップンはまだ良心的な部類に入っている方ではある。さらに言えばアーケードゲーム及びゲームセンター自体の不況や「e-amusement Participation」により徴収されるコナミ税、ゲーセンを取り巻く電気代・人件費の高騰といった物価高の影響を考慮すればこの程度の値上げなどハッキリ言って焼け石に水もいいとこ。
  • 2025年5月以降の楽曲更新について
    • 今作は稼働時~年明け、4月辺りまでは移植やUPPERといった要素を交えつつ、いつも通りの展開を見せていた。
    • しかし、5月になってからというものの、書下ろしのオリジナル曲についてはPoppin' Burgerでの解禁曲は「Primitive Whimsical Chopped Salad」、EXTRA STAGE専用曲の「嵐の唄」「真夜中のun thé noir」のみ。それ以外は全て追加UPPERやLively経由での移植曲、アルバムからの収録曲といった既存あるいは別の媒体で発表された楽曲が中心になり、これまでのシリーズでいう稼働末期の更新ペースのような展開を見せたことで一部のユーザーを不安がらせた。
    • とはいえ、そのような展開になった同時期にDJ YOSHITAKAが社長に就任する「株式会社コナミアーケードゲームス」の設立・分社化が発表、さらに7月には新作発表&新型筐体のロケテスト及びそちらへのオリジナル新曲&新規描き下ろしキャラクターの多数投入などが相次いで展開されたため、この楽曲更新の方針については社内のゴタゴタ&新作に開発リソースを割かれたといった「開発側の事情」によるものとして、現状では大半のファンはこういった方針に理解を示している様子。
      • 近年では不安定な更新ペースや版権曲削除が続く『ノスタルジア Op.3』『jubeat beyond the Ave.』『DANCERUSH STARDOM』『DANCE aROUND』といった他BEMANIシリーズや、鳴り物入りの新筐体が賛否両論の『GITADORA GALAXY WAVE DELTA』、長年放置されている『REFLEC BEAT 悠久のリフレシア』などの惨状もあってか、「現状維持できてるだけでも上出来」「余計な仕様を加えずシリーズが存続して遊べてるだけで十分仕事してる」といった現実的な考えを持つユーザーも多い。

総評

原点回帰をテーマに復活を果たした『peace』から続く堅実な楽曲追加、ゲーム性や利便性の強化、新規や初心者にも易しい解禁イベントと堅実に改良を続けた手堅いシリーズ作。
新型筐体のお披露目や楽曲やジャンル名の公募企画『pop'n Cheers! Project』の展開、Des-ROWやwacによる新作の盛んなアピールもあり稼働末期は「新作への繋ぎ」感は否めなくなってしまったが、それでも現行音ゲーとしてやるべきことはキッチリ果たしており、シリーズファンからの支持を獲得することに成功。
これまでの保守的な展開から方向性が一変した新作(新筐体)の登場で影は薄くなったが、長寿シリーズを存続させるという重大な役目を果たした一作と言えるだろう。


余談

  • 今作が稼働していた時期におけるポップン筐体の状況
    • 今作の稼働前後では、各店舗でポップン筐体が撤去されてしまう事例が相次いで確認されていた。これは、単に筐体のリリースや使用基盤が古すぎる事に起因している。
    • ポップン筐体を撤去する店舗が多い一方で、今作が入ったポップン筐体を導入していない店舗も見られている。これもやはり「筐体が古すぎて、作品自体は新しいが入れたいのに入れられない」という考えが多いからかも知れない。
  • 新筐体稼働後の今後の今作
    • ポップンは今後総評の通り、新筐体へとバトンタッチする形になるのだが、過去のアーケード作品での事例から察するに、「オフラインキットが導入・以降は現行筐体では収録されていない削除曲のみをプレーする事が主な用途になる」と思われる。
    • ポップンが新筐体に移行するに伴い、XP基盤で稼働しているアーケードゲームは『jubeat beyond the Ave.』のみになると思われる。そしてその作品が正真正銘の最後の「現役でオンラインサービスの更新が行われたXP基盤のアーケード作品」になると見られる。
    • そういえば、ポップン新筐体が出る前に初代筐体がサービスを終えた同じBEMANI作品の『DanceDanceRevoluton』は、その後「DDR classic mini」としてミニ筐体がリリースされた経緯がある。もしかすると、これはポップンも同様にミニ筐体版がリリースされる布石かもしれない。
  • 公式大会
    • 今作は結果的に稼働してからKACなどの公式大会が一切開催されなかったバージョンになってしまった。もっとも、同じような状況にある『jubeat』も同様で、「稼働店舗が少なくて大会の開催が出来ない」と言えなくもない。
  • 本作では『peace』以来となる、4月1日のエイプリルフールイベントが開催された。
    • ただの一発ネタかと思われたが、その後ゲーム内にて「『仕事猫』×ポップンミュージック デコパゲットしようキャンペーン」が開催され、仕事猫がポップンキャラのコスプレをしているデコパーツが入手できた。
    • また、後に「コナミプレミアムくじオンライン」にてこのイラストを用いたグッズのくじが開催された。
  • 「ReGLOSS プレミアムグッズキャンペーン」にて収録されたカバー曲にて、端的にではあるが次回作に先駆けてジャンル表記が復活した。
    • 「カドルコア / murmur twins (hotchpotch pop ver.)」「レイニーワルツ / リメンバーリメンバー」の2曲が該当。これにより「カドルコア」表記の楽曲が同じ曲のアレンジだけで計4曲という異例の事態となった。まるで八つ子。*8
    • もともとポップンにジャンル名がついていない「朱と碧のランページ*9」、ポップンに原曲が収録されていない「カジノファイヤーことみちゃん*10」は曲名表記になっている。
      • これらのカバー曲の担当キャラは原曲と同じだが、ポップンに原曲未収録だった「カジノファイヤーことみちゃん」はカジノ繋がりでバニーガールのキャラクター「キャロル」が担当している。
  • 2025/06/05の配信楽曲「ONYX」はバトル譜面にもロングポップ君が搭載されており、バトル譜面初のロングポップ君搭載楽曲となっていた。
    • しかし不具合だったのか、それ以降の楽曲ではロングポップ君を搭載したバトル譜面は一切登場せず、後のアップデートで譜面が修正され、ロングポップ君が単押しのノーツに差し替え*11られた。
最終更新:2025年10月27日 10:35

*1 所属メンバーのうち「火威青」は活動休止していたため非参加となった。

*2 『ポラリスコード』のみ最高難易度の譜面は要解禁

*3 『スーパーボンバーマン2』のバトルモードBGMをアレンジしたもの

*4 厳密には『peace』で参加した「保崎メンマ(現在は無期限活動休止を発表)」がポップン初参加のVtuberなのだが…

*5 月刊誌『Cheese!』にて連載されていた漫画『王の獣~掩蔽のアルカナ~』とのコラボレーションソング。なお原作漫画は2025年3月をもって完結している

*6 同名ボードゲーム「まっぷたツートンソウル」のイメージソング

*7 「キルタイム・キラーズ 絶泉館の殺人」「キルタイム・キラーズ THE BOARD GAME 真明市連続殺人事件」2作品のイメージソング

*8 ちなみにジャンル名がついていない「murmur twins -CIVILIAN SKUNK mix-」も含めれば十つ子である。

*9 IIDX INFに移植された際に「ANIMA SONG」というジャンルが付与された

*10 IIDXでのジャンル表記は「電波」

*11 これに伴いノーツ数も3ノーツ減少したが、レベル等の変更はされていない