【とばくもくしろくかいじ】
ジャンル | アドベンチャー | ![]() |
対応機種 | プレイステーション | |
発売元 | 講談社 | |
開発元 | ウィル | |
発売日 | 2000年5月25日 | |
定価 | 6,090円 | |
プレイ人数 | 1人 | |
判定 | ゲームバランスが不安定 | |
ポイント |
徹底した原作再現(が仇に) 意外に練られたストーリー 全てはプレイヤー次第 |
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少年マガジンシリーズリンク(*1) |
+ | 別室のネタバレ |
+ | その他、ネタバレ含めたシナリオ上の理不尽・不自然な部分 |
+ | ネタバレ |
良くも悪くも原作のif話として、限定ジャンケンをしっかり再現している。別室送りのムービーやあらゆる福本作品から流用されたキャラクター等、笑える要素もある。
練られたストーリーや作り込みの細かさ等の光る部分も十分にある。カイジのキャラゲーとして見ると残念な点が多いが、少なくとも凡百のキャラゲーとは一線を画している。もう少し全体的なストーリー性や星の増減バランス等、作り込みをしていれば、一味違うキャラゲーの名作になれたであろう。
トリック自体は練られているものの、バランスの悪さ、不親切なシステム、人を選ぶ点によって原作のような高度な心理戦や、能動的に頭を使う頭脳ゲームとしての要素を楽しめるプレイヤーは少数であろう。ゲームの本質としては「人と話して戦術を集め、また人と話してフラグを立て物語を進めていく」というアドベンチャーゲームに近い内容である。そういうものと割りきって、世界観・雰囲気に浸ることを楽しむべきゲームだろう。
原作読者なら誰もが考えるであろう「もし自分があの船に乗ったら……?」を体験できる(ような気分になれる)という意味で、ファンならそこそこ楽しめるかも知れない。
はっきり言って難易度は高い。
高難易度のゲームや心理戦が好きなプレイヤーなら楽しめるが、苦手な人はまったく楽しめないであろう。楽しむには攻略情報を見ず、常に気を抜かず、相手との駆け引きに熟考してプレイしよう。特にカイジ並の洞察力がある、という人は是非。
*1 正確には週刊ヤングマガジン。
*2 作中では参加者から「リピーターは勝ち抜けには星4つ必要」という台詞があるのだが、船井、カイジ、2周目の主人公らが3つで勝ち抜けしている。
*3 シチュエーション自体は絶望の城編における鉄骨渡りを意識していると言えなくもない
*4 ちなみにその人物は「三島好男」という名前で通常プレイでは名前すら出てこない。原作限定ジャンケンにもモブキャラクターとして出ている
*5 ポケステで遊べるミニゲームでは石田さんや北見が登場する
*6 逆に主人公をオッサン呼ばわりする若者も登場するため、おそらく主人公は20代後半
*7 覗き見や二枚重ねをして出す、という戦術自体は原作にもある。あくまで、覗き見されていることを前提として二枚重ねにするのが本作オリジナルということ。さらに言うと、同作者の別作品『銀と金』でほぼ同じトリックが使われており、それを拝借したと思われる。
*8 とはいえルートにもよるが、相手をあまりに嵌め過ぎると自分の悪い噂が流れて警戒され、周りから孤立する展開もある
*9 とはいえ、キレ者の相手にあいこ勝負を仕掛けると逆に見破られて負けることもあるので、相手をよく見て考えなければならないが
*10 このゲームの発売日と破戒録の掲載時期を考えると偶然の一致であろうと思われる。ちなみにこのゲームにも特定の目しか出ないイカサマ賽が存在するという奇妙な符合となった。
*11 なお、没データではこの欠けている番号のイベント内容は分岐ルートで勝負する相手との勝負とされているが、各章の別ルートで同一人物との勝負が複数存在する場合は“I”や“II”などの番号が振られているのに対して、この勝負にはそれが無いために開発の段階で元々あったのを別ルートに移したのが窺える。
*12 この件に関しては、ルールはあくまで「プレイヤー間の星のやりとりはカードで行う」という一点しかないことから、ゲーム終了後の「暴力で脅しての、彼らの持っている星で別室送りにされた人物救済の強要」と見れば特にルール違反ではない。金品の授受はそもそもが黙認されている。
*13 黒服に連れていかれるのだが、後で何事も無かったかのようにゲームに復帰する。「破棄したら失格だが嘘だったので復帰させた」という流れだが普通に考えればゲームを不当に混乱させる反則行為であり、失格が妥当であろう。
*14 仮にシャッフルでカードが固定以外の内訳にもなる、というパターンが作られていれば罠に嵌めてきた相手を返り討ちにしたり、前述の回避策が無いゲームオーバーも本当に回避できるという展開も作れたはずなのに、せっかくのイベントを活かしきれていないのは残念な点である。
*15 スタッフロールが流れるのは大勝エンドのみなので実質的にこれがゲームクリア。
*16 原作通りに主催者側が星を買い取る設定だと、売買タイムまで待つ意義が無くなってしまうというゲーム的な都合であると思われる
*17 アニメ序盤、リピーターである船井が語っていたのは元々こういう内容だった
*18 もし可能なら序盤で星を稼いで後はカードを売却・譲渡してすぐにあがってゲーム終了…というやり方が可能になってしまうので、防止策と言われれば仕方ないのだが。
*19 向きが合わなくても他の人物の近くで決定ボタンを押せば自動で振り向いてくれるので多少は配慮がある
*20 とはいえ「カイジ」の世界観を考えるとだいたい予想はつくのだが。
*21 予想がつくかもしれないが相当のキレモノで強敵。主人公に気があるらしく、売買タイムで高値だが星を売ってくれる一面もある。
*22 普通に進めていれば。時間が僅かになるとイベントをすっ飛ばして最終章に移動するため、わざと時間を浪費してカイジイベントを回避することも可能。
*23 同じ展開でも主人公の性格や星の数や所持しているカードによってテキストの細部が変化するため。