ホロライブお宝マウンテン てんこ盛りVer

【ほろらいぶおたからまうんてん てんこもりばーじょん】

ジャンル パズル
対応機種 Nintendo Switch
発売元 CCMC
開発元 BeXide Inc.
発売日 2025年6月19日
定価 2,400円
プレイ人数 1人
レーティング IARC3+
備考 Steam版あり
判定 良作
ポイント スイカゲームを3D化したようなゲームシステム
良好なゲームバランス
ホロライブのファンアイテムとしても好評


概要

VTuberグループ「ホロライブ」所属の女性タレント(以下「ホロメン」と呼称)を模した玉が島から溢れないように投げ入れていく3Dパズルゲーム。
ホロライブがインディーゲーム作成を支援するプロジェクト「holo indie」からSteamで配信されていたゲームのコンシューマ移植第1弾として『ホロパレード デラックス版』と共に同日Switchに移植された。


特徴・システム

基本的なルールは2020年頃に流行したスイカゲームを3D化したようなものと考えれば理解が早い。
すり鉢状になっている小島にホロメンの顔の形をした「お宝」を投げ入れ、同じお宝がくっつくと合体してワンランク上のお宝に変化し、スコアを入手できる。
最大ランクのお宝を作ると、最大ランクに設定したホロメンによるセリフがファンファーレとともに流れる。 最大ランクのお宝どうしがくっつくと消滅する(デフォルト設定では最大ランクのお宝に兎田ぺこらが設定されているので攻略サイト等では最大ランクのお宝を対消滅させることが「ダブルぺこら」と呼ばれており、本記事でもそれに準ずる)。
この基本ルールを元に、詳細を以下に記す。

  • お宝のランクは11段階。
    どのランクをどのホロメンが担当するかはタイトルメニューの「お宝入れ替え」から自由に決められる。
    • ホロメンによっては大きな角が生えたものなどもいるが、当たり判定の差はない。
  • 自分で設定した11種類のお宝のうち、小さい方から順に5種類のお宝が1つランダムに選ばれるので、これを投入していく。
    • 投入時は、左スティックまたは十時ボタンの左右で島の周りを旋回できる。
      左スティックまたは十時ボタンの上下で、投入する角度を変更可能。
      この2つを調整して、Aボタンでお宝を投入する。
      • なお、この時「投入前のお宝」にも接触判定が存在する。
        この投入前のお宝の接触判定を利用して、島からハミ出ているお宝をグリグリと押して島のお宝を「詰める」ことができる。
        重要な攻略テクニックの1つ。
  • 短時間にお宝合体が連続で成功するとコンボになり、スコアにボーナスがかかる。
  • お宝が島から1つでも落ちてしまうとゲームオーバー。
    • ゲームオーバー時、ハイスコアやランキングが表示される。
      スコア更新や高ランク入賞で実況に設定しているホロメンのボイスが流れる。
  • 特定のホロメンをお宝に編成して一定以上のスコアを獲得するなどの条件を満たすことで新しいお宝が解禁される。
  • 条件を満たすことで実況ホロメンも解禁され変更可能になる*1
    • 実況として登場するホロメンはデフォルトの「宝鐘マリン」と「兎田ぺこら」「白上フブキ」「尾丸ポルカ」の4名。
      これらは見た目やボイスが異なるのみで性能の差はない。

評価点

  • ほぼ全てのホロメンが登場している。
    • Steam版のお宝マウンテンが配信された2024年8月1日の時点で卒業済みのホロメン*2は登場していないが、Steam版配信開始後に卒業したホロメン*3はSwitch版でも引き続き登場している。
    • また、JUSTICEやFLOW GLOWなどホロライブにデビューして間もないホロメンもしっかり登場している*4
  • お宝が投げ込まれるor完成すると、そのホロメンのボイスが流れる。
    各ホロメンのボイスはお宝マウンテン用に収録したものではなく、配信の音声を切り取って使用している。
    話す内容は各ホロメンオリジナルの自己紹介や挨拶、迷言など特徴的なところを抑えており、違和感のあるチョイスは特にない。
    • 海外のホロメンも日本語のセリフが多めに採用されており、日本人でも親しみやすい。
    • モココは来日中に喉に不調があった時のガラガラ声が多めに採用されているが、これはこれで愛嬌のある声なのでリスナーからは愛されている*5
    • そこそこ長いボイスも少なくないが、色々なホロメン(実況ホロメン含む)のボイスが重なりすぎて何を言っているのか分からなくならないよう調整されている。
  • 各お宝もデフォルメされた表情で各ホロメンのキャラクター性が表現されている。
  • 出現するお宝は5種類からランダムなので、アドリブ性が求められる。
    このランダム性が、シンプルなルールでありながら繰り返し遊べる中毒性に繋がっている。
  • スイカゲームと比較して、本作は合体におけるサイズの肥大が緩やかである。
    そのため、島がいっぱいの状態で連鎖が発生するとお宝の質量がかなり減ってスッキリするので爽快感がある。
  • スイカゲームと比較すると、最大ランクのお宝の作成および対消滅の難易度はかなり低い*6
    そのため、スイカゲームが難しいと感じる人でも楽しみやすい。
    • それでいて、上級者でも無限に遊べるほどには簡単すぎない設計。
      スコアランキングでも、スコアをカンストさせるようなプレーヤーは現れていない。
      ゲームバランスはよく整えられていると言える。

賛否両論点

  • 良くも悪くもホロライブ(VTuber)のノリを引き継いでいる。
    • 普段からホロライブの配信を見ているユーザーであれば楽しめるが、ホロライブを知らない人がパズルゲームとして楽しもうとするとノリについていけない可能性がある。
      • 特にメインキャラクターでもあるデフォルト実況者の宝鐘マリンはセンシティブな(有り体に言えばセクシャルな)セリフが多いので特に人を選ぶ*7
    • ただ、実況の音声ボリューム、お宝の音声ボリュームは個別に設定できる。
      0%にすることでゲーム中の音声を消すことも可能(メニュー画面での決定音などを除く)。

問題点

  • 外見の都合上仕方ないことではあるが、髪が長いホロメンや大きな角をもつホロメンなどは他のお宝を隠してしまいやすく攻略面で不利になってしまう。
    • また、似た髪色のホロメンが並ぶと区別がつきにくくなる。
      それも踏まえてお宝の構成を考える*8のも楽しみ方の1つではあるが、似た髪色のホロメンが好きなファンとしては好きなホロメンを採用しにくくなってしまう。
  • ポーズメニューの「タイトル」を選んだ際の確認がなく、操作ミスで選んでしまうと即タイトル画面に移行してしまう。
  • お宝入れ替え画面はお宝が「期生ごとの区分け」がされておらず、「期生順に」並ぶ(別の言い方をするなら、期生ごとの改行がされない)ので、目当てのお宝が探しにくい。
    • お宝の解禁条件などが表示される「お宝一覧」では期生ごとに区分けされて見やすい。
      • が、お宝一覧は初期カーソル位置がなぜか2期生の「湊あくあ」に合っているという謎もある。
  • 中断セーブ機能がない。
    上達してくると1ゲームがそれなりに長くなってくるため、中断セーブが欲しいと思うことが増えてくる。

総評

良くも悪くもホロライブファン向けのゲームではあるが、ファンアイテムとしてはもちろん、ゲームそのものの出来も良くリピート性のあるゲームに仕上がっている。
ゲーム内容としても空き時間に軽く遊べるものとなっているため携帯機であるSwitchとの相性が良く、パズルゲームとしても遊びやすい一作。


最終更新:2025年10月16日 17:39

*1 steam版では有料ダウンロードコンテンツとなっている

*2 九十九佐命や桐生ココ、夜空メルなど

*3 湊あくあやワトソン・アメリア、沙花叉クロヱなど

*4 いずれもSteam版発売後にデビューしたタレントだが、DLCではなく無料アップデートでの追加となっている

*5 モココは本作を配信でプレーした際に「なんで~枯れてるモココなんですけど!」と恥ずかしがっていた

*6 筆者の体感として、スイカゲームでスイカ1個を作るよりもダブルぺこらを成立させる方が難易度としてはかなり低い

*7 何人かのホロメンが本作の実況プレイを配信しているが、マリンのセリフには「お前は何を言ってるんだ」という反応をしていることも少なくなかった

*8 似た髪色のお宝を編成しないということのほかに、似た髪色のお宝でもランクを離して配置すれば大きさで見分けがつきやすくなる。