ポップンミュージック UniLab
【ぽっぷんみゅーじっく ゆにらぼ】
ジャンル
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音楽ゲーム
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対応機種
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アーケード
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販売・開発元
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コナミアミューズメント
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稼動開始日
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2022年9月13日
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判定
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良作
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ポイント
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解禁イベントの大幅改善 「LIFT」オプションや新規ガイドSE追加で音ゲー部分も改良 3年半ぶりの大幅譜面難易度変更 相変わらずの充実した版権曲 『UNDERTALE』コラボで3年ぶりの完全新規描き下ろしキャラ登場 楽曲編重・キャラクター軽視の姿勢は相変わらず 音ゲーを求める層とキャラ要素を求める層との板挟み
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ポップンミュージックシリーズ
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概要
アーケード音楽ゲームの人気タイトル『ポップンミュージック』シリーズの27作目。今回のテーマは「研究所」。キャッチコピーは「ポップでLabなるMUSIC♪」
タイトルの「UniLab(ユニラボ)」は「Uni」と「Laboratory」から来ている。
前々作『peace』・前作『解明リドルズ』と同様ロケテスト等は行われず稼働が開始。
なお、正式な稼働告知は稼働4日前に公式ツイッターで告知されており、前日告知が続いていた近年のシリーズでは珍しい形となっている。
これまで同様データ引継ぎの確認等はなく、内部的には24作目『うさぎと猫と少年の夢』から続くアペンドバージョン扱いという点も変わらず。
特徴
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キャラクターデザインは『peace』で採用された旧絵柄に近い画風をそのまま継続。
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新規オプション「LIFT」実装
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これまで完全固定されていた判定ラインを自分の好きな位置に移動させることが可能になった。IIDXに実装されているオプションをそのままポップンにも実装した形となる。
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オプション「GUIDE SE」の新規音色追加
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家庭用『ポップンミュージック Lively』にて実装されたガイドSEの音色を変更する機能がAC版に逆輸入された。
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従来の「タンバリン」に加え「リム」「クラップ」の二つの音色が実装。Livelyとは違い課金コンテンツではないので自由に使用可能。
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解禁イベント「なるなる♪ユニラボ研究室!」
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本作のメイン解禁イベント。プレーヤーはミミ・ニャミの研究室で様々なポップンキャラクターから提案される実験に協力して「Unit」を目標値まで貯め、実験を成功させる(楽曲を解禁する)のが目的となる。
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すべての楽曲は「ミミニャミLab」「ファンシーファーマシー」「アルケミストテイル」「P'zファクトリー」といった「ラボチーム」に割り当てられており、最初に解禁を進めたい「ラボチーム」を選ぶことになる。
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目標Unit値は原則「6500」だが、UPPER譜面や追加EX譜面では「5000」に値下げされる。また最初に必ず選ぶ解禁曲「ラブケミ」のみ必要Unit値が「1000」と大幅値下げされているため、うまくプレーすれば1クレ解禁も狙える。ただし「KONAMI Arcade Championship2023」のエントリー特典となる楽曲は「13000」と通常の2倍に設定されている。
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それぞれの実験では実験担当のキャラクターがミミニャミのようにデフォルメされた状態で実験を行う様子が写される。キャラクター要素を重視するファンにとってはうれしい要素。
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「Unit」は楽曲をプレーすることでそのプレー結果に応じ必ず獲得できる。選択した譜面難易度によって270~300の基本ポイントが「プレーボーナス」として獲得でき、ステージクリアで「クリアボーナス(50)」、スコアに応じて「スコアボーナス(最大50)」、コンボ数に応じて「コンボボーナス(最大50)」が上乗せされる。ただし1回のプレーで獲得できるUnitは1500まで。
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「イベントブースト」という『peace』時代と似たようなブースト要素があり、「イベントブースト」カテゴリに入っている楽曲を選曲することで「ブーストボーナス」として1曲ごとに50Unitが獲得できる。カテゴリ内の楽曲はある程度のランダム性はあるものの、選ばれる候補には法則性がある。
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ちなみに前作のような謎解き要素や「曲名が英語から始まる楽曲を選曲」「ランダム選曲をする」というような縛り要素は存在しない。
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解禁イベント「覚醒のエルム」
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「なるなる♪ユニラボ研究室!」に次ぐメイン解禁イベント。プレーヤーはユニラボ実験室での実験から誕生したキマイラの「エルム」が楽曲を生み出せるよう研究課題を達成してエネルギーを集約し、楽曲を解禁するのが目的となる。
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イベント名にもある通り、本作初出の新規描き下ろしキャラクター「エルム」を主役に据えたイベント。設定としては「彼女の内包する膨大な楽曲フロネシスはポッパーに恩恵をもたらすと期待されるが、それらの再構築のためにはポップンに潜在する膨大なエネルギーをエルムに集約し再構築する必要がある」といった設定。
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ゲーム開始時に解禁したい楽曲を選ぶと「なるなる♪ユニラボ実験室!」に登場した研究メンバーから3名が現れ、様々な研究課題(ノルマ)が提示される。ノルマは「スコアが92000点以上でクリアしてくれるかな」「BADが6%未満でクリアなんてどう?」「ランダム選曲やってみせなさいよ!」「曲名が英語・数字から始まる曲を選ぶのだ」「pop'n 11の曲を1曲選んで\(>▽<)」など、規定スコアやGOOD率・BAD率などの達成や特定楽曲・フォルダからの選曲が求められる。ノルマは星の数で☆1から☆3と難易度分けされており、高難易度のノルマほど進捗ボーナスが増える。
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システム的には前作の「解明!MN探偵社」から謎解き要素を廃したようなものだが、ノルマ以外にも「デイリーボーナス」「プレーボーナス」「クリアボーナス」といった普通に遊ぶだけで達成できるボーナスもあるため、極論だがノルマ完全無視でも楽曲解禁は可能。ただし解禁進捗の比重としてはノルマ達成で獲られるボーナスの方が格段に高いため、効率よく解禁したければノルマへの挑戦は必須。
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イベントの開催は2023/10/19からだが、当初は「なるなる♪ユニラボ研究室!」の完走(最後に解禁されるボス曲「F/S」の解禁)がイベント参加条件となっており、2023/11/02から「なるなる♪ユニラボ研究室!」の終了に伴い無条件解放となった。
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連動イベント「いちかのごちゃまぜMixUP!」
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「BEMANI 2021真夏の歌合戦5番勝負」以来、1年3ヶ月ぶりとなる大規模連動イベント。
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本イベントでは移植曲と、互いの機種から移植された2曲をREMIXした楽曲、全機種共通の最終解禁曲「VOLAQUAS」が解禁される。
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ちなみにポップンに収録されるMIX楽曲は、beatmania IIDXとのコラボ「輪廻の鴉(「RINИE」×「鴉」)」と、ノスタルジアとのコラボ「Indigo Nocturne(「蒼氷のフラグメント」×「REcorrection」)」の2曲となる。
評価点
システム面の大幅改善
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前述の「LIFT」オプションや「GUIDE SE」オプションの新調により、遊びやすさがさらに向上した。
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3年半ぶりの大幅レベル改定
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2作前の『peace』稼働途中で行われてから長らくレベルの改訂が行われず、近年特に『peace』『解明リドルズ』にていわゆる「詐称曲」「逆詐称曲」が立て続けに多数乱立されていたが、本作稼働開始時にようやくそれらの地雷曲にメスが入った。対象は主に直近のシリーズの楽曲が中心だが、『うさ猫』以前の曲の難易度にも再びいくつか手が入っている。
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これにより「ポチ子の幸せな日常(狂犬U‵x′UばうわうHARDCORE Remix)」「祭ノ跡、君ヲ憶フ。」「六花美人」「叛逆のデスパレート」「なごりさえ」「cucumis melo」「バトルダンスUPPER」「Bossa Gabba」「打打打打打打打打打打」「乙女繚乱舞い咲き誇れ」「Habits」「Trill auf G」などの詐称・逆詐称曲が適正レベルに改善された。
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また、「Babel ~MODEL DD101~」はLv49からLv50への昇格が行われ、新レベル体制になってから初のLv50昇格曲となった。
解禁イベントの大幅改善
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前作での解禁イベント「解明!MN探偵社」は謎解き要素や追加条件を満たす楽曲を選ばなければ解禁が全く進まないという非常に癖が強い内容で新規ユーザーや初心者に優しくない解禁イベントだった。
加えて追加条件として出題される課題がプレイヤーに対し特定条件でのプレイングを強制する内容だったこともあってベテランユーザーからも不評を買っていたが、本作での解禁イベントでは曲や譜面、使用キャラ問わず必ず解禁進捗を進められるという仕様になり緩和された。
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前述のイベント紹介にもある通り、必ず獲得できる「プレーボーナス」の比重がかなり高く、「クリアボーナス」「スコアボーナス」「コンボボーナス」も落としさえしなければ安定したUnitを獲得できるため、EASYやNORMALといった低難易度譜面中心で遊ぶ初心者でも1曲あたり350~400程度のUnitを稼ぐことができ、解禁速度に差が出にくくなっている。ある程度の実力のあるプレーヤーならイベントブーストなしでも1200~1300程度のUnitを稼ぐことも可能。もちろんイベントブースト込みなら上限の1500に迫るくらいのUnitも獲得できる。
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また、探偵社で問題にされていた「依頼人と解禁曲の担当キャラクターが異なりガッカリした」という点も改善され、どの楽曲も実験の提案キャラクター本人が解禁楽曲の担当キャラクターを務めるようになった。
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期間限定の解禁促進イベント「超ユニラボBOOST!」も前作の「未解禁楽曲が4つ以上の場合に解禁進捗2倍」から「未解禁楽曲が7曲以上だと解禁進捗2倍、4〜6曲だと1.5倍、1〜3曲だと1.2倍」に変更。毎週欠かさず解禁を進めているプレイヤーでもブーストの恩恵を受けられるようになった。
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流れるBGMが「理系ポップ / 恋はどう?モロ◎波動OK☆方程式!!」のアレンジになり、背景演出も専用のものになるなど演出面も凝っている。
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楽曲選択時や告知画像で表示される依頼人キャラクターからの一言コメントも「生まれ出でよ…究極の生命…(ジズ)」「インストアートコアを受けてみよ!(カウント・テン)」「アラビアン曲といえば俺の出番だ!(ツースト)」「KACエントリーありがとな♪(Mr.KK)」など、楽曲のイメージに合わせつつキャラクターのイメージを崩さない内容になっている。
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中には「UniLabでラボテクノUPPERはやりすぎじゃ(Drジジー&キャンキャン)」「ベクトル系?◎UPPERとかww(ルート@超ドー研)」といったネタコメントも。
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「覚醒のエルム」では再び追加条件を達成する形式に戻ったが、通常プレーでも解禁が進むなど「解明!MN探偵社」よりも全体的にシステムが改善されており、探偵社ほどの批判は浴びていない。
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また、今回は追加条件を選曲画面で確認できるようになっているため、「最初に表示される条件を忘れて解禁が進められない」というケースも起こらなくなった。
外部版権作品とのコラボによる完全新規キャラ&楽曲登場
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2022/12/22に突如大人気ゲーム『UNDERTALE』との楽曲移植企画が開催され、「MEGALOVANIA」「Battle Against a True Hero / 本物のヒーローとの戦い」「Hopes and Dreams / 夢と希望」の3曲が収録された。BGM人気の高いゲームであり、フットワークの軽さに定評のあったグルーヴコースターで早期に収録され、直近では原作者Toby Foxの『beatmania IIDX 30 RESIDENT』への楽曲提供もあってかBEMANI機種への進出も行われていたが、本作でついにポップンにもデビューを果たす。
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譜面難易度も3曲中2曲がLv48であり歯ごたえは十分、一方で新規・初心者向けのEASY譜面は3曲とも1桁レベルの設定となっており、極力控えめにした難易度で新規ユーザーへの配慮も忘れていない。
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そしてなんと各楽曲の担当キャラクターとして同作のメインキャラクター「サンズ」が登場するというサプライズで話題を呼んだ。
完全新規キャラクターの登場は前々作『peace』のオリジナルキャラ枠の「ノルニル」以来実に3年ぶり。しかも原作者による監修が行われたポップン風のアレンジ版となっており、キャラクターアクションも原作を踏襲したものとなっている。ゲストキャラクターだが「GUMI」などとは異なりプレーヤーキャラクターとしても使用可能。
高難易度譜面の大量投入
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解禁イベント「なるなる♪ユニラボ実験室!」での配信楽曲におけるEX譜面はLv46以上の高難易度譜面の割合が非常に高くなっており、イベント開始から半年以上経過して最低レベルがLv44の「Sweet Illusion / スウィートポップ」追加EX譜面というインフレぶり。しかも数少ないLv45も「pastel@sweets labo(*'v'*)」や「にゃんのパレードマーチ♪」などLv内で強めの詐称曲。
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Lv49のラインナップも実質Lv50とされる「Mecha Kawa Breaker!!」を筆頭に地力ソフラン譜面の「Candy Crime Toe Shoes」、ラス殺し譜面の「Unknown Region」、物量辛ゲージ譜面の「スイーツプログレッシヴ(UPPER) / ちくわパフェだよ☆CKP」など多彩。
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こういった傾向から一部のシリーズファンからは「高難易度ばっかでマンネリ」「Lv44以下を追加しろ」等の苦言を呈されることもあるが、実際はHYPER譜面でLv39〜44あたりの中堅レベルの譜面が多数追加されているため、上級者以外のプレイヤー層へもきちんとフォローはなされている。
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ちなみにNORMAL譜面やEASY譜面も全体的な難易度が底上げされている傾向にあり、特にEASY譜面はこれまで数が少なかった9ボタンフル使用のLv16以上が次々と追加されており、初心者向けの練習譜面も着々と整備されている。
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解禁イベントのボス曲である「F/S」は堂々のLv50。高速BPMに1930という歴代2位のノーツ数、満遍なく散りばめられた12分・16分発狂でプレイヤーの地力を試してくるボス曲にふさわしい高難易度楽曲となった。
充実の新規楽曲群
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デフォルト曲からPONとNU-KOの合作曲「LIMIT TOPPA REVOLUTION」、DJ TAKAによるcolors名義の「Journey」、隠しイベントの一発目としてSanaとred glassesの合作曲「ラブケミ」を用意するなど妥協を許さない楽曲の数々が揃う。
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「Akino」「red glasses」「My Complex of Academy」「削除」「豚乙女」「アマギセーラ」「Sota Fujimori」「school(good-cool&すわひでお)」「sei☆shin」「劇団レコード」「Xceon」「アリスシャッハと魔法の楽団」「onoken」「山本真央樹」などポップン常連・過去作からの続投アーティストも多数参加している。
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「L.E.D.」や「くりむ」は実に10年ぶりのポップン向け描き下ろし楽曲を提供。古参シリーズファンには嬉しい要素。
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『ラピストリア』にて移植曲で登場した「霜月はるか」もポップン初の描き下ろし楽曲を引っ提げて登場。
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移植曲ではあるが、IIDXでおなじみの「TORIENA」も本作でポップンに初参加。
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解禁イベントでは過去に行われた大型連動イベント「BEMANI 2021真夏の歌合戦5番勝負」の相手陣営側楽曲「MA・TSU・RI(jubeat)」「MOVE!(We Keep It Movin'(DDR)」「斑咲花(ノスタルジア)」「ユメブキ(SDVX)」が一斉に収録。
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東方アレンジ楽曲は前作『解明リドルズ』から引き続き「beatmania IIDX ULTIMATE MOBILE」のオリジナルアルバム第4弾『BEMANI presents 東方 ULTIMATE WEAPON』から「無意識のフィロソフィア」「Empty Backdoor」が移植。いずれも先行して別のBEMANIに収録されていたが、2曲ともキー音付きでの収録となっている。
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今は亡き『BeatStream アニムトライヴ』からの救済も前作から引き続き継続。今回は「にゃんのパレードマーチ♪」を収録。
相変わらず安定した楽曲追加ペース
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他機種からの移植や他コンテンツからの移植も含まれているが、『peace』や『解明リドルズ』時代と同様、楽曲の追加は原則1〜2週間おきに1曲と非常に安定したペースを維持している。
ひなビタ♪曲や版権曲へのUPPER譜面追加
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前作から引き続き版権曲へのUPPER譜面追加が行われているが、本作ではメディアミックス企画「ひなビタ♪」の楽曲にもUPPER譜面が追加された。
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特に「スイーツプログレッシヴ / ちくわパフェだよ☆CKP」のUPPER譜面は「公式PMS」と呼ばれるほどのトンデモ譜面であり、大きな話題を呼んだ。ちくパが話題を掻っ攫ったものの、「メイドメタル / ホーンテッド★メイドランチ」「乙女繚乱 舞い咲き誇れ」の2曲も相当な高難易度譜面であり、やりごたえ十分。
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そして三度目の配信で追加された「萌えおこし電波ソング / めうめうぺったんたん!!」に至ってはノーツ数1888を記録し、前述のちくパを上回り、収録時点で全楽曲中4位の超物量譜面と化した。
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版権曲では「only my railgun」「残酷な天使のテーゼ」の2曲がデフォルトで登場している。
これまで同様豊富な新規版権曲
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他音ゲー機種と同時収録で「ミックスナッツ」「一途」
「いつかオトナになれるといいね。」
「神っぽいな」「第ゼロ感」「強風オールバック」などを収録。「ときめきブローカー」「エゴロック」「Strawberry kiss」「ド屑」「恋愛パクチー」といった本作が音ゲー初収録となる版権曲も多数。懐かし版権枠として「青いベンチ」も収録している。
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本作では「ミックスナッツ」「星が泳ぐ」といったアニメソングも収録。近年のシリーズ作品に対し「明るいアニメソングがない」「pop'nらしさがない」との一部ユーザーへの意見にも応える形となった。
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また、カバー音源の版権曲は全てキー音付き楽曲となっている。
加えて、「いつかオトナになれるといいね。」は『IIDX 30 RESIDENT』とのほぼ同時収録ということもあってか、本人音源でありながら貴重なキー音付き楽曲となっていた。
諸事情により、2024年6月に同曲は削除された。『SOUND VOLTEX EXCEED GEAR』の余談も参照。
描き下ろしキャラクターの人選
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「ジズ」「フローラ」「てまり」「みっちゃん」「ケイゴ★」「クアトロ」「ピュアクル♡リップ」「Bis子」「イリス」「カケルくん」「ミサキ」「ジュディ」「アリシア」「オディール」「リル」といった人気キャラが多数登場。「スペースマコ」「モニモニ」「マコト」「カウント・テン」「PMG-TVRZX」といった再登場に恵まれなかったキャラクターにも出番が与えられている。
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作品のテーマに合わせてか、AC10で版権曲「ガッチャマン / ガッチャマンの歌」担当の白衣姿の「ヨシオ」を再登場させるというわかっている人選も。また、解禁イベントでの「超ユニラボBOOST!」「キャンキャンの超覚醒BOOST」も本作のテーマに沿って「ルート@超ドー研」や「キャンキャン」が実験のサポート役に抜擢されている。
相変わらずのコインプレー優遇
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前作でもコインプレーのデメリットが少なく、PASELIを使用しなくても快適にポップンを遊べる仕様だったが本作でもその方向性は健在。
「LOCALモード」復活
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『peace』『解明リドルズ』と2作に渡り実装されなかった店内対戦モード「LOCALモード」が本作でついに復活。
賛否両論点
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解禁イベント「覚醒のエルム」の一部ノルマについて
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イベント紹介の項目でも述べた通り解禁進捗を伸ばすためにはノルマの達成が必須なのだが、「スコアが95000点以上でクリア やってみな」「BADが2%未満でクリアしてほしいな」「GOOD以下の判定が1%未満でクリアをお願いするっス」「GREAT以下の判定が10%未満でクリアを目指したまえ」など、一部のノルマが妙に厳しい設定となっている。特に「GREAT以下の判定が10%未満」はよほどCOOL精度が高くない限り譜面難易度をEASYやNORMALに落として妥協しなければ未達成に終わる。
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「フルコンボを達成…お前なら…できるよな…」のようなフルコンボ達成ノルマも健在。凡ミスやチキン切りのプレッシャーに弱いポッパーに重くのしかかる。
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「MAXコンボ500以上でクリア 叶うのでしょうか…」のようなコンボ数のノルマに関してはノーツ数の少ないEASY譜面やNORMAL譜面だと達成不可能となる。
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「ハーイ★私(ジュディ)が担当の曲を1曲選んでねー」「俺(Mr.KK)の担当曲を1曲選んでくれないか?」等の特定キャラの担当曲を選ぶノルマについても、どのキャラがどの曲を担当しているかを把握する必要がある。
一応、うさ猫以降で実装された「キャラから選ぶ」カテゴリが存在するためそこから探せば比較的楽ではあるが、このカテゴリは担当キャラクターの50音順に持ち曲が並べられているため、特にジュディが属する「シ」カテゴリの該当キャラの曲は先頭も末尾も曲数がかなり多く、探すまでが少々大変だったりする。
また、このノルマを出題してくるのは「ジュディ」「ミスターKK」「トア」の3名だが、KKは綴りの「Mr.KK」の「M」ではなく「ミスターKK」扱いの「ミ」カテゴリで探さないと出てこないうえ、担当曲の多くがソフラン曲のため他ノルマとの兼ね合いが厳しくなりがち。トアは担当曲が4曲しか存在せず、どの楽曲もEASY譜面含めて高難易度寄りといろいろ面倒なノルマ。
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☆3ノルマには探偵社では存在しなかった「うぐぅ!オジャマ系のオプションをつけて1曲プレーェェェ!」といったオジャマオプションの使用を要求されるノルマも用意されている。
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一方で「スコアが70000点以上でクリアでプレーするアル」「マジならBAD50以下でクリアできるっしょ!」「1ステージをクリアで完了デス♥」といったほかのノルマに比べ極端に難易度の低いノルマも混じっている。
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が、当然ながらこれらの簡単なノルマは最低ランクの「★1」であり、内部的なゲージ増加量もそれに応じて低め。そのため、早期解禁を目指すならむしろ★1ノルマが多く出てくるのはあまり嬉しくない事態だったりする。
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描き下ろしキャラクターの減少
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本作でも楽曲偏重・キャラクター軽視の姿勢は変わらず、描き下ろしキャラクターは稼働当初は「ミミ」「ニャミ」のみ。のちに『UNDERTALE』からのゲスト出演として「サンズ」が登場したが、それでも2022年時点では3名のみだった。
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2023年には完全新規描き下ろしキャラクターとして「エルム」が登場、KAC2023では決勝課題曲担当として「ポエット」が新衣装で登場しているため、新規キャラがゼロだった前作に比べれば大きく改善したとは言える。
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一部の楽曲が解禁イベントに組み込まれている
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対象となるのは麻雀格闘倶楽部からの移植曲「Awaking Wings / 伊達朱里紗」と、既存版権曲の追加譜面となる「マトリョシカUPPER」「ドーナツホールUPPER」。
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「Awaking Wings」はポップンだけでなくギタドラ・DDR・Jubeat・SDVX・ダンスラッシュの5機種にも同時収録されている大型配信イベントなのだが、ポップン以外の機種がいずれも無条件解禁枠として配信している中でポップンのみ解禁イベントとして配信されている点(しかもユニラボ実験室終了後は解禁不可)に対する批判の声も存在する。
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「マトリョシカUPPER」「ドーナツホールUPPER」は、これまで版権曲のUPPERは無条件解禁、すなわちタダで遊べるのが当たり前だった状態での突然の有償化ということもあり批判を受けることに。こちらに関しては興味がなければ放置して他の楽曲の解禁作業を進めればいい話ではあるが。
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UPPER譜面・家庭用移植曲の背景復活について
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peace・解明リドルズのUPPER譜面にはそれまで固有背景が全て存在しなかったのだが、本作稼働開始時点で無印版に固有背景が存在したUPPER譜面に限り、新たに無印版と同じ背景がUPPER譜面でも使われるようになった。対象となるのは固有背景が存在したSunny Park以前の出身曲のUPPER譜面。
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前々作・前作では元の曲自体にHYPER・EX譜面が追加された場合は「背景あり」、別曲扱いのUPPER譜面は「背景なし」と格差が生じていたため、楽曲のイメージに合わせた固有背景がUPPERの方でも使われるようになったことは概ね歓迎されており、これ自体は評価点である。
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ただし、既に総数が多かったこともあってか稼働時点では少々ミスがあり、「セツナトリップ」のUPPERは背景なしのまま、「超中華流行歌曲 / 桃花恋情」に至っては何故かアーケード未登場の「ビートロック2 / Wish」の背景が誤って使用されていた。
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「ビートロック2」は前作稼働時のポスターに存在したが結局収録されなかったという経緯があり、何らかの理由で収録できなかったこの曲の背景のみが取り違えて使われてしまったものと思われる。
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稼働1ヶ月後のアップデートにて、2曲とも正常に無印版と同じ固有背景に修正された。
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一方で、peaceで復活した11のウラ譜面については固有背景無しのまま。こちらは11当時に無印版と同じ固有背景が流用されていたのだが、何故か上記のUPPERと違い反映されていない。
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また、peaceで移植された家庭用曲についてはCS10出身の「クリスマスプレゼント / Pop'n Xmas 2004 ~天使ノウタゴエ~」「クリアトーン / さようならは言わないけれど」の2曲のみ背景が復帰したが、それ以外は背景無しのまま、と扱いの差が生じている。
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加えて、今作でも新たなUPPER譜面がいくつか登場しているのだが、無印版と同じ固有背景が使われたのは稼働開始時収録の「残酷な天使のテーゼ」「only my railgun」の各UPPERだけで、その後のイベントで登場したUPPER譜面はいずれも背景未使用となっている。
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要するに稼働時点では手間を加えて背景が改善されていたのに、新規追加分については以前までと同じ状態に戻ってしまった形になる。
問題点
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解禁イベント「なるなる♪ユニラボ研究室!」
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「ブーストカテゴリ」の楽曲数が20曲とそこまで多くない上、プレー後にその楽曲がカテゴリから外れると曲名カテゴリへと勝手に移動されているため、何も知らずに連続で選ぶとブーストを逃すことになる。
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また、peace時代は1曲選ぶだけでボーナスが付いていたが、今回は1ステージごとにボーナスが付く方式なので最大値のボーナスが欲しければ複数回選曲しなければならない。
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例外的に「ひなビタ♪研究所」「KAC Lab」など一部のラボでは上記の曲数制限がなく対象楽曲全てがブーストカテゴリ入りしているため、ラボによってブーストの格差が生まれている。
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1回のプレーで獲得できるUnitが1500で固定されているため、PASELIプレーでエクストラステージを出現させた場合は簡単に上限へ到達しやすい利点こそあるものの、獲得Unitを大幅に増やし解禁を促進することができない。
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楽曲解禁の順番は各ラボチームごとに完全固定されており、順番を飛ばして好きな楽曲だけを解禁することはできない。例えば「BEMANILAB」に割り当てられている楽曲「ユメブキ」を解禁したい場合、その前に配置されている「MA・TSU・RI」「MOVE!(We Keep It Movin')」「斑咲花」の3曲をすべて解禁しなければならない。この点に関してのみは前作の探偵社より明確に劣化していると言える。
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イベント自体に問題点は多いものの、前述の通りイベントブーストを利用しなくても1クレジット1200~1300程度のポイントを稼ぐことができ、3曲全てでイベントブースト曲を選んでも+150ポイントなので
解禁が1クレジット早まるかどうか程度の差しか出ない(5000ポイント解禁の曲の場合、イベントブースト曲を選んでも選ばなくても解禁速度に何ら影響がないことさえある)。
解禁作業を意識せずとも勝手に進行していくという点では非常に易しいイベントでもある。
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上記で挙げた問題点は、その後の別イベント「覚醒のエルム」にて「ブーストカテゴリはノルマ提示された回のみ出現し、選曲も1曲プレーのみでOK」「どの曲を解禁するかは自由選択可能」と改善された形になる。
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オプション「GUIDE SE」について
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追加されたSE「クラップ」は、追加されたこと自体は歓迎されたが楽曲をかき消すレベルで非常に音が大きいという問題点を抱えている。
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家庭用『ポップンミュージック Lively』では「GUIDE SE」の音量を大/小/なしで調節する機能があったが、こちらは移植されていない。Livelyと異なり、オプション設定に制限時間があるため設定項目を削らなければならないからだと思われる。
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アップデートで改善された問題点
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デコパーツ機能廃止
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前作のリドルズの時点で新規追加パーツが一切存在しないなど冷遇傾向が強かったが、本作では稼働時点でついにデコパーツシステムそのものが廃止されてしまっていた。
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賛否両論点で述べられている通りポップンミュージックにおけるキャラゲー要素の軽視は年々深刻化してきているが、デコパーツ廃止によって「せめて今までのキャラクターを飾ってあげよう」という楽しみ方も失われてしまった。
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後に「覚醒のエルム」開始と同時に行われたアップデートによりデコパーツ機能が再実装され、楽しみも復活した。
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ただし、過去の『éclale』→『うさ猫』の際のリニューアル時と同様、前作までのデコパーツは救済がないまま全て削除されて仕切り直しとなった。
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なお、大型連動イベント「いちかのBEMANI投票選抜戦2019」にてマニフェストで追加が約束されていた記念デコパーツについて、当初は一切音沙汰なしのまま終わってしまった形と思われていたが、復活により再び実装される可能性の芽も出てきた。
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総評
前作での悪評を受け、解禁イベントの大幅改善やゲーム面での改良が行われた安定感のある一作。
音ゲー部分はすでに完成形とすら言えるほど洗練されているが、長らくキャラクター要素を売りにしてきたシリーズだけに、数作に渡って続くキャラゲー要素の軽視ぶりに不満を抱くファンはいまだに多い。その点を払拭できるかは本作以降の作品の展開次第である。
余談
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2023年1月26日に「オリジナルe-amusement passカードプレゼントキャンペーン」が開催され、先着1000人のプレイヤーに限定絵柄のオリジナルe-amusement passカードが配布された。グッズ配布のキャンペーン企画は『うさ猫』時代に行われた「ポプカでチャレンジ!春のプレゼントキャンペーン」以来5年半ぶり。
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応募には3000円分のクレジット投入が必要であったが、1000枚の在庫は僅か3日程度で完売してしまい、ポップンの根強い人気を証明する形となった。
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好評を受けてか、その後もクリアファイルやICカードケース、絵柄の異なるe-amusement passカードといったプレゼントキャンペーンが何度か開催されることになった。
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なお、上記のように先着分があっという間に無くなってしまったことへの反省か、以降の開催分は「先着枠」と「抽選枠」を両方用意した上で、先着分が終了した後も抽選枠の方で応募できるように改善されている。
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2023年5月、コナミデジタルエンタテインメントがサイゲームスに対して特許侵害の訴訟を提起した際、なぜかコナミデジタルエンタテインメントとは無関係である本作の公式Twitterが『ウマ娘 プリティダービー』のファンに荒らされるという珍事が発生し、話題になった。
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ちなみにこの件に関しては一部のコンポーザーも反応しており、ポップンのサウンドディレクターを務めたwacは「Idolaにとらわれると全てを見失ってしまうにゃ」と自身の手掛けた楽曲を交えた意味深な書き込みを行っている。
最終更新:2025年08月16日 20:04