ヴァルキリープロファイル

【う"ぁるきりーぷろふぁいる】

ジャンル アクションRPG
対応機種 プレイステーション
発売元 エニックス
開発元 トライエース
発売日 1999年12月22日
定価 7,140円
廉価版 PS one Books:2005年2月3日/2,500円
アルティメット ヒッツ:2006年7月20日/1,500円
判定 良作
ヴァルキリープロファイルシリーズ1 - 2 - 咎を背負う者

ヴァルキリープロファイル レナス

【う"ぁるきりーぷろふぁいる れなす】

ジャンル アクションRPG
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 トーセ
発売日 2006年3月2日
定価 5,040円
廉価版 アルティメット ヒッツ:2008年3月6日/2,800円
判定 良作


概要

スターオーシャンシリーズで有名なトライエースの新規タイトルであり、北欧神話を題材にしたアクションRPG。
プレイヤーは主人公である戦乙女「ヴァルキリー」となって人間の魂をスカウトし、神界戦争を優勢に導く為に地上界を飛び回る。
シナリオはSOシリーズのゲームデザインを担当していた則本真樹が手掛けている。
北欧神話がモチーフではあるが、スルトがヴァン神族の王になっている、フレイが女性の神になっているなど、独自のアレンジも施されている。


ストーリー

とある寒村にプラチナという少女がいた。貧しい家に生まれ、実の両親に虐げられて育った彼女はいつしか生きる事に絶望するようになっていた。
ある夜、プラチナは幼馴染のルシオから自分が身売りに出される事を知らされる。しかしルシオに連れられて村を逃げ出したのも束の間、逃げた先にあった鈴蘭の草原で命を落としてしまう。

所変わって、神々の住まう天界「アスガルド」のアース神族を束ねる王オーディンは、未来を語るという「ユーミルの首」から「神々の黄昏(ラグナロク)」が近いことを聞かされる。
オーディンはこれを敵対するヴァン神族との最終決戦の事だと判断し、三姉妹のヴァルキリーの次女であり、三姉妹の中でも最も神格の高い「レナス・ヴァルキュリア」を召喚。
来たるべき戦争の戦力たりえる人間の魂を集めさせるべく、人間界ミッドガルドへ向かうことを命じた。

女神フレイに伴われて地上界「ミッドガルド」に降り立ったヴァルキリーは、志半ばで死に瀕した数々の英雄達の生き様と対面し、彼らの魂を導いていく。
しかし戦乱の絶えないミッドガルドは様々な思惑が渦巻き、更にそこに介入する不死者達によって混迷を極めていた。
一方のアスガルドでもある陰謀が進行しており、ヴァルキリーもまた自分自身の素性に疑問を抱くようになっていく…。


特徴

システム概要

  • ヴァルキリーに任せられた仕事は戦力たりえる人間の魂(エインフェリア)を見つけてスカウトし、成長させて神界アースガルドへ送ること。そして人間界にはびこる不死者たちを倒すことである。
    • 基本的なゲームの流れは エインフェリアを見つけて仲間にする → ダンジョンに潜って不死者を倒し、仲間にしたエインフェリアを成長させる → ある程度成長させたら神界へエインフェリアを転送するというもの。
      • エインフェリアの転送を怠ると神界での評価が下がり、ひどい場合はバッドエンドになる。
      • またエインフェリアを成長させないまま送っても高い評価は受けにくく、加えて神界での戦争で死亡する確率が高くなる。
      • 仲間を離脱させるのが前提の仕様なため、誰を育てて誰を残すか、という選択を常に考えていかなければならない。また転送する仲間の装備品も神界での評価や戦争での生存率に繋がるため、装備を引っぺがしてケチるか評価を上げるために良い装備品を持たせるかという選択も考えさせられる。
  • ダンジョンに潜ったり、仲間を見つけてイベントをこなしたりするとゲーム内での時間が経ち、ある程度経過すると章が進み、その都度神界への報告をする。エインフェリアの転送をきちんとやっていたり、ダンジョンのボスが守っているレアアイテム、アーティファクトを献上していれば神界での評価が上がり、報酬やアイテムをより多くもらうことができる。
    • 終章に入ると最終戦争ラグナロクが始まってしまい、ラストダンジョンに強制的に突入してしまう。ただし、よっぽど評価が下がらない限りはラグナロク開始まで何をやろうが自由である。イベントの遂行やエインフェリアの転送も必須ではない。
  • 報酬はお金ではなく、マテリアルというあらゆる物質の基本を構成する物体である。主人公は神様なのでそれを元にアイテムや装備品を創造することができる。いらないアイテムをマテリアルに戻すこともでき、システムは変わっているように思えるが基本的に他のRPGでいう商品の売買と変わらない。
    • 言わば自身が道具屋や武器屋のようなシステム。
    • 非常にたくさんの仲間を育てる必要があるため、スムーズに攻略するには装備品などにマテリアルを多く費やす必要がある。
  • ダンジョンの奥にあるレアアイテム、アーティファクトは神界に献上しないと評価が下がるが、『大量のマテリアルに変換できる』『特定の敵を一撃で殺せる武器』『別の有用なレアアイテムに作り変えられる』『ステータス上昇アイテムを生み出す』など ほとんどがかなり有用なもの。何を手元に残し何を神界に送るか考える必要がある。
    • が、希望に沿ったエインフェリアの転送をきちんとこなしていれば全てのアーティファクトを手元に残しても問題はなかったりする。
  • 本作のエンディングはA,B,Cの3種類が存在する。
    • 主人公であるヴァルキリーの使命は上記の通り「戦士の魂を集め、神界戦争を勝利に導く事」と「不死者を浄化する事」であるが、ただその使命に従っているだけでは真のエンディングであるAエンディングを見る事は出来ない。
    • 本作の隠された真の目的は「主人公に秘められた秘密を解き明かす事」である。その為には時には使命に背いて独自に行動しなければならない。

戦闘システム

  • パーティーは4人で構成され、PSのコントローラーの □(前衛)、△(中衛上)、×(中衛下)、○(後衛) がそれぞれの位置のキャラクターの攻撃に対応している。
    • 例えば、□を押せばそれに対応する前衛キャラが攻撃をする。○、×、△、□を同時に押せば全員が一斉に攻撃をする。コマンドが省略されているため非常にお手軽な上、戦闘時間の短縮に繋がっている。
    • 更に武器によって1ターンに行える最大の攻撃回数が異なり、一人最大3回まで攻撃ができる。攻撃中にボタンを連打すれば次々に攻撃をつなげてくれるし、複数の敵に1回ずつ別の攻撃を加えてもいい。
    • 攻撃のモーションは戦士系なら各キャラクターごとに、魔法使い系ならそのキャラが使用する魔法によって異なり、それぞれ『敵を浮かせやすい』『ガードを弾く』『ヒット数が多い』『毒などの追加効果がある』『範囲が広く当たりやすく使いやすい』といった特徴を持つ。特に魔法は多用できない代わりに確実に敵のガードを崩せるためコンボの起点に有効である。
    • 一人で攻撃するよりも複数人で単体の敵を攻撃したほうが、また各キャラが1回ずつ攻撃するよりは一度に連続して攻撃をつなげたほうが、敵のガードを崩しやすくなったり、コンボを発生させやすい。
      • そして、敵を浮かせた状態で攻撃をヒットさせれば取得経験値を上げる魔晶石を得られ、敵をダウンさせた状態で攻撃をヒットさせると、決め技などを使った後のクールタイム*1を短縮できる紫炎石が得られる。(さらにそれらに混じって宝箱も現れることがある)コンボを工夫すればするほどパーティーに有利に働く。
    • 更にコンボが繋がればゲージが溜まり、必殺技が使えるようになる。
      • また魔法使いは使用している武器によってはより強力な大魔法を使える場合がある。この大魔法は雑魚戦ならこれ一発だけで戦闘が即時終了、微々たるダメージしか与えられずに苦戦するボス戦でもこれ一発で一気に大逆転できるほど強力。

ダンジョン探索

  • ダンジョン探索は2Dアクションゲーム方式で、ヴァルキリーを操作してサイドビューのステージを進んでいく。
    • ヴァルキリーは、ジャンプ、しゃがみ、スライディングといった移動テクニックや剣を振る、晶石という氷塊を打ち出す といった攻撃テクニックを駆使してダンジョンを攻略する。
      • ステージに徘徊する敵を剣で攻撃することによって戦闘で先制をとれる、逆に敵の方から接触すると不意打ちされやすくなる。
      • 晶石を敵に当てると敵が動きを停止し、一時的に足場などに使える。また壁や床に当てると一定時間足場が張り付く。応用的な使い方として、晶石の足場を剣で壊して、その破片を積み上げて高い足場を作る、照射される光を晶石にあて、反射させるなどといったテクニックもある。
    • 敵を倒すと、ダンジョンから出るまで敵シンボルは復活しない。
      • ただし、アークダインの遺跡というダンジョンではダンジョンの内部から入り口に戻り、また内部に入ると何故か内部のモンスターが全て復活する。このダンジョンはどの難易度でも出現する上に登場する敵が弱いためレベル的な問題で詰まった人用の救済措置と見られている。またダンジョンから出る事が出来ないラストダンジョン等は、画面切り替えで敵シンボルが復活するようになっている。
    • ダンジョンの奥にはボスが控えていて、倒すと彼らの所有するアーティファクトが得られる。

評価点

システム面

  • 成長戦略・経済戦略が非常に高い。
    • ラグナロクが始まるまでの限られた時間にいかにキャラを育て、有用なアイテムを収集し、かつ神界での評価を保てるか、というのが攻略の鍵を握る。
    • ゲーム開始時に難易度が易しい、普通、難しい、の3つを選べるがその選択によって経験値のレート、出現するダンジョン、仲間にできるキャラ、到達できるエンディングなどが変わる。また難易度が高いほど経験値稼ぎの効率が低くなる代わりに行けるダンジョンが増え、高度な成長戦略を必要とするようになる。とてもやり込み甲斐がある。
    • 前述のアーティファクト変換などをある程度理解していれば、難易度が「難しい」の方が簡単だという声も多い。これは難易度が高いほど多彩なアーティファクトが入手可能であり、それらを利用する事でより強力な武器などが入手でき、レベルアップでのステータス上昇分を補って余りあるほどの効果があるため。
  • 戦闘システムは評価が高い
    • トライエースのゲームは戦闘システムの評価が総じて高いことが知られているが、この作品はその中でも特に評価が際立っている。
      • このゲームはシステムの性質上戦闘の比率が格段に高いのだが、初心者・熟練者どちらも抜群の爽快感で楽しむことができ、おまけにコンボの試行錯誤の課程が面白く、マンネリになる心配が少ない。
    • 癖のある攻撃を 指先の細かい操作によってキャラごとのタイミングを合わせたりずらしたりしながら組み合わせ、より有効なコンボを見つける過程は本当に奥深く熱中できる。
    • 攻撃を加える敵によっても、当たり判定やガードの有無、耐性などが異なるため、有効な攻撃の組み合わせを一つ見つけても敵に合わせて微妙に変える必要があり、新たに組み合わせを見つける楽しみがある。
    • また前述したように仲間を神界へ転送し続ける必要があるため、パーティー構成がころころ変わり、その度に攻撃の組み合わせを発見しなおさなくてはならないので単調になりにくい。
    • キャラクターそれぞれの必殺技は強力・派手・個性あり、の三拍子が揃っていて実に爽快。そのためにもやはり有効なコンボを繋ぐのは大事である。
      • 豪華声優陣によるフルボイスの呪文詠唱*2も凝っていてとても見ごたえがある。
    • 難易度が普通までなら、無理にコンボに凝らなくても問題なく進めるのだが、難しいになると取得経験値のレートが下がるため、スムーズにレベルを上げるためにコンボを利用して魔晶石を稼ぐ必要がある。難易度によって初心者向けか熟練者向けか上手く差別化ができている。
    • また、各キャラクターは武具の他に、自動で回復アイテムを使う、分身が一緒に攻撃してくれるようになる、致死ダメージを受けても一定確率で生き残るなどといった効果を持つスキルを装備することができ、戦略性を高めている。
    • なお、エインフェリアはヴァルキリーが実体化させているという設定があり、ヴァルキリーが戦闘不能になった状態で一定ターンが経過すると実体化が保てなくなって強制的に全滅→ゲームオーバーとなる。そのため、いかにヴァルキリーを生存させるかも重要になる。
  • ダンジョン探索にも力が入っている
    • 通常のRPGとしては珍しいタイプのダンジョンだが、操作体系やステージ構成はかなり練られていて本物のアクションゲームにも劣らない出来であり、評判は良い。
      • 無限稼ぎができないことも成長の戦略性を高めている。
    • PS末期のゲームだけあってグラフィックのレベルはかなり高く、背景描写は時に神秘的に、時に不気味にきめ細かく描かれている。モンスターやキャラクターのモーション・エフェクトも手抜かりがない。

シナリオ・演出面

  • ストーリー全般評価が高い
    • 基本的に"与えられた使命を如何に効率的に果たすか"を求められ、前述のようにアクションや戦闘の比率が高い本作は一見するとストーリー性よりもゲーム性や戦略性を重視したゲームに見えるが、決してストーリーに手を抜いてはいない。
      • 条件を満たした場合のみ分岐するAエンディングルートではそれまでの主人公やプレイヤーの常識が悉く覆され、さり気無く張られていた伏線を回収し、怒涛の勢いで真実が明らかになっていく。ようやく語られるプロローグの意味、宿敵とのまさかの共闘、本性を現す黒幕、そして勃発する本当のラグナロクと、物語は二転三転し、息もつかせぬ展開で真の最終決戦に突入する。
    • トライエース作品はストーリーが練り込み不足、説明不足、超展開、鬱、電波などあまり褒められた出来ではない作品が多いが、本作はそれらとは比較にならないほど練り込まれた素晴らしいストーリーである。
  • ヴァルキリープロファイルの人気を支えている要因として見逃せないのは仲間キャラ、エインフェリアたちである。
    • 彼らは例外なく死亡した人間で、参入イベントでは 彼らの生前の様子と死に至る過程が描かれている。仲間は20名以上いるにもかかわらず、これらの参入イベントや戦闘での性能の多彩さ・各キャラを演じる声優のボイスにより皆見事に個性が表現できている。
      • 国家に忠義を尽くしたがために国家の汚れ役を押し付けられる形で謀殺された射手
      • 生前は悪行ばかり働き地獄に落とされそうになるも、かつて一度だけ行った善行を思い出しエインフェリアに選定された悪党
      • 女の身でありながら復讐のために性別を偽って騎士団に入り、女であると言う正体を知ってしまった騎士団長と恋に落ちるも、復讐相手との争いで命を落とした剣士
      • 正義を信じて戦争をしてきたはずが、目の前にいる「斬るべき敵」が家族を守ろうしているだけの者であった事に正義が信じられなくなり、そのまま手を下せずに逆に殺された優しすぎる武者*3など彼らの死に様はいずれも切なく印象的。
    • またエインフェリアではないが、ヴァルキリーを偏執的に愛するあまり彼女の気を惹くため数々の悪事や謀略を仕掛け、時にヴァルキリーに協力しパーティーに加入することもある魔道士レザード・ヴァレスは中の人(子安武人)の熱演や作中で行う突き抜けた所業の数々により非常に人気が高い。次回作にも登場し、『SO3』や『ラジアータ ストーリーズ』でゲスト出演してしまうほど*4
  • 出演声優もかなり豪華。
    • オーディン役の池田秀一をはじめ、主人公ヴァルキリー役の冬馬由美、井上喜久子、若本規夫と現在でも第一線で活躍するベテラン・実力派声優が名を連ねる。
  • BGMも珠玉の良曲ぞろい
    • 桜庭統氏が手がける良テンポかつエネルギッシュなステージ音楽&戦闘曲が探索を心地よく進ませてくれる。

賛否両論点

一部ダンジョンの攻略が難しい。

  • チュートリアルダンジョンで一通りの操作法を覚えるが、そこでロープにぶら下がって移動する方法を教えてもらえないためにこれを使った仕掛けを解くのに頭を悩ませたプレイヤーを多数出してしまった。
    • 序盤のダンジョンではロープで移動する仕掛けもなく、あるダンジョンの高い所にある宝箱を取るのに晶石や宝箱でムリヤリ足場を作って突破しようと試行錯誤している*5うちにそこで偶然ロープにぶら下がっていて初めてロープの移動方法に気が付くというパターンが多い。背景と同化してロープが見えにくいのもそうなってしまった要因の一つだろう。
  • 他にも巨大で複雑な構造のうえ大量のトラップが存在する「古代墳墓アメンティ」、穴へ落ちると強制的にダンジョンから放り出される「天空城」、無数の火山弾が避ける間もなく落ちてくる「炎の城塞」、晶石の使い方を熟知してないとアクションで詰まる「水中神殿」、ボス部屋の場所がわかりづらい「亡失都市ディパン」、無数のワープゾーンで構成される「アリアンロッドの迷宮」など、後半のダンジョンはアクションゲームに慣れていないプレイヤーには酷なステージも多い。中盤でもボス直前のカラクリ部屋がややこしい「ローム丘陵のカラクリ屋敷」、エリア間のつながりが恐ろしく複雑な「レザード・ヴァレスの塔」、その簡易版とはいえ十分複雑な構造を持つ「黒夢塔」といった難関ダンジョンが存在する。
  • ただ上記に挙げたダンジョンのうち、ディパンとレザード・ヴァレスの塔以外は全て難易度が「難しい」を選んだときのみ出現する。黒夢塔は難易度「普通」以下で出現するが構造が複雑なだけで難解な謎解きやアクションを求められるわけでない。
    • 因みに、それらの「難しい」を選んだ時のみ出現するダンジョンには「紅蓮の宝珠」というアイテムがあるが、これらは隠しダンジョンで封印された扉を開けるのに必要。この方法を用いないと仲間にできないキャラも存在する為、難易度「難しい」を選ぶ見返りはきちんと存在する。

ゲームバランスは若干崩壊気味

  • 一部スキルの有用性が高すぎる。
    • HPが0になった時に一定確率で生き残る「Guts」と言うスキルは、このスキルによって生き残ったHP1の状態でも問題無く連続発動するため、とりあえずこれをレベルMAXまで育てておけばキャラクターが劇的に倒れにくくなる*6
      • それに加え、条件を満たすたびに自動で回復アイテムを使うスキル「オート・アイテム」をセットして蘇生アイテムを大量に用意しておけば、もしGutsの発動漏れでキャラクターが倒れても自動的に即座に蘇生されるため、敵の全体攻撃で一度にパーティ全員が倒れ、しかも誰もGutsが発動しなかったと言う極めて稀な状況でしか全滅しないようになる。
    • 強すぎるので使わないという選択肢もあるのだが、終盤近くになってくると1回の敵の攻撃で数万ダメージといくらHPを上げても耐えられない事が多い*7。隠しダンジョンに至っては味方の最大HPが90000までしか上げられないにも関わらず、単体で合計数十万ダメージを与えてくる連続攻撃を持つ敵や、全体攻撃で10万以上与えてくる敵も登場し、上記の強力なスキルを使わざるを得ない状況になってしまっている。
  • 「大魔法」が非常に強力
    • 魔術師における決め技の強化版「大魔法」は一部の杖でしか使えないようになっており、しかも序盤から手に入る該当の杖は大魔法を使うたびに壊れる可能性があるので多用はできないのだが、一定の手順を踏むと手に入れられる杖の中には無制限で大魔法を使える杖があり、これを手に入れるとほぼ全ての戦闘が大魔法の連打で済んでしまうようになる。
      • もちろん全ての敵が大魔法一発で死ぬ訳では無いので撃ち漏らす事は少なくないが、大魔法に繋ぐまでのコンボを先述の「紫炎石」を沢山出すように組んでおくとほぼ毎ターン大魔法を連発できる*8
    • その大魔法各種も有効性の面で格差が激しい。具体的に言うと聖属性の「セレスティアルスター」と次点で闇属性の「メテオスウォーム」の2つだけが威力が飛びぬけて高すぎる*9。特にセレスティアルスターの聖属性は無効化・吸収する敵が少なく、これのみで全クリ可能なほど。
      • ただしセレスティアルスターを発動できるクロスエアレイドはCTの高さがネックといえばネックであり、相手やパーティ構成によっては装飾品でCTを減らしてイグニートジャベリンやポイズンブロウ、補助魔法などを使用し臨機応変に立ち回り、戦士キャラに紫炎石を回した方が安定する場合もあるので、クロスエアレイドの1強と言うわけではない。

ストーリー描写の陰鬱さ

  • 「死者の魂を取り込み使役する」というシステム上、キャラの死亡描写の多さはRPGの中でも屈指である。
    • 更に作品の性質上、殆どキャラが悲劇的な死に方をするため、必然的に雰囲気が暗く、好みが分かれる。
    • これとAエンディングへの流れは「プレイヤーの心理と乖離が激しい」として、かつてあった公式ページのスタッフ座談会では痛烈に自己批判されていた。

問題点

シナリオ面

  • Aエンディングの条件が厳しい
    • 上記のAエンディングに至るまでの条件がとても細かく、加えてある条件を満たすために神界の評価がある程度下がってしまうという、ゲーム性に逆らうプレイをしなければならないため、攻略情報を持たないとまず辿り着けない。
      • 一応ヒントはOPの展開とパッケージに書かれている英文である。その英文は「決められた運命を否定すべし」
    • 他にも通常1周目に行きやすいBエンディングでは最後にAエンディングのヒントが表示される。
      • しかしその内容は極めて曖昧で抽象的であり、攻略本やインターネットに頼らないプレイヤーは次周は取り敢えずゲーム性に逆らってプレイ→評価値が下がりすぎてしまいCエンディングという流れになりやすい。Cエンディングではもう少し具体的なヒントが表示されるが、やはり判り難い。
  • Bエンディングが非常にあっさりしている
    • 内容を簡単に説明すると、神界戦争に勝利してフレイに褒められ、ヴァルキリーは次の使命に備えて眠りに就く。という非常にあっさりしたもので、しかもこれと言った演出はなくただフレイの淡々とした台詞があるだけ。拍子抜けすること請け合いである。
      • Bエンドもある意味バッドエンドなので仕方がないと言えば仕方がないのだが。
    • 位置付けとしては、Aエンディングはストーリーを、Bエンディングはゲーム性を突き詰めたものである。なお、Cエンディングは仕事をサボって評価値がゼロになり、粛清される。いわゆるバッドエンド。
  • 一部エインフェリアのイベントが描写不足。
    • 例を挙げると、死亡描写すら無く仲間になるロウファ、イベント開始時に既にヴァルキリーに選定されているラウリィ、殺された所でイベントが終わる詩帆、など*10
    • アリューゼ、ジェラードのイベントについても、アリューゼ側はともかく、ジェラード側がアリューゼに助けを求めたり、好意を持ち始めたりするのは急展開を超えて超展開気味の描写不足と言える。
    • まだイベントが続くと思わせておいていきなりフィールドに戻る事もしばしばあるので、プレイヤーは混乱しやすい。
    • ちなみにこれらは攻略本で補足解説されている。

システム面

  • トライエース作品の例に漏れず、フリーズが頻発する。
    • 特に、戦闘終了後に○ボタン連打をすると高確率でフリーズする。
      • 不必要なボタン連打が危険であることは言うまでもないが、大魔法を使うだけでフリーズするガノッサなどは、もはやどうしようもない。
    • 戦闘を繰り返していくと、突然戦闘勝利ボイスを喋らなくなるようになり、このままゲームを続けるとAエンドのイベント中にフリーズする。
  • 決め技の演出カットができない。
    • 決め技の中には演出がかなり長いものもあるので、何回も使ってると流石に飽きる。特に使用率の高いアリューゼ*11の決め技発動時の「テメェの顔も見飽きたぜ」という台詞は何度も聞く事になるため、「テメェの技も見飽きたぜ」となるプレイヤーは多い。
      • 次回作ではカット可能になった。
  • 『SO2』よろしくゲーム開始からセーブできるまで実に40分も掛かる。当然ながらカット不可。
    • というのも、音声付きの台詞は全部言い終わるまでメッセージ送りが出来ない為である。また、エインフェリアの加入イベントがスキップできない点も批判されやすい*12。故にイベントカット機能を入れてほしいという声も少なくない*13
  • 魔法書やスキル書にその効果が記載されておらず、それらを習得してからでないと効果が解らない。
    • またこれらのアイテムを配列変換することで別の魔法書やスキル書に変化するためどちらを習得するか悩みの種になる。特にスキル書は変換元と変換先で二者択一になっているものが全てのモードで存在する。
      • 特にノーマル、ハードの「スタンマジック」「スティールマジック」の2択はどちらも一長一短であり、頭を悩まされる。
    • フレイにはレヴェリー(攻撃時にそのキャラの分身が追撃を行ってくれる)の効果が乗らない、蘇芳の攻撃アクションの『夜叉撃ち』の際にダークというスキルを発動すると一回転して正面に戻ってくるなど、ゲーム内で実際にやってみないと発見できない要素も多い。

その他

  • わざわざ正誤表が封入されるほど説明書の誤表記が多い。
    • CD-ROMはカセットROMと違って発売数日前でも間に合うほど製造が早く、パッケージや説明書の方が時間掛かるため。現在でもよくある事で、2013年に発売した「真・三国無双7」も同じように正誤表が封入されていた。
  • OPとEDのアニメが浮いているとしばしば指摘される。
    • OPやEDに出てくるヴァルキリー達のキャラデザインが本編でのキャラデザインと著しく乖離しており、安っぽさは否めない。
  • 『SO2』同様、キャライラストとドット絵の乖離が激しいという声もある。
    • 特にメルティーナは、イラストだと金髪よりの髪の色なのに、ドット絵ではなぜか茶色である。服装も全然違う。なまじ説明書で紹介されているキャラなので、初登場時は「誰これ!?」と言いたくなる事請け合いである。
    • フレイも髪の色が違うし、服も緑1色で投げやりな感じがする。上記メルティーナもそうだがキャライラストが割と美人に描かれているだけに残念である。
    • 蘇芳の兜の前立ての装飾が全然違うのも攻略本等で指摘されている。
  • 神界転送等でパーティを離脱したキャラのうち、ほとんどのキャラはBルートのラスダンであるヨツンヘイム宮殿や、隠しダンジョンのセラフィックゲートにいくと復帰するのだが、ハードモード限定で仲間になるリセリアのみなぜか復帰しない。

総評

シナリオの暗さに好みがやや分かれる傾向にあるものの、エインフェリア関連のドラマや完成度の高い戦闘システム、成長戦略が問われるゲーム性が高く評価され一躍人気作になった。
後にスターオーシャンシリーズとともにトライエースの看板作品として成長を遂げることになる。


余談

イージーとハードの難易度逆転

  • 攻略本のスタッフインタビューで「何も知らずにイージーをやるのが一番つらい」「やり込む要素は入れているがやり尽くすような設計はしていない」といわれていることから「イージーとハードの難易度が逆転している」と言われることがある。
    • 先述の通り一部スキルで劇的に倒れにくくなるため、こういったシステムを理解しているプレイヤーにとっては、レベルアップさせて防御力やHPを上げる事はさほど重要ではなくなる。重要なのはボスをきちんと倒しきる攻撃力を得る事のみで、それは大半が武器の性能に依存する*14
      • そのため取得経験値の多い少ないの差があまり意味を成さなくなり、ハードモードでのみ手に入る「上級配列変換の宝珠*15」によって手に入る上位アイテムの存在だけが残ってしまう。
    • 一応ハードモードは他にも「加入するキャラは一律レベル1でスタート(最終章直前加入のキャラでもレベル1)と言うハンデがあるのだが、これは「生命の腕輪」と言うアイテムの存在により逆手に取る事ができてしまう*16
    • 難易度によって登場するダンジョンが変わり、特定の難易度でしか登場しないダンジョンが多く存在するのだが、ノーマルとハードでは合計数は大して変わらないが、イージーだけは半分以下の数しか登場せずレベルアップの機会が少なく、取得経験値の多さがあっても尚レベルが上げにくい。
    • 他にも、仲間になるキャラクターも難易度が高いほど総数が多くなる一方でチャプターの進みと神界転送を求められる回数は同じなので、イージーの方が余裕がなくなってくるシステムが多い。
  • ハードモードよりイージーのほうが難しくなるという風潮は上記スタッフのコメントのほか、大半のプレイヤーが「ハードモードと比較してでイージーを評価している」事に由来している。モードごとに手に入るアイテムの種類や戦うモンスター等は異なるため、「ハードと比較して~が足りないからツラい」ではなく純粋に与えられたものを駆使しての対策、戦略を考えればこのモードがなぜイージーと呼ばれているかがわかる*17*18
    • イージーでは、強力な雑魚やボスがほとんど出現しないため、消費アイテムや防具の生成、補助魔法などはほとんど必要ない。またイージーでは不要なアーティファクトが多く手に入るが、それらは換金率が非常に高く、それらをMP変換していけばアイテム、防具が必要ないことと相まってMPが枯渇するような状況になる事はない。
    • 戦士系の武器、防具、スキルはハードと比べて良いものがなかなか手に入らず貧弱だが、魔導師の武器、防具、スキルは大魔法が無限に打てる杖が手に入らないということを除いて、ハードモードとほぼ互角のラインナップである。つまり「戦士系の武具やスキルがないからイージーはつらい」とか言ってないで素直に魔導師を2人配置すればよいのである。
    • エインフェリア加入時のレベルが非常に高いため加入→即転送が可能であり、転送用のキャラの経験値を稼ぐ必要がないのでメインキャラのレベルアップの機会は十分過ぎるほどある。ハードのように余ったピリオドを利用してレベル上げや稼ぎをする必要すらない。またチャプター8以外は一人以上、必ずエインフェリアが加入するため、キャラの選択幅は確かに少ないとはいえ、余裕がなくなるようなことはない。
    • 「生命の腕輪」が入手しにくいのは確かにネックだが、逆に言えば強力な装飾品を付け放題である。
    • ちなみにクリアタイムはハードだと大体30時間前後だが、イージーは10時間かからない。
    • ハードモードには登場しないダンジョンもいくつか存在していることも相まって、ハードモードプレイ後でも新鮮な気持ちでプレイ出来る。

その後の展開

  • 人気からシリーズ化され、続編も2作発売されている。
    • また、2015年には本シリーズの精神的続編と言える『イグジストアーカイヴ -The Other Side of the Sky-』が発売されている。シナリオは本作同様、則本氏が手掛けた。
      • 世界観こそ全く異なるが、戦闘やダンジョンのシステム、パーティーキャラは死者の魂、深刻なバグの多さなど本作から受け継がれた要素が多い。
  • 本作の移植としてはPSP版『ヴァルキリープロファイル レナス』が発売されている。
    • 変更点は各アニメムービーがCGムービーに置き換えられたことで、クオリティも非常に高い。
    • それ以外の追加要素はないが、フリーズ問題は解決されているので、現在購入するのならこちらがおすすめ。
    • 現在はスマートフォン用買い切りアプリへも移植されている。
  • 本作のED直後から繋がる実質的な続編シナリオが『スターオーシャン:アナムネシス』のコラボイベントで展開されている。
    • 通常、イベントシナリオは該当作の時空に行ってしまった主人公の交流シナリオなのだが、本イベントはSOキャラを排除したVPのみのシナリオが展開されている。
  • コミカライズもされており、本編のAエンディングルートを上手くまとめたものや、レザード・ヴァレスを主人公としたスピンオフ作品が存在する。


*1 ゲーム内ではチャージターンと呼称

*2 しかもキャラごとに同じ呪文でも微妙に詠唱が違う。

*3 彼がイベント中で発する「俺は今まで斬りすててきた者達こそ守りたかったのだ」は、本作屈指の名台詞として有名

*4 ただし、基本的にやる事なす事が外道な悪人(目的の為にはその謀略によって恩師を殺すほど)であるため、嫌う人も多い

*5 当時発売された4コマでもネタにされた

*6 レベルMAXでの発動率は85%にもなる。

*7 本編のボスの攻撃程度であればDMEアップや特定の属性半減、90%カット、DMEに転化する武器などの装備品や補助魔法を駆使すれば容易に耐えることが出来る。

*8 紫炎石はチャージターンが溜まっているキャラにランダムで分配されてしまうが、魔術師以外が決め技を使わないようにする=チャージターンを溜めないようにすることで簡単に解決可能。そして魔術師以外の決め技が必要なくなるほど大魔法は強い。

*9 ドラクエで例えるなら、他の大魔法をメラミ3発程度のダメージだとすると、この2つだけイオナズン10発くらいの威力がある。FFで例えるなら7のリミット技。攻撃一回に対するダメージはほぼ同じの為、攻撃回数の多いものほど強力になってしまう。

*10 ロウファとラウリィも話の流れでどういう状況に追い込まれたのかは分かるので、どのようにして死んだかも想像で補える範疇ではあるが、選定に関わるヴァルキリーとの対話のシーンが丸ごと無いので感情移入はしにくい。

*11 加入が非常に速く(OPのイベントの一環で加入)イベントの都合上神界に転送できない。おまけにきちんと要望通りのエインフェリアを送った場合、職業を指定されない1章と4章で優先して魔術師を送らなかった場合中盤では戦士が不足するので必然的にパーティーにいる事が多くなるため。単純に決め技が強力なのも要因の一つ。

*12 特にバドラックというキャラのイベントはこれまた45分くらいかかる

*13 ちなみに、後に発売された『SO3』にはイベントカット機能が実装されている

*14 特に主人公であるヴァルキリーは武器のランクによって決め技そのものが変わる他、魔術師も先述の大魔法が使えるのと使えないのでは大きな差がある。

*15 アイテムを別のアイテムに作り変える「原子配列変換」のパターンを変えられるアイテム。

*16 レベルアップ時にHPを余分に+300する装備品。初期レベルが低ければ低いほど、これによってレベルアップする機会が多く得られてHPを伸ばせる。さらに重複可能なので、アクセサリを2つともこれにしてレベルをあげると、余分に+600もあがる事になる

*17 以下を踏まえて一例を挙げると魔法威力を上げられたりCTを下げたりできる装飾品を装備した魔導師二人体制で、相手の弱点属性の、もしくはCTが低く強力な通常魔法を毎ターン撃ち続けるような戦略が有効となり、これで通常の雑魚戦からハードモードでも本編最強といわれている終盤のボス相手まで十二分に戦うことが可能。戦士系の決め技や、大魔法に頼り切る戦略はイージーでは非常に厳しく、逆に自分の首を絞めることになる。

*18 何も知らずにイージーをプレイした場合、先入観などから配列変換や戦士系の決め技や大魔法に頼り切ることに戦略が限定されることはないので、普通に生成や道中で手に入る宝などを用いて問題なくクリアが可能。全容を知った上でイージーをプレイする場合でも前述のような戦略に固執しなければ下記のような戦略は容易に思い浮かぶため簡単にクリア可能。冷静に考えて楽にクリアするのに「先を見据えた稼ぎが必要」で「強力なキャラやスキルや魔法、上位の配列変換などの事前情報が必要」な上に「ダンジョンの難易度が桁違いに高い」ことなどを踏まえれば本来は「何も知らずにハードをやる」のが一番難しいに決まっているのである。