文字遊戯
【もじゆうぎ】
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ジャンル
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シン・テキストアドベンチャー
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対応機種
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Nintendo Switch Windows(Steam)
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メディア
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ダウンロード専売
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発売元
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フライハイワークス
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開発元
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Team9 エスカドラ
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発売日
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【Switch】2025年8月7日 【Steam】2025年8月14日
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定価
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3,600円(税込)
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レーティング
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IARC:7+
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プレイ人数
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1人
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判定
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良作
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ポイント
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全てが文字で作られたADV 漢字を改変して謎解き 定価に対するボリュームは少なめ
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概要
元々は台湾のインディーデベロッパーTeam9によって2022年にリリースされたゲーム。
原作は中国語の漢字を改変して言葉を作り変えるアドベンチャーゲームであり、その性質上、別言語への翻訳は不可能とされていた。
そう思われていた本作だが、2025年8月にフライハイワークスから日本語版がNintendo SwitchとSteamでリリースされた。
特徴
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グラフィックのほぼ全てが文字によって作られているアドベンチャーゲーム。
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単なるテキストアドベンチャーとは違い、文字によって作られたマップとキャラクターで、ゲームのほぼ全てが作られている。
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例えるなら昔のRPGの歩行グラフィックやマップチップがそのまま漢字に置き換わった状態になっている。
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基本は謎解きアドベンチャーであり、後述する3種の魔導具を使用して、文字を改変し、物語を進めていく。
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答えがわからない時のために、ヒントを見る機能も搭載されている。
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ストーリーは、勇者の我(ワタシ)を操作して、魔龍(ダークバハムート)を倒し、姫君を助け出すことが目的。
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3種の魔導具
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削字之剣(デリートソード):文字を削除できる。
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押引手袋(プッシュグローブ):文字を押し引きして動かすことができる。
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離合之兜(スプリットメット):文字を分解したり結合させて別の字にすることができる。
評価点
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丁寧かつ良質な翻訳
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元のコンセプトを保ったまま日本語にローカライズされたこと自体が、ある意味第一の評価点と言えよう。
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「魔龍」を「ダークバハムート」と読んだり、「削字之剣」を「デリートソード」と読ませたりと、漢字にカタカナの読み仮名を振り当てるなどの翻訳者の工夫が垣間見えるのもポイント。
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翻訳者へのインタビューによると、この表現方法は日本の漫画から着想を得たとのこと。
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同じく漢字を使用する日本語だからこそできたと思われる本作のローカライズだが、実はこれでも翻訳に3年もかかっている。
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力の入った演出面
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3種の魔導具の入手時や魔龍の登場時の演出などには、文字で形作られたムービーが表示されるようになっており、かなり凝っている。
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また門が実際の扉のように開閉したり、時計の字が振り子のように揺れていたりと、細かいところまで作り込まれている。
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良質なストーリーと深い世界観
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世界観はファンタジーRPGのような王道な世界観だが、前述した文字で作り上げられたビジュアルのおかげで、陳腐さは全く感じられない。
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ネタバレになるので詳細は割愛するが、終盤は怒涛のどんでん返しが繰り広げられ、プレイする者を熱くさせる。
賛否両論点
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漢字の知識がそれなりに必要
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漢字を改変するギミックが使用されている仕様上どうしようもないのだが、漢字の知識がそれなりに必要なのは、少なからず人を選ぶところである。
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例えばさんずいが水に由来している部首であることを知っていることを前提とした謎解きもあったりするので、単に漢字が読めるだけでなく、漢字の成り立ちなどの知識も求められる。
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当然、漢字がそれなりに読めることも大前提なので、低学年の子供向けというわけでもない。
問題点
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定価に対してボリュームが少ない
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3,000円以上する定価に対して、クリアまでかかる時間は、約6~8時間程度。
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演出面の力の入れ具合や、ローカライズの手間などを考慮すれば、この値段でも納得できなくもないのだが、大ボリュームとはとても言い難い。
総評
文字・漢字を改変して物語を楽しむテキストアドベンチャーという、全く新しいゲームシステムは、プレイする者を唸らせる。
漢字の知識がそれなりに求められる点や、定価に対するボリュームが少なめという欠点も無くはない。
それでも、本作でしかできない体験は味わうことは可能なので、興味があればプレイして頂きたい。
余談
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原作の中国語版もSteamにて販売されているが、日本語版とは別のSteamストアページとなっている。
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原作で対応している言語は中国語のみで、日本版は日本語のみ対応となっており、ゲーム内で言語の切り替えは不可能となっている。購入する際は間違えないように注意。
最終更新:2025年11月16日 13:35