そして でんせつが はじまった!
エニックス(現スクウェア・エニックス)のRPG『ドラゴンクエストIII』の登場人物。
本作では主人公専用の職業である。
CDシアター版では
緑川光
氏、『
スマブラSP』では
檜山修之
氏が声を務めている。
スペクタクルツアーでは松浦司が演じた。
女勇者は出番が控えめだが、デジタルカードゲーム『ドラゴンクエストライバルズ』に登場した際は
皆口裕子
女史が演じている。
魔王バラモスを討つために旅立ち戦死したとされる偉大なる勇者オルテガ(
この人ではない)を父に持つ、アリアハン在住の少年(あるいは少女)。
自身が16歳となったとき、亡き父の意思を受け継いで魔王討伐の冒険へと旅立って行く。
男性版でも女性版でも
逆立っている髪形が特徴的。鳥山明氏のイラストだと
孫悟飯やビーデルにそっくりとかは禁句。
前述の通り皆口女史が演じているためシャレにならなくなった
『DQ』の主人公は基本的にプレイヤーが命名できるため、
固有の名前は特に定まってはいない。
本作では性別も決まっておらず、名前共々操作前に任意で設定するものとなっている。
SFC版・GB版のオープニングやスクリーンショットでは「アルス」とされており、
この名前は後に『DQVII』の主人公の取説、スクリーンショット、小説版に引き継がれた。
旧エニックスより発売されていた二次作品(高屋敷英夫氏による小説版、CDシアター版(ドラマCD)、
藤原カムイ氏による漫画作品『ロトの紋章』)では「アレル」という名の男勇者になっている。
一応ゲームでは女勇者も選択できるのだが、
FC版ではグラフィックが全く変わらずイラストも用意されず、リメイク版でも微妙に差がある程度。
ゲーム中も装備可能品が違う程度で、ストーリーもほぼ変化しない。道中で
父オルテガと間違えられる展開も同じ。
スタート直後に母親から「立派な男の子として育てた」と言われ、アリアハンの王様からも「オルテガの息子」と呼ばれるが、
その次の村で子供から「女の人」と言われた際に、主人公自身が自分は男だと否定している(≒女である事を隠している)描写がある。
リメイク版では一応「男の子のように育てられた」など、男勝りである事のフォロー(?)が加わっている。
そのためか、公式の二次作品にIII勇者が登場する場合はほぼ全てが男勇者になっており、女勇者は影が薄い。
ファンイラストなどでは「よく男の子に間違えられるボーイッシュな女の子」とされる事が多い模様。
なお、GB版公式ガイドブックではイラストを手掛けた村上ゆみ子氏によるアレンジが入り、より女性らしい外見となっている。
次作『
ドラクエIV』では女勇者のグラフィックが大幅に差別化されたが、男勇者に比べ影が薄い点は同様であり、
その後主人公の性別を変更できる作品は『ドラクエIX』まで間を空ける事になる。
性能面では
武器戦闘と呪文の両方に長けた万能型。
「HP」「ちから」の成長が良く、装備可能な武器や防具も幅広いので攻撃が安定している。
呪文においても攻撃・補助・回復とバランスよく備えてくれるので、状況による臨機応変な対応に優れている。
特に『III』初登場である勇者専用の最強攻撃呪文
「オダデイン」「ギガデイン」、全体全回復呪文「ベホマズン」の双方が大変強力。
ただしどちらも消費MPが多いうえ、この勇者は『III』職業の中でも、
また歴代主人公の中でもMPの伸びが芳しくない(そもそも呪文が使えない『
DQ2』のローレシア王子を除く)ので、
あまり強力な呪文を乱発できない弱点がある。
そのため、呪文の分野を担当する賢者や魔法使い等をパーティーに連れて行く人も多かっただろう。
この作品以降、デイン系統の呪文は勇者の専売特許になってゆく。
その割に
子孫はその呪文を使えないが、細かい事は気にしてはいけない。
それに子孫の頃はベギラマが雷の呪文だったから間違ってはいない。
『バトルロード』ではシリーズ初のオリハルコン製の剣とギガデインの使い手故かギガブレイク(ダイの大冒険版)を使用している。
+
|
以下詳細な原作の展開 |
実は魔王バラモスは 尖兵に過ぎず、真の黒幕は 地下の世界アレフガルドを支配する大魔王 ゾーマであった。
大魔王の存在を知った勇者一行は、彼を倒すためにギアガの大穴から地下の世界へと旅立って行く。
「王者の剣」「光の鎧」「勇者の盾」そして「聖なる守り」を手にして大魔王を討ち滅ぼした後の世界は、
それまで続いていた永遠の夜から永遠の昼が訪れ、かくして勇者の名前は末永く語り継がれる事になった。
この国に伝わる真の勇者「ロト」として。
そして上記の彼(彼女)の装備品は「ロトの装備」として、「聖なる守り」は「ロトの印」として、
後の物語となる初代『ドラゴンクエスト』の時代にまで遺される事になるのである。
サブタイトル「そして伝説へ…」は、まさに言葉通りであった。
この事から、ファンからはシリーズの中でも『I』・『II』・『III』は纏めて「ロト3部作」と呼ばれている。
「永遠に昼の世界」になるというオチ以外にも結構ネタを引いていて、
吟遊詩人ガライがまだ生きているためにガライの町が無かったり、メルキドの城塞や ゴーレムが建造途中だったり、
後に 竜王に滅ぼされるドムドーラがまだ健在だったりと、過去の物語ならではの様子が所々に散見する。
余談であるが、上記の装備品は勇者の最強装備であって、必須アイテムという訳では無い。
そのため「 あぶない水着」やら「 ぬいぐるみ」やら「 ステテコパンツ」やらの変な装備を遺されて、子孫が困るというネタもしばしば見られる。
尤も上記の装備品は勇者の最強装備以前に、ゾーマが奪ったラダトーム城の宝でもあるので(王者の剣だけはゾーマに破壊されたので新造したもの)、
仮に使用しなかったとしてもなんらかの形で後世に伝わっていく事だろうが、
あくまで「ロトのつるぎ」「ロトのよろい」として伝えられるのは勇者が使用した装備である。
いかなる装備を子孫達に遺すかは、勇者ロト自身であるプレイヤーが自由に決める事ができるのだ。
ちなみに王者の剣は『VII』において攻撃力が全く同じでデザインも似通っている「王者のつるぎ」が登場している。
ファンサービスなのか、関連性があるのかは不明。
『VII』の主人公のデフォルトネームが「アルス」のためある程度狙っているのかもしれない。
さあ、君も素手でゾーマを倒して「ロトの拳」を後世に伝えよう!
|
+
|
ユウシャロトココニネムル |
FCディスクシステム『 リンクの冒険』に何故か「ユウシャロトココニネムル」という謎のメッセージが書かれた墓が登場する。
勿論アレフガルドとハイラルは繋がってなどおらず、ただのパロディである。
FFにも「リンク ここにねむる」という墓が存在し、『スターオーシャン3』に「ユウシャロト ココニモネムル」の墓が、
『ケルナグール』には「ゆうしゃのはかはめぐりめぐる リンクしかりロトしかり」というメッセージがある。
また『 天外魔境II』でもある村の墓地が「林句」だの「 麻里魚」だのと そんな墓碑だらけである。
昔はこういうパロディには大らかだったのだ
(一応『DQ』と『スターオーシャン』は両方共エニックス…と言いたい所だが、
当時のエニックスは自主開発をしないパブリッシャー(販売会社)であり
それぞれ別の下請けディベロッパー(製作会社)による作品なので、勝手にやった可能性も高い)。
とまあ、過去にこういうのが色々あったというのを経て、
後に 一部の作品群は『大乱闘スマッシュブラザーズ』にて正式にクロスオーバーを果たす事となったのだから、
世の中何が起こるか分からないものである。
|
+
|
勇者の“IF” |
2013年にネット小説として連載され(同年完結)、翌年7月にエンターブレインより書籍化された、
『勇者、或いは化け物と呼ばれた少女』(著:七沢またり)という小説作品があるのだが、
実はこの作品、著者が過去に執筆したドラクエ3の二次創作小説を原型としている。
氏が後に執筆したオリジナルの小説作品とも(当然、版権要素以外の)一部設定・世界観を共通させており、
その繋がりで著者の次作として、ドラクエ要素を省いた上でオリジナル作品として一から書き直された経緯を持つ。
なお、書籍が発売された現在でもWEB掲載版は閲覧可能。
原型となったドラクエ3の二次創作小説は、現在は掲載サイトそのものが権利関係の都合で閉鎖しているが、
作者自らの手で当時のテキストファイルが公開されているので読むのは容易。
あくまで二次創作とはいえ、小説版をベースにドラクエ世界の裏側を壮絶にブラックな解釈で描いており、
読者によっては賛否が分かれる一面もあるが、(リメイク前・後共に)「勇者」という一個人を描き切った傑作に仕上がっている。
また同人誌『クリムゾン』シリーズで有名なサークル・クリムゾンの一般漫画『蒼い世界の中心で』においては、
コンシューム大陸最強の勇者 ミョムト=ユーティとして彼をモデルとしたキャラクターが登場しており、
「はい」「いいえ」「ガンガン行こうぜ」などの台詞しか喋らぬも、無辜の人々を助けるため躊躇なく戦い続け、
自身の命を狙っていた 敵が仲間に裏切られ殺されかけた際も、一切の迷いなく手を差し伸べるなど、
その行動はまさしく、かつての我々が『DQ3』をプレイして思いを馳せた「勇者」そのものであった。
|
+
|
ドラクエ11のネタバレ |
「ロト編第0作」とも呼べる作品となった『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』ではエンディングの最後の最後で登場。
母親が『XI』の物語が書かれていると思われる本を棚へ戻した後で寝ている勇者を起こしに行っており、『III』冒頭の場面へと繋がっていく描写となっている。
なお、『XI』に登場する先代の勇者ローシュは『III』の勇者と外見が非常によく似ている。
ローシュのパーティメンバー達もそれぞれ『III』の職業キャラの外見がモチーフとなっている。
|
また、『
大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』では2019年7月にDLCとして参戦した勇者の
カラーバリエーションにIII勇者が存在。残念ながら女勇者は出ない。
CVもカラーごとに違うが、こちらは先述通り檜山修之氏が担当。
ちなみに檜山氏は初代と『DX』では同じく勇者である
リンクを演じており、スマブラの生みの親こと桜井政博氏も紹介動画でこれに言及していた。
デフォルトカラーは『XI』の主人公なのだが、当初のカラバリはXI勇者とIII勇者の2名のみの予定だった事(最初から選考されていた事)、
年代順にキャラクターが登場する「オールスター組み手」にて登場年代が『III』基準となっている事、
カービィがコピーした時の姿がIII勇者の装備になっている事などを鑑みて、『スマブラ』における勇者の性能をここで解説する。
+
|
『スマブラSP』での勇者 |
リーチと 判定のある剣と 飛び道具を備えたファイター。
「MP」なる必殺ワザ用の独自 ゲージ、溜める事で威力と攻撃範囲が増大する各種必殺ワザ、リンクと同様に飛び道具を防げる盾が特徴。
更に、下必殺ワザが21種中4種が無作為に選ばれた上で一つ選択する「コマンド選択」、
スマッシュ攻撃時に1/8の確率で威力が2倍になる「かいしんのいちげき」といったランダム性も有している。
運が良ければ最大溜めワザか下Bの強力なコマンドかかいしんのいちげきで早期バーストを見込める一方、
MPが尽きると必殺ワザを出せなくなるという欠点を持ち、 ステージ外に吹っ飛ばされると復帰できないまま落ちていく事になる。
発生や技後 硬直に難のあるワザが多数存在し近距離の 立ち回りや ガーキャン行動が苦手、空中での機動力と攻撃が弱い、下Bのギャンブル性、
MP管理が求められる等、やる事考える事が多く、性能を十二分に引き出すには慣れと運が要る。
+
|
各種必殺ワザ(以降「B」と表記) |
前方一直線に火球を放つ。MP消費量は6→16→36。
溜める事で威力と大きさが増し(シールド等で キャンセルしても溜め段階を保てる)、メラゾーマともなると撃墜に使えるレベルになる。
足下に竜巻を起こしつつ上方向に跳ね上がる。MP消費量は5→9→18。溜めのキャンセルや保持はできない。
バギマは横方向への移動がしやすく、バギクロスは上昇距離が一際大きい分横移動があまり効かない。
バギは発生が早く、 ガードキャンセルからの反撃に使える貴重なワザ。
復帰阻止にも有用で、当たり所次第では崖にぶつかり跳ね返って落ちていく「崖メテオ」も狙える。
復帰したい時にMPが切れててそのまま落下なんて事になってしまわないようMPの残量に気を付けよう。
勇者の蓄積ダメージの箇所に21種中4つがランダムに表示される コマンドウィンドウが出現。そこから一つ選択する。
近距離攻撃や遠距離への飛び道具や自己強化系以外にも、
当たった相手を眠らせる「ラリホー」(16)、蓄積ダメージが多いほど即撃墜しやすくなる「ザキ」(10)と「ザラキ」(30)、
その場で自爆する「 メガンテ」(1)、一定時間 飛び道具反射効果が発動し続ける「マホカンタ」(14)、
蓄積ダメージを回復する「 ホイミ」(7)、その場でテレポートして複数ある特定地点のいずれかに着地する「ルーラ」(8)、
選択する度に効果の変わる「パルプンテ」(4)等、多種多様なコマンドが揃っている。
剣に溜めた雷を前方に向けて飛ばす(ギガデインのみ上から落雷後に前後を大きく斬り払う)。
MP消費量は8→18→42。溜めのキャンセルや保持はできない。
着地狩りや 起き攻めに便利。
こちらも最大溜めのギガデインとなれば早期撃墜が見込める上、 アーマーが付くので一定%までなら攻撃されても押し切れる反面、
MP消費量がかなり大きく後隙も長いので使い所を考える事。
なお、デインのみMPが足りなくても剣による直接攻撃をしてくれる。
その場で斬り上げ、当たると歴代勇者(カラバリ選外のナンバリングタイトル主人公達)の力を集結させて必殺の一撃を放つ ビジュアル攻撃。
攻撃判定は広いとは言えないが、ダメージ量と吹っ飛ばし力は申し分ない。
|
|
スクエニからは先行して『FF』シリーズの
クラウド・ストライフが参戦していたが、権利問題の関係で発売時点での収録要素はかなり少なかった。
『ドラクエ』は参戦と同時に衣装や収集要素も追加されたが楽曲に関してはかなり厳しかったのか勝利BGM含めアレンジ曲はなし。
ちなみに権利がディズニー持ちの
『キングダムハーツ』も勝利BGMだけはアレンジ出来た。
MUGENにおけるドラゴンクエスト3勇者
+
|
mugenda氏製作 FCドット |
iswebライト終了によりサイトが消失し、現在は入手不可。
ファミコン版の勇者の ドットをそのまま使用した作りになっている。
技は「メラ」「ヒャド」しか使えないが、一応動いてはくれる。……原作でヒャド使えたっけ?というのは禁句。
|
+
|
moyomoto氏製作 手描きドット |
こちらは2014年に公開された手描きドットの勇者。
上記のものとは違いこちらは格ゲー風になっており、非常に高いドットクオリティに仕上がっている。
メラやイオといった攻撃呪文や各種剣技を駆使し、3 ゲージ技としてギガデインも搭載。
デフォルト AIは搭載されていないが、Air氏、ちゃんこ氏による外部AIが公開されている。
|
「あいつは わたしたちに まかせて! はやく にげるんだ!」
出場大会