様々な作品において頻出の
コマンドで、格闘ゲームにおいて基本的なコマンドと言える。
初出の
必殺技名が
通称に使われる事が多く、他作品であってもコマンドの説明に使われている。
必殺技系
- ↓↘→+ボタン
- 初出は『ストリートファイター』のリュウとケンの「波動拳」。通称「波動」。
- 海外では"Quarter Circle Forward" / "QCF"と呼ばれる。
- 最もメジャーなコマンドであり、飛び道具や突進技を中心に様々な技に割り振られている。
- 格ゲー以外でもアクションゲームでもパロディされており、有名なものは『ロックマンX』のほとんど一撃必殺の波動拳や昇龍拳だろうか。
- カプコン以外なら『星のカービィ』シリーズでも『Wii』から「そっこうメガはどうショット」という技のコマンドとして採用されている。
- ↓↙←+ボタン
- 同じくリュウとケンの「竜巻旋風脚」が初出。通称「竜巻」。波動コマンドを左右逆にしたものなので「逆波動」とも。
- 海外では"Quarter Circle Back" / "QCB"と呼ばれる。
- 「↓↘→」と同じく、突進技や飛び道具を中心に多種多様な技に使用されている。
- →↓↘+ボタン
- これも同じく「昇竜拳(現:昇龍拳)」が初出。通称「昇竜」または「昇龍」。CAPCOM公式によると「昇竜」の方が多いとの事。
- 海外では『I』での海外名から取って"Dragon Punch" / "DP"と呼ばれる。
- 対空技(対空投げを含む)に使われる事が多い。たまに移動技に割り振られる事も。
- 入力方向が連続していないため、格闘ゲーム初心者がつまずきやすいポイントでもある。
- 合言葉は「歩きながら波動拳」、もしくは「Z」コマンド(インストカードでのレバー入力がZ字のため)。
- コマンドが簡略化されたゲームでは、このコマンドそのものが存在しない事も多く、
- この場合は全て(または一部を除いた)の必殺技のコマンドが「↓↘→」と「↓↙←」(+「↓↓」)で統一されている事が多い。
- ←↓↙+ボタン
- 初出は『ストリートファイターII' TURBO』のダルシムの「ヨガテレポート(後方)」。「→↓↘」の逆入力版で、通称「逆昇竜」または「逆昇龍」。
- 海外では"Reverse Dragon Punch" / "RDP"と呼ばれる。
- 「→↓↘」に比べ、ガードから入力しやすいのが特徴。
- 用途としては移動技や当身技を中心に、変則的な突進技、対空技、飛び道具と多岐に亘る。
- ←↙↓↘→+ボタン
- 初出は『ストII』のダルシムの「ヨガフレイム」。通称「ヨガ」。
- 海外では"Half Circle Forward" / "HCF"と呼ばれる。
- 「↓↘→」や「↓↙←」と同様の用途に加え、コマンド投げに当てられる事が多い。
- 『スト6』では廃止されて「↓↘→」に纏められ、近いコマンドが暴発防止用として残る程度になった。
- ……と思いきや、ワールドツアーでアバターが習得できるハリケーンアッパーがこのコマンドのままだったりする。
- →↘↓↙←+ボタン
- 初出は恐らくSFC版『餓狼伝説』のホア・ジャイの「ドラゴンバックブリーカー」。「←↙↓↘→」の逆入力版で、通称「逆ヨガ」。
- 海外では"Half Circle Back" / "HCB"と呼ばれる。
- 『ZERO2』以降ではヨガフレイムのコマンドが「逆ヨガ」コマンドに変わっているが、
コマンドとしての「ヨガ」の意味は変わっていないという、ややこしい事態になっている。
- ↓↓+ボタン
- 初出は恐らく『あすか120%』。他には『ストリートファイターIII』(1st・2nd)での「リープアタック」が挙げられる。
- 主に21世紀に入ってから多用されているコマンド。
- ベルトスクロールアクションでのテクニックなどで使われている事が多い事もあり、格闘ゲームの経験が無い人にも出しやすい。
- またPCを媒体とするゲームの場合、キーボードでは斜め入力がしにくいという事情から採用されているケースが多い。
- 業務用ゲームにおいても採用されている作品が多く見られる。
- 移動技や自己強化技に多く、『東方萃夢想』の「霊撃」のようにゲーム中で共通する行動に割り振られるケースも少なくない。
- ←タメ→+ボタン
- 初出は『ストII』の「スーパー頭突き」「ローリングアタック」「ソニックブーム」。
- 所謂「タメ技」。海外でも単に"Charge"と呼ばれる。
- 「タメ」とは、一定時間レバーを入れっぱなしにするという事である。
- タメ技はそのコマンド上、連発は出来ないものの、その分隙が少なく性能の良いものがそれなりに多い。
- タメ系の必殺技を多く持つキャラは「タメキャラ」と呼ばれ、特にガイルはその代表格。
- 初出の『ストII』シリーズではその割合が高く、最終的に17人中8人がタメ技を所持していたが、
- その後はタメ不要のコマンドが主流になっていき、現在では全く採用されないタイトルも珍しくない。
- ↓タメ↑+ボタン
- 同じく『ストII』の「サマーソルトキック」と「スピニングバードキック」が初出。
- こちらは対空技に使われやすいが、ジャンプをキャンセルして出す形になるため、作品によっては非常に出しにくい場合もある。
- ↙方向にタメると「←タメ→」などと兼用できる事が多いが、技や作品によってはきちんとその方向にタメないと駄目な事も。
- レバー1回転+ボタン
- これも『ストII』のザンギエフの「スクリューパイルドライバー」が初出。通称「1回転」。
- 海外では"360"と呼ばれる。"Spinning Piledriver"を略して"SPD"と呼ばれる事も。
- 基本的にCAPCOM系のゲームで強力なコマンド投げにのみ使われている事が多い。
- 「回転方向は不問」「どの方向から入力開始するかも不問」というのが特徴。後述の「→←↓↑」のように「入力順も不問」という作品もある。
- コマンドの関係上、入力中に必ずジャンプしてしまうと思われていたが、
- 実際は360度(例:↑→↓←↑)ではなく270度(例:→↓←↑)で出る事が発見され、立ちスクリューと呼ばれるテクニックが生まれた。
- 作品によっては「→↓←↖」のように、上方向を斜めに変えても出す事が可能。
- 斜めまたは直角どちらかの1方向を飛ばすと失敗する判定である事も多いため、
- レバーでは出しやすいが十字キーやキーボードでは出しにくいコマンドの一つ。
- ボタン連打
- これまた『ストII』の「百裂張り手」「エレクトリックサンダー」「百裂キック」が初出。
- 操作の通り、パンチや蹴りを連発する技が多い。
- 連打というコマンドの都合上暴発しやすく、オンライン対戦では入力遅延による暴発の可能性も付きまとうなど、
- 制御しづらい技系統として扱われ、後年のタイトルでは採用されないケースが少なくない。
- 遂には元祖である『ストリートファイター』シリーズでも『6』で消滅してしまった。辛うじて『KOF』では残っているが…
- (ちなみに『スト6』では「逆昇竜」コマンドも存在しない)。
- ボタン同時押し
- またしても『ストII』のザンギエフの「ダブルラリアット」が初出。「PPP」や「KKK」のように表記される。
- 共通システムとして、通常投げや吹き飛ばし攻撃等の特殊技に割り振られているケースが多い。
- その他に「↓↘→+PP」というふうに通常のコマンドとの併用で強化必殺技や超必殺技などが出る作品もある。
- なお、『アカツキ電光戦記』の最終特別攻撃(3ゲージ超必殺技)は、一部を除いて全キャラ共通でこの形式(A+B+C)である。
- 比較的暴発が起きにくいコマンドだが、コントローラーの種類やボタン配置によっては出しにくくなってしまう事もしばしば。
- また、PCのキーボード(特に安物)は文字キーの同時押しを2つまでしか認識しない事も多く、その場合はボタン3つ以上を押す技は出せないため、
- PCゲーム(MUGEN含む)をプレイする際は注意しよう。ジョイスティックやゲームパッドを使用する場合は特に問題無い。
超必殺技系
「スーパーコンボ」を始めとした
超必殺技は、通常の必殺技よりも強力な分、コマンドも複雑になっている事が多い。
多くは前述の必殺技の組み合わせで呼ばれる(逆ヨガ×2など)。
- ↓↘→↓↘→+ボタン
- 初出は「ワールドヒーローズ』の「ダブル烈光斬」と「ダブル烈風斬」(厳密に言えば「↓→↓→」)だが、
- メジャーになったのは『スーパーストリートファイターIIX』の「真空波動拳」と「烈火真拳」から。
- 通称も「真空波動」。単に「真空」と呼ぶ場合もこちらを指す。
- ↓↙←↓↙←+ボタン
- 初出は『ストリートファイターZERO』の「真空竜巻旋風脚」「タイガーレイド」「ジャガーリボルバー」「オーラソウルスパーク」「必勝無頼拳」。
- 竜巻コマンド2回なので、通称も「真空竜巻」。
- →←↙↓↘→+ボタン
- 初出は『龍虎の拳』のリョウとロバート、そしてMr.カラテの「覇王翔吼拳」。
- 超必殺技コマンドの元祖である。
- →↘↓↙←→+ボタン
- 初出は恐らく『ワールドヒーローズ2』の出雲良子の「空中巴二段投げ」。
- 上の「→←↙↓↘→」のレバー入力順をそのまま逆にしたもの。
- 『GUILTY GEAR』シリーズでは覚醒必殺技によく見られる他、
- 『風雲スーパータッグバトル』では全キャラ共通の逆転技コマンドとして採用されている。
- 一方、他のSNK系のゲームでは超必殺技ではなく、必殺技のコマンド投げに使われるケースが多い(先述の回転コマンドの代用か?)。
- ↓↙←↙↓↘→+ボタン、↓↘→↘↓↙←+ボタン
- 初出は『龍虎の拳2』の「龍虎乱舞」と「斬鉄波」(コマンドはどちらも後者)。
- 後述の「↓↙←↙→」と似ているが、出しやすさ・分かりやすさから、現在はこちらの方が様々な作品で定着している。
- ←↙↓↘→←↙↓↘→+ボタン、→↘↓↙←→↘↓↙←+ボタン
- 初出は『スパIIX』のダルシムの「ヨガインフェルノ」(当時のコマンドは前者)。
- KOFでは2回転コマンドの代用なのか、主に投げ超必殺技のものに多く見られる。
- ←タメ→←→+ボタン
- 同じく『スパIIX』の「鬼無双」「グランドシェイブローリング」「千裂脚」
- 「ソバットカーニバル」「クレイジーバッファロー」「ニープレスナイトメア」が初出。
- 超必殺技コマンドにタメを要するものはCAPCOM系ぐらいだが、タメ系の突進型超必殺技コマンドとしては一番メジャー。
- ↙タメ↘↙↗+ボタン
- これも『スパIIX』の「ダブルサマーソルトキック」と「ローリングイズナドロップ」が初出。
- 最後の↗は↖か↑に変えても構わない。三角形を描くように入力する事から「三角タメ」とも呼ばれる。
- 下要素から始め、最後に上要素に持っていく事から察する通り、こちらは対空系に多い。
- 斜め入力ばかりという、十字キーやキーボードでの入力が難しいコマンドの筆頭格。
- なお、『スト6』ではキャラクターごとに複数のスーパーアーツ(超必殺技)が実装されているが、
- このコマンドは「ボタン連打」などと同様に採用されていない。
後述の「2回転」は残っているのに
- レバー2回転+ボタン
- これまた『スパIIX』の「ファイナルアトミックバスター」と「ダブルタイフーン」が初出。
- 上方向を2回入力するという、実践上で直接出すのがまず無理なコマンドの筆頭格で、こちらもほぼ投げ技系にのみ使われている。
- 順押し系(例:弱P・弱P・→・弱K・強P)
- 初出は『ヴァンパイア』のモリガンの「ダークネスイリュージョン」とアナカリスの「ファラオマジック」。
- 『ストZERO』の豪鬼の「瞬獄殺」で知名度を上げた。
- 『ヴァンパイア』シリーズには他にも多くの順押しコマンドがあるが、
- やはりと言うかダークネスイリュージョンと瞬獄殺の「弱P・弱P・→・弱K・強P」が最もメジャー。
- なお、順押し系はレバー入れっぱなしでは成立せず、レバーを入れた後一度ニュートラルにしなければならない事が多い。
- 目押し系(例:→↘↓↙←→+A・A・B・C・C・C・B・C・↓↙←+C)
- 初出は『リアルバウト餓狼伝説』のギースの「デッドリーレイブ」。
- コマンド入力から技の成立後の展開として、ボタン(レバー)を順に目押ししていくというもの。目押しに失敗すると技はそこで止まる。
- 必殺技の他、システムとして取り入れられた作品もある。詳しくはデッドリーレイブの項目を参照。
その他のコマンド
代表的とまでは言えないが、複数の作品で見かけるコマンド。
- ボタンホールド後に離す
- 初出は『ストII'』のM・バイソンの「ターンパンチ」。「ボタンタメ」とも呼ばれる。
- 特定のボタンを押しっぱなしにし、離した時に出る技。
- 必要な長押し時間はまちまちで、溜めなくてもすぐに出せるものと一定時間溜めないと出せないものがある。
- たまに誤解されるが、ボタン押しっぱなしの間自由行動出来るものを指し、コマンド入力後に溜めを行うものとは異なる。
- 押しっぱなしにしているためその間はタメるボタンを使う行動が制限されるが、タメに応じて威力や性能が上がるものがほとんど。
- また、「↓↘→+ボタンホールド後に離す」といった「レバー入力後にボタンを押しっぱなしにして放す」コマンドの必殺技も存在する。
- 奇異な例として、『バトルクロード』では全ての必殺技のコマンドがこれに相当する。
- →←→+ボタン
- 初出は『龍虎の拳』の「暫烈拳」と「幻影脚」。
- あまり一般的ではないが、特徴的なせいか複雑なコマンドの説明に使われたりする事も(「波動+暫烈」など)。
- ↓↙←↙→+ボタン
- 初出は『餓狼伝説2』の「パワーゲイザー」と「鳳凰脚」。作品によっては「↓↙←→」や「↓←→」などの省略コマンドで出る事も。
- 「後ろ方向から一気に前」というレバーの動きと技の性質が合致したコマンドとして人気がある。
- 現在は類似コマンドの「↓↙←↙↓↘→」に取って代わられたり簡易入力になったりで正式にはあまり見られなくなったが、こちらの方が歴史は長い。
- ↙→↘↓↙←↘+ボタン
- 初出は『餓狼伝説SPECIAL』のギースの「レイジングストーム」。
- 見ての通り難易度は高いが人気も高く、数は多くないもののロマン溢れるコマンドである。
- 「実用性はあるが面倒臭い。かといって代用コマンドにされるとそれはそれで寂しい」とよく言われる。
- 「レイジングストーム」に倣ってか、対空系の超必殺技に使われるケースが多い。
- ↓↘→↓↘+ボタン
- 初出は『スパIIX』の「昇龍裂破」「スピンドライブスマッシャー」「タイガージェノサイド」。
- 「↓↘→↓↘→」とほぼ同じだが若干短い。恐らく最後に「↘」で止める事を模したものと思われる。
- 現在ではCAPCOM系でも全く見られなくなり、「↓↘→↓↘→」の簡易入力として面影を残しているくらい。
- ちなみに「X-MEN」での豪鬼の「滅殺豪波動」と「滅殺豪昇龍」は最後の「→」があるかないかで暴発する事が非常に多かった。
- →←↓↑+ボタン
- 初出は『餓狼SP』のビッグ・ベアの「ベアボンバー」。妖怪腐れ外道の「外道の烙印押し」もこのコマンド。
- 1回転コマンドの発展形に相当し、1回転を認識するためのレバー入力を必要最小限で取り出したもの。
- SNK作品以外では、『ドラゴンボールZ超武闘伝2』の「メテオスマッシュ」の大半がこのコマンドになっている。
- ↑↗→+ボタン
- 初出は『ヴァンパイア』の「空中ソウルフィスト」「空中ビーストラッシュ」「骸封じ」。
- 波動コマンドを上下逆にしたコマンドで、ジャンプから即座に出しやすいという特徴がある。
- 『ヴァンパイア』シリーズや『MARVEL SUPER HEROES』および『VS.』シリーズの空中必殺技にいくつか見られるぐらいで、
- 他のゲームには殆ど普及していない。
- 『セイヴァー』では廃止され、通常の波動コマンドに差し替えられてしまった。
- ←↙↓+ボタン
- 初出は『ファイターズヒストリー』の溝口誠の「虎流砕」。有名所ではナコルルの「アンヌムツベ」などが該当。
- 先述の半回転コマンドの短縮形と思われるが、勢い余って波動コマンドに化けやすいという罠もある。
- コマンドの関係上、『ストリートファイターZERO』の「ZEROカウンター」などガードキャンセル系の行動に割り振られる事が多い。
- シリーズごとに見ると、『Eternal Fighter Zero』には比較的多く見られる。
- ↓→↘+ボタン
- 初出は『ワールドヒーローズ』のブロッケンの「ハリケーンアーム」。
- 昇龍コマンドを90度反転させたものに相当するが、普及の度合いは雲泥の差。
- 有名なものとしては、デミトリのロマン技であり、世の紳士達の喝采を浴びた「ミッドナイトブリス」が挙げられる。
最終更新:2024年09月25日 14:45