ビックバイパー


“This is Vic Viper T-301. Commencing attack on the enemy."

(こちらビックバイパーT-301。敵への攻撃を開始する)

1985年にコナミから発売され、強制横スクロール(一部、任意縦スクロールも併用)STGの歴史的代表作の一つに数えられている、
『グラディウス』シリーズに登場する自機。設定をよく知らない人からは間違えられる事も多いが、「グラディウス」ではない
(グラディウスは舞台となる惑星の名前である)。
さらに知っている人は知っている人で「ビッバイパー」と間違えたりもするが、「ビッバイパー(Vic-Viper)」が正解である。
公式でも初代『パロディウス』や『コナミワイワイワールド』で間違ってたけど
恐らくシリーズ定番ボスの名前が「ビッグコア」なのも勘違いの一因かと思われる。
名前は「Vic formation(V字編隊)」と「Viper(毒蛇)」に由来する(詳細は後述)。

作品によって細かい設定は度々変わるものの、大抵の作品ではグラディウス宇宙空軍に属する超時空戦闘機となっている。
軍の主力戦闘機として描かれる事が多く、『グラディウス』シリーズの大半で主役機として登場している。
イメージカラーは。機体の先端が左右に分かれたデザインが特徴。
初期装備は貧弱そのもので、雑魚敵にすら圧倒されてしまう事も多々ある。
だが、パワーアップカプセルを集めたりアイテムを取得する事で多種多様なパワーアップを行う事が可能。
フル装備時には画面内の敵を一掃できる攻撃力を持つほどになる。
……が、難易度ランクも上昇してしまうため、実は最初からフル装備にするのは御法度だったりする。
そのため「初心者向け」と謳われた「自動パワーアップ」システムも実は地雷だったりする

本機特有の兵器として、本機に追随し同時攻撃を行う「オプション」があり、
これを4体引き連れる事で攻撃力を最大5倍にまで引き上げる事ができる。
本体が移動した後を正確にトレースするオプション達をずらりと引き連れ編隊飛行する姿が、
見ようによっては「毒蛇(バイパー)」のようにも見えるのが本機の名前の由来である。
(『ツインビー』の分身は動き続けていないと勝手に自機に重なるが、本作では展開したままでいられる)。
通常ならば破壊不可能な配置の敵も、当たり判定が無いオプションのお陰でいとも容易く破壊できたりする。
作品によっては本機の武装を選択する事も可能であり、非常に万能な戦闘機となっている。
本機が登場する作品によってはその性能や外観が微妙に異なる場合があるが、
これは本機が同一の機体ではなく、異なるモデルのビックバイパーだからである。

恐らく世界で一番有名なSTG『スペースインベーダー』以降、当時のSTGはハードウェアの制約という面もあったが、
「攻撃範囲の狭いショットで敵を狙撃する事」を中心に置いた作品が主流だった。
そんな中『グラディウス』は、
  • 視覚的にもゲームとしても、多彩で個性的なステージが用意されている
  • 自機が画面全体を埋めんばかりのショットを使える
  • それを必然とする敵配置や激しい敵攻撃を設定した事
など、当時としては斬新なアイディアが盛り込まれており、後のSTG界に多大な影響を与えた。
『スペースインベーダー』(全てのSTGの始祖)や『ゼビウス』『スターフォース』(連射ゲーの元祖)などを縦STGと呼ぶのに対し、
『グラディウス』は横STGの王道としても名高く、後に登場する『ダライアス』シリーズなどにも大きな影響を与えている。
なお、コナミは古くは『スクランブル』と言う横スクロールSTGを出しており、パワーアップ(と連射と面ボス)が無い事を除けば『グラディウス』の元祖である
(場面転換や、バイパーのミサイルに相当する自由落下ボムもある。ついでにラスボスの戦闘力が0な点も)。
そして、使用されるハード性能が強化されていくと共に、STGは「敵の狙撃」から「画面の制圧」を主眼に置いたデザインがされるように転換していき、
STGのジャンルの多様化を進ませるきっかけにもなった
(その一方、弾幕の強化などSTG全体の高難度化や、システムの複雑化にも繋がったが、それはまた別のお話)。
「コナミ矩形波倶楽部」が作曲した音楽面でも評価が高く、サウンドトラックやアレンジバージョンも多数発売された。

また、ポーズ中に「↑↑↓↓←→←→BA」と入力する事で可能なフル装備コマンドは、
通称「コナミコマンド」として裏技コマンドの代名詞の一つになっている。
作品によっては自爆する場合もあるけどな!*1

「メタリオン(MSX版『グラディウス2』)」「サーベルタイガー&スラッシャー(MSX版『沙羅曼蛇』)」「ヴィクセン(MSX版『ゴーファーの野望』)」
などの後継機も存在するが、それらが活躍する作品が今は亡きMSX(パソコン)で展開されていた事もあって知名度は高くない。
しかし、他媒体と違ってMSX版のストーリーは年表で語られるような重厚な宇宙叙事詩が繰り広げられるなど独特の雰囲気を持っており、
知っている人からは名作としてコアな人気があるので、ビックバイパーと一緒にカプセル玩具として販売された事もある。
……とか言ってたらメタリオンがその開発者にして宿敵のヴェノム博士共々『グラディウスリバース』で遂にメジャーデビューを果たした。
むしろAC版とFC版『沙羅曼蛇』で2P側の自機として登場した赤いカラーリングの派生機「ロードブリティッシュ」の方が、
ビックバイパーの僚機として何かと出番を貰えている関係で多少有名だと思われる。
いずれの機体もビックバイパーの特徴的な先割れ機首を備えておらず、見た目に地味なのも知名度の低さに拍車をかけている。
その後の作品でも派生機や後継の超時空戦闘機はいくつか登場しているものの、*2
古参ファンのためにビックバイパーも同時参戦してる事が多く、中々ニューフェイスが定着できない結果となっている。
この辺りの事情は、同じコナミ作品の『メタルギア』シリーズとも似た雰囲気がある。
+ かなりの余談になるが
日本ファルコムのアクションRPG『ソーサリアン』において「ノーイラテーム」という魔法があるのだが、
敵を貫通する強力なレーザーと地を這う爆撃魔法が飛ぶという、なんとなく『グラディウス』を彷彿とさせる代物である。
この魔法の名「NOILA-TEM」を逆にすると「METALION」、つまり先述の後継機の名前になる事や、
冒険中に拾得できる剣「グラディウス」を鑑定するとこの魔法が使用できるようになる事から、
これは開発者の意図的なパロディだろうと思われる。
ただし、本来『グラディウス』とはラテン語で「剣」、転じて「ローマ式の剣」と言う意味(槍?何の話だ)のため、
RPGなら普通に出てくる名前である(本来の意味の方は「GLADIUS」なのに対し本作は「GRADIUS」だが)。

しかし、後年リメイクされた『ソーサリアンオリジナル』において、
この魔法はレーザーとミサイルではなく巨大な竜巻で敵を粉砕する魔法に変更されている。日和ったなファルコム

また、派生作品の一つである戦略SLG『コズミックウォーズ』においてはグラディウス宇宙軍と敵対するバクテリアン側にも、
「VIC CYBER」というビックバイパーをコピーしたような生体戦闘機が配備されているが、残念ながら他作品では登場していない。

大御所故に『グラディウス』やビックバイパーをモデルにしたパロディやクローンは数え切れないほど存在するが、
コナミ自身もビックバイパーをモチーフにした機体をスピンオフとして度々出している。
+ 例えば……
TCG『遊☆戯☆王』にて、「超時空戦闘機ビック・バイパー」の名前でオプション共々カードとして登場。アニメ版にも登場している。
設定上の次世代機である「ビクトリー・バイパー XX03」や、ビックバイパーと同じ超時空戦闘機である、
「ジェイドナイト」「ファルシオンβ」「ロードブリティッシュ」といったKONAMIの他STGの自機もカード化されている。
これらはサポートを共有できる形でカード化されており、現在ではそれらを軸にした専用デッキも組める。

『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS』では、前作『ZONE OF THE ENDERS』の主人公が、
ビックバイパー型の飛行形態(ご丁寧にオプションまで牽引している)に変形するロボット、その名も「ビックバイパー零」に乗って登場。

アニメ『Get Ride! アムドライバー』では主人公達が乗るボード(宙に浮くサーフボード。所謂SFアイテムのエアボード)の強化型である、
ボードバイザーやその後継機が、ビックバイパーに似たデザインをしている。
ちなみにバイザーとは「バイナリー・シルエット・アーマー(二つの姿を持つ鎧)」の略で、乗り物に変形可能なパワードスーツの事である。
なおデザイナーはコナミの指示ではなく独断で「めっさわざと」ビックバイパーに似せてデザインしたのだが、
玩具店でスタッフがボードバイザーの玩具を「ビックバイパー」と呼んでいたのをチラ聞きして、「勝った」と思ったとのこと。

『パロディウス』シリーズでは、昔は伝説の英雄だった鯛焼き屋台の親父として登場。
操縦手は居らず、バイパー自体が擬人化している様子(そもそも主人公もタコのプログラマーだし)。
前述のメタリオン等の登場で過去の人だそうな。
自機の入れ替わりも多い中、最終作『セクシーパロディウス』まで唯一続投した
(前述のタコは2作目である『だ!』の時点で息子のタコ助に代わっている)。
また『セクシーパロディウス』ではオプションも独立した自機として参戦した。

アニメ『スカイガールズ』では、次期主力戦闘機として登場。
主砲であるレーザー砲、各種ミサイル、無人誘導兵器「オプション」、更にはフォースフィールドまで完備…と、
原作譲りの圧倒的な戦闘力は主人公機である飛行外骨格「ソニックダイバー」を軽く上回るが、
あくまでも戦闘機であるためパワードスーツである飛行外骨格ほど融通も小回りも利かない。
シリーズ中盤から登場して主人公達のライバル的な存在(手柄争い的な意味で)として活躍したが、
最終的には戦闘力だけでは解決が不可能だったために、敵中枢に突入する主人公達の支援に回った。
1:13~

音ゲーシリーズ『beatmaniaIIDX』『pop'n music』にメドレー曲「GRADIUS -FULL SPEED-」が収録されており、
『beatmaniaIIDX』のムービーには『グラディウス』のゲーム画面が使用されている。
『pop'n music』ではビックバイパーがファミコン版1作目のグラフィックのままでキャラとして登場。アニメではビッグコアなども登場する。
さらに、2Pカラーにすると『グラディウス』の続編にあたる『沙羅曼蛇』に登場した「ロードブリティッシュ」となる。
自キャラにするとビックバイパーの弾がたまに画面を横切るのがちょっと邪魔。
余談だが、『pop'n music』での隠し曲出現条件はコナミコマンドを模したものとなっていた。音ゲーなのに。

この他、実際に本編中では使用されなかったが、『GuitarFreaks』及び『DrumMania』シリーズでは、
『グラディウス』をイメージした楽曲がシリーズを支え続けた作曲者である古川元亮氏によって作られ、
ムービーではビッグバイパーらしき物のシルエットも確認できる。

ホラーガンシューティング『サイレントヒル ザ・アーケード』では、UFOエンディングにおいて登場。
主人公達が敵の黒幕(本編では一般人かつ故人)を追いかけるべく何故か放置されていた本機に乗ると、
ファミコン版1作目のプレイ動画とスタッフロールが流れ始める。

シミュレーションRPG『ヴァンダルハーツ』ではビックバイパーの形をした「グラディウス」という剣が登場。
通常のプレイでは絶対に入手できず、『電撃プレイステーションD』の付録CDに収録されたセーブデータをロードする事で買えるようになる。
武器としての性能が高く、さらに使用する事で効果範囲が非常に広く防御不能の「リップルレーザー」で攻撃できる。

RPG『フロンティアゲート』では無料追加アイテムとして「超時空剣ビックバイパー」なる大剣が登場。これまた見た目がそのまんまである。
同時リリースされた「両手剣の超時空奥義」を入手する事で原作さながらのレーザーを撃つ事も可能。
ちなみに宿敵ビッグコアも超特大サイズの盾(これも武器)として登場している。
いずれも装備中は隠し操作で戦闘曲を原作のものに変更可能。

フィギュア連動ゲーム『武装神姫バトルロンド』(現在はサービス終了)では、特定のミッションを複数クリアする事で「オプション」を入手できた。
装備するとビックバイパーと同型のオプションを支援ユニットとして装備でき、追撃スキル「レーザー・オブ・ネメシス」を使用可能。
そしてサービス終了後ではあるが、実物のフィギュアとして「ビックバイパー型」武装神姫ヴェルヴィエッタがリリースされている。
通常時はビックバイパー型だが人型ロボに変形でき、更にはパワードスーツとして神姫(ヴェルヴィエッタ)に装着させる事もできる。
姉妹機に赤いリルビエートが居るが、ロードブリティッシュではなく翼の形が違うビックバイパー扱い(組み換えでロードブリティッシュっぽくは出来る)。
なお「ヴェル・ヴィエッタ」「リル・ビエート」の頭文字(VV、LB)は「ビック・バイパー」「ロード・ブリティッシュ」に合わせたもの。

余談だが、玩具的には前述のアムドライバーの大きなお友達向けな後継品であり、
アムドライバーの装備を神姫に流用するファンも少なくなかった。おかげで売れ残りを処分できたとも
ただし、アムドライバーは青い「ソードダンサー」が白兵戦型で、赤い「ガンシンガー」が砲撃型なのに対し、
神姫は青いヴェルヴィエッタが砲撃型で、赤いリビルエートが白兵戦型と逆になっている。

パズルゲーム『マックスウェルの不思議なノート』及び続編『スーパースクリブルノーツ』では、「ビックバイパー」と入力すると召喚可能。
乗り込むと空中を飛行できる上に前者では対地攻撃、後者では前方ショットで攻撃も可能。
機体が大きいのが難点だが、プレイヤーの工夫次第ではそれすら克服可能。

『スーパーボンバーマン R』では「ビックバイパーボンバー」として登場。
特技はスピードアップで、一直線に移動する。過去作で言えば緑ルーイなどと同じだが、『R』の仕様で斜めにも移動できる。
また、オプションモチーフの「オプションボンバー・甲」及び「オプションボンバー・乙」、
『ZONE OF THE ENDERS』版モチーフの「ビックバイパー零ボンバー」、予約特典で金色の「ゴールデンビックバイパーボンバー」も登場している。

アーケードカードゲーム『モンスター烈伝 オレカバトル』においては、頭部の形状がビックバイパーに酷似した「時空竜ビックバイパー」が登場。

本作には以前からゲストキャラクターの参戦があり、ビックバイパーが登場するなら既に多数いる機械系のキャラクターになると思われていたためか、
ドラゴン且つメカ要素のない生物として登場するという斜め上すぎる参戦形態は多くのプレイヤーに衝撃を与えた。
使用する技も「インパルスブレス(通常ショット)」「レーザーブレス(レーザー)」「対地キック(ミサイル)」など、
本家の武装をドラゴンらしくしたものになっている。
「オプション召喚」「フォースフィールド」に関してはほぼそのまんまである。
全体攻撃を得意とするドラゴン族としては珍しい単発攻撃重視だが、
「EX技(ゲージ技)」はきっちり全体・多HIT攻撃なので相手にゲージ溜めの余地を与えてしまうのが玉に瑕。
一応フルヒット時の総合火力は高いのでボス戦においてトドメに使えない事もないが。

ボスキャラとしても登場し、コナミコマンドを入力する事で確実に戦える。
戦闘後は稀にアイテムの「グラディウス」が手に入り、これを特定条件下で使用する事で仲間にする事ができる。

(以上、Wikipediaより抜粋・改変)


MUGENにおけるビックバイパー

ファミコンSTGキャラに定評のあるFoxtrot氏が製作したビックバイパーが最も動画内で見かけられる。
ただし、現在は公開サイトの消滅により正規入手不可。
ジャンプやしゃがみが無く、方向キーで画面内を自由に動ける。この辺りは他のSTGキャラと同じ。
Aボタンでショット、Bボタンでパワーアップ、Cボタンで武装の選択が可能。
残機制になっており、一回でも攻撃を当てられると残機が一機減る。三機無くなると終了。
ちなみに一機失なった時にパワーが1000以下の場合、パワーが1000に自動的に上がるようになっている。

この他にも海外産のビックバイパーが存在していたが、こちらも既に公開を終了している。

2010年には、FA-007GIII氏によってゲームボーイ版グラディウスシリーズ『ネメシスII』仕様のビックバイパーが製作された。
対戦開始時に武装が選択できる他、前方から飛んでくるパワーカプセルをキャッチするか、ゲージを消費する事で武装を強化できる。

他のSTGゲームに挑むバイパーの勇姿。
……ってそういうゲームじゃn(ビシャーン

+ 大会ネタバレ
某大会では追加枠にてうp主の操作で参戦。ツインビーで鍛えた腕は伊達じゃない!
格ゲーの大会であるにも拘らず、対戦相手が頭にしか当たり判定の無い巨大キャラだったり弾幕STG出身だったりと、
ランセレに定評のある氏の大会らしく非常に空気を読んだシューティングゲームを展開。
「ボイスが無くて寂しい」という理由でゆっくりボイスによる実況が付けられ、視聴者を大いに楽しませた。

この試合が好評だったため、本戦での出番終了後は特別試合にて視聴者のリクエストによる対戦を行っている。
が、その相手はゲーかつ無理ゲーな連中が束になって襲ってくるという、もはやどう考えてもイジメである。
リクする視聴者も視聴者だが、そんな奴らにたった1機で戦いを挑み続けるうp主うp主である。
そしてとうとうシリーズ化してしまった。

出場大会

出演ストーリー

プレイヤー操作



*1
コマンド自体があまりにも有名なため、安易に入力させない措置と思われる。
なおこの場合ちゃんとしたパワーアップコマンドも別に用意されている事が多く、
←→がLRに置き換えられるなど大体似たコマンドになっている。

*2
+ 僚機・派生機など
  • ロードブリティッシュ
『沙羅曼蛇』初出。
惑星グラディウスではなく惑星ラティスで開発されていた機体で、ビックバイパーとほぼ同等の性能を持つ。
『沙羅曼蛇』はパワーアップメーター式ではなく、強化アイテムを直接回収する方式だったので性能差は無かったのだが、
海外版である『LIFE FORCE』ではパワーアップメーター式であり、その順番の違いによりビックバイパーよりも有利だった。
リップルレーザーと、上下同時に発射しつつ地面を滑走する2-Wayミサイルが印象的
(ほとんどの場合、2-Wayミサイルは上下同時発射と地面を滑走は両立されない)。
『グラディウス外伝』にも登場するが、他の機体に比べて性能が落ちる不遇な存在だった。
『沙羅曼蛇2』ではグラディウス軍の新型機スーパーコブラに出番を奪われ『セクシーパロディウス』に出張する羽目になった。
余談だが、世界的有名RPG『ウルティマ』の作者のペンネーム(及び作中の国王)と名前が同じである事が、一部のゲーマーの間で話題になった。
なお、機体名が「ロードラティス(ラティスの君主)」では無い事を疑問に思われる方もいるかもしれないが、
これは惑星ラティスがバクテリアン軍に襲撃された折、ラティスの王子ロードブリティッシュが試作段階の当機に搭乗、
後にビックバイパーと協力してラティスを奪還した事で、その功績を称えるべく王子の名がそのまま付けられた為である。
いやだから、何で惑星ラティスの王子がブリティッシュ(ブリテン人)を名乗っているのよ。惑星名はラティスでも国名は「ブリタニア」とか?
あるいはリアルの英国王太子がウェールズ生まれであろうがなかろうが得る称号「プリンス・オブ・ウェールズ」のオマージュだろうか

  • メタリオン
MSX版『グラディウス2』初出。
ビックバイパーの後継機として開発された。『グラディウスリバース』では開発中の試作機を使用する事ができる。
『グラディウス2』では敵のビッグコア派生機からデータを鹵獲する事で装備が追加されていくという一種の成長要素が存在し、
中でも真上に幅広のレーザーを発射するアップレーザーが非常に強力。
「何故敵からデータを?」と不思議に思うだろうが、本作の敵である反乱分子のヴェノム博士は本機の開発者でもある
完成早々に親殺しをせねばならぬ業を背負った中々に悲劇の機体なのだ。
他にも強化された装備を多数搭載し、MSX系の機体は明らかにAC版のビックバイパーより強いと言える。
これより強い自機は『グラディウスV』でオプションコントロール機能を備えたビックバイパーくらいだろう。
なお、自機が強力な分、ステージボスの前にビッグコア10機倒せとか7ステージを往復させられ実質全14面というシリーズ屈指の長丁場の戦いを強いられる

  • サーベルタイガー&スラッシャー
MSX版『沙羅曼蛇』初出。サーベルタイガーは1P機、スラッシャーは2P機で性能差は無い。
知らない人はMSX系の機体全部がメタリオンだと思っているかもしれない。プレイ経験があればタイトル画面で解説されるから記憶に残るのだが
メタリオンの後継機で、強みをそのまま引き継いでいる。ついでにヴェノム博士と戦う宿命も据え置き
本作は道中キーアイテムや情報を集める探索要素が追加されており、一部地形を破壊可能なメテオレーザーは、真エンディングには必須。
……真エンディングを見る為には『2』のカートリッジを同時挿しする必要があるというのが当時物議を醸したりもしたが
(後の『MSXコレクション』等に収録された移植版では当然と言って良いのか同時挿し状態として扱われている)。

合体機能を有し、ステージ中で特定のアイテムを取得した時に一定時間のみ合体攻撃が可能だが、
こんな条件では活用の機会が非常に限られており、しかも合体時専用武器は合体が終わると無くなってしまう。
そもそも一人でプレイした場合は合体機能の出番は全く無いわけで、結局メタリオンの改修型という印象は否めず知名度は低い。
サイドアームズ』みたいに合体アイテムで僚機を召喚出来れば良かったのにね。

  • ヴィクセン
MSX版『ゴーファーの野望 エピソード2』初出。MSX三部作と呼ばれる一連の作品の完結編となる。
メタリオン系の最後の機体で、強力な装備はさらに多彩さを増した。だが取らない方が良い地雷装備も大量に増えた
全ステージ中で一発限りだが、破壊不可能な壁をぶち抜くギャラクティックレーザーの迫力は圧巻。
また、本作ではバクテリアン軍が過去に干渉して初代ビックバイパーパイロットの英雄殺害を企てており
本機もまた時間を遡ってその策謀を阻止するという超時空戦闘機の名にふさわしい戦いを繰り広げる事に。
完結編らしく前作にあった過酷な探索要素も健在で、真エンドを見るのはかなり大変。
なお、本作の黒幕はまたもヴェノム博士である。だが、この作品でもまだヴェノム博士との決着は付いていない(襲撃を振り切った所でエンディング)。
その後何があったのか、遙かな時を超えて『グラディウスV』で再会する事になる……。

  • ジェイドナイト
『グラディウス外伝』初出。二周目の空中戦BGMがこの機体のテーマ曲である、優遇された機体。
下方広範囲を制圧するスプレッドボムと、全周囲を攻撃するラウンドレーザーが特徴。
「どうせバクテリアン軍はモアイを投入してくるだろうから、その対策に」と言わんばかりに、
自機の攻撃によって打ち消せるモアイのイオンリングを一掃しつつ弱点まで壊せる、対モアイ究極装備と言える機体。
だがモアイ側も「どうせビックバイパー共はこのへんに位置してくるだろ」と言わんばかりに目からレーザーをぶっ放してくる対抗ぶりだった。
この機体が開発されたためにバクテリアン軍がモアイの戦力化を断念したか、『グラディウスV』ではモアイが出なくなった……。

  • ファルシオンβ
『グラディウス外伝』初出。
圧倒的な前方攻撃力を持つグラビティバレット、射程距離は短いが前後に隙が無いローリングミサイルが特徴。
ジェイドナイトが防御的な機体なら、こちらは攻撃的な機体で、固いボスもあっという間に倒してしまう。
二人同時プレイでジェイドナイトと組んで攻撃担当と防御担当というのが当初の想定だったと思われるが、
実際やってみるとファルシオンβは「敵が何かやる前に速攻で片付けてしまう」戦術であるため、
わざわざジェイドナイトが守りに付く必要も無く「こいつ一機で十分だった」という結論に落ち着く。
二機で合わせてオプションが4つまでしか付けられないゲームの仕様のため、
ジェイドナイトに回すオプションの分だけファルシオンβの攻撃力が減って迷惑だという話にすら……。
ビックバイパーは攻守のどちらも強く、一機で何でもできるため、ファルシオンβが苦手な広範囲への対応をビックバイパーが担い、
ボス戦では両機の攻撃を合わせて速攻撃破という理想的な組み合わせになる。
ロードブリティッシュは単純に弱い
なお、コナミがファミコン・ディスクシステムで発売した3Dシューティングに『ファルシオン』という同名の物が存在するが、
どうやら単なる偶然の一致であるらしい。元は刀剣の名前だから仕方ないね。

  • スーパーコブラ
『沙羅曼蛇2』初出。ロードブリティッシュに替わって登場。性能はビックバイパーと同じ。
ゲーム自体の地味さに加え、メタリオン系の「MSX版シリーズ体験者には今も熱烈なファンが」
外伝系の「得意分野ではビックバイパーを凌駕する強烈な個性」
といったこの機体ならではの強みも無く、知名度に欠ける「ビックバイパー以外の機体」の中でも一際目立たない地味さを誇る
……素直にロードブリティッシュじゃダメだったのだろうか?
なお、名前の元ネタは『グラディウス』の原型と言える『スクランブル』の続編(ストーリー的な繋がりは無い)の題名であると同時に自機の名前。
と言うか、実在するアメリカ軍の攻撃ヘリ「AH-1W スーパーコブラ」を主役にしたゲームだった
(『スクランブル』の主役はスペースファイター。なお、宇宙船であって、実在の戦闘機F-104 スターファイターではない)。

  • アルピニア
3Dシューティングになった『ソーラーアサルト』初出。
サイコムミサイル、サイコムレーザーは敵を追尾するため、自機の操作は避けに集中しやすい。
それまで2D横シューティングしかプレイしてこなかったプレイヤーが3Dの操作に慣れるための機体と言えよう。
ゲームの出回りの悪さと、シリーズで唯一操作体系が異なるためマイナーなんてもんじゃない幻の機体。


最終更新:2024年11月19日 20:41