海に囲まれた小国の話。穏やかな国に暮らす民たちは、その安寧の日々が続くよう願いをかけ、白い優美な鐘をこしらえた。作られた鐘は宮殿に置かれ、毎日の祈りの時間に鳴らされるのが決まりだ。
白い鐘は特別な金属で作られていた。故に、他のどんな物とも違う美しい音色を奏でるという。その鐘の音が響くとき、国民は宮殿の方角へ祈りを捧げた。平和の素晴らしさに、心から感謝しながら。
けれども平穏な時間は永遠には続かないものだ。戦争が起きたのである。軍備の手薄であったその国は、瞬く間に敵軍に蹂躙され、荒廃してゆく。瓦解した宮殿の中にすでに白い鐘の姿はない……
鐘は溶かされ、兵士達――かつての国民の持つ剣に作り替えられていたのである。剣になっても、鐘は美しく立派なままだ。しかし、ひとたび戦場で振うと、それはそれは醜い音を立てるのだった。
武器種 | 大剣 | レアリティ | ★★★★ |
属性 | 水 | シリーズ | |
追加日 | 2022年1月1日 | ||
EN | Fleeting Tranquility | ||
解放 | 063y(男囚の正月) |