過剰防衛

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過剰防衛 - (2018/04/28 (土) 18:58:02) のソース

-分類:短編小説
-初出:「ショートショートランド」1982年夏号
-雑誌時挿絵:畑農照雄
-収録短編集:単行本未収録

*あらすじ
>「無実は最後の切り札にしてください……」
> 小田は皺を小さな目に絞り、訴えるというより、おどおどと盗み見るように細かい視線を弁護士の顔にあてた。小田の目にはいつも怯えが宿っている。調査員、販売員、守衛と、職業を転々としながら、社会の物陰を小心に生きてきた男だった。小田茂は一人娘の美世と恋仲だった東道彦という大学生を刺殺した容疑で起訴されている。容疑は濃厚だった。

KK興信所に勤める調査員のオレの元に、妻の浮気調査の依頼が来る。吐き気がするほどありきたりな依頼のはずだったが、尾行5日目、オレは女がわざと尾行させていることに気付く。そして女は、オレに思わぬことを言い出す……。

**登場人物
-&bold(){立木}
--弁護士。
-&bold(){小田茂}
--娘の恋人を刺殺した容疑で起訴された男。
-&bold(){小田美世}
--小田の娘。
-&bold(){東道彦}
--美世の恋人。

*解題
講談社のショートショート専門誌「ショートショートランド」(1981~1985年)に発表されたショートショート。
連城作品としては珍しい法廷ミステリでもある。
直木賞受賞までに発表された初期作品では、唯一の単行本未収録作。
2018年に小樽文学館で開催された連城三紀彦展の[[図録>連城三紀彦展図録]]に収録された。

弁護士が[[奇妙な依頼]]人に振り回されるというシチュエーションは、この後「[[未完の盛装]]」や『[[終章からの女]]』、「[[裁かれる女]]」(単行本未収録)でも使われている。奇妙なことを言い出した人間の真意をめぐる密室劇という点では、「[[眼の中の現場]]」などにも通じるだろう。

**関連作品
-〝弁護士と奇妙な依頼人〟もの
--「[[未完の盛装]]」(『[[宵待草夜情>宵待草夜情(短編集)]]』収録)
--「[[裁かれる女]]」(単行本未収録)
--『[[青き犠牲]]』
--『[[終章からの女]]』

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