- 分類:短編小説
- 初出:「ショートショートランド」1982年夏号
- 雑誌時挿絵:畑農照雄
- 収録短編集:単行本未収録
あらすじ
「無実は最後の切り札にしてください……」
小田は皺を小さな目に絞り、訴えるというより、おどおどと盗み見るように細かい視線を弁護士の顔にあてた。小田の目にはいつも怯えが宿っている。調査員、販売員、守衛と、職業を転々としながら、社会の物陰を小心に生きてきた男だった。小田茂は一人娘の美世と恋仲だった東道彦という大学生を刺殺した容疑で起訴されている。容疑は濃厚だった。
KK興信所に勤める調査員のオレの元に、妻の浮気調査の依頼が来る。吐き気がするほどありきたりな依頼のはずだったが、尾行5日目、オレは女がわざと尾行させていることに気付く。そして女は、オレに思わぬことを言い出す……。
登場人物
解題
講談社のショートショート専門誌「ショートショートランド」(1981~1985年)に発表されたショートショート。
連城作品としては珍しい法廷ミステリでもある。
直木賞受賞までに発表された初期作品では、唯一の単行本未収録作。
2018年に小樽文学館で開催された連城三紀彦展の
図録に収録された。
関連作品
最終更新:2018年04月28日 18:58