瀆された目

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瀆された目 - (2017/08/10 (木) 14:59:01) のソース

-分類:短編小説
-初出:「週刊小説」1983年8月26日号
-雑誌時挿絵:中沢潮
-収録短編集:&bold(){『[[顔のない肖像画>顔のない肖像画(短編集)]]』}

*あらすじ
> そうです。窓にカーテンをひいた時からおかしいとは思ったんです。私は「あっカーテンそのままにしておいて下さい」って言ったのですから。病室にひとりでいると楽しみなんて何もなくて、その時刻ごろはぼんやり窓から外見てるんです。この六階の窓からは向かいの棟の屋上が見えますが、そこに鳩が来るので、その時も恰度、真っ白な鳩と烏みたいに黒い鳩が羽を絡ませていて、あの二羽は仲良く遊んでるのか、争ってるのかって、そんなことぼんやりと考えていました。ええ確かに四時を十分か十五分過ぎた時刻のことです。先生には私の声が聞こえなかったように思えました。そのままドアの把手に手をかけ出ていってしまう気配でしたから、私はベッドの上に起きあがり、自分の足で窓辺まで歩いていこうと思ったわけです。

病室で起きた患者のレイプ事件。だが、加害者は潔白を主張する。事件は本当にあったのか、それとも患者の狂言なのか?

**登場人物
-&bold(){築田静子}
--入院患者。レイプ事件の被害者。
-&bold(){築田雪子}
--静子の妹。通訳。
-&bold(){村木修三}
--医師。レイプ事件の加害者。
-&bold(){小沢典子}
--看護婦。村木の婚約者。
-&bold(){島村タエ}
--病院の食事係。
-&bold(){内藤久江}
--看護婦。
-&bold(){山川}
--医師。
-&bold(){藤原真輔}
--六十になる癌患者。

*解題
(スタブ)

***掲載号「筆者の近況」より
> 七月初め、お母さんが交通事故にあって三カ月の重傷。幸い治りが早く自宅療養ということだが、家事、洗濯など連城さんが一手引き受け。
>「看病も大変だけど、母がいままでやってくれていた家事をやらなくてはならないのが、いちばんこたえる」
> 重労働の主婦業と比較すれば小説執筆のほうが、はるかにラクだといわんばかりでありました。

**各種ランキング順位
-[[オールタイムベスト・連城三紀彦短編>http://togetter.com/li/742694]] &bold(){63位}

**関連作品
-証言集形式の短編
--「[[前夜祭]]」(『[[前夜祭>前夜祭(短編集)]]』収録)
--「[[喜劇女優]]」(『[[美女>美女(短編集)]]』収録)

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