-分類:短編小説 -初出:「小説推理」1981年6月号 -雑誌時挿絵:山野辺進 -収録短編集:&bold(){『[[紫の傷>紫の傷(短編集)]]』} *あらすじ > 手はいつの間にかその首へと伸びている。闇は真っ黒にその首を飲みこもうとして、飲みこみきれずにいる。かすかにぼんやりと白く浮かんでいる女の首。いや、細いその首を飲み込もうとしているのは、乱れた髪なのか。なぜなら女は後ろ姿で立っているのだから……そう髪の毛だ。白い首を時々暗い色で飲みこみ、隠してしまうのは、激しく揺れているその女の髪だ。女は、魔手が迫ったことを察知して、それが信じられないというように、信じたくないというように、激しく首を振っているのだ。 秘書で愛人の澄子が殺され、俺は逮捕された。だが俺はやっていない。犯行時刻、俺は家に妻といた。妻だけが俺の無実を証明してくれる唯一の証人なのだ。だが……。 **登場人物 -&bold(){俺(松沢周次)} --大手繊維会社の営業部長。 -&bold(){松沢継子} --松沢の妻。 -&bold(){八杉澄子} --松沢の秘書で愛人。 -&bold(){船山美彦} --澄子の元交際相手。 -&bold(){ミドリ} --松沢の元愛人。 -&bold(){山下圭子} --澄子の同僚。 *解題 (スタブ) **収録アンソロジー -日本推理作家協会編『推理小説代表作選集 1985年版』(1985年、講談社) --日本推理作家協会編『死者たちは眠らない ミステリー傑作選20』(1990年、講談社文庫) **関連作品 -『[[紫の傷>紫の傷(短編集)]]』収録作 --「[[ゴースト・トレイン]]」 --「[[落書きの家]]」 --「[[眼の中の現場]]」 --「[[紫の傷]]」 #comment