-分類:短編小説 -初出:「読売新聞」2007年9月8日夕刊 -掲載時挿絵:酒井信義 -収録短編集:単行本未収録 *あらすじ >「何を見てるの?」 > 窓から、庭の垣根に咲いている花を眺めている私に、あなたはそう訊きました。とまどい気味の声だったのは、あなたがプロポーズしてくれている最中に私がよそ見なんかしていたからでしょう……そう、私が初めてこの家を訪れ、ご両親に紹介してもらい、昼食の後あなたの部屋にあがって『この家、気にいってくれたなら、一緒に住まないか』という言葉を聞いた時でした。仕方がありません。気恥ずかしくてそらした視線がその花を……花の色を捉えてしまったのですから。 あなたにプロポーズされたとき、私は庭の酔芙蓉を見ていた。死んだ母を思い出して……。 **登場人物 -&bold(){私} --語り手。 -&bold(){あなた} --「私」の恋人。 -&bold(){父} --「私」の父。 -&bold(){母} --「私」の母。二年前に肺炎で死去。 *解題 (スタブ) **関連作品 -書簡体形式の作品 --「[[過去からの声]]」(『[[夜よ鼠たちのために>夜よ鼠たちのために(短編集)]]』収録) --「[[野辺の露]]」(『[[宵待草夜情>宵待草夜情(短編集)]]』収録) --「[[親愛なるエス君へ]]」(『[[瓦斯灯>瓦斯灯(短編集)]]』収録) --「[[忘れ草]]」(『[[夢ごころ]]』収録) --「[[北京の恋]]」(『[[萩の雨>萩の雨(短編集)]]』収録) --「[[枯菊]]」(『[[新・恋愛小説館]]』収録) --「[[彼岸花]]」(『[[背中合わせ>背中合わせ(短編集)]]』収録) --「[[砂のあと]]」(『[[年上の女>年上の女(短編集)]]』収録) --『[[明日という過去に]]』 #comment