金曜の晩、ベッドに上がった直之は、天気予報を見るためにテレビをつけようとして「あっ」と小さく叫んだ。 眠っているとばかり思っていた妻の手が、彼の手へと突然伸びてきたのだ。その夜「疲れたから」と言って、妻の優子はめずらしく先に寝室に入り、直之が妻の枕もとに投げ出されたリモコンに手を伸ばした時には、胸を寝息で波打たせ、既に熟睡しているとしか見えなかった。
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