耶麻郡木曽組舘原村

陸奥国 耶麻郡 木曽組 舘原(たてのはら)
大日本地誌大系第32巻 138コマ目

府城の西北に当り行程6里。
家数34軒、東西3町10間・南北1町5間。
南は大川の断崖に臨み北は山に倚る。

東3町52間木曽広野両村の界に至る。両村共に丑寅(北東)に当り広野村まで9町余、木祖村まで11町余。
西22町32間大谷組大谷村の界に至る。その村まで32町10間余。
南は村際にて河沼郡坂下組宮月村に界ひ大川を限りとす。その村まで6町50間余。
北2町54間三山新田村の界に至る。その村まで7町余。
また
戌亥(北西)の方14町大谷組三方村の界に至る。その村まで1里1町20間余。

山川

三山(みつやま)

村北12町にあり。
3峯相並び形状同き(ゆえ)名くという。

杉山(すきやま)

村より戌(西北西)の方9町にあり。
頂きまで100丈計。
雑木多し。

ソウリ山

村西12町にあり。
杉山と並び峙つ。

日橋川(大川)

村南にあり。
広野村の方より来り、西に流るること7町計只見川宮月村の方より来り注ぎこれより揚川となり、また西に流るること7町大谷村の界に入る。
広1町余。
村際に舟渡あり。直に南に渡れば宮月村に至り、また未申(南西)の方斜に揚川を渡れば河沼郡野沢組河井村に至る。
この川辺に蛤石を産す。

関梁

村西7町にあり。
長6間。荒戸沢という渓流に架す。
隣村の通路、土橋なり。

郡署

代官所

村中にあり。
役人を置き本組及び大谷組・吉田組を支配せしむ。
野澤組下野尻村郡役所に属す。

神社

八幡宮

祭神 八幡宮?
相殿 稲荷神
草創 不明
村北4町余、山腰にあり。
鳥居あり。上三宮村高村能登が司なり。

寺院

久昌寺

村北にあり。
瀧澤山と號す。野沢組松尾村真福寺の末山曹洞宗なり。
天正14年(1586年)幽禅という僧の開基なりという。
本尊地蔵客殿に安ず。

観音堂

客殿の東にあり。
十一面観音を安ず。



蛇足。
ソウリ山はおそらく沢入山と書きます。
最終更新:2020年09月02日 20:00