府城の西南に当り行程18里18町。
東西2区に住しその間3町40間を隔つ。
東の1区。家数27軒、東西2町48間・南北2町20間。山麓に住し南は檜枝岐川に近し。
西の1区。家数6軒、東西1町10間・南北20間。山麓に住し西南は檜枝岐川に近し。
東10町
荒島村の界に至る。その村まで22町。
西3町・南2町、共に
上・下荒井両村に界ひ檜枝岐川を限りとす。上荒井村は南当り6町、下荒井村は未申(南西)に当り12町。
南1里
黒沢村の山界に至る。その村は戌(西北西)に当り32町30間。
また
丑(北北東)の方2里18町
大沼郡大塩組田沢村の山界に至る。その村まで4里20町。
寅(東北東)の方2里8町
大沼郡大塩組山入村の山界に至る。その村まで3里18町。
辰巳(南東)の方10町30間
黒谷村の界ひ檜枝岐川を限りとす。その村まで18町10間。
端村
荒井原
本村の亥(北北西)の方14町にあり。
家数軒8軒、東西20間・南北1町30間。
東北は山に倚り西南は檜枝岐川に近し。
肱折
荒井原の亥(北北西)の方6町40間にあり。
家数軒6軒、東西20間・南北2町30間。
東北は山に倚り西南は檜枝岐川に近し。
山川
金石鳥屋山
村東2里8町にあり。
頂まで8町。
形状さまで
峻しからざれども諸山に秀て孤立の勢あり。
山入村及び
和泉田組小林村と峯を界ふ。
雑木多し。
檜枝岐川
村南2町にあり。
荒島村の境内より来り、
大金沢を得て戌亥(北西)の方に流るること1里5町、
黒沢村の界に入る。
小舟を以って隣村に往来す。
寛永の頃(1624年~1645年)までは船渡場ありしにや。
その時の渡守・平左衛門という者に加藤氏の臣守岡主馬が与へし文書あり。
その文如左。
以上
伊北郷内小川村之舟渡仕に付而高給八石六斗五升之分役許置者也
守岡主馬
寛永五年八月六日 一長印
渡守平左衛門へ
小川沢
村より寅(東北東)の方3町にあり。
源は黒滝という所より出て、戌亥(北西)の方に流るること3里、檜枝岐川に入る。
広6間。
「いはな」・鰥を産す。
神社
羽黒神社
端村荒井原の北40間余にあり。
鳥居あり。黒谷村木津式部が司なり。
渡澤神社
村北1町余にあり。
祭神及び鎮座の年代詳ならず。
鳥居あり。木津式部これを司る。
最終更新:2022年07月27日 15:45