河沼郡笈川組佐野村

陸奥国 河沼郡 笈川組 佐野(さの)
大日本地誌大系第33巻 103コマ目

府城の西北に当り行程2里3町。
家数33軒、東西4町56間・南北44間。
西は鶴沼川に臨み東北は田畠なり。

東3町50間中目村の界に至る。その村は辰(東南東)に当り6町。
西55間青津組村田村に界ひ鶴沼川を限りとす。
南5町坂下組塚原村の界に至る。その村まで15町。
北50間五町目村の界に至る。その村は丑(北北東)に当り5町50間余。

山川

鶴沼川(大川/佐野川)

俗に大川ともまた佐野川ともいう。
塚原村の界より来り、村西を経て北に流るること12町余五町目村の境内に入る。

神社

稲荷神社

祭神 稲荷神?
相殿 大明神 地主神なり。社家相伝て岳降神とす
   熊野宮
   三島神
   山王神
   山神
鎮座 不明
村中にあり。
社地に数圍の大杉樹あり。遠村よりも目だち見ゆるゆえ佐野大木と称す。
鳥居幣殿拝殿あり。

神職 宮川和泉

その名を常行という。安永中(1772年~1781年)よりこの社の神職となる。

寺院

長福寺

村中にあり。
曹洞宗山號を多寶山という。開基の初詳ならず。
浄土天台の僧侶かわるがわる住せり。永禄中(1558年~1570年)關哲という洞家の僧武蔵国より来りこの寺を再興す。会津郡南青木組北青木村恵倫寺の末山なり。
本尊弥陀客殿に安ず。


最終更新:2020年05月05日 14:13