ポワルン

登録日:2011/08/13 Sat 13:52:59
更新日:2025/07/02 Wed 11:45:44
所要時間:約 6 分で読めます




ポワルンとはポケットモンスターシリーズにルビー・サファイアから登場するポケモン

■データ


全国図鑑No.351
分類:てんきポケモン
英語名:Castform
高さ:0.3m
重さ:0.8kg
タマゴグループ:妖精/不定形
性別比率:♂50♀50

タイプ:ノーマル

特性:てんきや(天候がはれ、あめ、あられの時、姿とタイプが変わる)

種族値
HP:70
攻撃:70
防御:70
特攻:70
特防:70
素早さ:70
合計:420

努力値:HP+1

進化はしない。


■概要


天気と深い関わりを持つポケモン。
天気によって姿とタイプが変化する。

この力は、小さい体を守る為、大自然のパワーを使えるようになって得た物。
体の細胞が、気温や湿度等の変化によって影響を受け、このような変化が起こる。
ポワルンの体の細胞は、水の分子とそっくり。
また、気象が変われば気性まで変わってしまう。

晴れだとほのお、雨だとみず、あられだとこおりタイプになる。
なお、よく勘違いされるが、天候が砂嵐の時は何の変化もない。

ちなみに、「フォルム」という名前こそ使われていない(この頃はまだフォルムという言葉が無かった)が、デオキシスと並んでフォルムチェンジシステムの始祖となったポケモン。


■ゲームでのポワルン


RSEでは野生で登場しない。
天気研究所で発生するマグマ団orアクア団のイベントをクリアすると、お礼として所長から貰える
いわゆるレアポケの一種である。
この時のレベルは25。

DPtでは自慢の裏庭に出現。
野生で登場するのはこの作品から。

HGSSでは、ポケウォーカーのコース「ツリーハウス」に出現。

ORASではリメイク前同様、天気研究所で入手可能。
トルネロスボルトロス入手の条件として必須のポケモンになっている。

基本的には、イベント等で手に入れる事になるポケモンである。
このポケモンの存在で、プレイヤーは天候の存在を深く認識することになる(第二世代には既に存在していたが、対戦をよほどやりこまない限り「マニアックな要素」という認識だった)。
そしてグラードンカイオーガはもちろん、特性の「ようりょくそ」「すいすい」「あめうけざら」などに理解を示していくようになるのだ。

■対戦でのポワルン


全ポケモンどころか、埋葬ポケの中でもかなり雑魚い351ってそういう…。
登場当時はともかく、今となってはデリバードパッチールの方がまだ強い。

その理由は種族値がALL70、合計にして420とかなり低く、技も特殊技ばかりなことである。
そのため攻撃に振られた70はほぼ無意味と化しており、かつサポート要員にも使いづらい。
またノーマルタイプではあるが、「ハイパーボイス」や「トライアタック」のようなノーマル特殊技はろくに覚えない。
そのため専用特性「てんきや」や専用技「ウェザーボール」を使い天候アタッカーで戦うのがセオリーと言える。
しかし、ここで勘のいい方はあることに気づくだろう。

「素直にそのタイプを持つポケモンを使えばいいんじゃないかな?」

そう、この特性には自身のタイプが変わるだけの効果しかないという落とし穴があるのだ。
要するに、天候パで使っても種族値据え置き、特性なしのポケモンにしかならないということである。
加えて当時は「めざめるパワー」でほのおかこおりであれば誰でもポワルンと同じほのお+こおりの技範囲を簡単に模倣できたことに加え、「かえんほうしゃ」や「れいとうビーム」ではポワルンの特攻が低すぎてそれと大差ない火力しか出せなかったのだ。
さらに当時は今のように便利な天候特性はグラードンカイオーガが独占していたため、まだ一般環境では主流ではなく、ポワルンは見向きもされなかった。

DPtでは「ゆきふらし」を持つユキノオーが登場したが、当時のポワルンは「ふぶき」を覚えられなかったため立場はあまり変わらなかった。それどころか「専用技だった「ウェザーボール」をロズレイドが習得し、わざわざポワルンを「ウェザーボール」目当てで採用する理由が薄れてしまった。その後「ウェザーボール」は剣盾で技マシンになり大安売りされることになる。
ポワルンカワイソス(´;ω;`)

BWで「だいもんじ」「ハイドロポンプ」「ふぶき」をようやく習得し、ゆきふらし以外の天候特性持ちも一般ポケモンに出始めたこともあり若干立場は良くなった。しかし翌XYでそれらの技の威力が110に下がったり、天候特性のターンが技と同じ5ターンになったりといったバランス調整に巻き込まれた。ポワルンが何をしたわけでもないのにこの仕打ちである。

その後はUSMを最後に本編には登場していない。
思い返せば種族値にも特性にも一切触れられることなく、現在に至ってしまった。
ポワルンはこのまま時代の流れとともに忘れられてしまうのだろうか…。

実はポワルン、この項目では長らくよくあるマイナーポケモンのように紹介されていた。
恐らくは対戦考察の始まった第4世代当時はドクケイルのように「かなり弱いがまだ使えるポケモン」であること、第5世代以降はその種族値を無視してほのお+こおりの技範囲を持つことが評価され、改められることなく今に至ってしまったのだろう。
某百科事典サイトの「不遇ポケモン」でも第7世代までリストに記載されなかったことがその証左である。

■アニメでのポワルン


AG編の天気研究所の話に登場。天候の実験による吹雪に巻き込まれたサトシ達を助ける。アクア団襲撃時には、所長のバールから古代ポケモンのデータを開けるパスカードを託されて逃がされサトシ達に保護された。
注目はCVが水樹奈々氏であるという事。
当時はまだ期待の若手とも言うべきポジションにあったとはいえ、NHK紅白歌合戦にも出演したりなどと、後の活躍を考えれば驚きの起用と言える。
後に水樹奈々氏は映画のポケモンで、ビクティニの声を演じる事になる。

■余談


その独特な立ち位置や特殊な挙動によって、何かと変な話題が尽きないポケモンである。

第三世代のルビー・サファイア・エメラルドでは必ずこのポケモンをもらうことになる。これによって強制ダブルバトルのジムリーダー、フウとランでも詰まないようになっている。
実は秘伝技の兼ね合いからルビー・サファイアはミズゴロウ1匹で殿堂入りまでクリアすることが可能。
ルビー・サファイアのエンディングはこれまで捕まえたポケモンがランダムに表示されるというものだが、ポワルンとミズゴロウが交互に出てくるだけの映像が合計1分ほど流れるという非常にシュールな絵面になる。
しかしどうしても捕まえた数が2匹になってしまう。できれば1匹でクリアしたいが、どうすればいいだろう?

鍵はポケモンボックスにあった。ポケモンボックスの初回ログインでもらえる「みねうちチルットのタマゴ」と、フエンタウンでもらえる「ソーナノのタマゴ」を入手し、
これを使って別のROMからミズゴロウの♂と♀を調達する。そしてここからミズゴロウのタマゴだけを大量に産んで手持ちとボックスを全部埋め尽くし、これでポワルンの受け取りを拒否するのである。
逆に言えばポケモンボックスという外部ソフトを使ったうえでここまでしないと交換を使用してすらポワルンの受け取りを拒否できない。つまり捕まえた数1匹クリアの最大の壁として君臨するのである。
「タマゴ産ませるならミズゴロウ2匹でいいじゃん」と思うかもしれないが、そうすると手持ちのポケモンが不在になるので預けられないのだ。

第四世代のプラチナ版では、天候が変化している状態で「おいうち」で敵を倒してしまうと、
複数の天候が同時に発動してしまい様々な処理がおかしくなるというバグ(おいうちバグ)が存在した。
この状態でポワルンを出すと変身が止まらなくなってゲームが進行しなくなってしまう。他にもチェリムでも同じように変身を繰り返してゲームが進行しなくなる。

戦闘中に姿が変わるポケモンであるため、ポケモンバトルレボリューションでは姿が変わるときに
「ンポワルンッ!姿が変わったぁ!」
と非常に力のこもった珍しいボイスを聞ける。
実はこの「ンポワルンッ!」の部分が他のポケモンにもあるのだが、これを聞くのはなかなか難しい。
なんと単に「へんしん」しただけでは聞けないのである。そこでこの部分を聞くためにポワルンが用いられる。

1.「へんしん」を調達する。
対戦相手のメタモンの「へんしん」を「まねっこ」「ものまね」などで使うか、手持ちに「へんしん」を持つポケモンを入れて「ねこのて」を使うなど。
2.この「へんしん」でポワルンに変身した後に天候を変化させる

という非常に面倒な手法を取ることになる。そんな1秒足らずのボイスのためにFRLGで「ものまね」を覚えさせた個体を調達する意味があるかは……。
ただ気合の入った声が聴ける上にレア実況の中でもまず聞く機会がないため、実況マニアの間では「裏実況」と呼ばれているのだそうだ。

近年のフォルムチェンジ特性は「なかまづくり」や「スキルスワップ」で書き換えられないのが定例だが「てんきや」は例外で、書き換えられると「ポワルンのすがた」に戻りその後天候の変化を受けても姿が一切変化しなくなる。
この仕様はチェリムの「フラワーギフト」と同様現在も放置されている。

またフォルムチェンジ後の後の色違いが何故か20年間存在せず、ポケモンHOMEで初お披露目・解禁と珍しい経歴を持つ。


■ポケモンカードでのポワルン


ポケモンカードでは「おてんきへんげ」「てんきや」というポケパワー(特殊能力)を持つカードとして登場した。
デッキから任意のポワルンを持ってきて入れ替えることができるというもので、ポワルンはノーマル、炎、水の3種類のタイプが存在するので相手の弱点を突けるようにデザインされている。
ただしクソみたいに弱いのでまるで使われなかった。そもそも雪雲と雨雲でタイプが被ってるし。
一方で《ホロンのポワルン》というまったく別のカードがある。エネルギーカードとしても使えるという特性を持っており、もっぱらエネルギーカードとして活躍した。
ポケモンではなくエネルギーとして場に出て、コストとして捨てられる。いいのかそれで。でも一番対戦で活躍しているのは多分このポワルンだろう。

現在ではどちらもスタン落ちのため使用することができなくなっており、ポワルンも平凡なノーマルタイプのポケモンとして穴埋めのように登場している。
イラストはかわいらしいものが多い。パッチワークで作られたポワルンなんてのもいる。


■不思議のダンジョンでのポワルン


初代の救助隊シリーズから登場している。
本編同様に「てんきや」を持ち、ダンジョンの天候に合わせてタイプ(と姿)が変化するのが特徴。
それに合わせて幅広いタイプの技を覚え、れんけつを駆使したにほんばれ+ソーラービームあまごい+かみなりもお手の物。
特にこおりタイプのこなゆきは部屋全体を攻撃するため(敵としても)猛威を振るう。

続編の探検隊シリーズにも当然参加。
相変わらず器用で可愛いポケモンとして優秀……なのだが大きな欠点が一つ
この作品には「からだのおおきさ」というシステムが存在し、各ポケモンはその大きさに見合った☆1~☆4のおおきさを持つ。
そして「チームは4匹まで」&「からだのおおきさ合計が☆6まで」という条件を満たす必要がある。
大半のポケモンは☆1で、ポワルンも☆1……ではなく何故か☆4扱い
どうやらチェリムとポワルンはフォルムチェンジする先も含めておおきさが計算されていて、チェリムは☆2、ポワルンは☆4という重量級ポケモンとなっている
このため天気を活かして皆で探検したいポケモンなのだが、必然的に4匹フルメンバーの探検ができず、少々勿体ないポケモンになっている。



気象庁の某マスコットキャラはポワルンそっくりである。
また、『ポケモンGO』のCMでは、気象予報士であるタレントの石原良純氏が、ポワルンの姿をして登場したりしている。


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最終更新:2025年07月02日 11:45