ドクケイル

登録日:2014/02/23 Sun 17:15:52
更新日:2025/07/18 Fri 19:55:59
所要時間:約 5 分で読めます





\ドクケ-イル!/
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■もくじ

■データ


全国図鑑No.269/ホウエン図鑑No.018/シンオウ図鑑No.052
分類:どくがポケモン
高さ:1.2m
重さ:31.6kg
タマゴグループ:むし
性別比率:♂50♀50

タイプ:むし/どく
特性:りんぷん(相手の攻撃技の追加効果を受けない)
隠れ特性:ふくがん(一撃必殺技以外の技の命中率が1.3倍になる。フィールドで先頭にしておくと道具を持ったポケモンと出会いやすくなる)

種族値
HP:60
攻撃:50
防御:70
特攻:50
特防:90
素早さ:65
合計:385

努力値:特防+3

ケムッソ→マユルド(Lv.7)→ドクケイル(Lv.10)


■概要


マユルドの進化形。
「∵」状に並んだ複眼と、葉っぱの様な羽を持つのポケモン。
常にニヤけたような表情をしている。

通常の蛾と同じく、街灯の明かりに誘われて移動する夜行性。
集団で街路樹に群がっては、葉っぱを喰い散らかしてしまう害虫である。
危険を感じると猛毒の粉をまき散らす。
その粉を吸い込むとプロレスラーでもすぐに寝込んでしまう。プロレスラーをなんだと思ってんだ

分岐進化の相棒であるアゲハントは明るい正統派の蝶々であり、あちらに比べるとぱっと見は暗くて地味な感じ。でもよく見てると可愛い。
その独特の愛嬌に加えて後述のアニメでの活躍もあり、女児からも人気があった。
LEGENDSアルセウスでもケムッソからの分岐進化でサイドストーリーがあり、やはり存在感が強い。
ケムッソに名前を付けてあげる時点でオチが見えていたプレイヤーも多数。

色違いは羽根が茶色い


■ゲームでのドクケイル


進化前のケムッソ、もしくはマユルドは、第三世代ではトウカの森等でゲットできた。
ケムッソから進化させる場合、進化先がカラサリスになるかマユルドになるかは完全にランダムなので、
確実に厳選したい場合はマユルドの状態から育てるようにしたいところだが、野生のマユルドは技を「かたくなる」しか覚えていないのが困りもの。
性格一致!個体値も理想的!とガッツポーズを取って進化させたらカラサリスで絶望するのは、ドクケイル使いなら誰もが通った道である。

進化して羽が付いたがひこうタイプが追加された訳ではなく、特性もふゆうではないので地面タイプのわざも受けてしまう。
火力も低く、シナリオ攻略では少々扱いづらい。この点は中盤まで火力を出せるのでありがたいアゲハントとは対照的。

DPtではギンガ団のしたっぱや、四天王リョウの手持ちとしてアゲハントと共に参加。
が、どちらも弱すぎたとみられたのか、プラチナ版では相次いでリストラされた。不遇のアリアドスをリメイク版どころかPWTにおいても使い続けたどこかの忍者親に比べると随分と薄情である。

図鑑説明では「猛毒の粉をまき散らす」と書かれてあるが、実際にはORASまで「どくのこな」を習得しなかった。
そして他の粉系の技は一切習得しない。
どういうことなの。


■対戦でのドクケイル


特防がそこそこ高いがそれ以外の能力はかなり低く、序盤虫らしく超低種族値。

特に火力はみがわりすら壊せるか怪しい低火力。素早さも分岐進化のアゲハントと同速程度しかない。

最大の取り柄である耐久もHPの低さが祟り単純な流しとしては使えず、
タイプもじめんが弱点にならなくなったのは良いが、代わりにむしの3タイプの弱点がそっくり増えており、耐性の内訳もどく単と変わっていない。

また同じ「ちょうのまい」を覚える同タイプにモルフォンがおり、合計種族値が65も離れている競合相手。
しかしモルフォンとの差別化点である「てっぺき」に加え回復技の「はねやすめ」も覚えるので、これらや「ちょうのまい」を活かした積み耐久が主力の型となっている。
みがわり」にも「ふきとばし」で対処可能。そのため対抗手段のない相手には強く、上手くいけば無類の強さを発揮する

……しかし、ドクケイル以外で積み耐久をするポケモンの噂はほとんど聞かない。
何故かと言えば、積み耐久という戦術の対抗手段が非常に多く、まず上手くいかないからである。
その具体的な対抗手段が主に以下の5つ。

  • 「どくどく」による増加する定数ダメージ
  • ちょうはつ/アンコールによる技の妨害
  • ふきとばしによる積みリセット
  • 相手の積みによる強引な突破
  • 急所やDDラリアットなどによる積み無視

ドクケイルはこの内「どくどく」は無効化できるが、それ以外への耐性は全くない。
また耐久戦法として「受けループ」が主流なのもこれらをある程度対策できるからである。
「ドクケイルも素直に交代すればいいのでは?」となるかもしれないが、それもできない。
積み直しになることは鈍足で耐久もそこまでないドクケイルにとって役割放棄に相当するからである。

総合すると技には光るものがあるが、現状それを活かせる能力を持ち合わせているとは言い難い。
詳しくは後述するが、なまじ「強い」という評価が独り歩きしているため直接的なテコ入れもなかなか受けられず、もはや埋葬ポケモン一歩手前の性能となっている。

更にケムッソからランダム進化なため、序盤虫で孵化補数が少ない割に厳選難易度が高かったり…。

XYではアゲハントの特攻が大台の100に上昇する一方、ドクケイルは放置された。
一応むしタイプに多く配られた拘束技「まとわりつく」で有利な相手をロックできるようになり、同時にはがねには手も足も出ないという課題も多少解消された。

しかし強化らしい強化はそれが最後。
そればかりか、本編である剣盾SV2連続でリストラ対象となるという扱いも受けている。
一応BDSPやPLAには登場できているだけマシではあるが、こちらでも強化らしい強化がなされることはなかった。
このまま匙を投げられないことを祈るばかりである。

■ちなみに


今でこそ不遇として扱われることもあるポケモンだが、第四世代時代までのポケモンは、いわゆる「厨ポケを使わないこと」がマナーとして存在していた時代だった。
そのためドクケイルは、そういった不文律マナーが前提の空間では意外な活躍を見せてくれる「地味強枠」として、その筋の人には有名だった。未だ「強い」という評価を受けることがあるのは当時の名残である。
少なくとも催眠厨*1のバタフリーよりは正々堂々戦っていて、アリアドスやコロトックに比べてとても強いのである。

ただし基本的にはモルフォンの方が上であり、差別化がどうとか地味に強いなんて言ったところで結局当時の環境最前線で頻繁に見かけたメタグロスゴウカザルを相手に何もできないことには変わりない。
あくまでドクケイルの特徴は「(当時は弱いことが当たり前だった)序盤虫にしてはやり手である」ということであり、ぶっちゃけ当時からしてもオオスバメムクホークのような「序盤鳥」の方が汎用性も高くて断然強いという意見だった。
こういった事情のため、ドクケイルの全盛時代だった第三~第四世代の話をしても評価はかなり分かれる。

確実に言えるのは、ドクケイルの強さには当時の独特のマナーが関係していたということ。
もしあなたの見解と違う意見が出てきたら、それは単に遊んでいた(想定している)環境が違うだけかもしれない。単にあなたを言い負かしたいだけのレスバトラーかもしれないが。

■アニメでのドクケイル


AG編にて、ロケット団ムサシの手持ちとして登場。
ホウエン地方における彼女の2匹目のポケモンで、捕獲当時はケムッソだったのがマユルドに、そしてドクケイルに進化した。
この時ムサシはマユルドのことをカラサリスだと勘違いしていて、コジロウニャースから「真相を知ったらキレるに違いない」と心配されていたたが、
いざ進化してみると「美しい」「超可愛い」と気に入られて事なきを得た。

通称「ムサシの嫁」。
ムサシからは大変気に入られており、ドクケイル自身もムサシのことを大変好いている他、コジロウの言う事にも素直に従ういい子。
ほぼ同時期に進化したハルカのアゲハントとは何かと張り合う事が多く(本人らよりむしろトレーナーの2人の方が)、コンテスト等でも競い合っている。
悪役のポケモンだが実力はかなり高く、サトシたちを苦戦させることも多い。
使用技は「たいあたり」、「どくばり」、「ふきとばし」、「サイケこうせん」、「かぜおこし」等。

DP編73話にて、ポケモントレーナーのタイキが持つ色違いのドクケイルと恋に落ちる。
このタイキはムサシがかつて思いを寄せていた人物に瓜二つな容姿をしていて、自分と同じ後悔をドクケイルにさせたくないと思った彼女は、
ドクケイルの意志を汲み取って別れるという苦渋の決断をする。
この時ムサシは、ドクケイルが二度と自分の手持ちに戻れないよう、モンスターボールを破壊した。
詳細は該当ページを参照。

なにかとアゲハントと比較されるのだが、ムサシの手持ちが少ないことなども相まって結構出番が多く、
コンテスト回という見せ場もあるのでじわじわとちびっ子たちの評価をあげていった。
ハルカのアゲハントの出番がこれに比べると少ない+綺麗どころにまとまっているせいで地味なこともあって、
ADV編が終わる頃には少なくともアゲハントと同じくらいには人気だった。


追記・修正は、愛する人の事を思いつつ別れを惜しみながらドクケイルを逃がした人にお願いします。

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最終更新:2025年07月18日 19:55

*1 当時は「複数催眠の禁止」というルールが存在していた。状態異常が弱体化した今でも忌避感を示すプレイヤーが多いのは当時の名残である。