600族(ポケモン)

登録日:2009/08/20 Sun 14:00:55
更新日:2024/01/09 Tue 23:24:45
所要時間:約 18 分で読めます




600族とは、種族値の合計が600となるポケモンの総称。公式名称ではない。
公式ではその多くを内包した「「大器晩成」なポケモン」という呼び名が使われている(後述)。


概要


ポケモンのステータスの強さは種類によって決まっており(一般的に「種族値」と呼ばれている)、
その中の個体の優劣(一般的に「個体値」と呼ばれている)によって最終的な手に入れたポケモンの強さが決まる。

「600族」とは一般的に非伝説で種族値合計値が600のポケモンのことを指す。
種族値の合計値が高いということはそれだけでポケモン全体の中でも強いということであり、一部を除けば600族が今現在最高クラスの種族値合計値となる。
(600を超える伝説のポケモンは大抵のルールで使用禁止となり、禁止とならないポケモンは特性などで大きなハンデを抱えている)
中にはタイプや特性・技構成に難があって使いづらいポケモンも存在したが、現在ではそれぞれが強化され、どの種族にも明確な採用価値の存在する強ポケの集まりとなっている。
しかし採用率や人気には埋めがたい差があり、タイプ被りや役割被りが多いこともあいまって、600族はデッドヒートの激しいランクでもある。

多くの種類に以下のような共通点がある。
  • 進化前を入手できるのは中盤以降
  • 進化に必要なレベルが高い*1
  • ドラゴンタイプを含んでいることが多い
  • 覚える技が豊富な技のデパート*2
  • チャンピオン(ラスボス)の手持ちに1匹入っている*3
  • 孵化歩数のサイクルが最も多い40(タマゴを孵すのに10000歩以上も必要となる)
経験値タイプも「125万タイプ」という最初から最後まで成長が遅いタイプ(伝説のポケモンも属するタイプであり、レベル1から50までに要する経験値は最も多い)に入る。



もっとも種族値と呼ばれるポケモンごとのパラメーターはそもそも公式には明文化されておらず、基本的にはデータ解析やプレイヤーの検証によって弾き出された非公式な内部数値であることは留意されたし。

2019年10月にはポケモンセンターにて600族をテーマにしたグッズが多数発売。「『大器晩成』なポケモン達」と称されている。
その後ドラパルトを含めた9匹のイラストがポケモンセンターに展示されるなど、事実上は公式公認のグループになりつつあると言えるか。
ただし後述のブリジュラスのように、大器晩成ではないが種族値600のポケモンも出現しているため、大器晩成と600族はイコールではないので注意。


該当ポケモン


カイリュー

91-134-95-100-100-80
ミニリュウ(Lv.30)→ハクリュー(Lv.55)→カイリュー

第1世代
元祖600族にして元祖ドラゴンタイプの巨竜。
初代ではドラゴンタイプの技が威力固定の「りゅうのいかり」しかなく、「はかいこうせん」や「のしかかり」をメインウェポンとしてきた。
さまざまなタイプの技を覚えるものの、特攻はさほどでもない為に対戦での活躍は難しかった。
また当時は特攻と特防が「特殊」で一纏めにされていたため、実質的な種族値では特殊の高いフリーザーサンダーファイヤーの方が上回っていた。
第2世代で「しんそく」や「げきりん」といった新技を得るも、第3世代から攻撃も特攻も、そしてなにより重要な素早さも高いボーマンダが登場し長らく劣化と敬遠されてきた。

が、BWからの隠れ特性「マルチスケイル」(体力満タンの状態ならあらゆる攻撃ダメージを半減できる)を獲得し、これまでの不遇の時代が嘘のように強化。
龍舞逆鱗による抜きエース、「でんじは」「はねやすめ」による耐久型、そこそこある特攻を活かして雨パでの「ぼうふう」等、多彩な戦術を駆使して環境のトップに君臨した。

第7世代では、フェアリー天下の時代となり、先制技を封じられる機会が増えたため、大きく数を減らしてしまった。特にミミッキュには完封される可能性も高くなったが、Zワザでやっと強力な物理飛行技を手に入れて爆発力は増した。
第8世代では更に技が充実化。ダイマックス+じゃくてんほけん+マルチスケイルが異常に好相性で人気。マルスケ潰されると途端に物足りなくなるのもいつも通り
また、地味に「しんそく」が基本技になり育成難易度が大幅に緩和された。

第9世代ではタイプを自由に変更できる新要素「テラスタル」により、ネックだった4倍弱点を消せるようになった。
その結果「マルチスケイル」込みの耐久面が強化され、高種族値・技の多彩さ・最強クラスの先制技を兼ね備えたトップメタとして環境に君臨することとなる。

「バリアー」は配信限定。第8世代では「しんそく」や「マルチスケイル」とも両立できるが、ランクマッチに出すことはできない。
それどころか、「バリアー」という技自体が削除されている。


バンギラス

100-134-110-95-100-61
ヨーギラス(Lv.30)→サナギラス(Lv.55)→バンギラス

第2世代。
山脈を割り裂く大怪獣。いわ/あくの複合は未だに固有の組み合わせである。
最大の強みはなんと言っても特性「すなおこし」。第4世代にすなあらし時にいわタイプの特防1.5倍という仕様が追加されると実質種族値660の鬼神と化した。すなあらし時の特殊耐久はカビゴンをもしのぎ、潰しももつ砂パの軸。
素早さは低すぎるという訳でもないが、600族の中ではヒスイヌメルゴンに次ぐ2番目に鈍足。なのだが、素早さ60族を1だけ上回る絶妙な数値である。
もちろん、先手を取るには工夫が必要でかくとう4倍はツラいが、砂嵐を味方につけた圧倒的な特殊防御性能、メジャーポケへの対処力で常に使用率上位を保つ。
物理技だけでなく怪獣モチーフからかやたら充実した光線系技を中心に特殊技も広く覚え、補助技も「りゅうのまい」を筆頭に色々覚えるので実はかなり器用。
HGSSの金銀世代に取材したCMでは、やたら名前が出る程愛されている。
BW2ではポケウッドで「メカバンギラス」が登場。(その10年後テツノイバラという名前で実現してしまう)

更にXYではメガシンカまで獲得。

第7世代では、フェアリー天下の時代となりギガイアスが新たに「すなおこし」を得たが、やはり種族値や技のレパートリー、メガシンカの有無等でその地位は揺るがず。
第8世代ではダイマックス+じゃくてんほけんとの相性の良さで大暴れ。リベロエースバーン解禁後弱保型は激減したが
そんなバンギラスも遂に第9世代で役割対象を失い、シングルバトルでは目を覆う程の採用率に……
一方、ダブルではすなかきルガルガンと一緒に「いわなだれ」をぶつけるいやらしい戦法でそれなりの採用率を維持している。


ボーマンダ

95-135-80-110-80-100
タツベイ(Lv.30)→コモルー(Lv.50)→ボーマンダ

第3世代。
天空を舞う王竜。
バランスのいい種族値配分、物理耐久を強化する特性「いかく」、優秀な積み技「りゅうのまい」、攻撃も特攻も高く二刀も可能でサブウェポンも豊富という、非常に分かりやすい強さを持つ。
しかし第4~5世代のシングルバトルでは素早さで上を行くガブリアスやラティオスの存在、また第5世代ではサザンドラの登場にカイリューの強化もあり、器用貧乏として厳しい状況に立たされていた。

…が、ルビサファのリメイク版ORASで「メガボーマンダ」が登場し、特性「スカイスキン」による超高火力の飛行アタッカーとして大幅に強化を受け、最強の一角に。
第8世代ではメガシンカを失ったがエアスラ、ぼうふう、ダブルウイングを習得し、スキン無しでも実用的なひこう技が使えるようになった。
ただカイリュー程技に柔軟性がないのが苦しいか?

ダブルバトルにおいては「いかく」が非常に強力なことから、登場以来常に最メジャー格である。


メタグロス

80-135-130-95-90-70
ダンバル(Lv.20)→メタング(Lv.45)→メタグロス

同じく第3世代。
鉄拳を振るい戦場を駆ける鋼鉄の戦闘兵器。
最初の進化レベルが20と600族の中では最も低いが、進化するまで技が「とっしん」しかないため、習得技の面で成長が遅いタイプと言える。
初登場した第3世代ではその高耐久と火力によってシングル・ダブル共に最強のポケモンとして活躍。
XYでは弱点の増加、コメットパンチの威力低下など大幅な弱体化を受け、BW時代までの幅広い活躍は息を潜めたが、新たに登場したフェアリーに対しては殆どの相手に対して有利となる。
ルビサファのリメイク版ORASで「メガメタグロス」が登場し、接触技の威力が1.3倍となる特性「かたいツメ」により大幅に強化された。
第7世代ではフェアリー環境に強いことから使用率がさらに上昇。メガシンカ時の素早さの仕様変更により対面性能はかなり上昇した。しかし、「イカサマ」に弱いのは相変わらず。
第8世代では残念ながらメガシンカ喪失で中速アタッカーに逆戻り。しかしバンギラス以上にじゃくてんほけん+ダイマックスが強力なことが判明したので、メガシンカとはまた違った強さを見せている。ダイマックス技の仕様上「クリアボディ」の発動機会も増えた。
ちなみに、隠れ特性が大ハズレな「ライトメタル」なことでも有名。


ガブリアス

108-130-95-80-85-102
フカマル(Lv.24)→ガバイト(Lv.48)→ガブリアス

第4世代。
大地を揺るがす神速の陸鮫。
ご存知最強クラスのポケモン。じめん+ドラゴンの組み合わせが秀逸で、ドラゴンに耐性を持つはがねやフェアリー相手にも一致「じしん」でフォロー可能。
高い攻撃力と絶妙な素早さを持ち、4倍弱点のこおり技もめざめるパワー程度なら耐えられる耐久力も持ち合わせ、抜群の突破力を誇る。
一致技が通用しないエアームドらをだいもんじでギリギリ焼ける程度の特攻もあり、あらゆる点において隙がない。
特性はどれも一癖あり能動的には活かしにくいが、高水準な耐久を活かしたゴツメさめはだ型、もう一つの特性「すながくれ」と持ち物「ひかりのこな」を掛け合わせて砂嵐下で運ゲーをしかける通称粉ガブも存在。
更に相性のいい持ち物も多く、決定力を高めた鉢巻、素早さをより底上げするスカーフ、こおり技や不慮の事故に備えてのラムのみ、ヤチェのみと多く読みにくい。

そんな圧倒的な性能からついた異名が『レートの主人公今や過去の物になってきたが

ただし自力取得技のレパートリーが酷く、じめん技に関しては「あなをほる」くらいしかまともな技を覚えられない
わざマシン、タマゴ技、教え技への依存が激しいポケモンであり、人が育ててやって初めてその強さを発揮する。また意外にも技のレパートリーは600族の割に多くなく、止まるときは案外あっさり止まってしまう。

XYでメガシンカできるようになり、ただでさえ高かった攻撃が更に上がるようになったが、
ガブリアスの強みである絶妙なすばやさが下がってしまう為、対戦ではノーマルガブの方が人気であった。
勿論弱いわけではなく、しっかりと運用方法を考えれば活躍の余地はある。

第6世代ではフェアリータイプの追加により環境から姿を消すかと思えばそんなことは全くなかった。
まずフェアリータイプは防御が弱く、特防が高いため、特殊アタッカーのサザンドラ・ラティオス以外は殆どはサブ技で殴ることが出来る。ガブリアスの場合は先述した「じしん」で攻撃できるうえ、大抵のフェアリータイプよりも素早さが高いので先手を打つことが出来る。
また、ピンポイントにはなるが「どくづき」と「アイアンヘッド」を覚えるため、トゲキッスのような地面タイプを半減いかに抑えるフェアリータイプにも優位に立てるので、とにかく隙がなかったのだった。

第7世代初期では「また天下を取ってしまうのでは」と思われていたが、強力なフェアリータイプが次々に投入された事により逆鱗を打ち辛くなったため、登場から初めてトップメタから陥落するという憂き目に。
しかし根本的な性能は一切ナーフされていないので、やはり強力なことには変わりない。
第8世代では素早さを上げる技「ダイジェット」が飛び交う環境のせいでまともに素早さを上げられないという今までの弱点が思いっきり響く羽目に。DLCで素早さを上げる技「スケイルショット」を習得したことで持ち直してはいるが。
一方でレベルで「じならし」を覚えるようになり、対戦での強さに対してあまりにも酷い旅パ適正の低さをようやく少し克服している。まあこの恩恵を受けられたのは次の第9世代なのだが。


サザンドラ

92-105-90-125-90-98
モノズ(Lv.50)→ジヘッド(Lv.64)→サザンドラ

第5世代。
BWで登場した三つの頭を持つ魔竜。
初となるのあく+ドラゴンであり、登場した当時は初の4倍弱点なしとなる600族ドラゴンだった。
600族初の特殊寄りステータスのポケモンで、高い特攻からのタイプ一致りゅうせいぐんは驚異。さらに非常に技のレパートリーが広くほとんどの相手に等倍以上を取れる他、攻撃も低くはなく二刀流や物理型、果ては高い耐久力や優れた耐性を生かした耐久型まで組める。
その一方でステータスはかなりバランス型の配分で素早さは激戦区の100に届かず、種族値の最大値は130に届かず、弱点も多い。更にレベル50でようやく中間進化を遂げ、最終進化レベルはなんと史上最高の64という凄まじい大器晩成型でもある。
シナリオでは最終進化形を拝む前に殿堂入りしかねず、また進化前の特性「はりきり」(物理威力上昇の代わりに物理技の命中が下がる)のせいで道中の使用にもやや骨が折れ、何より中間進化までは物理寄りステータス、最終進化で突然特殊寄りになるという変則性も厄介。

BWではラスボスゲーチスの切り札。フルアタのガチ構成のためすさまじく強く、レシラムorゼクロムもレベル的にも素早さ的にもにほぼ勝ち目がなく、多くのトレーナーを血祭りに上げた。
更にBW2ではチャンピオンであるアイリスの先鋒。ま た お ま え か と思ったトレーナーは数知れず。

第6世代では新登場のフェアリータイプが4倍弱点になり、メイン、サブウェポン共に威力が下がるという向かい風が吹いたが、実際はギルガルドという相性補完に優れたパートナーを獲得し飛躍、対戦界の空を飛びまわり続けた。

第7世代はフェアリーが増えたため以前より使い辛くはなったが、サイクル構築で重宝される高い補完性能は健在。
ミミッキュに上を取られやすいギルガルドよりメガメタグロスやドヒドイデと組まれることが増えた。

第8世代ではフェアリーの勢いが落ちて元気を取り戻したが最盛期程とはいかない様子。そしてカプ復活のせいでまたもや大ピンチ、伝説解禁環境でフェアリーが減ったらまた復活…と評価が乱高下している

第9世代ではテラスタルの登場で、なやみのタネだったフェアリータイプに対し鋼タイプや毒タイプになることで対抗できるようになった。パラドックスポケモンや準伝説が解禁されていないシリーズ1ではサザンドラを上回る素早さを持つポケモンが少ないことや、未登場のギルガルドに変わるサーフゴーという最高の相方の存在も相まってトップメタに君臨している。

何気に600族で唯一夢特性も第二特性も持っていない(特性「ふゆう」持ちに共通する謎の縛り要素があるため)。またメガシンカ・専用Zわざ・リージョンフォーム等が全く登場していない数少ない600族。
つまるところ初登場の第5世代以降後の追加要素がない悲しみを背負っていたが、第9世代で待望の追加要素であるパラドックスポケモン化を果たした。
でもサザンドラ当人とは別のポケモン扱いだが。


ヌメルゴンヒスイヌメルゴン

90-100-70-110-150-80 (原種)
80-100-100-110-150-60 (ヒスイのすがた)
ヌメラ(Lv.40)→ヌメイル(雨の降る場所でLv.50)→ヌメルゴン

第6世代。
XYで登場した粘竜。初の耐久型600族。
最終形態になるレベルは50と並程度だが、自然が恵んだ雨を浴びないと進化出来ない。
ドラゴン単タイプであるため弱点が少なく、場合によっては一致技の弱点攻撃も一発耐えてしまうほど特殊耐久力が高い。
物理耐久は低めだが、変化技を活用すれば容易に補うことが出来る。
特性も全て防御面を補う優秀なもので、「そうしょく」なら粉や胞子で眠らせることが出来ず、
「うるおいボディ」ならもうどくやけどによるスリップダメージを与えるのが難しくなり、
「ぬめぬめ」ならうっかり先手で殴ったときに素早さを下げられ抜かれてしまう。
また、攻撃面では物理特殊ともに高めの能力を持つためどちらのアタッカーもこなすことが出来る上、11タイプと言う幅広い技レパートリーを持つ。
しかし登場時から長らく物理重視だった環境の逆風などもあって対戦においてはあまり目立った活躍がなかった、やや不遇な600族。
6世代はやたらと特殊に厳しく、だいもんじなどの威力120の技の弱体化、特防の高いフェアリータイプの台頭、とつげきチョッキの追加に加え、ヌメルゴンも特殊に強いという要素が与えられていたが、物理に対しては特に弱体化要素が与えられなかったので、物理に脆いヌメルゴンでは環境に恵まれなかった。
第8世代ではシリーズ中期から様々な要因が元となってその性能が注目され始め、少しずつ使用率を伸ばしているという、かつてのサザンドラ以上に歪な再評価を受けている。と言うよりは環境に物凄い影響を受けるポケモン

Pokémon LEGENDS アルセウスでは600族初のリージョンフォームに抜擢。
素早さは下がったものの原種最大の弱点だった物理耐久が大幅に上昇し、タイプが鬼畜耐性のはがね・ドラゴンになったことで高い耐久力をより活かしやすくなった。技範囲にもはがねタイプが加わって更に盤石に。
原種ヌメルゴンの性能の穴をほぼ全て埋めたうえに出来ることを増やした、まさに上位互換に近い強さであり、初出のLEGENDS アルセウスの攻略では勿論のこと第9世代の対戦環境でも参戦早々から大暴れしている。
そのせいで原種が対戦で本当に見向きもされなくなってしまった


ジャラランガ

75-110-125-100-105-85
ジャラコ(Lv.35)→ジャランゴ(Lv.45)→ジャラランガ

第7世代。
地形を変える程のアッパーカットを放つ、闇と戦う鱗竜。
最終進化Lv.が45と、600族の中ではメタグロスと並び早めに進化できる。
ドラゴン・かくとうという初の複合タイプを持つポケモンであり、特性も「ぼうだん」「ぼうおん」「ぼうじん」と、頭にすべて「防」がつく。
それに見合うかのように防御系の種族値は高めに設定されているが、新技「スケイルノイズ」を始め、その耐久を犠牲にして効果を発揮する技を何故か結構覚える。
また積み技の種類が異常に豊富。
当初は役割破壊に乏しいうえ、かくとうタイプを備えているにも関わらず有力な一致技は「スカイアッパー」「かわらわり」「きあいだま」のみだった。
さらに激戦区となっているフェアリーに4倍弱点をとられてしまうという、600族の中ではあまり恵まれた環境にあるとはいい難かった。

しかし2016年12月頃、ダブルレート1位のプレイヤーのPTに入っていたことが判明。
判明した構築をもとに考察が進むと味方を巻き込まない全体技としては高威力の専用技スケイルノイズ、特性によってはダブルでの使用率が高いウインディに有利などといった理由から、
「シングルでは使いにくいがダブルでは活躍が見込める」といった感じに落ち着いた。
もっとも、基本的にシングル基準での強さが測られることが多いこのゲームにおいては未だ辛辣な評価を下すトレーナーも多かった。

続編のUSMでは念願の「インファイト」や多くの教え技を習得し、まさかの 600族初の専用Zワザ を貰うなどこれまでの不遇を全て覆す超強化を受けダブルバトル中心に再評価された。

第8世代ではZワザを失うも、専用Zワザと同じような能力上昇効果を得られる新しい専用積み技「ソウルビート」を取得し、積みアタッカーとして更に尖った。
しかし600族唯一の飛行弱点が物凄く響いており採用率は全く振るわない。上位陣が丸ごと禁止ポケモンになった際にはフライゴンに採用率で負ける程。

余談だが、一時期バトルツリーでNPCが使用するジャラランガはからをやぶるを習得しており、
多くのトレーナーが実装されることを望んでいたのだがこれは公式のミスだったようで、
2017年1月の更新により現在は削除済。ちなみにこれに代わる技は「りゅうせいぐん」。
案の定落胆の声が相次いだが「もともと種族値自体は低くないので妥当」といった反論も多い。


ドラパルト

88-120-75-100-75-142
ドラメシヤ(Lv.50)→ドロンチ(Lv.60)→ドラパルト

第8世代。
音速のステルス戦闘機。
進化の早かったジャラランガからは一転、サザンドラには及ばないもののLv60とかなり遅い進化になる。
一般ポケモンでは初めてのドラゴン/ゴーストの複合。特性はステルスという設定に準じたクリアボディ/すりぬけ。

素早さが142もあり、全600族、全ドラゴン最速。メガシンカポケモンを含んでもこれを超えるのはメガジュカインのみ。
専用技「ドラゴンアロー」は威力50の攻撃を2発撃ち込む連続技。ダブルバトルにおいては基本的に両方に1発ずつ撃つが、片方が「まもる」などにより攻撃が通らない場合は通る方に2発撃ち込むという優れものである。
あとゴーストタイプの癖にサザンドラすら覚えない「ふいうち」を覚える。
一方で素早さに特化した代償としてか防御面は物理特殊共に600族ワーストクラス。

種族値的には物理寄りだが物理技のレパートリーにやや乏しいこと、その反面特殊技や変化技のレパートリーは大変豊富なことから特殊型や耐久を上げてじゃくてんほけんを持たせる型、高い素早さを活かした壁貼りサポート型など多彩な型が存在する。
あまりにも素早いので素早さ補正をかけずとも抜ける対象がかなり多いため、あえて攻撃/特攻補正をかけるのもあり。
ただ「何でもできる」は「器用貧乏」と紙一重なので、トレーナーの腕が大いに出ると言える。あと、一致火力は想像以上に控え目。


セグレイブ

115-145-92-75-85-87
セビエ(Lv.35)→セゴール(Lv.54)→セグレイブ

第9世代。
SVで登場した氷の怪獣王。
進化レベルはカイリューやバンギラスに近く、これでも600族ではど真ん中あたり。
こちらも一般ポケモンでは初のドラゴン/こおりの複合タイプ。専用特性としてねつこうかんを持つ。
一応夢特性はアイスボディだが持久戦には向かないので忘れていい

これまでありそうでなかった中速物理方面特化の600族であり、攻撃はボーマンダをぶっちぎってトップの145
HPも600族最高だが、HPと攻撃に種族値を振り過ぎた結果他は600族にしてはパッとせず、特攻は75とワーストかつ特殊技も殆ど覚えない潔さ。
物理技は専用技の「きょけんとつげき」、氷弱点への強力な牽制となる「こおりのつぶて」を筆頭に充実しており、「りゅうのまい」も覚えるという分かりやすい物理積みアタッカー向きの性能にまとまっている。
特性のねつこうかんのおかげでやけど状態にならないのもアピールポイントの一つ。

4倍こそないものの弱点多数かつ耐性も貧弱な複合タイプ、ドラゴンとしてはやや物足りない素早さの二点が大きなネックになるが、新要素のテラスタルのタイプ変更でカバーができるのでやはりトレーナーの腕が活躍の明暗を分けることになる。


ブリジュラス

90-105-130-125-65-85
ジュラルドン ⇒ ブリジュラス(「ふくごうきんぞく」を使用する)

ジュラルドンが藍の円盤で進化した姿。
追加進化により合計種族値が600になったという初の事例。
通常の特性がほぼ死んでいたジュラルドンが使える特性に変化し、ジュラルドンの良さを合計種族値600になるまで強化したと言える。

1進化かつ道具で進化すると言う点や、進化前のジュラルドンがこれまでの600族よりも孵化歩数が短いという、大器晩成ポケモンには該当しない初の600族ポケモンであるためか、600族であることに違和感を覚えるという声もある。
進化に4年もかかったんだから大器晩成だという冗談も言われているようだが
ただ、今後追加進化によって合計種族値が600になる可能性を示唆されたというわけでもあるため、ある意味その先駆けとも言えなくはない。


総括

いずれもただパラメータが高い訳ではなく、強力な特性や多彩な技を覚える。
しかしその有名さから有効な対策も進んでおり、何も考えずに使うと思うように力が発揮出来ない場合も多い。
それでも基礎能力は優秀なので少なからず相手にプレッシャー(特性に非ず)をかける事が可能である。
まさに強ポケと言えるだろう。

なお、ラティクレセリア*4ヒードランランドロスは種族値の合計は600だが、タマゴ未発見グループに属するためか、「準伝600族」などと上記の7匹とは一線を引く見方も存在する。
また、ミュウセレビィ等の所謂「幻のポケモン」は通常ルールに参戦できないため、600族という括りに入ることはない。


余談

これも非公式の用語だが、『ポケモン』シリーズに登場する人間キャラクターや関連人物のうち、ルックスが特に優れている面々を指して「顔面600族」と称するファンもいる。


追記・修正は600族のWiki篭りである君達がするんだ!

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2024年01月09日 23:24

*1 ブリジュラスは道具進化

*2 なお近年の作品では物理技が貧相なドラパルト、特殊技がからっきしなセグレイブといった例外が登場している。

*3 これに関しては元チャンピオンでも含める。例外はセグレイブのみ。

*4 第八世代まで