登録日:2022/11/30 Wed 12:38:12
更新日:2023/01/24 Tue 00:50:28
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『劇場版ポケットモンスター ココ』とは、劇場版『ポケットモンスター』シリーズの第23作目。
◆概要
『
キミにきめた!』『
みんなの物語』と同様、本編とは
パラレルワールドになっている。タイトルのフォントもその2作と同様。
『みんなの物語』と同様、物語の舞台がどこの地方、いつの時系列なのかは不明。
監督は同作と同じく矢嶋哲生。脚本も冨岡淳広と共に務めている。
テーマは「親子の絆」「共生」など。
当初の予定では2020年7月10日に公開される予定だった……が、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い公開が延期され2020年12月25日に公開された。『ポケモン』映画が冬に公開されたのは史上初。
その後もコロナの影響を受けてか、23年間連続していた『ポケモン』映画の新作の制作は本作を以って休止しており、
2021年は2020年から跨っての『ココ』公開、続く2022年は、ファン投票によって選ばれた『水の都の護神 ラティアスとラティオス』、『七夜の願い星ジラーチ』、『ディアルガVSパルキアVSダークライ』を短期間のみリバイバル上映という異例の事態が発生し、結局『剣盾』発売期間中に新規で作られた映画作品はこれ1作のみとなってしまった。
配布ポケモンは、前売り券がセレビィとザルード。一挙に2匹も貰えるうえに、セレビィは初となる
色違い個体の配布である。
劇場配布は通常のザルードと姿の違う「父ちゃんザルード」。『剣盾』ではアップデータのダウンロードでポケモンのデータも追加されるが、それが無いとザルードが受け取れないため、劇場で配信されるのではなく入場者にシリアルコードが配布されるという形になっている。
◆ストーリー
ジャングルの奥地・オコヤの森には、ザルードというポケモン達が暮らしていた。
ある日、ザルードの一匹が人間の赤ん坊を拾う。赤ん坊を見捨てられなかったその個体は、群れの掟に反しその赤ん坊を「ココ」と名付け、我が子として育て始める……。
それから時は流れ、ジャングルに囲まれた街・ミリーファタウンにやってきたサトシ。
森でポケモンを探していた彼は、人間でありながらポケモンの言葉を話す不思議な少年――ココと出会うのだった。
◆主な登場人物・登場ポケモン
御存じ主人公。本作では初めて父親について言及する。
御存じサトシの相棒。今回は探検帽をかぶっている。
本作のサトシに他に手持ちがいるのかは不明だが、いずれにしろ作中ではピカチュウしか使わない。
ポケモン語を喋れて人間語も理解しているため、ココに対する通訳のような役割を果たす。
技構成は10まんボルト、でんこうせっか、アイアンテール。
御存じ
ロケット団。本作の世界線でもサトシのピカチュウを狙っている。ムサシは『みんなの物語』に続いてノースリーブ衣装を披露。
サトシを付け回すうちにビオトープ・カンパニーのことを知り、ロケット団の活動に役立つものがあるかもしれないと思い本社の研究員に扮して潜入。
ゼッド博士の研究室に忍び込みデータを盗み出すが、データを入れたカードキーをウッウに奪われてしまう。
結果的に行ったことがサトシたちを助けることになってしまったり、またゼット博士の研究室で見つけた「とある映像」を最後の方で使って……彼等は悪役であっても極悪人ではないのである。
スマホゲーム『
ポケモンマスターズ』とのコラボに登場するロケット団はこの映画時空からの参戦で、またそこで手持ちはアーボック・マタドガスであることが判明している。
CV:上白石萌歌/美波わかな(赤ちゃん)
本作の
ヒロインもう一人の主人公。
ポケモンに育てられた人間の少年。
まだ赤ん坊の頃父ちゃんザルードに拾われ、育てられてきた。
自分のことをザルードだと思い込んでいたが、サトシと出会い自分が人間であることを知って……。
森の中でポケモン達と過ごしてきたため、
スーパーマサラ人もビックリの身体能力の持ち主。
ポケモン語を理解し、話す事もできる。反面、人間の言葉は当初話せなかったが、その後サトシとの交流を経て簡単な単語なら意味を理解し話せるようになった。
なお、ココというのは父ちゃんザルードがつけた名前で、本名はアル・モリブデン。
オコヤの森に生息するポケモン。
森の中では最強の力を誇っており、
きのみを独占するなど横暴。そのため他のポケモン達からは恐れられ嫌われている。
治癒の泉がある神木を縄張りとしており、同族以外の者、及び同族であろうと群れを抜けた個体にはそこへの立ち入りを禁じている。
腕に巻いた蔦は伸縮自在で、千切って粒子状にバラまくことで植物を急成長させることができる。
またジャングルに願って力を貸してもらうことにより強力な回復効果をもたらす「ジャングルヒール」というわざもあるが、ザルードの中でも特別な者しか使えないうえ
「バカスカ使ってたら命がいくら有っても足らねぇ」というほど消耗が激しい。
父ちゃんザルード
CV:中村勘九郎
ココを育てた個体。実はこの森の群れの生まれではなく、自分の親を知らない。そのためココにシンパシーを抱き、群れを抜けてまで彼を育てていた。
ちなみに、ココの親探しの最中に見つけた布(ココのおくるみだったもの)を
マントのように巻いているが、それにプリントされた模様をよく見ると……?
長老ザルード
CV:中博史
ザルードの群れを率いる年老いた個体。腰が曲がっており杖を突いているが統率力や影響力は今なお失われておらず、血気盛んな若い個体も長老の言葉には従うほど。
掟には厳しいが、父ちゃんザルードのことは群れを抜けた後も気にかけている。
リーダー・ザルード
CV:
津田健次郎
群れの中でも長老の次に地位が高いザルード。
父ちゃんザルードのことは信頼していたが、それゆえ群れを抜けた彼に怒りを見せる。
サブリーダー・ザルード
CV:
KENN
リーダーの次に地位が高いザルード。父ちゃんザルード・ココ親子には敵意をむき出しにする。
ビオトープ・カンパニー
最先端技術を開発し、人間とポケモンの調和ある未来を目指す会社。
10年前のモリブデン夫妻の事故以来治癒の泉の研究を凍結していたが、ゼッド博士をリーダーにしたチームを編成し研究を再開した。
ゼッド博士
CV:
山寺宏一
本作の山ちゃん枠。凍結されていた治癒の泉の研究を復活させ、そのチーム代表を務める。
部下に対しても敬語で話す礼儀正しい性格で、大事な研究材料を割ってしまった部下に対しても怪我がないことを喜ぶ部下想いの人物。
10年前はモリブデン夫妻の助手だった。ココのペンダントからココの正体に気付き、モリブデン夫妻のことを教える。
カレン
CV:
中川翔子
ゼッドの助手。本作のしょこたん枠。
優しい性格で、たまたま出会ったサトシにビオトープ・カンパニーについて親切に説明してくれた。
クロム・モリブデン
リン・モリブデン
CV:川島得愛(クロム)、関根有咲(リン)
元ビオトープ・カンパニーの所長夫妻で、ココの実の両親。かつて治癒の泉の研究を行っていたが、10年前に事故死した。
植物にちなんだネーミングがほとんどの『ポケモン』シリーズでは珍しく、鉱石に由来した名前である。
オコヤの森のポケモン
森のポケモン達。よくザルード達にきのみを奪われるため彼らを嫌っており、群れを抜けたとはいえ父ちゃんザルードもやはりザルードであることには変わりないため嫌っている。一方でココとは仲が良い。
CV:真堂圭
ココ、父ちゃんザルードと行動を共にしているポケモン。ココが赤ちゃんの頃に2人の棲家に迷い込み、ココに抱き枕にされてしまうが、そのままなんだかんだで10年間2人と一緒にいる。
拘束されてもきのみを食べ続ける食いしん坊。中の人は
リーリエ。
CV:愛河里花子
サトシがゲットを試みるが、飲み込んだピカチュウに体内から10まんボルトを浴びせられ逃げだした。
後に再登場。ロケット団がゼッドの部屋から盗んだデータが入ったカードキーを飲み込んで……。本作の功労ポケモン。
CV:坂井易直
森のポケモン達の中でも出番が多い。
CV:田中光
森の中でも実力者。喧嘩っ早い性格で、序盤に
ゴロンダと喧嘩していた。
父ちゃんザルードに「森で誰よりも速いんだってな」と言われている。
ワシボン(CV:坂田将吾)を育てる親。子に当たるワシボンを治療していた父ちゃんザルードを見て我が子が襲われていると勘違いし、相手をザルードだとわかっていてなお立ち向かった。
ミリーファタウンの住人・ポケモン
人もポケモンもみんなが笑顔で共存している。ポケモンの大半は第八世代のポケモン。
ココを轢きそうになり急ブレーキをかけた
自動車に驚き暴走するが、ココに宥められ大人しくなった。
ヘイが一匹花火の大砲の中にいたため花火の打ち上げを妨害していた。
言葉が通じないので花火職人達を困らせていたが、ココにヘイが助け出されたことで解決した。
町長
CV:
緒方賢一
バイウールーを模した格好をした老人。サトシにセレビィに関する言い伝えを教えた。
手持ちはウールーとバイウールー。中の人は
テッセン。
その他
御存じサトシのママ。ポケモンセンターのテレビ通話越しに登場。
時を超える
幻のポケモン。
ジャングルの守り神と言われているが長らく姿を見せておらず、最後に現れたのは父ちゃんザルードがザルードの群れのもとに現れる少し前だったという。
森が平和な時にしか姿を見せないと言われており、町長は「セレビィが現れないのはジャングルで何か良くないことが起こっているからだ」と推測している。
また、セレビィが姿を消したジャングルの奥深くに、セレビィが未来から持ってきた
タマゴが残されていることがある、という言い伝えもある。
◆用語
オコヤの森
広大なジャングルの奥にあるポケモンの楽園。中には様々なポケモンが暮らしている。
治癒の泉
オコヤの森にそびえ立つ神木の周囲にある泉。傷ついた生物を癒す効果がある。
その正体は神木の内部にある膨大なエネルギーが神木を通った水に溶けだしたもの。
人間達の間では長年伝説とされていたが、モリブデン夫妻がその存在を立証した。
掟の歌
「土に染み込む水 木は育ち 陽に照らされ 森となる」
「きこえるか 多くの足音が きこえるか 多くの声が」
「われら森の血 声を上げろ! 神木と共に」
ザルード達が歌っている歌。ザルードの“掟”について歌っている。
ザルード達はこの歌について、「力のあるものが奪って当然、自然のあるべき形」という考えの下自分達ザルードこそが「森の血」だと解釈し、ザルードの繁栄のためだけの掟を作っていた。
ミリーファタウン
ジャングルに囲まれた小さな街。セレビィの伝説がある。
花火
ミリーファタウンで毎年打ち上げられている花火。セレビィが戻ってくることと多くの人とポケモン達に明るい未来があることを願って打ち上げられている。
10年前、ココの両親を探していた父ちゃんザルードもココと共にこれを見た。
◆歌
今作の主題歌と挿入歌にはすべて
岡崎体育が関わっている。
『ココ』
歌:Beverly
作詞・作曲:岡崎体育
編曲:澤野弘之
メインテーマ
『ふしぎなふしぎな生きもの』
歌:トータス松本(ウルフルズ)
作詞・作曲:岡崎体育
編曲:野村陽一郎
『ただいまとおかえり』
歌:木村カエラ
作詞・作曲:岡崎体育
編曲:野村陽一郎
挿入歌
『掟の歌』
歌:SiNRiN
作詞:矢嶋哲生
作曲・編曲:岡崎体育
『Show Window』
歌:岡崎体育
作詞・作曲:岡崎体育
編曲:岡崎体育
『森のハミング』
歌:東京都日野市立七生緑小学校合唱団
作曲:岡崎体育
編曲:本間昭光
◆終盤のネタバレ
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真実を知り、自分が何者なのか思い悩むココ。そんな中、突如ビオトープ・カンパニーの面々が巨大メカで森の木々を倒しながら侵入してくる。
実はゼッド博士は治癒の泉の場所を特定するためにココの背中に発信機を取り付けていた。
サトシとココは森を守るために戦うことにし、共通の敵を前にザルード達と共闘。泉がザルードの縄張りだと知ったカレン以下研究員達は森から引き返そうとするが、ゼッド博士は泉のエネルギー源である神木を手に入れるためだと明かし、人が変わったかのように豹変。メカに乗り込み侵攻を続ける。
ゼッド博士の目的は“人間のために”ザルード達から神木を奪うことだった。さらに10年前の事故の真相は、ザルード達の為に研究の凍結を決めたモリブデン夫妻に反発したゼッド博士が2人を殺害したというものだった。
泉を守るため立ち上がるザルード達だったが、メカの圧倒的な力に苦戦する。しかしそこに父ちゃんザルードが森のポケモン達を引き連れて参戦。
ザルードだけではメカに勝てないと考えた父ちゃんザルードは、森のポケモン達を説得していたのだ。最初はザルードへの恨みからポケモン達は協力を拒み、コノハナに至ってはきのみを投げつけるが、ココを思う父ちゃんザルードに皆次第に心を打たれ、森を守るために恩讐を乗り越え、力を合わせてメカに立ち向かっていく。
だがココをかばい、父ちゃんザルードは深手を負ってしまう。回復させるために泉に漬けるも、神木の水が流れ出したことで力が薄まり効き目が薄い。
「ジャングルヒール」でなら父ちゃんを助けられると考えたココは「俺はザルード! 父ちゃんの息子だ!」という思いを胸にジャングルヒールを使おうとする。
その時奇跡が起き、なんとココがジャングルヒールを発動。それにより父ちゃんザルードは回復した。
一方でサトシ達はカレン達からメカの弱点が背中だと聞き、背中を狙う。ザルード達と森のポケモン達がピカチュウをパスし続け、遂に「アイアンテール」でメカを大破させた。
ゼッド博士は往生際悪く泉に向かうも、ココに捕まった。
最終的に、ロケット団が匿名で流した殺人事件の情報を元に逮捕されることとなった。
ビオトープ・カンパニーと森のポケモン達は協力して森の復興に当たる。
また、今回の件でザルード達は「今まで自分達がしてきたこととゼッドのしたことの何が違うのか」と考え「森の血とはジャングルに住む自分達含めたポケモン達で、誰が欠けてもダメ」という答えを導き出す。
そして、自分達の能力で木々を急成長させ森の復興に貢献したのだった。
父ちゃんザルードは群れに戻ることになる。そしてココは、「自分は人間でポケモン、そして父ちゃんの息子」という結論に達し、人間とポケモンを繋ぐ架け橋となるべく旅に出ると決める。
ココの旅立ちを祝い、ザルード達は泉の水を打ち上げて花火を再現した。父ちゃん、そして森のポケモン達に見送られ、ココは旅立った。
「思う存分にやって、なってこい!人間とポケモンの架け橋ってやつに!」
「お前ならなれる!だって、そうだろ?」
「お前は、俺の自慢の息子だ!」
「俺の名前はココ!人間でありポケモン、そして、父ちゃんの息子だ!」
そしてオコヤの森には、色違いのセレビィが姿を現すのだった……。
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- 猿がここだと思ってた -- 名無しさん (2022-11-30 13:09:21)
- ポケモン映画の中では割と話の規模は小さい。ただ、その分悪人度がリアルで怖い気がする。 -- 名無しさん (2022-11-30 13:58:44)
- これでやっとポケモン映画項目コンプリートか…仮に世界が平和だったらもう1つくらい作品と幻のポケモンが出ていたのだろうか。他の長寿アニメの映画は未だ作られてるのにアニポケだけ無いのは本当に悲しい…2023年こそ作られてほしい -- 名無しさん (2022-11-30 14:00:45)
- この映画の項目今までなかったんだな。 -- 名無しさん (2022-11-30 14:14:09)
- 売上微妙だったのも次作のない原因かね -- 名無しさん (2022-11-30 14:48:15)
- ビシャス+ジャービス=ゼッド博士 -- 名無しさん (2022-11-30 14:49:47)
- コロナ禍でしばらく帰省できてなかったせいで親子モノがすごい刺さった -- 名無しさん (2022-11-30 16:41:12)
- 話は評価高いんだよな。親子についてしっかり描かれてる。 -- 名無しさん (2022-11-30 16:56:31)
- 何気にリストラ勢で唯一いたアリアドス -- 名無しさん (2022-11-30 19:11:28)
- ↑7ゼッドがポケモン世界の悪役としてかなり異質なんだよな。徹底的な人間主義っていう今までいそうでいなかった悪役 -- 名無しさん (2022-11-30 19:57:14)
- 劇場版ポケットモンスターこ↑こ↓ -- 名無しさん (2022-11-30 20:40:06)
- あのポケモンハンターJですら未遂だった(助かったのは紙一重だっただけど)のについに既遂犯が・・・と当時は衝撃を受けた -- 名無しさん (2022-11-30 21:31:25)
- 人殺しといて 悪いことをしていないと思っているヤバさ -- 名無しさん (2022-12-01 06:46:18)
- テッカニンがかっこよかった -- 名無しさん (2022-12-01 17:42:26)
- 自然との共存テーマで、人間の方が共存が出来ていて、森の方が共存に問題抱えてるという描写をしている珍しく作品。 -- 名無しさん (2022-12-02 12:36:06)
- ↑5 いちいち結び付けるな。 -- 名無しさん (2022-12-02 22:47:25)
- 大体の悪役はポケモンの力を自分の野望や目的のために利用したりする連中ばかりの中ポケモンという存在をとことん見下してる珍しい悪役。中盤の『ポケモンに育てられた!?信じられない・・・』ってセリフもポケモンにそんな知能があるとは思ってないって伏線だったのかね -- 名無しさん (2022-12-08 16:39:48)
- 速報を即座に記述しないでほしいし、そもそも映画での出番が最後なんてのはわからんだろ -- 名無しさん (2022-12-16 19:50:43)
- この前の地上波初放送の時8時からは上白石・姉のほうがメインキャラのドラマやってて3時間ぶっ続けで上白石姉妹タイムだったんだよな -- 名無しさん (2022-12-26 00:12:00)
最終更新:2023年01月24日 00:50