「Spider-Man (ATARI2600)」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
*Spider-Man
【すぱいだーまん】
|ジャンル|アクション|&image(spider-man.jpg,height=160)|
|対応機種|ATARI2600|~|
|発売・開発元|Parker Brothers|~|
|発売日|1982年11月|~|
|プレイ人数|1~2人|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|スパイダーマン&マーベル初のビデオゲーム化&br;慣れないとビルから落ちやすい&br;ウェブを使わないと登れないビル|~|
|>|>|CENTER:''[[Marvel Comics関連作品シリーズ]]''|
----
#contents(fromhere)
----
**概要
アメリカの人気アメコミヒーロー「スパイダーマン」のゲーム化作品。~
本作はスパイダーマンを題材にした初のビデオゲームであり、マーベルコミックのキャラクターを使用した初のビデオゲームでもある。~
またスーパーヒーローを題材にしたゲームとしても、ATARI2600で1979年に発売された『Superman』に次いで、二作目とされている。
----
**特徴
-グリーンゴブリンがビルに仕掛けた「スーパーボム」を解除するために、スパイダーマンを操作して、ビルの壁を登っていくアクションゲーム。
--ビルの頂上にある「スーパーボム」まで辿り着いて、スパイダーマンが触れることができればステージクリア。その後は難易度が上がりつつ、同じことを繰り返す。
-操作キャラであるスパイダーマンは、ボタンを押すことでウェブを発射でき、それを使用してビルを登っていく。
--ウェブをビルの壁の部分を狙って伸ばすことにより、ビルを登ることができる。
---ウェブはボタンを押す長さによって伸びる距離が決まり、長く押すほど遠くまでウェブが伸びる。
---なお、窓や空を狙ってウェブを伸ばしたり、犯罪者や爆弾などにウェブが触れてしまうと、スパイダーマンは落下してしまう。
---落下して地面に落ちてしまうと残機を1つ減らしてミスとなる。落下中にウェブを発射して壁に張り付くことができれば、落下は止まる。
--ウェブは上・左・右へスティックを倒しながらボタンを押すことで、上方向・左斜め方向・右斜め方向の3方向に発射できる。
---また地味だが、スティックを下に入れてボタンを押すことで、下方向に移動することもできる。その場合はウェブを伸ばしつつ真下に下がっていく。
---ウェブを斜め方向に発射した後は、スイング移動ができる。
--ビルの窓には犯罪者が顔を出しており、スパイダーマンの体で触れることで捕まえることができる。爆弾も同様で、スパイダーマンの体が触れることで消すことができる。体で触れることで、それぞれスコアを獲得できる。
--ビルの上部にはグリーンゴブリンが待ち構えており、これらにウェブやスパイダーマンが触れると落下してしまう。
---難易度が上がると、ビルの下の位置にもグリーンゴブリンが出現するようになる。
-その他のルール
--画面右下にはウェブ液ゲージが存在し、これが尽きるとウェブが発射できずに、スパイダーマンは落下してしまう。
---ウェブ液ゲージは、犯罪者を捕まえたり、爆弾を解除したりすることで回復する。
--ある程度の犯罪者を捕まえたり、爆発を解除していると、スーパーボムが爆発するまでの時間が設定されることがある。説明書によると数が設定されているようだが、マスクデータになっており、プレイヤーが把握することはできない。
---その場合は、頂上に辿り着いて、制限時間内にスーパーボムを解除することができないと、ミスとなり残機を1つ失う。
----
**評価点
-ATARI2600でありながら、スパイダーマンらしさを再現したゲームシステム
--スパイダーマンの特徴の一つである「壁を登る」「ウェブを使用する」という設定をシンプルながらも、ゲームに取り入れることができている。
---スパイダーマンの代名詞ともいえるウェブスイングも、ウェブを斜めに発射した場合のみだが一応可能。
--ATARI2600というお世辞にも性能の高いとは言えないゲーム機でありながら、その制約の中で最低限の原作再現を行っている点に関しては、素直に評価できる。
-一つのアクションゲームとしては最低限遊べる出来。
--後述するような問題点はあるが、そこさえ乗り越えてしまえば、一つのアクションゲームとしては決して遊べないということはない。
----
**賛否両論点
-グラフィック
--まずキャラクターたちのグラフィックはかなり簡素で、動きも最低限しか用意されていない。
---スパイダーマンなどの主要キャラクターは、ほぼ棒人間と言ってもよいほど簡素かつ小さく描かれており、グリーンゴブリンに至っては、ポーズを変えずに左右移動するだけ。いわゆるアニメーションの類がないため、キャラゲーとして見ると寂しく感じる点ではある。
---なんなら同じATARI2600のキャラゲーでも、あの『[[E.T. The Extra-Terrestrial]]』の方がグラフィックが良いと評されてもおかしくないくらいである(発売日的にはこちらが一ヶ月先だが)。
--一方で、最低限の再現はできており、ATARI2600のゲームなのでグラフィックがシンプルなこと自体は仕方ないと、擁護する声もある。
---スパイダーマンやグリーンゴブリンのカラーリングなどは最低限再現できており、当時のATARI2600のゲームとしては平均的と評する意見も無くはない。
----
**問題点
-操作に慣れないとスパイダーマンがビルから落下しやすい。
--''本作一番の不評点にして最大の問題点''。
--前述したようにウェブをビルの壁の部分に狙って撃たないと、スパイダーマンが落っこちてしまう。
---ウェブの伸びる距離には限界があり、一度伸ばしたウェブは縮めることはできないので、上手いことタイミングよく壁のところで止めないと、スパイダーマンが落っこちてしまいやすい。
---嫌がらせと言わんばかりに、ビルの上部は大きい格子状に壁が配置されているため、ウェブを壁にくっつけにくくなっている。
--壁から落ちている最中に壁にウェブを発射すれば再び張り付くことができるが、逆に言えば、落ちたらすぐにウェブを発射しないと落ちっぱなしになってしまう。
---先述したように窓は空と同様にウェブを伸ばしても張り付けない仕様になっているため、窓のある列で落っこちてしまった場合、ウェブを伸ばしても中々張り付けないという、悲惨なことになってしまう。一応斜めに発射すれば解決する話ではあるが。
--また、爆弾や犯罪者、スーパーボムなどにもウェブが触れても落下してしまう。特にスーパーボムはスパイダーマン本体で触れないとクリアにならないので、スーパーボムにウェブが触れないようにスパイダーマンが触れる必要があるので、地味に調整が難しい。
--ATARI2600のコントローラーの都合上仕方ないのかもしれないが、ウェブの発射方向が3方向しかないのも、地味に面倒である。ウェブを斜め方向に発射する場合でも、角度の調整などは一切できない。
--初見プレイでは何度も落っこちてしまうため、あまりの落ちやすさから、''ウェブなんか使わずに手足を使ってそのままビルを登れ''((誤解されがちだが、スパイダーマンの基本的な能力の一つに「壁や天井に張り付く」があり、ウェブの発射はスパイダーマン(ピーター・パーカー)が独自に開発した「ウェブシューター」というガジェットによるものである(2002年に公開された映画「サムライミ版」など、手首から直接ウェブを出せる作品もあるが)。))と言いたくなってしまう。
---ウェブはスパイダーマンを象徴する要素の一つであるため、それをゲームに取り入れようとしたのはわかるのだが、もう少しやり方があったのではないだろうか……?
----
**総評
スパイダーマンという題材を、『[[クレイジー・クライマー]]』風のビルを登るアクションゲームにしようとしたアイデア自体は非常に良いものだった。~
しかし、それを上手くゲームに落とし込むための、技術やノウハウがまだ確立されていなかったのか、一つのゲームとしてもスパイダーマン初のゲームとして見ても、いまいちな出来となってしまった。~
とりわけ、「ウェブを使わないと上に登れず、操作を失敗すると落っこちる」という仕様は、即ミスにつながるわけではないとはいえ、アクションゲームとしてはかなりストレスが溜まりやすい。~
一つのアクションゲームとして見た場合は、最低限遊べる内容になっており、決してクソゲーと呼ばれるような内容ではない。~
かと言って良作であるとも言い難く、総合的には「駄作よりの凡作」という評価に落ち着くだろう。
----
**余談
-日本国内では公式発売されていないが、非公式移植として、「TV BOY((ATARI2600のソフトが無断で100種以上収録されているプラグアンドプレイ型ゲーム機。学研が発売していたゲーム機「TVボーイ」とは別。))」の収録タイトルの中に、本作が入っている。
--タイトルこそ『クレイジービルディング』に改題されているが、ゲーム内容に手はつけられておらず、原作そのままの内容で遊べる。
-本作を起動すると画面の左端に、謎の黒い横線が大量に表示されるが、これはバグや不具合などではなくれっきとした仕様である。
--この横線は「HMOVE bar」と呼ばれ、「HMOVE」という命令を多用することで、敵キャラやオブジェクトなどを大量かつ同時に動かしている際に表示されるものである。
--本作以外にも同機種で発売された『[[スペース・インベーダー]]』でも表示されるが、そちらでは背景が黒色であるため、ゲーム起動時くらいにしか確認することができない。