くるりんパラダイス
【くるりんぱらだいす】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ゲームボーイアドバンス
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発売元
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任天堂
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開発元
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エイティング
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発売日
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2002年12月6日
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定価
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4,800円(税別)
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プレイ人数
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1~4人(通信対戦)
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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配信
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バーチャルコンソール 【WiiU】2015年12月9日/715円(税10%込)
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判定
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良作
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ポイント
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回転を速めて戦略性アップ 多彩なミニゲーム マジックはジョーク級
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くるくるくるりんシリーズ くるくるくるりん / くるりんパラダイス / くるりんスカッシュ!
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概要
ゲームボーイアドバンスのローンチタイトルの一つ『くるくるくるりん』の続編。
ゆっくりと回転するヘリコプター「ヘリリン」を操縦して、壁や障害物を避けつつゴールを目指すという基本的なプレイスタイルは前作と同じ。
様々な追加要素が盛り込まれボリュームアップを果たした。
特徴
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Rボタンを押し続けている間、ヘリリンが速く回転するようになった。
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押していない時の回転速度と比べて倍近く速くなるため、移動するタイミングに大きく影響を与える。
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Lボタンはコース中ヘリリンのカラーリングを変えるボタンに変わり、クラクション機能はなくなった。
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メインの「ぼうけん」モードに加えて、「ぼうけん」モードのコースを練習する「れんしゅう」モード、「ぼうけん」とは別に用意されたコースに挑む「ちょうせん」モードが前作から引き続き収録。
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それに加えて今作では、16種類のミニゲームや、GBAを活かしたマジック(手品)が収録されている。
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「ぼうけん」モードのいくつかのポイントでミニゲームを挑戦させられる箇所があり、そこでプレイしたミニゲームは「ちょうせん」モードに追加され、更にクリアするとマジックを教えてもらえる。
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各マジックには解説がついていて、それに従って他の人に披露することになる。
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「ぼうけん」モードのいくつかのステージには分岐があるのだが、サブルートの方には閉じられた扉があり、そのままでは進むことができない。
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後のステージのどこかにカギが置かれていて、これを取りつつゴールすると前のステージの扉が開くようになる。
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開いた扉の先にあるもう一つのゴールにたどり着くと、コースセレクト画面でも分岐が生まれて、新たなコースやミニゲームに挑戦できるようになる。
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通信対戦では「ちょうせん」モードのクリアタイムの速さを競うほかに、ミニゲームでも対戦することができる。
評価点
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回転スピードアップによるアクション性の向上。
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前作では回転スピードは調整できず、待ちぼうけを食らったりどうしてもゆっくりにしか進めなかったりする箇所が多く存在した。
今作ではプレイヤーが任意で回転を速めることができるようになり、通常プレイにもタイムアタックにも大きな影響を与えている。
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移動する障害物とのタイミングをずらしてすぐに進めるように。それでもタイミングが合わない時は合わないが。
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狭く曲がった道で回転を速くすることで素早く通り抜けられるように。ギリギリを攻めればタイム短縮に繋がる。
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ぶつからないクリーンな走行とタイムが両立しやすくなり、ゲームとして磨きがかかった。ダメージを食らいペナルティを貰ってでも速いタイムを得る走法「がりがりがりりん」も今作では鳴りを潜めた。
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一方で「れんしゅう」モードで見られるお手本プレイはスピードアップ・回転速度アップを使用しておらず、クリアには必須ではないことが分かる。許容されるプレイスタイルの広さがうかがえる。
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熱中できるミニゲーム。
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収録されているミニゲームは実に様々。本編と同じヘリリンの操作でアイテムをくっつけて運んだり芝刈りしたりひたすら弾幕を避け続けたりするミニゲームもあれば、ヘリリンをカートに見立ててレースゲームをしたり、パッドにしてエアホッケーをしたりするミニゲームがある。
ヘリコプターなのに。
更には主人公のクルリンを操作して『バルーンファイト』のように障害物を避けてゴールを目指すミニゲームもある。
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これらのミニゲームはルールこそシンプルながら良くできていて、ハイスコアを目指そうとすると熱くなれる。
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通信対戦ではお互いの妨害要素がカギを握る。
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前作に引き続き親切なつくりになっている。
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コースの難易度はゲームを進めていくにつれて徐々に上がっていくように設計され、着実に進めていける程よい難易度。
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「ぼうけん」モードでミニゲームに必ず挑戦させられる箇所が何ヶ所か存在するが、もし失敗しても次のステージへ進めるという親切設計になっている。
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癖になる良質なBGM。
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どのコースとも、ゲームボーイアドバンスとは思えない程良質な仕上がりになっている。またステージの雰囲気にも見事に一致しており、違和感も全く無い。
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特に、隠しコースである「ひみつの国」のBGMは評価が高い。ゲームそっちのけで耳に残ったプレイヤーも多いのではないだろうか。
問題点
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前作に引き続き基本的には避けて進むだけ。
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回転を速めるアクションは追加されたが、それ以外のアクションやギミックは前作と変わらない。そのためゲーム内容自体にはほとんど変化がない。
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ヘリリンのカスタマイズにおいて、カラーリングの種類は多いが見た目上の形は標準のもの一択になってしまった。
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マジックは基本的に子供騙しレベル。
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ゲームの対象年齢が高くないとはいえ、ほとんどのマジックで驚くことを期待できる内容ではない。
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実際のマジックにも通じることだが、マジックの技術だけではなく話術など披露の仕方が上手くないと相手には理解してもらえない。場面ごとに言うべきセリフも解説に載っているが、どれだけ上手く披露できるかは演者自身の力量に大きくかかっている。
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マジックのタネに「GBA本体を画面を下にして伏せている状態で上から押しこみボタンを押させる」ことを要求するものがあるのだが、本体の構造上GBASPでは不可能に近い。無理に押そうとすると本体を壊しかねないのであきらめた方が賢明。
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更には明らかにマジックではなくジョークを意図しているものも存在する。
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一部マジックの解説文に「ギャグなので、あまり深く考えないようにしましょう。」「いじわるマジックですので、相手がはらを立てないように注意してください。」などの文章が存在する。披露する際は注意が必要。
総評
前作同様のシンプルなルールながら回転速度の加速という要素が加わり、よりプレイ体験の奥深さが増した。
ミニゲームなどの追加要素も充実していて、前作以上にお勧めできる作品となった。
余談
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リプレイ再生機能がある。
コースクリア後のタイム表示画面でLとRを長押しすると直前のプレイを再生できる。ここでセーブすることが可能。
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セーブファイル選択後のモードセレクト画面でLとRを長押しすることで、セーブしたリプレイのパスワードを表示、入力することができる。
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スタート地点でセレクトボタンを押してヘリリンを短くする操作があると、リプレイの再生に失敗することがある。
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これらの操作は説明書には記載がなく、隠し機能となっている。
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またマジックにも通常プレイでは追加されない隠しマジックが存在する。
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こちらも特定のコマンドでパスワードを打つことで追加される。
最終更新:2023年09月23日 21:31