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ホーリー・ダイヴァー

【ほーりー だいゔぁー】

ジャンル アクション
対応機種 ファミリーコンピュータ
メディア 2MbitROMカートリッジ
開発・発売元 アイレム
発売日 1989年4月28日
定価 5,500円
プレイ人数 1人
判定 ゲームバランスが不安定
ポイント ファミコン屈指の激ムズ魔法アクション
苛烈すぎるノックバック
芸術レベルのグラフィックと良質なサウンド


概要

1989年4月にアイレムから発売されたファンタジー系アクションゲーム。
同会社の12本目のファミコンソフト*1で、説明書や当時の広告などに記載された「聖魔術よ。」のキャッチコピーの通り、主人公の攻撃はすべて魔法によるものになっている。


ストーリー

魔法歴666年の魔法界、地下帝国の暗黒魔王ブラック=スレイヤー率いる悪魔軍団による闇の世界拡大の勢いは凄まじく、それまで人々の人望を集めて魔法界を統治してきたクリムゾン王家は退勢の危機に追いやられていた。
時の16代帝王「ロニー4世」はいつか光の時代が戻って来ることを願い我が子ザック・Wとランディ・R兄弟を家臣のオジー=オズボーンに託し異次元世界へと退避させた。
そして3人は戦乱を逃れグロリー国にて幸せな日々を送っていた。そして聖魔術覇王となるべく修行にいそしんでいた。
それから17年、グロリー国にもブラック=スレイヤーの魔の手はのびてきた。
クリムゾン王家に伝わる紋章を手に入れ、さらに増大されたその魔力は次元間でさえ歪めるほどになっていたのだ。
オジーは殺され、王家兄弟の兄ザックもブラック=スレイヤーの前に敗れ去ってしまった。
残されたランディはオジーとザックの遺志を継いで王家に伝わる紋章を取り戻しブラック=スレイヤーを倒すため戦いの旅に出る。これこそが聖魔術覇王伝説の始まりである。


特徴

  • 主人公ランディ・R・クリムゾンを操作して、各世界に散逸したクリムゾン王家に伝わる紋章を奪回し、魔王ブラック=スレイヤーを倒すために戦う。
    • ゲームとしてはスタンダードなステージクリア方式。全6ステージで制限時間の概念はない。
      • ステージは基本的に横方向に進行していくが、縦方向に進行するエリアもある。
      • エリア間の切り替えは階段状の足場から上・下方向に移動したり、エリア端の正面からそのまま進む。ごく一部で分岐や隠し部屋もある。
    • 魔法使いであるランディは魔法のみで戦い、剣などの実体的な武器を使用しない。そのため全ての攻撃が飛び道具になっている。
      • 後述する特殊魔法は共通のリソースであるマジックカウンターを消費して発動する。
    • ライフ&残機制で初期残り人数は3人。敵の攻撃などでライフがゼロになったり穴に落下すると1ミスになり、残り人数をすべて失うとゲームオーバー。
      • ただしコンティニューは無制限に可能。ミスした時の復帰場所は、各エリアの入口からだがゲームオーバーによるコンティニューの場合はステージの最初からになる。
    • ライフは画面左上にゲージ式で表示され、マジックカウンターは数字で表示される。
      • 初期値は前者が3ゲージ分、後者が50。最大値の強化は後述のそれぞれに対応したアイテムの取得の他、マジックカウンターのみステージクリア時にも強化される。
+ 各ステージの解説

ステージ1はランディが住む人間世界、ステージ2~4は中間世界、ステージ5~6は悪魔世界という設定になっており、ステージ1・4クリア後に別世界へワープする演出が挟まれる。

  • ステージ1 noroi no kyokai (呪いの教会)
    • 教会の最上階にある悪魔の鐘が中間世界への入口になっている。ステージ自体は短く、ゲームの導入部のような内容。
    • ボスは悪魔の鐘の見張り番であるフレイム・ガーディアン。大型の一つ目悪魔のような姿で、ランディを飛び越えて反対側に回る習性を持ち、火炎弾を4連射してくる。
  • ステージ2 zoumotsu zigoku (臓物地獄)
    • ステージボスが自らの肉体を増殖させて地形を生成している。ランディのライフを奪う血の池や血の滝が行く手を阻む。
    • ボスは顔が付いた心臓のような姿のウォー・コア。炸裂する血の塊をひっきりなしに飛ばしてくる。
  • ステージ3 dokugoke tairiku (毒苔大陸)
    • 巨大植物が生い茂る大陸世界。このステージから道中が長丁場になり、耐久力のある厄介な敵が増えてくる。
    • ボスは2体1組で登場する巨大胞子のアクセル&スラッシュ。寄生虫を切り離して攻撃してくる。
  • ステージ4 ougon no shinden (黄金の神殿)
    • 中間世界の終わりの黄金と鉱物の大陸世界。足場が不安定なエリアが多く、強敵だらけの難関ステージ。
    • ボスは目玉の付いた3段重ねの塔のような形のゴールデン・バビロン。様々な要因が重なって本作最難関のボスになっている。
  • ステージ5 akuma no kyuden (悪魔の宮殿)
    • 昔、クリムゾン王家の城だった魔宮。最上階では亡きはずの兄ザックが囚われの身になっている。
    • ボスは頭蓋骨のような姿のパワースレイヴ。頭蓋骨を3つに分離して中心の脳を守るように回転しながら弾を連射してくる。
  • ステージ6 black slayer (ブラック=スレイヤー)
    • 最終ボスの暗黒魔王ブラック=スレイヤーが待つ最終ステージ。有機物と人工物が入り混じった独特の内部を持つ。
  • ランディの操作方法。
    • 十字ボタンの左右で移動し、下でしゃがむ。
    • Aボタンでジャンプ、Bボタンで攻撃。十字ボタンの上とBボタンで上方向への攻撃もできる。一部の敵の弾は攻撃で相殺可能。
    • セレクトボタンで通常魔法(白色のランディ)と特殊魔法(青色のランディ)を切り替える。
      • 通常魔法は無制限に使えて画面上に2発まで連射が可能。ただし射程距離がランディ3人分ほどと短く、一発あたりの威力も弱い。
      • 特殊魔法は5種類あり、何を使うかはスタートボタンでサブ画面を呼び出し、そこで選択する。セレクトで青い状態のときに選択されている魔法を使用する。
        サブ画面では魔法の選択だけでなく、残り残機や後述の常用アイテムの入手状況も確認できる。
    • 後述のドラゴン変身中は8方向に自由に移動でき、Bボタンで火炎弾を吐いて攻撃。画面上に3発まで連射ができ、射程は画面端まで届く。

特殊魔法

  • 最初から使えるのは「ツインファイヤー」のみで、各ステージのボスを倒してクリムゾン王家の紋章を取り戻すと、新たな魔法が順次使えるようになる。
  • ドラゴン変身中は使えないが、アイテム取得前に発動していた魔法の効果は、そのまま継続する。
    魔法名
    (ゲーム中の英語表記)
    消費マジック量
    (ロッド取得後消費量)
    使用可能ステージ 性能説明
    ツインファイヤー
    TWIN FIRE
    2(1) 最初から 2発の炎がらせん状に絡みながら飛んでいく。
    画面端まで届く射程があり攻撃判定の幅も広く、地形も貫通するが画面上に1セットまでしか出せない。
    ブリザード
    BLIZZARD
    10(5) ステージ2から 約8秒間、特定の敵の動きを止め、ダメージを受ける血の池・滝を固めて氷にする。
    氷は他の魔法で砕くことが可能で足場にもできる。
    効果が切れると砕いた部分も含めて血の池・滝は元に戻る。
    ブレイカー
    BREAKER
    10(5) ステージ3から 青い弾が3つ連なり、一直線に敵や地形を貫通する波動砲。
    発射までに若干のタイムラグがあるが自キャラの移動はできるため「置く」ように撃つこともできる。
    また、発射時の掌部分にも当たり判定があり威力が高い。
    オーバードライブ
    OVER DRIVE
    16(8) ステージ4から 約8秒間、ランディの周囲に2つの砲丸が反時計回りに円運動する攻防一体の魔法。
    最初の5秒間はランディの前後で大きく回転し、残り3秒は急速にランディの側に収束する。
    ブリザード以外の特殊魔法との併用はできない*2
    サンダー
    THUNDER
    20(20) ステージ5から 稲妻弾が半画面ほど直進し6方向に破裂、画面全体を攻撃する。
    破裂前の稲妻弾と破裂した瞬間の2回分ダメージを与える。
    破壊可能なブロック・氷もすべて破壊する。

常用アイテム

取得した時点で永続効果があり、コンティニューしても失われない*3。ロッド以外は進行上必ず手に入れることになる。

  • パワーリスト
    特定のブロックが破壊できるようになる。
  • ハイパーブーツ
    ランディのジャンプ力がアップする。
  • ロッド
    特殊魔法使用時の消費マジック量が半分になる。ただしサンダーのみは消費量が変わらない。
  • マント
    ランディの受けるダメージが半減する。

その他アイテム

取得したその場で効果を発揮するもの。

アイテム名 見た目 入手場所 効果説明
1UPアイテム ランディの人形 固定配置 残り人数が1人増える。
ライフポット ハートマークの取っ手付きの壺 固定配置 ライフゲージの最大値が1マス分増え、ライフゲージが全回復する。
ライフポーション 赤いビン 特定の敵の確定ドロップ ライフゲージが全回復する。
ライフクリスタル 小さい赤ハート 敵撃破・ブロック破壊時ランダム ライフゲージが半マス分回復する。
マジックポーション 青いビン 特定の敵の確定ドロップ マジックカウンターが全回復する。
マジッククリスタル 青い丸 敵撃破・ブロック破壊時ランダム マジックカウンターが2ポイント分回復する。
マジックウイング 白と青の翼 固定配置 マジックカウンターの最大値が8ポイント分増え、マジックカウンターが全回復する。
ジェイド ドラゴンの紋章 特定の敵の確定ドロップ ランディが約30秒の間ドラゴンに変身し自在に飛行できる。
進行上必ず入手する必要がある場面がある。
セレクトボタンでも変身解除ができる。

ライフポットとマジックウイングによる最大値の上昇分はステージクリアをしないとコンティニュー時に反映されない。


評価点

  • それぞれの役割がしっかりと定められた5種の特殊魔法。
    • 特にブリザードの「敵の動きを止める」に加え「池や滝を凍らせて破壊可能なブロックにする」という効果は視覚的にもユニークなもので、本作の個性の一つと言える。
      • 良燃費のツインファイアー、上手く当てれば一発で倒せる敵が多いブレイカー、攻防一体のオーバードライブ、画面全体攻撃のサンダーといった他の魔法も立ち位置がしっかりしており、いわゆる死に魔法が無い。適切な局面で使えば驚くほどの撃破性能を発揮し、難局を打開する爽快感が増すだろう。
      • 魔法のエフェクトもそれぞれ個性があり爽快。ブリザードは効果が切れる直前に画面が点滅するため、効果の終了が分かりやすくユーザーフレンドリー。
  • 秀逸で作品の世界観にマッチしたグラフィック。
    • 特に画面背景の描き込みは高水準で、ステンドグラスと髑髏と十字架のシンボルが印象的なステージ1、内臓を模した地形で「臓物地獄」の名前通りのステージ2、開幕エリアの背景が緻密なステージ3など、見どころが多い。
    • キャラクターに関しても大型のボスキャラは細かい部分まで描き込まれておどろおどろしい造形になっており、アイレムらしさが遺憾なく発揮されている。
    • ザコキャラも動きが細かく、それぞれ豊富なモーションを持っている。これらのクオリティはファミコン末期作品にも匹敵するといっても過言ではないだろう。
  • スムーズな操作性。
    • ジャンプは空中制御が可能で、ボタンを押す長さで高度の微調整がしやすくなっている。
    • セレクトボタンで通常魔法と選択した特殊魔法の切り替えが瞬時に行えるのも地味に便利で、他社の『ロックマン』などで煩わしかった要素を部分的に解消できている。
    • このような部分はアーケードやファミコンなどで様々な作品を手掛けてきたアイレムらしく、これまでの歴史が培ってきた技術の賜物と言えるだろう。
  • 高クオリティのサウンド面。
    • BGMは曲数自体は少なく、全ステージが固有ではないものの、勇壮な雰囲気の曲調を持つステージ1&5BGM、どことなく哀愁を誘う曲調のステージ3BGM、焦燥感を煽る曲調で本作の高難度にマッチしたステージ2&4BGM、おどろおどろしい雰囲気のボスBGMと最終ステージBGMなど粒揃いであり、場面場面をうまく演出できている。
    • 作曲は『R-TYPE』、『ビジランテ』などを手掛けた石崎正人氏が担当*4。確認できる限り同氏がファミコンのオリジナルタイトルで唯一参加した作品*5
    • 効果音も小気味よく、魔法の効果や敵へのダメージなどが分かりやすい作りになっている。

賛否両論点

  • パターン化・リソース管理の趣が強いゲームデザイン。
    • 本作はステージ2以降、特殊魔法を特定の局面で使うことを前提として作られている傾向が見られる。
      • ブリザードが最たるもので、必ず使う必要のある箇所が複数あり、無限沸きするタイプの敵をはじめ、この魔法で止められる敵は極力止めて進まないと苦戦する局面も多い。
      • ステージが進むたびに通常魔法だけで対処するのが困難な局面も増える上、特殊魔法を駆使したうえである程度被弾することを前提とした敵も存在する。
      • 上記の点を見越してか、ライフやマジックカウンターの全快アイテムをドロップする敵が定期的に配置されているなどの一定の配慮も見られる。1ミス後の復活場所は各エリアごとの入口でマジックカウンターも全快するため、いわゆる残機潰しも戦略の1つとなる。
      • とはいえ、無計画で特殊魔法を乱発するとマジックカウンターがすぐ枯渇しやすく、当てづらく消費の重いブレイカーの使用時はプレイヤーに重圧がかかりやすい。
    • リソース管理を含めたパターン化と、そのためのトライ&エラーを繰り返すことに楽しみを見いだせるプレイヤーにとっては「たまらない」要素である反面、そうでないプレイヤーにとっては苦痛でしかないと捉えられても仕方のない要素でもある。

問題点

  • 被ダメージ時のノックバックが大きく、ダメージ後の無敵時間も短い。
    • おそらく本作最大の問題要素。『悪魔城ドラキュラ』の同要素をさらに過剰にした感じで、ふわっとするように浮かされる上にお手玉のように間隔を置かずに連続で吹き飛ばされることも多い。
      • 本作の初見プレイヤーはまず、ステージ1後半において複数でジグザグに飛んでくる無限沸きのザコ「ライヤー」でこのノックバックのキツさを体感するだろう。
      • ステージ2以降は即死の落とし穴も登場し、ノックバックによる問答無用の一撃死が発生するようになる。ゲーム後半のステージ4以降はまるで狙ったかのようにノックバックによる一撃死が発生する局面が多くなる。
    • このノックバックのせいで、「ファミコン屈指の激ムズアクション」と称されても納得できるほどに異様に難しい局面が2つ存在する。
      • 1つ目はステージ4のボス「ゴールデン・バビロン」、宙に浮いた狭い足場での戦いを強いられるため被弾=一撃死の可能性が極めて高い。
      • 2つ目は最終面のステージ6の終盤、ボス部屋から2つ手前のエリア。狭い足場だらけの中「ジェノサイド」という名の般若の顔のような形の砲台が弾を乱射してくる。こちらも被弾=一撃死の可能性が極めて高く、高耐久の上に合計5体を倒さないと先に進めない。
        とどめとばかりに「ショック・ダグ」という無敵かつ不規則な動きでこちらを翻弄する緑色のアメーバのような敵が最大2体も現れる。当然のようにブリザードで動きを止めることもできない。
      • 上記の2つの局面は現在では攻略が進み、ある程度のセオリーが確立されたものの、それでも運に左右される部分が大きいものとなっている。
  • 上記の問題点を差し引いたとしても、なお苛烈なステージ3以降の高難度。
    • 各ステージともに10エリア以上の構成による長丁場のステージになっており、かつ難所と呼べるエリアが多数。賛否両論で述べたように各エリアごとの特殊魔法の決め打ちや立ち回りのパターン化が必須レベルになっている。
    • コンティニューこそ無制限にできるものの、中間点からの再開はなくステージの一番最初から。1UPアイテムの配置も4面までは1つのみ*6と少なく、苛烈な難易度に釣り合っているとは言い難い。
    • パスワードコンティニューなどの電源オフ後の途中再開機能もなく、この難しさでは最初からのやり直しが苦痛になりプレイを断念するケースも十分考えられるだろう。
  • 画面内に敵がたまりすぎると処理落ちで動きが鈍くなることがあり、BGMもスローになる。
    • 特にオーバードライブ使用時に無限沸きの敵と大型の敵がいる状況で発生しやすい。
    • また、キャラオーバーで一部のアイテムが本来配置されているはずの場所に表示されないことがある。
      • この場合、画面を一旦スクロールさせて戻ると再表示されるようになる。
    • 敵弾もチラつきも発生し、弾が見えなくなりやすい。上述のステージ4のボス戦が異様な難易度になっている要因の1つでもある。
  • 敵のドロップアイテムが消えるまでの時間が約4秒と短く、敵の配置やノックバックに阻まれて入手できない状況が発生しやすい。
    • ゲーム進行に必須のジェイドは時間経過では消えない。
  • 特殊な状況で、いわゆるギリジャンを要求される局面がある。
    • 最終面のステージ6の終盤、ボス部屋から1つ手前のエリアにおいて、下記の図のように足場の端から半歩踏み出した状態からジャンプですぐ上の足場に上がらないと先に進めないようになっている。
 ■■
自
 ■■

■=足場、自=ランディ
  • 本作では十字キーとボタンの同時押しは十字キーが優先されるため、他のアクションゲームの感覚でジャンプすると天井に頭をぶつけて落下しやすい。
  • 進行不能バグの存在。
    • ブリザードの効果が切れる瞬間にサンダーの画面全体攻撃が発動すると、画面がフラッシュし続けたまま操作を受け付けなくなってしまい、リセットするしかなくなることがある。
  • 演出面の問題点。
    • セリフ付きのデモは一切なく、説明書のバックストーリーや設定を把握していないと演出の意図が伝わりづらい。
      • ステージ1およびステージ4クリア時の別世界への移動演出が上記の問題点の具体例。
      • 比較的ストーリー性が強い場面として、ステージ5クリア時にで捕らわれた兄を救出する場面があるのだが、この時も台詞などが一切ないので本来なら感動の再会となるところなのだろうが、それがイマイチ伝わってこない。
      • 折角本格的なバックストーリーなども用意されているのに活かされていない。もちろん説明書がなければ「兄との再会」ということすらわからない。
    • システムメッセージやステージ名などに中世ヨーロッパで使われた書体*7風のフォントを使用しているのだが、一部のアルファベットが判別しにくくて読みづらい。
      • また、最終面を除いた各ステージ名だけはローマ字読みになっており、演出のちぐはぐさを感じる部分になっている。
      • エンディングも英文のため、読めないプレイヤーにとっては伝わらない内容になっている。いっそステージ名と同様にローマ字読みでもよかったのでないだろうか?
    • タイトル画面や一部の演出に激しい光の点滅(いわゆるパカパカ)がある。
      • 特にステージ3のボス撃破後の演出は約10秒強の間、赤からオレンジ色に激しく明滅するので危険。

総評

アイレムらしくグラフィックやBGMなどのクオリティは文句なしで、主人公キャラの操作性も悪くはなく、使う魔法はユニークかつ爽快感があるものになっている。
ただ本作を語る上で、どうしてもついて回るのがその極端に難しい難易度で、ノックバックの苛烈さやそれに伴う一撃死、後半面の尋常でないステージ内容は初心者はおろか、ある程度アクション慣れしたプレイヤーでも死にゲーに思えてもおかしくないほど。
当時はゲーム内容の大ボリューム化や中断機能の一般化など「長く楽しませるためには高難易度」というファミコン初期の慣例が薄れてきただけに、さすがにここまで厳しい難易度は過剰と言わざるを得ない。
また、設定上は本格的なファンタジーストーリーがありながら、演出面でその展開が伝わりづらく、ゲームの世界へ没入していくことでモチベーションを高めていくことができないのも勿体ない部分。
とはいえ、ゲームシステムなどの地盤はしっかりしており、決して根本的に出来の悪いゲームではない。
ファミコンの名だたる高難度ゲーを総ナメにするほどやりこんだマニアックなプレイヤーなら本作も制覇する甲斐もあるだろう。


余談

  • 説明書に載っている敵キャラクターに「デッド・パペット」なるものがあるが、本編では登場しない。つまりボツキャラである。
  • 本作のタイトルの由来は、恐らく同名の洋楽アルバムだと思われる。
    • また、ストーリー上の登場人物や固有名詞、敵キャラクターの名前にも洋楽・ミュージシャンからの引用と思われるものがある。
  • 当時のゲーム誌や広告において、本作の発売予定日は1989年3月17日となっていた。
    • その後、一旦は発売日未定になったものの、あまり間を置かずに1989年4月28日に決定・発売となった。
    • 同時期は深刻な半導体不足の影響でほぼすべてのタイトルが発売延期を余儀なくされたが本作もその1つとなった*8
  • アイレムは1989年1月22日から3月5日の間、「アイレム全国縦断バトル ホーリーダイヴァーファミコン大会」というイベントを全国(主に大都市圏)の百貨店やおもちゃ屋などで開催していた。
    • 発売前から本作のプレイを体験でき、各店舗の最高得点者には「ゲームセンターで活躍したあの名ゲーム台(テーブル筐体)」がプレゼントされた模様。
  • 本作のアンケートハガキを返送した先着3,000名に本作の下敷きがプレゼントされた。
    • さらに抽選でイラスト入り垂れ幕や缶バッヂ、上記のイベントのゲーム筐体もプレゼントされた。
    • この下敷きはアイレム直営のグッズ店での販売や、通信販売もされていた。
  • 上記のイベントを行ったにも関わらず、当時のゲーム雑誌の売上ランキングでは圏外*9だった。
    • 当時の同時期におけるファミコン市場の主流はRPG・野球ゲームであり、新規ハードのゲームボーイの発売時期とも被っていた。
    • 同ジャンルにおいても『スーパーマリオブラザーズ3』の歴史的ロングセラーをはじめ、『忍者龍剣伝』『ロックマン2』『ワギャンランド』『ダウンタウン熱血物語』といった話題作が前年末から本作発売までにかけて先行して発売していた。
    • ファミコン通信(現・ファミ通)のクロスレビュー(1989年3月31日号掲載)では5・6・7・4の合計22点と芳しくなく、『悪魔城ドラキュラ』との類似性や高難度を指摘する意見が複数見られた。
    • こういった事情から売り上げが伸びず、マイナー化していったことが考えられる。
  • 北米NESでも同年中に発売される予定があり、当時の北米の代表的なゲーム誌「Electronic Gaming Monthly」にも紹介記事が掲載されたが、結局日本国外では発売されなかった。
    • 日本のみの販売でありながら後年に海外サイトで詳細な攻略情報が執筆される*10など、マニア層からの一定の需要があったようである。
  • 上記のマイナー化により本作の知名度は長年にわたり低かったのだが、インターネット普及後、主に個人サイトにより「ファミコン屈指の激ムズアクション」として本作が紹介され始めるようになった。
    • 2004年頃からP2P*11によるゲームの実況配信が盛んになり、主に匿名掲示板による配信コミュニティが発達していく中、高難度ゲームの配信ブーム*12の一環として本作が注目され、「台場」「堀台場」という愛称で 恐れられ 親しまれることになった。
    • 有志による攻略ブログ記事や攻略wikiもこの頃に作られ、ネット上で攻略情報が共有されるようになった。
  • レトロゲームのブームと上記の通りに国内外で注目されるようになったためか、本作は次第にソフト価格がプレミア化していった。
    • 2020年代の時点でソフトのみでも当時の定価以上、箱・説明書付き完品は数万円の相場になっている。
    • 本作発売から29年後の2018年に北米のRetro-Bit社がアイレムからの許諾を受け、NES版としてパッケージ版の再販を行った*13
    • ファミコン版も同様に再販された。ただしどちらも限定生産のため、2026年現在はプレミア化し始めている。
  • CSで放送中の番組「ゲームセンターCX」では、第26シーズン(2023年2月9日 第353回)に有野課長が挑戦している。
最終更新:2026年07月12日 19:34

*1 アイレムのファミコンソフトは発売日順に【IF】01、【IF】02といったナンバリングが付けられており、本作は【IF】12。

*2 ブリザードと併用中は通常魔法で攻撃ができなくなる。

*3 取得したステージでコンティニューすると最初から所持している扱いになり、再取得の必要がない。

*4 本人の旧Twitterでのツイートで判明したが、現在同氏のアカウントは凍結されている。

*5 ファミコン版『スパルタンX』は任天堂の近藤浩治による編曲。

*6 ステージ5は2つ、ステージ6は4つ入手可能。

*7 ブラックレター、フラクトゥールとも呼ばれる。

*8 「月刊Beep」1989年5月号において、当時のアイレム常務の中野哲雄氏がロムの生産が予定通りにできなかったとインタビューに答えている。

*9 ファミコン通信、ファミリーコンピュータMagazine、ファミコン必勝本で確認。

*10 下記の日本国内の攻略情報のより先立って公開されている。

*11 サーバーを介さずに端末同士で直接ファイルのやり取りを行う通信方式。

*12 不思議のダンジョンシリーズの『風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参!』(Win版)の「裏白蛇」や『トルネコの大冒険3』の「ポポロ異世界」などのコアユーザー向けのコンテンツも含まれる。

*13 当然ではあるが、ハードメーカー非公認ソフト。