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*新 鬼武者 DAWN OF DREAMS
【しん おにむしゃ どーん おぶ どりーむす】
|ジャンル|戦国サバイバルアクション|&amazon(B0009MZ1VC)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売・開発元|カプコン|~|
|発売日|2006年1月26日|~|
|定価|7,329円|~|
|廉価版|PlayStation2 the Best&br()2006年10月19日/2,940円&br()2007年11月15日/2,090円|~|
|>|>|CENTER:''[[鬼武者シリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1511.html]]''|
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#contents(fromhere)
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**ストーリー
幻魔王・織田信長が鬼武者たちによって倒され、信長の死とともに人間界を侵略せんとしていた幻魔の軍勢も姿を消していった。~
信長の死後、その重心である豊臣秀吉によって天下は平定され、戦乱の世は終焉を迎えたと思われた。~
しかし1596年、禍々しい妖星が天に現れると同時に秀吉は豹変し、再び日本は乱れ始めた。~
そして人心の乱れに呼応するように幻魔が再び地上に現れ、人々を恐怖に陥れようとしていた。~
時を同じくして、方々で人を襲う幻魔を狩りながら、秀吉が諸国より集める"桜"を燃やす男が現れた。~
身の丈ほどもある大太刀を振るいながら猛然と幻魔を倒す様を見た人々は、彼を鬼と呼んだ。「黒い鬼」と…。
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**概要
-幻魔と鬼の一族との戦いを描いたアクションゲーム『鬼武者』の続編。三部作として作成され完結していたが、続編要望の声が高かったため新シリーズとしてこの名前がつけられた。
-キャッチコピーは「ズババババッサリ感」。
----
**特徴
本作では旧三部作から大幅なモデルチェンジが行われている。
***シナリオ
-章立ての構成になっている。
--各章ごとに「破魔陣」と呼ばれる場所で会話イベントが発生→フィールドへ出て敵と戦うという構成。
***従者システム
-本作には主人公である蒼鬼のほかに4人の仲間がいる。
--ある程度のシナリオ進行による制限はあるものの、仲間も主人公とほぼ同格の扱いを受けており、自由に使用することができる。鬼戦術や覚醒((前作までの鬼武者変身のようなもの。))も使える。
---前作までも仲間へのキャラチェンジはあったが、シナリオの進行状況でタイミングが固定されていたり、仲間は主人公に比べて技が少ない等の制限があった。
-破魔陣を出る際に、仲間から従者を一名選び、二人一組で冒険に出ることができる。
--破魔陣から出発した仲間は友情度が上がる。
--フィールドにある特殊な破魔鏡で従者を切り替えることもできる。
-操作キャラクターはデフォルトでは蒼鬼だが、任意のタイミングで操作キャラクターを仲間に切り替えることができる。
--仲間を操作している間は蒼鬼が従者として行動する。
--仲間のみにしか通過できない場所や動かせないギミックもあるので、従者の選択と切り替えはとても重要。
-従者には「追従」「待機」「猛攻」「特殊」の四つの命令を出すことができ、従者はそれに従った行動をとる。
--「追従」
---従者を操作キャラに追従させる。
---操作キャラと離れているときは操作キャラに近付くことを優先し、操作キャラに近い場所にいるときは付近の敵を攻撃する。
---攻守ともにバランスの良い命令。
--「待機」
---その場で仲間を待機させる。
---待機中の仲間は防御姿勢をとり、一切攻撃を仕掛けない。また、体力が最大値の半分以下の場合は、半分の値になるまで少しずつ回復する。
---仲間がピンチになったり、何らかの理由でその場に待たせておきたい場合に向いている。
--「猛攻」
---敵の撃破を最優先させる。
---好戦的になり攻撃力が上がる代わりに、少しづつ体力を消費する。また、防御や回避行動をめったに取らないのでダメージを受けやすく、倒れやすい。
--「特殊」
---キャラに応じた特殊行動を行わせる。
#region(主人公や仲間たちとその特徴)
--灰燼の蒼鬼(結城秀康)
---本作の主人公で、伝説の黒き鬼の血を引く金髪碧眼の若者。通り名はその強さと容姿からつけられたもので、名を捨てているため本人も愛用している。
---武器は大太刀を使用。重い大刀もあるが、攻撃範囲や攻撃力・速度にも優れたバランスキャラ。
---覚醒は「鬼武者変身」。
---特殊命令を出すと、魂を回収してくれる。この命令を利用することで、連続吸収のボーナスを大幅に上げることが出来る。
--柳生十兵衛 茜
---鬼の血を引く柳生一族の少女で、幼いながらも居合の達人。一族にまれに発現する「鬼ノ眼」を持っている。
---武器は居合刀を使用。攻撃範囲と攻撃力は低いが、手数で攻めるスピードタイプ。
---覚醒は「鬼ノ眼」。自分以外の時間の流れが遅くなる。
---特殊命令を出すと、敵を陽動し、ひきつける。
---小柄で身軽なので、狭い場所や細い橋を通ることができる。
--南光坊天海
---人間でありながら鬼の力を使いこなす高僧。その正体は謎に包まれている。
---錫杖や槍といった長柄武器を使用するのでリーチが長く、攻撃範囲が広い。
---覚醒は「鬼の篭手」。これといった能力はないが、長射程の突進攻撃を仕掛けることができる。
---特殊命令を出すと、蒼鬼に攻撃力が上がる呪文をかける。天海自身は無防備で動けなくなるので注意。
---修行の成果により、死者の魂の声を聞くことができる。
--ロベルト=フロイス
---謎の多い南蛮人。鬼の力を持っていないにもかかわらず、素手で幻魔を倒すことができる。
---武器はナックルを使用。攻撃範囲が狭いが、圧倒的な攻撃力を誇るインファイタータイプ。
---覚醒は「破魔の拳」。全ての攻撃が多段ヒットするようになり、攻撃力が大幅に上がる。
---特殊命令を出すと狂戦士化し、敵の殲滅を行う。猛攻と似た効果だがスーパーアーマー状態になり、体力減少もしない。
---見た目通り力が強く、重い物を動かしたり、鉄の扉をこじ開けて一時的に通ることができる。
--お初
---信長の妹・お市の娘。蒼鬼とは幼馴染。
---武器は銃を使用。基本的には遠距離からの単体攻撃となるが、散弾や大筒など、近距離や広範囲で威力を発揮する武器もある。
---覚醒は「魔王の血」。魔殻蟲と呼ばれる生物が周囲を飛び回り、お初を援護する。
---特殊命令を出すと遠所からの援護射撃をしてくれる。
---フックショットを使って飛び越えられない場所を超えたり、爆弾を使って障害物を吹き飛ばすことができる。
#endregion()
***成長の概念
-「経験値」と「レベル」の概念が追加された。
--敵を倒すと経験値が溜まり、経験値を一定数溜めるとレベルが上がる。
---レベルが上がると体力や鬼力、攻撃力や防御力が上昇し、技ポイント(後述)が入手できる。
-技を成長させることができるようになった。
--レベルアップで入手した技ポイントを技に振り分け、強化ができるようになった。
---強化できるのは攻撃技だけでなく、魂吸収や緊急回避なども対象。
---強化を行うと、威力が上がったり、無敵時間が延びる。
--また、一部の技を強化すると、キャラ固有の新技を習得することができる。
---例えば蒼鬼の通常攻撃を強化すると「鳳凰剣」が使えるようになり、茜の通常攻撃を強化すると「乱れ桜」が使えるようになる。
***鬼戦術
-鬼戦術の仕様が変わった。
--本作では火・氷・風・地・闇・光の6属性があり、キャラ全員で共通する。
--使用する鬼力は武器別ではなくなった。
--鬼戦術レベル3を発動するときに、従者と同時に部屋全体を攻撃する「合体鬼戦術」を放つことができる。
***新しい一閃
-従来の一閃に加え、新しい一閃が増えた。
--崩し一閃
---特定の攻撃を受けたり、防御を破るなどで体勢を崩した敵に対して一閃を行うことができる。
---ガードから行う弾き一閃もこの一種で、威力は通常の一閃と比べ低い。
--アシスト一閃
---プレイヤーが出した一閃に引き続き、従者が一閃を放つ。
---『2』に存在したアシスト一閃とは異なり、プレイヤーの任意で出すことが可能。
***装備関連
-武器の種類が一キャラクター当たり約30種類と大幅に増えた。
--各武器には属性と攻撃パターンが決められている。
---前作までとは異なり、1キャラごとにそれぞれ3種類の攻撃パターン×7種類の属性を持った武器+αが必ず存在している。
---無属性武器は鬼戦術が使えない代わりに特殊な攻撃を放つことができる他、それぞれ強力な特性を持ったものもある
--武器は魂を注入することで最大10段階まで強化が可能。
---装備を強化すると攻撃力が上がるほか、使える鬼戦術のレベルが上がる。必要な魂の量は武器によって様々。
---また、装備には固有の成長ボーナスが指定されており、指定されたレベルで「衝撃波を飛ばす」「ステータスが上がる」等の恩恵を受けることができる。
-防具は100段階まで上げることができるようになった。
--一回一回の防御の上昇は微々たるものだが、代わりに1レベルごとの赤魂量は小さい。また、防具のレベルを上げていくと装備できる装飾品の数が増える。
-アクセサリの数も圧倒的に増えた。
--ステータスを上昇するものから、特定の属性攻撃を強化させるもの、敵がアイテムを落としやすくなるものなど効果は多彩。
--最初は1つしか装備できないが、防具のレベルを上げることで最大4つ同時に装備が可能。
***アイテムの入手方法
-アイテムを売買できる「みの屋」が登場した。
--敵を倒した時に落とすお金を集めたり、アイテムを売却したお金でアイテムを購入することができる。
---購入できるアイテムは装備品や回復アイテムなど。個数制限はあるがシナリオ進行状態に応じて商品が入荷される。
---二週目以降は、回復アイテムのみ無限に購入が可能となる。
-「練成」システム
--練成用の素材を集めて、仲間に練成を依頼することでアイテムを作ってもらえる。
---練成してもらえるアイテムは仲間によって異なる。
---一度に練成してもらえる回数はその仲間との友情度に依存する。ただ、一度戻り移動を使うと再度練成してもらうことができるので、実質無いに等しい。
***鬼武侠
-ゲームの随所で「鬼武侠」というイベントが挟まる。
--いわゆるミッションモードのようなものであり、「敵を素早く倒す」「魂を一定数集める」等の条件を課される。
--クリアしなくても進めることはできるが、クリアすると成績に応じてアイテムを貰うことができる。
***戻り移動
-一度クリアしたステージへ戻ることができる。
--もちろんイベントは発生しないが、魂や経験値、アイテムを稼ぎたいときに最適。
--シナリオ中ではいなかった仲間を連れて行って扉を開けてもらったり、そこでアイテムを回収したり以前には無かった鬼武侠がを攻略することが出来る。
***魔空空間
-本作にも腕試しの場である魔空空間が登場。
--進度に応じて強力なアイテムを入手可能。
--そのフロア数なんと100階。しかもキャラクターごとに挑戦できるため、長丁場という意味では前作を遥かに越えた。
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**評価点
***圧倒的なボリューム
--鬼武者シリーズ初のDVD2枚組になっており、それに恥じないボリュームがある。
***多彩なアクション
-今作では様々な攻撃方法があり、シリーズの中でも共通・かつ明記されているがコマンド入力タイプの技が多い。
-キャラクター固有の技も、各々の個性が生かされている。
***様々なやり込み要素
-100階まである魔空空間、装備やステータスの強化、アイテム図鑑、鬼武侠コンプなどやり込み要素がいくらでもある。
--本気でやり込もうと思えば、数十時間は遊べる。
***カメラの操作
-カメラを自由に操作できるようになった。
--一部では固定されてしまうが、自分の任意の位置にカメラを合わせることができる。
--構えると自動的にキャラの正面に向く。
***紫魂と覚醒の仕様変更
-本作では紫魂蓄積の代わりに心力ゲージが登場し、紫魂の効果が心力ゲージの回復になった。
--心力ゲージが一定値以上溜まっていれば任意のタイミングで覚醒可能となる。当然たくさん溜めてから覚醒したほうが効果時間は長い。
---今までの作品では紫魂を5個溜めないと変身できず、変身時間も固定という仕様だった。
--紫魂にも大きさの概念が生まれ、大きな紫魂ほど心力の回復力は高い。
***謎解き宝箱に対する救済
-謎解き宝箱の答えがどうしてもわからない場合、壊して開けることができるようになった。
--壊して開けた場合は、アイテムを使用する前に有料の鑑定を行う必要があるというペナルティもあり、バランスは取れている。
--ただし、本作の謎解きは複数の解法が存在する宝箱もあるためか、もともと難しくはない。
***楽曲
-それまでのシリーズとは少々毛色が違い、現代的な作風だが、出来は良く、特に主人公のテーマ「蒼鬼序章~蒼鬼テーマ」などは高い人気を得ている。
--作曲は後に『ストリートファイター4』などを手がける深澤秀行氏。
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**賛否両論・批判点
***雰囲気
-全体的に明るい雰囲気になっており、旧作のようなおどろおどろしさが無くなったという批判が多い。
-また、主人公が日本人でありながら金髪であったり、仲間の一人が「オレっ娘」であったり、若者言葉が飛び交うキャラゲー色の強い作風には賛否ある。
***シナリオ
-今までの鬼武者とは異なり、露骨な厨二描写や少年漫画のような展開が多い。
--しかしシナリオとしては王道を抑えており、特筆するほど悪いわけではない。また、時代考証もきちんとなされている。~
ただし、序盤・終盤での「散っていったものがいた」「数多の命が消え去った」に対してはシナリオ中で死亡するキャラはほとんど描写されていない。
-主に豊臣秀吉関係の設定が前三部作と矛盾している。
***イベントの表現
-多くのイベントが一枚絵とセリフという紙芝居形式で進む。
--グラフィックが美麗なだけに、非常にもったいない。
-破魔陣でのイベント等はかなり大袈裟なボディランゲージ(さらに数秒でループし同じ動作を繰り返すのでかなりシュール)、口パクなしとこれまた残念な事に。
--仲間の一人が死亡した直後のイベントでもこれなので声優の熱演も悲壮感も台無しになってたり。
***過去作ネタ
-数多く登場する武器やアイテムの中に、過去作に登場した武器等が多く登場する。
--しかし、(名前こそ異なるもの)旧作で最強装備だった武器が一武器に成り下がっていたり、特殊な力を持った人物にしか扱えないはずの武器が平然と宝箱の中に入っていて使えるなどの矛盾がある。これらをファンサービスと取るか、過去ネタの安売り・冒涜と取るかで賛否が分かれている。
***一閃の扱い
-一閃の種類が豊富になった一方で、あまりにも簡単に一閃が出せるようになってしまった。
--特に崩し一閃は、鬼戦術レベル1を使用した後に攻撃ボタンを連打するだけで出せてしまう。
--さらに連鎖一閃のタイミングも大きく緩和され攻撃ボタンを連打するだけで出せる。
---従来の作品の一閃は、ごく一部の例外を除けばボタン連打で出すことはできなかった。
---一応一閃の種類によって威力が異なり、崩し一閃はかなり弱く設定されている。また連鎖一閃も無敵状態の敵によってすり抜けられると強制的に途切れる問題がある。
それでもそれなりの威力があることや、一閃中は他の敵の動向を気にしなくてよいこと等から、
鬼戦術→崩し一閃のパターンが強力すぎる。
***鬼戦術の扱い
-6つも鬼戦術があるにもかかわらず、どの鬼戦術も効果が似たり寄ったりである。
--鬼戦術Lv1は、どの鬼戦術も武器による攻撃を正面に放つのみで、属性の違いしかない。
--レベル2以降になると、鬼戦術レベル1に加えて属性固有の攻撃を放つが、火・風・地・闇は、多少の差異はあるものの使用者の周囲を攻撃するのみで個性が無い。~
---必ずレベル1の鬼戦術の動作が入るので発動までに時間がかかり、とても敵に当てづらい。Lv2や3の鬼戦術を使うくらいなら、Lv1の鬼戦術からの崩し一閃を2,3回繰り返した方が強いとまで言われるありさまである。
--氷は直線上に氷柱を立てるというものであり、他の鬼戦術とは趣が異なるものの、やはり発動が遅いので当てるのが難しい。
--一方の光は敵を追尾する光弾を放つものとなっている。お初以外のキャラはこの鬼戦術でしか高所・遠距離にいる敵にを攻撃できないため、非常に重宝されている。
***武器のバランスの悪さ
-武器を強化した時の攻撃力はどれも「初期攻撃力の2倍」。基本的には元から強い武器ほど強力。
--全ての武器を最強まで鍛えたとしても実用に耐えうるものはごく僅か。そのため、武器の数こそ多いものの、ほとんどが死に武器になりがちである。思い入れのある武器を愛用し続けることもできない。
-しかもストーリー序盤には弱い武器しか手に入らず、ストーリー終盤になるほど強力な武器が手に入る。
--そのため、せっかく武器を鍛えても少し後に出てきた武器の初期攻撃力にすら軽々抜かされてしまうという現象が多発。強化に使用した赤魂が無駄になってしまう。
---赤魂の消費が少ない早熟型の装備や、高レベルまで上げると莫大な攻撃力ボーナスが手に入る晩成型の武器であれば無駄は最小限に抑えられるが…。
-また、鬼戦術Lv1からの崩し一閃がとても便利なので、鬼戦術の使えない無属性武器はやはり不遇。
--無属性武器専用特技も特別強いものではない。
--各キャラの最強装備も無属性武器であり、確かに性能は良いのだが、快適なプレイをしたいのであればやはり鬼戦術が使える武器の方がよい。
***雑魚敵の強さ
-敵の種類は多く攻撃パターンも多彩なのだが、やたら堅い敵が多い。
--大型の敵や行く手を塞ぐ敵に多いが、別段弱い装備でもないのに、数十回の攻撃((決して誇張ではない。))が必要。
--一方、同じ装備でも小型の敵は2~3発で倒してしまえるなどやたらと弱く、敵の強さがとても極端。そのため必然的に硬い敵との一騎打ちになりがちであり、戦闘が単調になる。
--堅いわけではないが攻撃しにくい位置にいる上もし当たってもダメージを受けずワープする事がある為、結果的に倒すのに時間がかかる雑魚がいる。
--主人公の一人である「ロベルト」のモーションを流用した雑魚は頻繁にスウェーやダッキング等を連発するが、''この動作中は無敵''なのでやはり倒すのに時間がかかる。
--地面に潜って移動した後飛び上がって攻撃してくる雑魚は、それ以外の技がないので地上にいる時間より地面に潜っている時間の方が長くこれまた倒すのに時間がかかる。
---一応追い討ち攻撃だけは決められるが、単体ならまだしも乱戦で決めるのは無理がある。
-本作の敵は出現時何の行動もしていない状態。プレイヤー付近に出現した場合すぐに攻撃動作に移行し不意打ちのような形になる事が多々ある。
--前作までは一部除いて攻撃以外の行動をしながら登場していたので不意打ちされる事は滅多になかった。
***魔空空間の仕様
-魔空空間が苦行。
--100階までの道のりは、難易度に関係なく''最低でも2~3時間はかかる''が、今まで同様、途中でゲームを終了することはできない。つまり100階クリアするにはぶっ続けでプレイし続けるしかないという不親切設計。当然だが死ねば最初からやり直し。
---もちろんメニューを開いて電源つけっぱなしで放置は可能だが、PS2の電源を消されたり停電が起きたりしても文句は言えない。
--後半のフロアになると、1フロアを攻略するのにかなりの時間がかかるようになるが、「敵が強いから」ではなく、「同じ敵のセットが何度も出現するから」。つまり、序盤の数フロア分が1フロアに圧縮されているというだけの話である。
---敵が倒した先から次々と出現するのならまだマシなのだが、ご丁寧にも最初のセットが全滅してから次のセットが現れるので、本当にフロア移動と変わりがない。
---上記の出来が悪い雑魚も頻繁に登場するので悪意を感じずにはいられない。
-正直、開発者が「難しい」「やりがいがある」という言葉を勘違いしたとしか思えない出来。
***特典が微妙
-特典と呼べるものは二週目プレイと難易度変更、衣装チェンジとおまけ武器程度。
--過去作恒例のミニゲームは無い。
---ただしのちに販売された廉価版には、本作のキャラ・システムを用いた対戦ゲームが追加されている。
--難易度変更は敵の攻撃力が高くなり、敵の堅さが上がるのみ((正確にはプレイヤーの攻撃力が下がり、かつ敵が堅くなる。))。
---過去作のような一閃のタイミングも変わったり武器の強化に必要な魂が変わるという変化もない。敵の配置も変わらなければ入手できるアイテムも変わらない。戦闘がひたすら長くなるだけである。
---最高難易度の「超鬼難」は、敵の強さは「普通」と一緒だが、敵の攻撃を耐えた場合に強制的に体力が1になるという鬼畜設定。いままでとは違う立ち回りを求められると言えば確かだが。
--おまけ武器はある衣装と組み合わせる鑑賞用であり、武器としての性能は最低。ゲームとしては縛りプレイくらいにしか使い道が無い。
--衣装は一人3種と充実しているのが救い。
***その他
-スタッフロールはスキップ不可能。
-後半序盤の謎解きのヒントが紛らわしい。
--「動物の絵がある蔵の番号を描かれている動物の数が少ない方から順に入力」という謎解きのヒントに「初めの三つの絵」というフレーズがあるのだが、その直前に「描かれている動物の数を多い方から順に入力」という謎解きがあった為、「前エリアの蔵にあった三つの絵がある蔵の番号を動物の数が少ない方から順に入力」と勘違いする人が少なからずいた。
-舞台が広い、仲間入れ替えが必要な場所が多いなどの理由で移動に時間がかかる事が多い。
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**総評
新シリーズの出発ということで大幅なモデルチェンジが行われ、操作感も取っ付き易く、ライトな雰囲気の漂うアクションRPGへと変化を遂げた。~
しかし、ものものしい雰囲気の漂うハードコアアクションを求めていた旧作ファンからは中途半端だと落胆の声が上がり、かといってアクションRPGとしても大味で特別光るものもなかったため、評判は思わしくなかった。~
その一方で、詰めの甘いところはあれどアクション自体の出来は良く、遊べる要素も多いため、ゲームとしては面白い部類には入り、現在では一定の好評も得ている。~
様々なメディア展開でそれなりに大きく売り出し続編も臭わせていたが、結局シリーズはここで打ち止めになっている。
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**余談
-鬼武者シリーズのシナリオを担当していた杉村升氏が本作の脚本を執筆後に亡くなられており、エンディングにおいてその旨が記されている。
-同社のコラボ格ゲー『タツノコvsカプコン』に、「比較的最近のカプコン作品からのキャラクターを出したかった」との事で、鬼武者代表として本作の主人公がプレイアブルキャラとして出演している。
--『3』以前の鬼武者シリーズの主人公格キャラには出演者の肖像権が存在するため、それを避けてのチョイスもあるかと思われる。
*新 鬼武者 DAWN OF DREAMS
【しん おにむしゃ どーん おぶ どりーむす】
|ジャンル|戦国サバイバルアクション|&amazon(B0009MZ1VC)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売・開発元|カプコン|~|
|発売日|2006年1月26日|~|
|定価|7,329円|~|
|廉価版|PlayStation2 the Best&br()2006年10月19日/2,940円&br()2007年11月15日/2,090円|~|
|>|>|CENTER:''[[鬼武者シリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1511.html]]''|
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#contents(fromhere)
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**ストーリー
幻魔王・織田信長が鬼武者たちによって倒され、信長の死とともに人間界を侵略せんとしていた幻魔の軍勢も姿を消していった。~
信長の死後、その重心である豊臣秀吉によって天下は平定され、戦乱の世は終焉を迎えたと思われた。~
しかし1596年、禍々しい妖星が天に現れると同時に秀吉は豹変し、再び日本は乱れ始めた。~
そして人心の乱れに呼応するように幻魔が再び地上に現れ、人々を恐怖に陥れようとしていた。~
時を同じくして、方々で人を襲う幻魔を狩りながら、秀吉が諸国より集める"桜"を燃やす男が現れた。~
身の丈ほどもある大太刀を振るいながら猛然と幻魔を倒す様を見た人々は、彼を鬼と呼んだ。「黒い鬼」と…。
----
**概要
-幻魔と鬼の一族との戦いを描いたアクションゲーム『鬼武者』の続編。三部作として作成され完結していたが、続編要望の声が高かったため新シリーズとしてこの名前がつけられた。
-キャッチコピーは「ズババババッサリ感」。
----
**特徴
本作では旧三部作から大幅なモデルチェンジが行われている。
***シナリオ
-章立ての構成になっている。
--各章ごとに「破魔陣」と呼ばれる場所で会話イベントが発生→フィールドへ出て敵と戦うという構成。
***従者システム
-本作には主人公である蒼鬼のほかに4人の仲間がいる。
--ある程度のシナリオ進行による制限はあるものの、仲間も主人公とほぼ同格の扱いを受けており、自由に使用することができる。鬼戦術や覚醒((前作までの鬼武者変身のようなもの。))も使える。
---前作までも仲間へのキャラチェンジはあったが、シナリオの進行状況でタイミングが固定されていたり、仲間は主人公に比べて技が少ない等の制限があった。
-破魔陣を出る際に、仲間から従者を一名選び、二人一組で冒険に出ることができる。
--破魔陣から出発した仲間は友情度が上がる。
--フィールドにある特殊な破魔鏡で従者を切り替えることもできる。
-操作キャラクターはデフォルトでは蒼鬼だが、任意のタイミングで操作キャラクターを仲間に切り替えることができる。
--仲間を操作している間は蒼鬼が従者として行動する。
--仲間のみにしか通過できない場所や動かせないギミックもあるので、従者の選択と切り替えはとても重要。
-従者には「追従」「待機」「猛攻」「特殊」の四つの命令を出すことができ、従者はそれに従った行動をとる。
--「追従」
---従者を操作キャラに追従させる。
---操作キャラと離れているときは操作キャラに近付くことを優先し、操作キャラに近い場所にいるときは付近の敵を攻撃する。
---攻守ともにバランスの良い命令。
--「待機」
---その場で仲間を待機させる。
---待機中の仲間は防御姿勢をとり、一切攻撃を仕掛けない。また、体力が最大値の半分以下の場合は、半分の値になるまで少しずつ回復する。
---仲間がピンチになったり、何らかの理由でその場に待たせておきたい場合に向いている。
--「猛攻」
---敵の撃破を最優先させる。
---好戦的になり攻撃力が上がる代わりに、少しづつ体力を消費する。また、防御や回避行動をめったに取らないのでダメージを受けやすく、倒れやすい。
--「特殊」
---キャラに応じた特殊行動を行わせる。
#region(主人公や仲間たちとその特徴)
--灰燼の蒼鬼(結城秀康)
---本作の主人公で、伝説の黒き鬼の血を引く金髪碧眼の若者。通り名はその強さと容姿からつけられたもので、名を捨てているため本人も愛用している。
---武器は大太刀を使用。重い大刀もあるが、攻撃範囲や攻撃力・速度にも優れたバランスキャラ。
---覚醒は「鬼武者変身」。
---特殊命令を出すと、魂を回収してくれる。この命令を利用することで、連続吸収のボーナスを大幅に上げることが出来る。
--柳生十兵衛 茜
---鬼の血を引く柳生一族の少女で、幼いながらも居合の達人。一族にまれに発現する「鬼ノ眼」を持っている。
---武器は居合刀を使用。攻撃範囲と攻撃力は低いが、手数で攻めるスピードタイプ。
---覚醒は「鬼ノ眼」。自分以外の時間の流れが遅くなる。
---特殊命令を出すと、敵を陽動し、ひきつける。
---小柄で身軽なので、狭い場所や細い橋を通ることができる。
--南光坊天海
---人間でありながら鬼の力を使いこなす高僧。その正体は謎に包まれている。
---錫杖や槍といった長柄武器を使用するのでリーチが長く、攻撃範囲が広い。
---覚醒は「鬼の篭手」。これといった能力はないが、長射程の突進攻撃を仕掛けることができる。
---特殊命令を出すと、蒼鬼に攻撃力が上がる呪文をかける。天海自身は無防備で動けなくなるので注意。
---修行の成果により、死者の魂の声を聞くことができる。
--ロベルト=フロイス
---謎の多い南蛮人。鬼の力を持っていないにもかかわらず、素手で幻魔を倒すことができる。
---武器はナックルを使用。攻撃範囲が狭いが、圧倒的な攻撃力を誇るインファイタータイプ。
---覚醒は「破魔の拳」。全ての攻撃が多段ヒットするようになり、攻撃力が大幅に上がる。
---特殊命令を出すと狂戦士化し、敵の殲滅を行う。猛攻と似た効果だがスーパーアーマー状態になり、体力減少もしない。
---見た目通り力が強く、重い物を動かしたり、鉄の扉をこじ開けて一時的に通ることができる。
--お初
---信長の妹・お市の娘。蒼鬼とは幼馴染。
---武器は銃を使用。基本的には遠距離からの単体攻撃となるが、散弾や大筒など、近距離や広範囲で威力を発揮する武器もある。
---覚醒は「魔王の血」。魔殻蟲と呼ばれる生物が周囲を飛び回り、お初を援護する。
---特殊命令を出すと遠所からの援護射撃をしてくれる。
---フックショットを使って飛び越えられない場所を超えたり、爆弾を使って障害物を吹き飛ばすことができる。
#endregion()
***成長の概念
-「経験値」と「レベル」の概念が追加された。
--敵を倒すと経験値が溜まり、経験値を一定数溜めるとレベルが上がる。
---レベルが上がると体力や鬼力、攻撃力や防御力が上昇し、技ポイント(後述)が入手できる。
-技を成長させることができるようになった。
--レベルアップで入手した技ポイントを技に振り分け、強化ができるようになった。
---強化できるのは攻撃技だけでなく、魂吸収や緊急回避なども対象。
---強化を行うと、威力が上がったり、無敵時間が延びる。
--また、一部の技を強化すると、キャラ固有の新技を習得することができる。
---例えば蒼鬼の通常攻撃を強化すると「鳳凰剣」が使えるようになり、茜の通常攻撃を強化すると「乱れ桜」が使えるようになる。
***鬼戦術
-鬼戦術の仕様が変わった。
--本作では火・氷・風・地・闇・光の6属性があり、キャラ全員で共通する。
--使用する鬼力は武器別ではなくなった。
--鬼戦術レベル3を発動するときに、従者と同時に部屋全体を攻撃する「合体鬼戦術」を放つことができる。
***新しい一閃
-従来の一閃に加え、新しい一閃が増えた。
--崩し一閃
---特定の攻撃を受けたり、防御を破るなどで体勢を崩した敵に対して一閃を行うことができる。
---ガードから行う弾き一閃もこの一種で、威力は通常の一閃と比べ低い。
--アシスト一閃
---プレイヤーが出した一閃に引き続き、従者が一閃を放つ。
---『2』に存在したアシスト一閃とは異なり、プレイヤーの任意で出すことが可能。
***装備関連
-武器の種類が一キャラクター当たり約30種類と大幅に増えた。
--各武器には属性と攻撃パターンが決められている。
---前作までとは異なり、1キャラごとにそれぞれ3種類の攻撃パターン×7種類の属性を持った武器+αが必ず存在している。
---無属性武器は鬼戦術が使えない代わりに特殊な攻撃を放つことができる他、それぞれ強力な特性を持ったものもある
--武器は魂を注入することで最大10段階まで強化が可能。
---装備を強化すると攻撃力が上がるほか、使える鬼戦術のレベルが上がる。必要な魂の量は武器によって様々。
---また、装備には固有の成長ボーナスが指定されており、指定されたレベルで「衝撃波を飛ばす」「ステータスが上がる」等の恩恵を受けることができる。
-防具は100段階まで上げることができるようになった。
--一回一回の防御の上昇は微々たるものだが、代わりに1レベルごとの赤魂量は小さい。また、防具のレベルを上げていくと装備できる装飾品の数が増える。
-アクセサリの数も圧倒的に増えた。
--ステータスを上昇するものから、特定の属性攻撃を強化させるもの、敵がアイテムを落としやすくなるものなど効果は多彩。
--最初は1つしか装備できないが、防具のレベルを上げることで最大4つ同時に装備が可能。
***アイテムの入手方法
-アイテムを売買できる「みの屋」が登場した。
--敵を倒した時に落とすお金を集めたり、アイテムを売却したお金でアイテムを購入することができる。
---購入できるアイテムは装備品や回復アイテムなど。個数制限はあるがシナリオ進行状態に応じて商品が入荷される。
---二週目以降は、回復アイテムのみ無限に購入が可能となる。
-「練成」システム
--練成用の素材を集めて、仲間に練成を依頼することでアイテムを作ってもらえる。
---練成してもらえるアイテムは仲間によって異なる。
---一度に練成してもらえる回数はその仲間との友情度に依存する。ただ、一度戻り移動を使うと再度練成してもらうことができるので、実質無いに等しい。
***鬼武侠
-ゲームの随所で「鬼武侠」というイベントが挟まる。
--いわゆるミッションモードのようなものであり、「敵を素早く倒す」「魂を一定数集める」等の条件を課される。
--クリアしなくても進めることはできるが、クリアすると成績に応じてアイテムを貰うことができる。
***戻り移動
-一度クリアしたステージへ戻ることができる。
--もちろんイベントは発生しないが、魂や経験値、アイテムを稼ぎたいときに最適。
--シナリオ中ではいなかった仲間を連れて行って扉を開けてもらったり、そこでアイテムを回収したり以前には無かった鬼武侠がを攻略することが出来る。
***魔空空間
-本作にも腕試しの場である魔空空間が登場。
--進度に応じて強力なアイテムを入手可能。
--そのフロア数なんと100階。しかもキャラクターごとに挑戦できるため、長丁場という意味では前作を遥かに越えた。
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**評価点
***圧倒的なボリューム
--鬼武者シリーズ初のDVD2枚組になっており、それに恥じないボリュームがある。
***多彩なアクション
-今作では様々な攻撃方法があり、シリーズの中でも共通・かつ明記されているがコマンド入力タイプの技が多い。
-キャラクター固有の技も、各々の個性が生かされている。
***様々なやり込み要素
-100階まである魔空空間、装備やステータスの強化、アイテム図鑑、鬼武侠コンプなどやり込み要素がいくらでもある。
--本気でやり込もうと思えば、数十時間は遊べる。
***カメラの操作
-カメラを自由に操作できるようになった。
--一部では固定されてしまうが、自分の任意の位置にカメラを合わせることができる。
--構えると自動的にキャラの正面に向く。
***紫魂と覚醒の仕様変更
-本作では紫魂蓄積の代わりに心力ゲージが登場し、紫魂の効果が心力ゲージの回復になった。
--心力ゲージが一定値以上溜まっていれば任意のタイミングで覚醒可能となる。当然たくさん溜めてから覚醒したほうが効果時間は長い。
---今までの作品では紫魂を5個溜めないと変身できず、変身時間も固定という仕様だった。
--紫魂にも大きさの概念が生まれ、大きな紫魂ほど心力の回復力は高い。
***謎解き宝箱に対する救済
-謎解き宝箱の答えがどうしてもわからない場合、壊して開けることができるようになった。
--壊して開けた場合は、アイテムを使用する前に有料の鑑定を行う必要があるというペナルティもあり、バランスは取れている。
--ただし、本作の謎解きは複数の解法が存在する宝箱もあるためか、もともと難しくはない。
***楽曲
-それまでのシリーズとは少々毛色が違い、現代的な作風だが、出来は良く、特に主人公のテーマ「蒼鬼序章~蒼鬼テーマ」などは高い人気を得ている。
--作曲は後に『ストリートファイター4』などを手がける深澤秀行氏。
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**賛否両論・批判点
***雰囲気
-全体的に明るい雰囲気になっており、旧作のようなおどろおどろしさが無くなったという批判が多い。
-また、主人公が日本人でありながら金髪であったり、仲間の一人が「オレっ娘」であったり、若者言葉が飛び交うキャラゲー色の強い作風には賛否ある。
***シナリオ
-今までの鬼武者とは異なり、露骨な厨二描写や少年漫画のような展開が多い。
--しかしシナリオとしては王道を抑えており、特筆するほど悪いわけではない。また、時代考証もきちんとなされている。~
ただし、序盤・終盤での「散っていったものがいた」「数多の命が消え去った」に対してはシナリオ中で死亡するキャラはほとんど描写されていない。
-主に豊臣秀吉関係の設定が前三部作と矛盾している。
***イベントの表現
-多くのイベントが一枚絵とセリフという紙芝居形式で進む。
--グラフィックが美麗なだけに、非常にもったいない。
-破魔陣でのイベント等はかなり大袈裟なボディランゲージ(さらに数秒でループし同じ動作を繰り返すのでかなりシュール)、口パクなしとこれまた残念な事に。
--仲間の一人が死亡した直後のイベントでもこれなので声優の熱演も悲壮感も台無しになってたり。
***過去作ネタ
-数多く登場する武器やアイテムの中に、過去作に登場した武器等が多く登場する。
--しかし、(名前こそ異なるもの)旧作で最強装備だった武器が一武器に成り下がっていたり、特殊な力を持った人物にしか扱えないはずの武器が平然と宝箱の中に入っていて使えるなどの矛盾がある。これらをファンサービスと取るか、過去ネタの安売り・冒涜と取るかで賛否が分かれている。
***一閃の扱い
-一閃の種類が豊富になった一方で、あまりにも簡単に一閃が出せるようになってしまった。
--特に崩し一閃は、鬼戦術レベル1を使用した後に攻撃ボタンを連打するだけで出せてしまう。
--さらに連鎖一閃のタイミングも大きく緩和され攻撃ボタンを連打するだけで出せる。
---従来の作品の一閃は、ごく一部の例外を除けばボタン連打で出すことはできなかった。
---一応一閃の種類によって威力が異なり、崩し一閃はかなり弱く設定されている。また連鎖一閃も無敵状態の敵によってすり抜けられると強制的に途切れる問題がある。
それでもそれなりの威力があることや、一閃中は他の敵の動向を気にしなくてよいこと等から、
鬼戦術→崩し一閃のパターンが強力すぎる。
***鬼戦術の扱い
-6つも鬼戦術があるにもかかわらず、どの鬼戦術も効果が似たり寄ったりである。
--鬼戦術Lv1は、どの鬼戦術も武器による攻撃を正面に放つのみで、属性の違いしかない。
--レベル2以降になると、鬼戦術レベル1に加えて属性固有の攻撃を放つが、火・風・地・闇は、多少の差異はあるものの使用者の周囲を攻撃するのみで個性が無い。~
---必ずレベル1の鬼戦術の動作が入るので発動までに時間がかかり、とても敵に当てづらい。Lv2や3の鬼戦術を使うくらいなら、Lv1の鬼戦術からの崩し一閃を2,3回繰り返した方が強いとまで言われるありさまである。
--氷は直線上に氷柱を立てるというものであり、他の鬼戦術とは趣が異なるものの、やはり発動が遅いので当てるのが難しい。
--一方の光は敵を追尾する光弾を放つものとなっている。お初以外のキャラはこの鬼戦術でしか高所・遠距離にいる敵にを攻撃できないため、非常に重宝されている。
***武器のバランスの悪さ
-武器を強化した時の攻撃力はどれも「初期攻撃力の2倍」。基本的には元から強い武器ほど強力。
--全ての武器を最強まで鍛えたとしても実用に耐えうるものはごく僅か。そのため、武器の数こそ多いものの、ほとんどが死に武器になりがちである。思い入れのある武器を愛用し続けることもできない。
-しかもストーリー序盤には弱い武器しか手に入らず、ストーリー終盤になるほど強力な武器が手に入る。
--そのため、せっかく武器を鍛えても少し後に出てきた武器の初期攻撃力にすら軽々抜かされてしまうという現象が多発。強化に使用した赤魂が無駄になってしまう。
---赤魂の消費が少ない早熟型の装備や、高レベルまで上げると莫大な攻撃力ボーナスが手に入る晩成型の武器であれば無駄は最小限に抑えられるが…。
-また、鬼戦術Lv1からの崩し一閃がとても便利なので、鬼戦術の使えない無属性武器はやはり不遇。
--無属性武器専用特技も特別強いものではない。
--各キャラの最強装備も無属性武器であり、確かに性能は良いのだが、快適なプレイをしたいのであればやはり鬼戦術が使える武器の方がよい。
***雑魚敵の強さ
-敵の種類は多く攻撃パターンも多彩なのだが、やたら堅い敵が多い。
--大型の敵や行く手を塞ぐ敵に多いが、別段弱い装備でもないのに、数十回の攻撃((決して誇張ではない。))が必要。
--一方、同じ装備でも小型の敵は2~3発で倒してしまえるなどやたらと弱く、敵の強さがとても極端。そのため必然的に硬い敵との一騎打ちになりがちであり、戦闘が単調になる。
--堅いわけではないが攻撃しにくい位置にいる上もし当たってもダメージを受けずワープする事がある為、結果的に倒すのに時間がかかる雑魚がいる。
--主人公の一人である「ロベルト」のモーションを流用した雑魚は頻繁にスウェーやダッキング等を連発するが、''この動作中は無敵''なのでやはり倒すのに時間がかかる。
--地面に潜って移動した後飛び上がって攻撃してくる雑魚は、それ以外の技がないので地上にいる時間より地面に潜っている時間の方が長く、これまた倒すのに時間がかかる。
---潜っている間も追い討ち攻撃は決められるが、単体ならまだしも乱戦で決めるのは無理がある。
---地面から飛び上がってくる時に弾き一閃を決めることが可能で、コツを掴めば一転していいカモになる。
-本作の敵は出現時何の行動もしていない状態。プレイヤー付近に出現した場合すぐに攻撃動作に移行し不意打ちのような形になる事が多々ある。
--前作までは一部除いて攻撃以外の行動をしながら登場していたので不意打ちされる事は滅多になかった。
***魔空空間の仕様
-魔空空間が苦行。
--100階までの道のりは、難易度に関係なく''最低でも2~3時間はかかる''が、今まで同様、途中でゲームを終了することはできない。つまり100階クリアするにはぶっ続けでプレイし続けるしかないという不親切設計。当然だが死ねば最初からやり直し。
---もちろんメニューを開いて電源つけっぱなしで放置は可能だが、PS2の電源を消されたり停電が起きたりしても文句は言えない。
--後半のフロアになると、1フロアを攻略するのにかなりの時間がかかるようになるが、「敵が強いから」ではなく、「同じ敵のセットが何度も出現するから」。つまり、序盤の数フロア分が1フロアに圧縮されているというだけの話である。
---敵が倒した先から次々と出現するのならまだマシなのだが、ご丁寧にも最初のセットが全滅してから次のセットが現れるので、本当にフロア移動と変わりがない。
---上記の出来が悪い雑魚も頻繁に登場するので悪意を感じずにはいられない。
-正直、開発者が「難しい」「やりがいがある」という言葉を勘違いしたとしか思えない出来。
***特典が微妙
-特典と呼べるものは二週目プレイと難易度変更、衣装チェンジとおまけ武器程度。
--過去作恒例のミニゲームは無い。
---ただしのちに販売された廉価版には、本作のキャラ・システムを用いた対戦ゲームが追加されている。
--難易度変更は敵の攻撃力が高くなり、敵の堅さが上がるのみ((正確にはプレイヤーの攻撃力が下がり、かつ敵が堅くなる。))。
---過去作のような一閃のタイミングも変わったり武器の強化に必要な魂が変わるという変化もない。敵の配置も変わらなければ入手できるアイテムも変わらない。戦闘がひたすら長くなるだけである。
---最高難易度の「超鬼難」は、敵の強さは「普通」と一緒だが、敵の攻撃を耐えた場合に強制的に体力が1になるという鬼畜設定。いままでとは違う立ち回りを求められると言えば確かだが。
--おまけ武器はある衣装と組み合わせる鑑賞用であり、武器としての性能は最低。ゲームとしては縛りプレイくらいにしか使い道が無い。
--衣装は一人3種と充実しているのが救い。
***その他
-スタッフロールはスキップ不可能。
-後半序盤の謎解きのヒントが紛らわしい。
--「動物の絵がある蔵の番号を描かれている動物の数が少ない方から順に入力」という謎解きのヒントに「初めの三つの絵」というフレーズがあるのだが、その直前に「描かれている動物の数を多い方から順に入力」という謎解きがあった為、「前エリアの蔵にあった三つの絵がある蔵の番号を動物の数が少ない方から順に入力」と勘違いする人が少なからずいた。
-舞台が広い、仲間入れ替えが必要な場所が多いなどの理由で移動に時間がかかる事が多い。
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**総評
新シリーズの出発ということで大幅なモデルチェンジが行われ、操作感も取っ付き易く、ライトな雰囲気の漂うアクションRPGへと変化を遂げた。~
しかし、ものものしい雰囲気の漂うハードコアアクションを求めていた旧作ファンからは中途半端だと落胆の声が上がり、かといってアクションRPGとしても大味で特別光るものもなかったため、評判は思わしくなかった。~
その一方で、詰めの甘いところはあれどアクション自体の出来は良く、遊べる要素も多いため、ゲームとしては面白い部類には入り、現在では一定の好評も得ている。~
様々なメディア展開でそれなりに大きく売り出し続編も臭わせていたが、結局シリーズはここで打ち止めになっている。
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**余談
-鬼武者シリーズのシナリオを担当していた杉村升氏が本作の脚本を執筆後に亡くなられており、エンディングにおいてその旨が記されている。
-同社のコラボ格ゲー『タツノコvsカプコン』に、「比較的最近のカプコン作品からのキャラクターを出したかった」との事で、鬼武者代表として本作の主人公がプレイアブルキャラとして出演している。
--『3』以前の鬼武者シリーズの主人公格キャラには出演者の肖像権が存在するため、それを避けてのチョイスもあるかと思われる。