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*機動戦士ガンダム 戦士達の軌跡
【きどうせんしがんだむ せんしたちのきせき】
|ジャンル|戦術アクションゲーム|&amazon(B00011D1VI)|
|対応機種|ニンテンドーゲームキューブ|~|
|発売元|バンダイ|~|
|開発元|ベック(チームアカネコ)|~|
|発売日|2004年3月18日|~|
|定価|7,140円(税5%込)|~|
|判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''スルメゲー''|~|
|~|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~|
|ポイント|リアル過ぎて難しいRTSアクション&br()エースの強さも超リアル&br()しっかりやりこみ抜けば楽しめる&br()古谷徹ナレーションのMSグラフィックスが話題に&br()セイラ役の井上瑤の遺作|~|
|>|>|CENTER:''[[ガンダムゲームリンク>ガンダムシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
ゲームキューブで発売された、『一年戦争』を題材とした作品を主軸としたアクションゲームの一つ。~
ガンダムの3Dアクションゲームとしての要素を主軸にしつつ、僚機や戦艦に指示や要請を行うなどリアルタイムストラテジーの要素も組み込まれている。~
アクションとしてのシステムも当時としては独特で、武器の弾薬はVSシリーズと異なりリロードには制限が存在し、予備弾倉を含めたもののみとなっている。~
本作特有の要素として「プレッシャーゲージ」というものがあり、これが高まるとパニック状態になって操作逆転などデメリット効果が起きる。~
プレイアブルキャラは連邦、ジオン双方に存在する。連邦は基本的に原作再現だが、ジオンは「もしこの戦闘でジオン軍が勝っていたら」というIFシナリオになっている。
**問題点
-非常に厳しい難易度
--独特の操作感から、ゴリ押しが一切通用しない。基本的な操作技術だけでなく、弾数管理、シールド構え、指示など、プレイヤースキルだけでなく頭を使うことも求められる。
---弾数管理は特に重要。予備弾倉にも限りがあるため、確実に敵に当てていかないと最終的にはサーベル一本で戦う羽目になる。
---補給は可能だが戦艦など修理・補給が可能な味方がいる場合のみで、しかも回数が限られている。
--プレイヤーは味方に指示が出来る。指示がなければ僚機や戦艦はデフォルト設定通りに動いていく。
---しかし普通はこのデフォルト設定では勝ちが臨めないようになっており、即戦艦が狙われて撃沈して終了などといったことがこのゲームではよくある。自身も死にやすいが味方も極端に脆い。
--僚機のMSは思ったより頼りにならず、思うように戦艦などを守ってくれないことも。
---それを防ぐためにプレイヤーが細かく指示を下したりしなくてはいけないが、RTSのシステム上、必ず毎回敵が同じ挙動をとるわけではないため臨機応変さも求められる。
--ジオン編のラスボス・G3ガンタム搭乗時のアムロ・レイは正にチートレベルの強さを持ち、最大レベルである30まであげていても手こずる相手。
---この時のアムロは、母艦であるホワイトベースを落とされて自暴自棄になっており、鬼神のような強さで僚機を屠っていく。
---プレイヤーキャラが中途半端なレベルだと、轢き潰されるようにG3ガンダムの超スピードと異常な火力で文字通り瞬殺される。逆にこれを倒せた時の達成感は並々ならぬものがあるが。
-レベルをあげないとまともなプレイが出来ない
--このゲームでは、パイロットのレベルが低くて操縦技術が未熟であると、照準を合わせても弾がちゃんと思った方向に飛ばない。
--しかもレベル上げは既存のミッションを繰り返し行なうしかなく、せっかく次のミッションが出ても難しすぎて前のミッションを繰り返しプレイするということになりがち。
--特にエース級の敵は誇張なしで恐ろしく強い調整がなされており、最初のうちは何をされたかわからないうちに死亡ということもしばしば。
-異常に操作が難しい宇宙戦
--SFノベルなどを読んでいる人ならばわかるが、本作の宇宙空間における操作感は他のガンダムゲーと比較してリアルさにこだわっており、360度を意識して行動しなくてはならない。
--操作中の上下反転など、SF好きなら好みそうなアクシデントもあるが、通常のプレイヤーからすれば宇宙での操作は地獄に等しく、プレイのしづらさにも繋がっている。
---一応、少し触っただけではサッパリだが、何度もプレイをしていくうちに慣れればなんとかなるレベルではある。
-ロードの長さとその対策
--基本的にこのゲーム、ミッションに入るまでのロードが長い。そのロードの長さを少しでも軽減しようと導入されたのがブリーフィングである。
---これはその名の通りキャラクターがブリーフィングと称して作戦を口頭で指揮官から伝えられたり、自分で確認したりするパートで、声はないが台詞とともにマップで推移が表示される。
---これによりミッション内容がわかりやすくなるなどのメリットはあるが、ロード中の画面であるため一切飛ばすことが出来ない。
--本作はゲームオーバー後のリスタート出来ない。このため再スタート時は毎回このブリーフィングを見せられるため、ストレスとなる。
**賛否両論点
-リアルさへのこだわり
--先にあげた明らかな問題点を含めて、本作はSF的なリアルさを「それっぽく」程度ではあるが、とことん追求しており、その点を評価する声もある。
--基本的にはプレイヤーのやりこみに答えてくれるゲームシステムであり、レベルさえあげればプレイが非常に楽になっていくため、成長を実感出来る。
--先の通りレベルあげは骨が折れるうえ、作業的な感は否めないが、目に見えて成長していく感じにはワクワク感もあり、そこが本作の魅力ともなっている。
--RTSであるため、状況はリアルタイムに常に動いていく。この臨場感もまた本作特有のものである。
---一方で、これらの要素が難易度をあげていることは間違いないため、これらを全て無駄なこだわりとして否定する声も多い。
**評価点
-良く作りこまれたOPムービー
--なんと3分近い長さを誇る非常に濃密な内容。演出なども非常に良く、見ていてワクワクする。
--人間までCGで描かれているため、ともすればシュールに見えるシーンもあるが、モデリングが致命的に悪いわけではない。
-オリジナルのBGMの出来が良い
--ちなみにBGMはメニューなどを除けば各作品の原作のものをアレンジして使用している。
--オリジナルのBGMはミッション選択時のBGMなど。各作品の雰囲気と合っているかどうかは微妙なところだが、ロボットゲームとしては雰囲気が出ている。
-リアルな操作感で味わえる無双感
--エースなどは鬼のように強いが、リアルなだけあってドップなどはガンダムの攻撃が当たればあっさり沈んでいく。
--刺客達から味方を守って、孤軍奮闘しているという感覚は、難易度が難しい本作だからこそ味わえるものである。
-ナレーション・永井一郎
--各キャラクターのエンディングは、永井一郎が当時のナレーションよろしく朗読する。作品の違う『0080』や『08小隊』なども同じテンションで読み上げる。
-MSグラフィックスの存在
--アムロ役の古谷徹の代表的な仕事である『カーグラフィックTV』を模したもので、MSのスペック、開発経緯などを古谷氏が淡々と読み上げる。
--感情は一切籠っていないが、アムロが搭乗したガンダムを過剰にまで賛辞したり、失敗機に対しては酷い評価が並んだり、シュールさも内包している。
---かつては公式サイトでも公開されており、ゲームを知らなくてもこれだけは知っているというプレイヤーも。
**総評
操作は難しく、RTS的な指示要素があるなど、かなり難易度の高いゲーム。リアル過ぎてMSの脆さや敵エースの強さもガチ、一撃で自機が落ちることもザラである。~
理不尽な難易度と切り捨ててしまうのは簡単だが、やりこむと本作のそのリアルさが魅力であることに気づくプレイヤーも多くおり、評価がやや分かれがちな作品。~
ただ本作の意図的なゲームバランスの異常さはファンをもってしても認めるところであり、やりこみが必要な点は共通認識である。~
しかしそのやりこみの先にある達成感には素晴らしいものがあり、本作のファンが決して少なくない理由となっている。
**余談
-セイラ・マス役の井上瑤は本作の発売前に死去、本作が遺作となった。
--収録中はスタッフから見ても収録中は難儀していたようで、エンディングでは「謝辞~苦しい中最後まで戦い、「セイラさん」の声を与えてくれた、天国の”井上瑶”様」と追悼コメントが残されている。
--ゲーム中の井上瑤は、病気に苦しんでいる人間とは思えないほどの熱演で、まるで声が衰えた様子もなく、遺作と聞いて購入したプレイヤーを驚かせた。
*機動戦士ガンダム 戦士達の軌跡
【きどうせんしがんだむ せんしたちのきせき】
|ジャンル|戦術アクションゲーム|&amazon(B00011D1VI)|
|対応機種|ニンテンドーゲームキューブ|~|
|発売元|バンダイ|~|
|開発元|ベック(チームアカネコ)|~|
|発売日|2004年3月18日|~|
|定価|7,140円(税5%込)|~|
|判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''スルメゲー''|~|
|~|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~|
|ポイント|リアル過ぎて難しいRTSアクション&br()エースの強さも超リアル&br()しっかりやりこみ抜けば楽しめる&br()古谷徹ナレーションのMSグラフィックスが話題に&br()セイラ役の井上瑤の遺作|~|
|>|>|CENTER:''[[ガンダムゲームリンク>ガンダムシリーズ]]''|
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**概要
ゲームキューブで発売された、『一年戦争』を題材とした作品を主軸としたアクションゲームの一つ。~
ガンダムの3Dアクションゲームとしての要素を主軸にしつつ、僚機や戦艦に指示や要請を行うなどリアルタイムストラテジーの要素も組み込まれている。~
アクションとしてのシステムも当時としては独特で、武器の弾薬はVSシリーズと異なりリロードには制限が存在し、予備弾倉を含めたもののみとなっている。~
本作特有の要素として「プレッシャーゲージ」というものがあり、これが高まるとパニック状態になって操作逆転などデメリット効果が起きる。~
プレイアブルキャラは連邦、ジオン双方に存在する。連邦は基本的に原作再現だが、ジオンは「もしこの戦闘でジオン軍が勝っていたら」というIFシナリオになっている。
**問題点
-非常に厳しい難易度
--独特の操作感から、ゴリ押しが一切通用しない。基本的な操作技術だけでなく、弾数管理、シールド構え、指示など、プレイヤースキルだけでなく頭を使うことも求められる。
---弾数管理は特に重要。予備弾倉にも限りがあるため、確実に敵に当てていかないと最終的にはサーベル一本で戦う羽目になる。
---補給は可能だが戦艦など修理・補給が可能な味方がいる場合のみで、しかも回数が限られている。
--プレイヤーは味方に指示が出来る。指示がなければ僚機や戦艦はデフォルト設定通りに動いていく。
---しかし普通はこのデフォルト設定では勝ちが臨めないようになっており、即戦艦が狙われて撃沈して終了などといったことがこのゲームではよくある。自身も死にやすいが味方も極端に脆い。
--僚機のMSは思ったより頼りにならず、思うように戦艦などを守ってくれないことも。
---それを防ぐためにプレイヤーが細かく指示を下したりしなくてはいけないが、RTSのシステム上、必ず毎回敵が同じ挙動をとるわけではないため臨機応変さも求められる。
--ジオン編のラスボス・G3ガンタム搭乗時のアムロ・レイは正にチートレベルの強さを持ち、最大レベルである30まであげていても手こずる相手。
---この時のアムロは、母艦であるホワイトベースを落とされて自暴自棄になっており、鬼神のような強さで僚機を屠っていく。
---プレイヤーキャラが中途半端なレベルだと、轢き潰されるようにG3ガンダムの超スピードと異常な火力で文字通り瞬殺される。逆にこれを倒せた時の達成感は並々ならぬものがあるが。
-レベルをあげないとまともなプレイが出来ない
--このゲームでは、パイロットのレベルが低くて操縦技術が未熟であると、照準を合わせても弾がちゃんと思った方向に飛ばない。
--しかもレベル上げは既存のミッションを繰り返し行なうしかなく、せっかく次のミッションが出ても難しすぎて前のミッションを繰り返しプレイするということになりがち。
--特にエース級の敵は誇張なしで恐ろしく強い調整がなされており、最初のうちは何をされたかわからないうちに死亡ということもしばしば。
-異常に操作が難しい宇宙戦
--SFノベルなどを読んでいる人ならばわかるが、本作の宇宙空間における操作感は他のガンダムゲーと比較してリアルさにこだわっており、360度を意識して行動しなくてはならない。
--操作中の上下反転など、SF好きなら好みそうなアクシデントもあるが、通常のプレイヤーからすれば宇宙での操作は地獄に等しく、プレイのしづらさにも繋がっている。
---一応、少し触っただけではサッパリだが、何度もプレイをしていくうちに慣れればなんとかなるレベルではある。
-ロードの長さとその対策
--基本的にこのゲーム、ミッションに入るまでのロードが長い。そのロードの長さを少しでも軽減しようと導入されたのがブリーフィングである。
---これはその名の通りキャラクターがブリーフィングと称して作戦を口頭で指揮官から伝えられたり、自分で確認したりするパートで、声はないが台詞とともにマップで推移が表示される。
---これによりミッション内容がわかりやすくなるなどのメリットはあるが、ロード中の画面であるため一切飛ばすことが出来ない。
--本作はゲームオーバー後のリスタート出来ない。このため再スタート時は毎回このブリーフィングを見せられるため、ストレスとなる。
**賛否両論点
-リアルさへのこだわり
--先にあげた明らかな問題点を含めて、本作はSF的なリアルさを「それっぽく」程度ではあるが、とことん追求しており、その点を評価する声もある。
--基本的にはプレイヤーのやりこみに答えてくれるゲームシステムであり、レベルさえあげればプレイが非常に楽になっていくため、成長を実感出来る。
--先の通りレベルあげは骨が折れるうえ、作業的な感は否めないが、目に見えて成長していく感じにはワクワク感もあり、そこが本作の魅力ともなっている。
--RTSであるため、状況はリアルタイムに常に動いていく。この臨場感もまた本作特有のものである。
---一方で、これらの要素が難易度をあげていることは間違いないため、これらを全て無駄なこだわりとして否定する声も多い。
**評価点
-良く作りこまれたOPムービー
--なんと3分近い長さを誇る非常に濃密な内容。演出なども非常に良く、見ていてワクワクする。
--人間までCGで描かれているため、ともすればシュールに見えるシーンもあるが、モデリングが致命的に悪いわけではない。
-オリジナルのBGMの出来が良い
--ちなみに戦闘中のBGMは各作品の原作楽曲をアレンジして使用している。
--各作品の雰囲気と合っているかどうかは微妙なところだが、ロボットゲームとしては大変雰囲気が出ている。
-リアルな操作感で味わえる無双感
--エースなどは鬼のように強いが、リアルなだけあってドップなどはガンダムの攻撃が当たればあっさり沈んでいく。
--刺客達から味方を守って、孤軍奮闘しているという感覚は、難易度が難しい本作だからこそ味わえるものである。
-ナレーション・永井一郎
--各キャラクターのエンディングは、永井一郎が当時のナレーションよろしく朗読する。作品の違う『0080』や『08小隊』なども同じテンションで読み上げる。
-MSグラフィックスの存在
--アムロ役の古谷徹の代表的な仕事である『カーグラフィックTV』を模したもので、MSのスペック、開発経緯などを古谷氏が淡々と読み上げる。
--感情は一切籠っていないが、アムロが搭乗したガンダムを過剰にまで賛辞したり、失敗機に対しては酷い評価が並んだり、シュールさも内包している。
---かつては公式サイトでも公開されており、ゲームを知らなくてもこれだけは知っているというプレイヤーも。
**総評
操作は難しく、RTS的な指示要素があるなど、かなり難易度の高いゲーム。リアル過ぎてMSの脆さや敵エースの強さもガチ、一撃で自機が落ちることもザラである。~
理不尽な難易度と切り捨ててしまうのは簡単だが、やりこむと本作のそのリアルさが魅力であることに気づくプレイヤーも多くおり、評価がやや分かれがちな作品。~
ただ本作の意図的なゲームバランスの異常さはファンをもってしても認めるところであり、やりこみが必要な点は共通認識である。~
しかしそのやりこみの先にある達成感には素晴らしいものがあり、本作のファンが決して少なくない理由となっている。
**余談
-セイラ・マス役の井上瑤は本作の発売前に死去、本作が遺作となった。
--収録中はスタッフから見ても収録中は難儀していたようで、エンディングでは「謝辞~苦しい中最後まで戦い、「セイラさん」の声を与えてくれた、天国の”井上瑶”様」と追悼コメントが残されている。
--ゲーム中の井上瑤は、病気に苦しんでいる人間とは思えないほどの熱演で、まるで声が衰えた様子もなく、遺作と聞いて購入したプレイヤーを驚かせた。