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*仮面ライダーBLACK 対決シャドームーン
【かめんらいだーぶらっく たいけつしゃどーむーん】
|ジャンル|横スクロールアクション|CENTER:&image(http://auction.thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_aucitem/image2/244/10006244/0627/img5830873287384.jpg,width=160)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ ディスクシステム|~|
|発売元|バンダイ|~|
|開発元|ヒューマン|~|
|発売日|1988年4月15日|~|
|定価|3,300円|~|
|分類|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|笛吹けど踊らず&br()微妙に原作と違う各種設定&br()絶望的なラスボス戦&br()''おのれゴルゴム!''|~|
|>|>|CENTER:''[[仮面ライダーゲームリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/961.html#]]''|
**概要
石ノ森章太郎原作の特撮番組『仮面ライダーBLACK』を原作とした横スクロールのアクションゲーム。~
『仮面ライダー』シリーズでは初となる''リアル頭身''のゲームである。~
プレイヤーは仮面ライダーBLACKとなり、暗黒結社ゴルゴムの怪人や猛獣軍団と戦い、ラスボスのシャドームーンとの決戦に向かう。
ステージは全6種。そのうち第2ステージと第4ステージは愛車のバトルホッパーを駆り進む。
**特徴
横にスクロールし、雑魚敵(怪人のモチーフになった動物。クワゴやエビなど)を避けたり倒したりして奥へと進み、怪人と対決する。~
これが1ステージにつき三回あり、ボス級の怪人を倒すと次のステージに進む。
**問題点
-''あまりにひどい操作性''。
--ボタンを押してもなかなかBLACKは動いてくれず、さらにライダーパンチやライダーキックといった技を放つにはボタンの同時押しが必要だが、少しでも遅れると失敗する。
---敵怪人の放つ遠距離攻撃は「見てからよける」などということは''まず不可能''で、発射されるのを予測して条件反射で躱すしかない。
--歩行速度も''カメかナマケモノの改造人間かと思うほど遅く''、画面端まで向かうのに20秒ほどかかる。
---一応、前転やバック宙も出来る。そのほかジャンプ→パンチかキックを繰り出したほうが数段早くなるため基本的に移動はどちらかを繰り返すことになる。
--そのくせ''敵の怪人は端から端まで一秒足らずで移動可能なスピード''を持ち、明らかにバランスがおかしい。
--当たり判定は''絶望的に小さく''、組み合った状態ではパンチもキックも当たらない。必殺技のライダーキックも、的確な位置に当てなければ''自分にダメージが返ってくるばかり''。
-もちろん回復アイテムなど''あるはずがない''。スコアに応じて戦闘終了後にHPが回復するシステムこそあるが、それ以外の回復方法など存在しない。
-攻撃を受けた後に生じる『無敵時間』と呼ばれるゲームのお約束が、''本作では存在しない''。
--しかも、ボス敵には『無敵時間』が短いながらも存在する。''えっと…このゲームの主人公って誰だっけ?''
-第2ステージのバイク移動では道中に岩が転がっているが、これをよけずに破壊するにはBボタンを押してパンチする必要がある。
-第4ステージには水中戦がある。スタッフは''『仮面ライダーX』((仮面ライダーシリーズ第3作。深海開発用に作られたサイボーグ・Xライダーが活躍する。この作品ではXのバイク・クルーザーが平気で水中を進むシーンがあるが、無論『BLACK』にそんな設定はない。))のゲーム''を作りたかったのだろうか?
--さらにこのステージには、「ジャンプしなければ回避不可能な地雷」が、屋根が恐ろしく低い洞窟に設置してある(つまり100%踏む)という無茶なトラップがある。
-ラスボスの前座として、ゴルゴム三神官ビシュム、ダロム、バラオムが登場するが、発売時期の都合上真の姿は見せてくれない。
--この二番目に戦わされる大神官ダロムがまた鬼畜な強さを持つ敵で、不可視の衝撃波を放ってBLACKを攻撃してくるのだが、その範囲はなんと''画面の半分''。動きの遅いBLACKでは当然よけることは無理で、よほど遠くから攻撃してこない限り、大半この技を喰らうこととなる。前述したように本作には無敵時間がないため、ダロムからは''『ずっと俺のターン』的なハメ殺しに遭う''こともある。
-ラスボスのシャドームーンは、なぜか''紫色で目も赤い''(本当は銀の体と緑色の目)。
--これはまだシャドームーンが登場する回が放送される前にこのゲームが制作されたからであり、仕方ないと言えば仕方ない((もっとも特撮版のシャドームーンも本来はBLACKと瓜二つの姿であるのだが、改造中の不慮の事故によって眠りについてしまい姿が変わったという設定なので、これはこれで間違いではない。))。
--また、石ノ森章太郎による漫画『仮面ライダーBlack』では、秋月信彦はBLACKと同じ姿のバッタ怪人として登場している。ちなみに漫画ではシャドームーンという名称ではない。
-ラスボスのシャドームーンは三神官がまだノロマに見えてくるほど素早く、こちらの技は全て使用可能。言うなれば全スペック同じで素早さは段違いなコピーと戦うようなものであり、難易度は異常に高い。(実際の設定でもスペックはシャドームーン>BLACKらしい。途中で双方強化されて結局スペック差がどうなったのかは不明だが)
--ただ、行動パターンは意外と単純なので、壁際に追い詰めての連続攻撃や、ライダーキック連発などであっさり勝てることも多い。
--シャドームーンに負けるとゲームオーバーではなく「シャドームーンが創世王になり地球はゴルゴムに征服される」というバッドエンド扱いとなり''コンティニューはできない''。つまり、どれだけ苦労してこのステージにたどり着いても、''ラスボス戦で敗北すれば全てパーになる''。
---一応、手前のステージでゲームオーバー時にセーブしておけばのそのステージの最初から再開は可能。
-タイトル画面以外、日本語が一切流れない。
**評価点
-スタート画面の光太郎から仮面ライダーBLACKに変身するエフェクトは原作に忠実で、かっこいい。
--ただし最中に猛烈なポケモンフラッシュ(強い光が点いたり消えたりする現象)が起きるためあまり目にはよくない。
-バイクステージはスピードが速いためにスタイリッシュな戦闘が可能。
--ボス戦でもバイクから降りず、怪人も''轢き殺す''(一応「ダイナミックスマッシュ」という技名がある)。
-ステージボス戦ではHPを犠牲にして必殺技の威力を上げる「バイタルチャージ」が可能であり、これを利用すれば敵のHPをガッポリ減らすことも夢ではない。
--ただし増やせるのは''技一つにつき一回きり''であり、外せばHPをドブに捨てたも同然ということになる。
-崩壊するゴルゴム基地からロードセクター(バイク2号)で脱出するというエンディングは、奇しくもまだ放映されていなかったTV版最終回と全く同じである。そのあと表示されるエピローグ(英語)は、漫画版を読んでいる人には余韻が残る文章となっている。
**総評
昔ながらのバンダイのクソゲー、といった内容。まあシャドームーンのデザインの差異などは仕方ないとしても、操作性の悪さと絶望的な難易度は明らかに子供を対象とした番組のゲームのものではない。倒す方法も一敵一つのいわゆる「覚えゲー」になりがちであり、''それすらも敵の圧倒的な強さによりひっくり返りかねない''。~
『仮面ライダーBLACK』のゲームのはずなのにゴルゴム怪人にライダーがボコボコにされる難易度…もしやこれは''ゴルゴムの仕業か!?''
*仮面ライダーBLACK 対決シャドームーン
【かめんらいだーぶらっく たいけつしゃどーむーん】
|ジャンル|横スクロールアクション|CENTER:&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/160100069.jpg,width=160)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ ディスクシステム|~|
|発売元|バンダイ|~|
|開発元|ヒューマン|~|
|発売日&br()()は書換開始日|1988年4月15日(1988年6月14日)|~|
|定価|3,300円|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|遅すぎるBLACKと普通に動けるゴルゴム&br()絶望的なラスボス戦&br()原作の展開とニアミスするエンディング|~|
|>|>|CENTER:''[[仮面ライダーシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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//操作方法を中心に内容を追記・整理し直した。
**概要
日食の日に生まれた好青年、南光太郎。
彼は同じ日に生まれた親友の秋月信彦と共に暗黒結社ゴルゴムの三神官に誘拐され、組織の次期首領候補である世紀王「ブラックサン」「シャドームーン」へと改造されてしまう。
光太郎は信彦を救い出し、ゴルゴムの野望を打ち砕くため、仮面ライダーBLACKとなって戦いを挑む。
石ノ森章太郎原作の特撮番組『仮面ライダーBLACK』(1987年10月~1988年10月放送)を原作とする横スクロールのアクションゲーム。コンシューマーゲームでは初となる、リアル頭身の『仮面ライダー』のゲームである((PCゲームでは1号が主役の『仮面ライダー』(1984)が初である。こちらは3DダンジョンRPGであった。))。~
本作の発売は本編の中期にあたり、本編では未登場であったシャドームーンが先行登場した。
//昔ログインの記事で見ただけなので詳しくは判らない。ラポートガンダムみたいな立場かもしれないが。とりあえず『ザ・ブラックオニキス』(1984)より後、ブラック本放送より前。
//『ロールプレイングゲームサイド Vol.1』掲載の年表に「1984/?」とあるので、発売年を追記。
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**特徴
-全6ステージ構成の横スクロールアクション。このうち第2・第4ステージは愛車のバトルホッパーで進む。
-十字ボタンの左右で移動、Aボタンでジャンプ、Bボタンでパンチ、''十字ボタンの上でキック''。移動・振り向きとパンチ・キックを同時に出すことはできず、ジャンプ中に移動することもできない。
--ジャンプ中に左右に移動するにはジャンプの頂点でタイミングよく左右キーを押すという格ゲーのコマンド入力のような操作が必要である。必殺技であるライダーキックを出すときは、''ジャンプの頂点でキック=十字ボタンの上を入力''する必要がある(ジャンプ中だとチョップになる)。
-1ステージには3つのエリアがある。道中では怪人のモチーフになった動物がザコ敵として出現し、エリアの最後に待ち構えている怪人を倒すと次のエリアに進む。
--怪人との戦いには100カウントの制限時間が存在する。勝利後には残り時間に応じて得点が入り、体力も回復する。
-3つのエリアをクリアすると、ボス級怪人との戦いになる(このときはライダー・怪人ともに通常の倍のサイズになる)。この戦いに勝利すればステージクリアとなる。
--ステージ4はボス級怪人がおらず、ステージ5は三神官・シャドームーンとの戦いのため、すべてのエリアがボス級戦となる。
-残機の概念はなく、体力が0になった時点でゲームオーバー。ゲームオーバー後はセーブ・コンティニューが可能で、ゲームオーバーになったステージの最初のエリアからやり直しとなる。
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**問題点
-''操作しづらいBLACK''
--移動・ジャンプ・攻撃が同時にできない時点で操作しづらいのだが、これに加えて本作のBLACKは''移動速度が遅いのに走ることができない''。
--ダッシュの代わりとして左右キーとAボタンで発動する「前転」と「バック宙」が用意されている。これも入力のタイミングがシビアで、連続して出すのが難しい。
--方向を変えるときにわずかなラグがあり、このときはボタン入力を受けつけないので、''とっさに振り返って攻撃をすることができない''。
--バトルホッパーの操作は加速が早いことと振り向きにラグがあることが相まって小回りが利きづらい。通常ステージではあまり気にならないが、画面の狭いボス戦では攻撃を当てるのもよけるのも難しい。
//エリアボスを左端で倒し右端まで歩くのを計るとおおよそ9秒。20秒もかからない。某攻略動画で「20秒」と記述されているのを鵜呑みにしすぎではないか?ここ以外でもその動画の記述引用が散見される記事だし。
-''強すぎるゴルゴム''
--敵の動きと弾速が速く、見てから避けることが難しい。BLACKの攻撃の当たり判定が小さいこと、無敵時間が存在しない(後述)ことで、位置取りを誤るとこちらが一方的にダメージを受けるだけになる。
--この仕様のおかげで、''画面の半分を覆う不可視の衝撃波を放ってくる''大神官ダロムが最強の敵である。動きの遅いBLACKが避けることはもちろん不可能で、そのままハメ殺しされかねない。
--ラスボスのシャドームーンは三神官がノロマに感じるほど素早く、こちらの技を全て使用可能という完全な上位互換である((この性能差は、ある種の原作再現ではある。原作のBLACKは改造手術の途中で逃げ出しているため、改造手術を終えたシャドームーンよりも初期のスペックが低いのである。その後、BLACKもシャドームーンも強化されているので、最終的なスペック差は不明だが。))。行動パターンは意外と単純なので、壁際に追い詰めての連続攻撃や、ライダーキック連発などであっさり勝てることも多い。
-''シビアすぎる仕様''
--''怪人を倒すこと以外に体力の回復方法が存在しない''。回復量は怪人戦での残り時間に依存するため、苦戦を強いられる後半になるほど体力の回復量が少なくなる。
--無敵時間が存在しないため、攻撃の激しいところで一度ダメージを受けると、連続ダメージを受けてごっそりと体力を減らされる。これに対して、ボスにはわずかだが無敵時間が存在する。
--ジャンプしなければ回避不可能な地雷が、屋根が恐ろしく低い洞窟に設置してある(=必ず地雷を踏む)箇所がある第4ステージなど、確定で体力を減らすトラップが仕掛けられているところがある。
--ボス戦では体力を減らす代わりに必殺技の威力を上げる「バイタルチャージ」が可能だが、増やせるのは技1つにつき1回きりのうえに、攻撃を外すと体力は完全に無駄になる。本作の体力の仕様とは、かなり相性が悪い。
--''シャドームーンに負けると、「シャドームーンが創世王になり地球はゴルゴムに征服される」というバッドエンド扱いとなり、コンティニューできない''(不便だが、手前のステージでセーブすれば回避できる)。
//-第2ステージのバイク移動では道中に岩が転がっているが、これをよけずに破壊するにはBボタンを押してパンチする必要がある。
//これだけでは問題点としては弱い。
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**評価点
-''原作の再現''
--光太郎がポーズを決めてBLACKに変身するOPのエフェクトは、原作に忠実でかっこいい(変身中に強い光の点滅が起こるので、目には良くないが)。
--ファミコンにしてはグラフィックが精巧であり、動作も多彩。バイクのアニメーションにはこちらを向いた中割りが用意されている。
--原作に登場した怪人、ゴルゴム三神官にシャドームーンと、戦える相手が多いのも『仮面ライダー』のゲームとしては嬉しい。
-''音楽''
--主題歌を彷彿とさせるフレーズで、原作の雰囲気に合ったシリアスな仕上がりになっている。
-''バイクステージのスタイリッシュさ''
--スピードが速く、全体的にもっさりしている本作の数少ないアクションゲームらしさが楽しめる箇所である。
--''ボス戦もバイクに乗って戦い、怪人も轢き殺す''。この攻撃には一応、「ダイナミックスマッシュ」という技名がある((バイクで轢くのは1号(サイクロンアタック)のころからの伝統ではある。シリーズ全体ではスカイライダーで登場した「ライダーブレイク」という名称を使うことが多い。))。
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**総評
BGMの再現性やリアル頭身のボス戦、原作要素を踏まえたストーリー展開、ライダーキック、バイタルチャージを出せるところと、キャラゲーとして評価できるところは多いのだが、操作性の悪さに起因する難易度の高さがすべてを台無しにしてしまっている。~
特に苦痛度では大神官ダロムの厄介さという一点だけで後の『[[仮面ライダー サモンライド!]]』とも良い勝負を演じられるだろう。~
''『仮面ライダーBLACK』のゲームなのにライダーがボコボコにされる…。もしやこれは、ゴルゴムの仕業か!?''
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**余談
//姿・エンディングに関しては余談に移動
-本作で先行登場したシャドームーンはBLACKの色違い(紫)のような姿で、TV版のものとは異なっている。
--TV版のシャドームーンは「本来はBLACKと瓜二つの姿だが、改造中の不慮の事故で眠りについてしまい、姿が変わった」という設定なので、これはこれで間違いではない。
--石ノ森章太郎の漫画『仮面ライダーBlack』では、秋月信彦はBLACKと同じ姿のバッタ怪人として登場している。
//--後に制作されたアトラクションムービー『仮面ライダー3Dバトル FROMガンバライド』、『仮面ライダー3Dバトル FROMガンバライジング』及びゲーム作品『[[バトライド・ウォー創世>仮面ライダー バトライド・ウォー創生]]』では、今作を意識したのか、赤いシャドームーンが登場する。
//↑紫なら本作を意識してるかもしれないが赤いんならアナザーシャドームーンでしょ。本作とは無関係と思われるよ。
-エンディングは本作オリジナルだが、その後の原作の展開とも重なるものになっている。
#region(一応、ネタバレ注意)
崩壊するゴルゴム基地からロードセクターで脱出するエンディングは、奇しくもTV版最終回と全く同じものになった。~
また、その後に表示されるエピローグは、漫画版((光太郎は時空を超えた戦いの末に、未来世界に君臨する暗黒の「魔王」を打ち倒す。それが光太郎であったのか信彦であったのかは誰にも分からない。))を読んでいる人には余韻が残る文章となっている。
#endregion
-第4ステージは''水中をバトルホッパーで進む''のだが、『BLACK』本編にそのような場面や設定はない。スタッフは『仮面ライダーX』((『仮面ライダー』シリーズ第3作。深海開発用のサイボーグがXライダーとして戦うこと、水陸両用のバイク「クルーザー」に乗っていることなど、海と縁が深い。))のゲームを作りたかったのだろうか?