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*THE OUTFOXIES 【あうとふぉくしーず】 |ジャンル|2D対戦アクション|&image2(of.jpg,width=150)| |対応機種|アーケード(NB-2)|~| |販売・開発元|ナムコ|~| |稼働開始日|1995年3月((正式稼働は1995年だが、開発及びロケテストが1994年に行われたためタイトル画面には「©1994」という表示がある。))|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- #contents(fromhere) ---- **ストーリー -謎の美術商ミスター・アクメ。彼は7人の美術品鑑定士と結託して贋作を売りさばき、さらには7組の殺し屋達を雇い、彼らを殺させた。依頼を遂行した殺し屋達に更なる指令が届けられる。~ 「他の6組の殺し屋達を始末せよ。手段は問わない(Kill your Enemy by any means.)」~ かくして多額の報酬と殺し屋としてのプライドを賭けた、血みどろのバトルロイヤルが始まる。 **概要 -本作は2D対戦アクションゲーム。''時間経過で刻々と状況が変化する場所を舞台にした、命がけのタイマン一本勝負。'' -1レバー2ボタン(ジャンプボタン・アクションボタン)制。基本動作はレバーのみでは単純に移動・ダッシュ・しゃがみ・前転などといった類で、レバーとジャンプボタンを組み合わせると斜めジャンプ・足場の昇降・足場や崖端に掴まるといった更に高度な動作が行える。アクションボタンは素手状態では徒手格闘攻撃、武器を持っている状態ではそれを使った攻撃を行う。 --操作系は、ナムコの過去作品『ローリングサンダー』シリーズの発展形である。(レバー2回入力によるダッシュ、斜め下入力の前転が追加された) -プレイヤーは7組(大人5人+双子1組+猿1匹)から使用キャラクターを選択。残る6組をすべて殺し、ラスボスであるミスター・アクメと対戦する。 #region(キャラクター一覧) --''ジョン・スミス'':革命の指導者からベビーシッターまで、報酬の為なら仕事を選ばないという豪快な触れ込みの隻眼の男。在日占領軍士官の息子であり、禅の奥義を学んでいる。ダルマがプリントされた妙なセンスのTシャツが特徴。 ---主人公的な立ち位置に相応しく、全体的に癖が少なく扱いやすい。その上、体力が全キャラで2位という相当なタフさをも併せ持つ万能タイプのキャラ。初心者でも上級者でも存分に戦える。 ---素手状態のダッシュ攻撃が扱いにくいなど欠点が無いわけではないが、武器攻撃がメインのゲームバランスなので気にならない。 ---専用ステージはビル。冒頭で起爆した爆弾が爆発するとビルが崩壊し始めると同時に地下ステージが開放され、タイムオーバーで完全崩壊となる。 --''ベッティ・ドー'':金髪美女。14ヶ国語を自在に操るインテリにして、狙撃の名手。表向きは「20世紀最も成功した女性実業家」に名を挙げられ、全米3位の所得を持つが、幼少期は貧民窟で飢えに苦しんでいたという過去を持ち、その金は文字通り血に塗れた手で掴んできたもの。裕福な富豪となった今も殺し屋の世界から抜けることはせず、さらなる収入を狙う。 ---銃の射撃精度が極端に高く、移動時の滑りが皆無。しかも射撃以外の攻撃モーション全般も隙が少ない安定性能が驚異。ただし移動速度が最遅でジャンプ力にも欠け、しゃがみ時の姿勢が高すぎて危ないという大きな難点もある。 ---しかし攻撃の正確さや「静」に徹底したその性能は、攻撃手段が武器主体かつ「待ち」が強力な選択肢である本作のゲームバランスにマッチしており、高性能キャラとして知られる。 ---専用ステージは水族館。一定時間経過すると水槽が破壊されてステージ内に浸水し始める。水中では泳ぐことはできるが鮫などの攻撃を受ける。 --''バーナード・ホワイト'':鋼鉄の義手を身につけ、消火栓を素手で引き抜くほどの怪力を誇り、素手による大量殺人記録更新中の黒人の大男。元は米国中央情報部のエージェントだった。人間以外はゴキブリですら殺すのを嫌がるという極端すぎるナチュラリストでもある(ただし人間ではないドゥイーブ相手の場合も特にペナルティ等はない)。 ---身体が大きいので的になりやすい(喰らい判定が大きい)が、最もタフなので自爆戦法や先行逃げ切り型の戦法、相手キャラに粘着して強引に殴りまくる戦法との相性が抜群。 ---素手による格闘攻撃がぶっちぎりの最強で武器攻撃並、設置オブジェクトの持ち上げ・投げつけ動作が非常に速い、ロケットランチャー発射時に姿勢があまり崩れない、といった体格と怪力を活かした長所も見逃せない。ちなみにトレードマークの義手を使った素手攻撃はなぜか1種類しかなく、使い勝手も悪い。 ---専用ステージは列車。列車から転落するとダメージを受けた上で最後方からの復帰となる。 //素手攻撃が頭突きでダッシュ攻撃がボディアタックだから義手攻撃はない。 //ジャンプレバー下入力の素手攻撃が真下への義手パンチですよ。 --''イヴ'':仕込んだトカゲを操る窃盗の名人にして、元ポルノ女優。金目当てでこれらの闇の稼業に手を染めた果てに、高額な報酬が得られる殺し屋へと転身した。ピンク色の長髪に奇抜なフェイスペインティング、肩に乗せている相棒のトカゲが特徴的。 ---最高のジャンプ力を持つ上移動も速い方で、総合的な運動能力が最も高い。ただし咄嗟に止まる・狙いをつけるといった細かい動作がやや苦手。 ---相棒のトカゲはイヴに張り付いている場合は背中側の銃弾を1回だけ防ぐ(死ぬことはない)。撃ち落とされたあとは再びイヴの元に戻ろうとするが、手榴弾が落ちているとピンを抜いて持ち運ぶといった暗躍を見せる事がある。もっとも、トカゲ自体は手榴弾を持っていてもイヴに張り付こうとするので、タイミングが悪いと自爆してしまうこともしばしばあるが…。 ---専用ステージはサーカス会場。トランポリン、空中ブランコなどのギミックが多彩。地上にいると動物の攻撃を受けることもある。中盤に解禁される人間大砲は本作中最大威力を誇る(弾数制限あり)。落ちている拳銃は玩具銃が混ざっている。 --''プロフェッサ・チン'':自らが開発した殺人車椅子に乗る謎の科学者で、中国拳法の達人。第二次世界大戦時には「東洋のアインシュタイン」とも呼ばれた。高齢かつ車椅子だが、アグレッシブな格闘攻撃を見る限り五体満足らしい。 ---制動能力と体力の低さがネック。しかし、背後からの銃撃が無効、ロケットランチャーを完璧にまっすぐ撃てる、ダッシュが最速と、車椅子を活かした部分的に尖った性能を持つ。 ---長所と短所がどちらも極端であるため上級者向けのキャラだが、自分に有利な環境が整えられれば対抗できるキャラはいないだろう。 ---専用ステージは武器密造工場。拳銃が製造されている。木箱を壊すことで拳銃が入手可能だが、不良品も混ざっている。 --''ドゥイーブ'':バナナの為に人を殺す、世界唯一の殺人猿。タキシードで正装している様がなんともシュールな、本作の雰囲気を体現しているキャラ。 ---猿らしく身体能力が高く、体格が非常に小さいゆえ敵の攻撃をかわしやすい。しかし射撃がド下手であり、撃った銃弾やロケットは明後日の方向にブレていくことが殆ど。本作のゲームバランスでは一概に短所とは言えないものの、これが吉と出るか凶と出るか? ---射撃がらみのバクチ要素は、刀や手榴弾など「射撃武器ではない武器」を中心に使えば無視する事もできる。上級者向け。 ---専用ステージはヘリコプター。固定銃座が利用できるが背後は無防備。格納庫には多数の武器コンテナが。中盤になるとヘリが被弾し、大きく傾く。ヘリから転落したら、大ダメージを受けるが即死することはなく、別のヘリで運ばれて復帰する(HPが尽きた場合も復帰後に倒れる)。 --''ダニー&デミ'':大人をしのぐ知能と冷静さで犯罪を繰り返す、邪悪な双子の姉弟。ダニーが弟で、デミが姉。発狂した学者の研究所で生み出され、実験用のハムスター達と一緒に檻の中で育てられたという陰惨な育ち方が原因で、知らない人と「戦争ごっこ」(=殺し合い)をするのが何よりも楽しみという歪んだ思想の持ち主に。作中では知性よりも狂気を感じさせる描写のほうが目立つ。 ---体力が最低、機動力に欠ける、常に二人で行動している為喰らい判定が大きいなど基本性能の低さが目立つ。しかし「予備の武器を1つ持つ事ができる」という、戦況を覆す爆発力がある((通常、一度被弾すると必ず武器を落とし素手になるが、予備の武器を持っていれば被弾した状況からでも武器で反撃を試みることができる))とんでもない特性を持つ。上級者向け。 ---意外にも、素手によるダッシュ格闘攻撃((ダニーがデミを振り回し、デミが遠心力を活かして回し蹴りを見舞うという技。))がバーナードに次ぐ高性能。双子の基本性能が低いため積極的に狙うべきではないが、侮れないものがある。 #endregion -アイテムの上でしゃがむことでそのアイテムを入手できる。新しい武器の上でしゃがめば持ち替えもできる。 --(双子以外は)一度に一つのアイテムしか持ち歩く事は出来ないが、銃座等の固定武器を使用する場合は武器を持ったままでも可能。 --武器には銃器・爆発物・その他に分かれており、爆発物は一回だけ((手榴弾は攻撃ボタンを押すと「ピンを抜く」動作をして、それで一回である))、銃器は弾数制限があり、弾が無くなった後は投げつけて攻撃する事ができる((折れた刀やピンを抜いた手榴弾も同様に投げつけることができる))。 ---刀は振って攻撃する他、ボタン押しっぱなしで構えることで銃弾を防ぐことができる。ただし、耐久力が設定されており、耐久力が尽きると折れてしまう。 ---ピンを抜いた手榴弾を投げずにいると、カウント(手榴弾の上に表示)が0になった瞬間に爆発してダメージを受ける。 --木箱やドラム缶は通常の武器とは別に持ち上げ・投げつけが可能。木箱は地上で相手の頭部にぶつけると目隠し状態にして強制的に前方に歩かせ(ジャンプと攻撃は可能)、ドラム缶は相手を押しつぶして身動きを取れなくする。くらった側はいずれもレバガチャ・ボタン連打で脱出を早められる。 --ステージによっては料理や機関車の石炭など、思わぬものも武器代わりになる。 --すべての武器は、持ち主が被弾すると落としてしまう。この時、残弾のない銃器や破損した刀は消滅する。そのため、被弾直後は無防備に近く危険である。 -どの攻撃も基本的に上下左右4方向、または8方向へ全方位攻撃が可能である。ジャンプ中に下入力のままアクションボタンで真下にも攻撃できる。 **評価点 -見ただけで解るシンプルな2D対戦システム。ライトユーザーからコアユーザーまでとっつきやすい。 -キャラクターの長短を生かした地形デザイン。 --キャラクター性能面の個性は、独自の特性を持ちあからさまな性能付けをされたチンとダニー&デミ以外は極端ではないが、ドラム缶越しに攻撃できる・遠距離での撃ち合いに強い・マシンガンで当る弾数を減らせると言った数々のシチュエーションで大きな差になって現れる。 --やればやるほど細かい点で思わぬキャラクターの得手不得手が分かってくる奥深さ。 ---例えば「ロケットランチャー発射時の反動」による優劣も状況によって存在する。反動で転ぶ事により身が低くなる→天井に撃っても自爆にならないと言う擬似自爆攻撃と言うべき高度な戦術があったり、反動が大きいベッティやジャンプ力最高のイヴなら「垂直ジャンプして地面にロケットランチャーを撃つ」というテクニックが安全に狙える、といった具合。 ---基本的には強キャラとされるベッティも本作上級者が相手となれば、ほぼ完璧な射撃精度が裏目に出て「射撃の弾道を読まれる」「中距離正面で射撃を回避される」といった弱点を露呈し始める。 -絶えず変化するギミックの多いフィールド。 --常に左右に揺れる船・爆発と同時に床が抜けて広大化する屋敷・人間大砲や象や虎と言った乱入の多いサーカス等、豊富なラインナップ。「殺し屋」という殺伐としたテーマの作品でありながら全体的にシュールでキレたセンスは、本作の大きな魅力といえるだろう。 ---多くのステージで、残り時間が少なくなると攻撃以外でのダメージ源(第三者からの被ダメージ)が出現する。ちなみに、ドゥイーブステージで画面外に落ちた(ヘリから転落した)場合や、バーナードステージで線路に落ちて後方にスクロールアウトした場合は、一定ダメージを受けた後にステージに復帰させられる((どちらも復帰際の無防備状態を狙われやすく不利。特にバーナードステージではトロッコで列車に追いつき飛び乗って復帰なのだがここを狙われると再び転落しやすい))。 -クセのある武器と、それらの優れたバランス。 --シンプルな拳銃に銃弾を弾ける刀、ロケットランチャーや火炎放射と武器は様々。その一方で「マシンガンは弾数が多く連射力が高いが、1発ごとの威力が低い」「爆発物は単発のダメージが最も大きいが、自分もダメージを受けるリスクがある」など武器それぞれに一長一短があり、単純な上位互換・下位互換が無い。 ---流石に武器以外(ワックスフルーツやパイなど)は威力の無い下位互換ではあるが、なんでもいいから利用するというスタンスが感じられ雰囲気抜群。 --ステージによっては、拳銃にハズレ(玩具銃)が混ざっていることもある。ハズレは実際に拾って撃つまで判別できず((ハズレの拳銃を撃つと、銃弾ではなくクラッカーのように紙テープが飛び出したり、旗が出たりする))、肝心な場面で大きな隙きを見せることとなる。 -世界観を彩る演出の数々。 --戦闘シーン以外では常に画面下部に英語字幕、右部に縦書きの日本語字幕が表示されるという、映画を彷彿とさせる画面構成となっている。 --勝利したキャラクターによる相手キャラの映ったモニターの処理方法にも、それぞれの持つ強烈な個性が打ち出されている。 ---例としてジョンは「DONE」という紙を貼り付ける、バーナードは画面を拳で破壊する、ドゥイーブは子供番組にチャンネルを変える、など。まともに電源を切るのはベッティのみ。 --音楽がいやに渋い。「殺し屋」をテーマにしただけある渋さで、どの曲も聴き応えがある。 ---メインテーマであるBGM「The Outfoxies」に乗せて、幕間デモで使用されるモニター画面を利用して殺し屋7人とストーリーを紹介するオープニングデモは秀逸な出来。 ---1人プレイでしか聴けないが、先のメインテーマのアレンジである殺し屋の矜持を剥き出しにしたラスボス戦BGM「Counter Blow」と、完全ピアノソロでムード満点のエンディングBGM「Enjoy Life」は特に必聴。&br()エンディングの演出も曲の雰囲気に沿う形で映画のエンドクレジット風に仕上がっている。同時に、莫大な報酬金を手にした使用キャラが曲名通りその後の人生を満喫する様子が3枚のグラフィックで描かれており、キャラクターにより多種多様ながら、いずれも死闘を生き抜いた安堵や勝者となった優越感が伝わってくる内容となっている。 --黒幕であるミスター・アクメはシルエットで映し出され、変声機を用いて指示を送るなど謎の人物としてのイメージを強く印象付けており、最終ステージで意外性とともにその正体を明かすという粋な展開が用意されている。 #region(ミスター・アクメ) -''ミスター・アクメ'':本作の黒幕であり最終ボス。贋作を売りさばく美術商で、証拠隠滅のために他の美術商と殺し屋達を一斉に消そうと企んでいた。さらに勝ち残って報酬を受け取りに来た殺し屋をも始末しようと、自宅に様々な罠を仕掛け自分たちはヘリコプターで逃げ出そうとする。夫婦で一緒に行動しており、太った中年女性の妻が実質的なリーダー。 #endregion **賛否両論点 -ダメージソースが武器に依存しており、さらにはステージ自体の時間に応じた状況変化やギミックも実に多彩であるため、勝率を上げるにはステージごとの特徴や武器の配置の把握が必須となる((ステージの知識がなければ、ロケットランチャーやマシンガン等強力な武器を真っ先に入手する、あるいはそれを取りに行く相手を迎撃する、といった戦闘開始直後の初手すら見えてこない。))。また、銃弾・ロケット弾の弾道や特定地点での武器のランダム出現といった運の要素も勝敗に大きく関わっている。これらの要素に操作体系も合わさり独特なゲーム性が形作られているため、前述のようにとっつきやすくはあるが、プレイヤーによってゲーム性を理解するうちに好みが分かれる可能性は否定できない。 --一般的な対戦アクションとは少々雰囲気が異なり、ゲーム性は強いて言えば対戦型FPSに近い。 -待ちが非常に強く、さらに相手より下の位置を取ったほうが有利なため、特に熟練者になるほどしばしば待ち合いが発生し、タイムオーバーによる決着を迎える展開が目立つ。 --対戦ゲームはガンガン攻めて勝ちたいんだ、という性格の人には向かないかも知れない。 --もちろんその待ちも常時絶対的に有効な手段というわけではなく、地形を無視して攻撃できる刀や爆発系の武器を使用すれば揺さぶることができるし、(ステージにもよるが)地形の変化により待ちを解かざるを得ない状況も発生する。 ---待ち戦法以外には、バーナードの体力にものを言わせた自爆戦法、イヴやチンの機動力・銃弾への耐性を利用したリードを奪っての逃げ回り戦法、ドゥイーブの当たり判定の小ささを活かし刀を持ってひたすら粘着する戦法がよく見られる。これらを駆使しても待ちに全く頼らず戦うことは難しいが、待ち戦法があまり好きではない人は試してみてほしい。 -ズームイン・アウトが頻繁に発生するため、目の疲れが起こりやすい。 --両者の距離によって拡大・縮小が行われるカメラ設定となっており((互いにフィールドの隅と対角線上の逆隅に位置すれば全景が表示されると言った具合に、必ず両方のキャラクターが画面内に表示される仕様))、体質によっては酔ってしまう事も。この体質の意味においてもプレイヤーを選んでしまうとも言える。 --両者があまりに離れすぎていると縮小率が高すぎて豆粒のごときサイズで表示されてしまう。 **問題点 -七人の殺し屋はどれも独特の性能を持ち、代替キャラがいないのに''同キャラ対戦ができない''。対戦ゲームとしては致命的であると言わざるを得ない。 --殺し屋達は唯一無二のため世界観的には仕方なかったのかもしれないが、例えばストーリー的に「偽者がいるので一旦依頼を後回しにして始末してくる」などといったような説明をすれば、同キャラ対戦が出来ても不自然ではなかったのではないだろうか。 ---もっともこの例だと、ドゥイーブに偽者がいると「世界唯一」ではなくなってしまうのだが。 --乱入時にキャラクターの選びなおしも行われないため、そのときの相手が使用している以外のキャラクターから選ばなくてはならない。 ---自分が最も使い慣れているキャラクターが既に取られている場合も想定し、最低2キャラを使いこなせるようにしておく必要も生じる。 --このため、本作の大会などは特殊なルールを設けないと行いにくく(特に後述するように強キャラで知られるベッティは使用者も多いため、ルールなしではほぼ確実に揉め事になる)、望むキャラが取れずに負けてしまった時の理不尽感も強い。 -フィールドによっては明らかに特定プレイヤー側が開幕有利の場所がある。(ビルステージ、列車ステージなど) --試合開始時のスタート地点は、各ステージごとに1P用スタート地点・2P用スタート地点が固定で用意されている仕様のため。基本的に1P側のほうがロケットランチャーまでの距離が近いステージが多く、優位を得易い。 -体力が平均的で銃の扱いが非常に上手く、ブレーキング能力が高いベッティが対人戦ではお手軽に強すぎるきらいがある。 --絶対的に強いのは足場が水平かつ広い時などであるが、どんな時も本作最強の攻撃と言える「拳銃コンボ」が安定して決めやすすぎる点が問題視される。 ---拳銃は1発で敵の体力を7%程度奪う地味な高威力なのだが、装填数は7発もある。しかも、被弾時のよろけ中は無敵時間ではないため連続ヒットさせる事が可能。そして、連続ヒット時に威力の補正は一切無い。つまり、全弾を一気に命中させると一瞬で5割前後の大ダメージを与える事が可能なのである。 --また、銃器のみならず接近戦の要となる刀を使用した場合でも攻撃判定がトップクラスに強力。ベッティの機動力の低さを補うための措置とも考えられなくもないが…。 --CPUとして戦う場合はアルゴリズムの影響でさほど脅威ではない。 --他に強いキャラと言われるのはイヴ(足が速いために武器を取得できる機会が多く手数で押せ、体力も地味に高い)、ジョン・スミス(なんでもできる)あたり。 --だからといって下位キャラがどうしようもなく弱いかというとそういうわけでもない。例えばプロフェッサ・チンは背後からの銃撃を受けないため、不利な状況ではあえて振り向いて背を見せることでガードができる、ダニーとデミは武器を二つ持てることにより被弾上等のゴリ押しがしやすく、更に素手になってからもダッシュ攻撃による暴れが強いなど。 -ステージ選択が不自由。 --CPU戦では対戦相手ごとにステージが完全固定なため少し飽きやすい。 --逆に、対戦プレイ時はステージはランダム選択のみで任意決定不可能(アクメステージのみ絶対に選ばれない)。どちらにせよ自由度が低い。 -CPU戦最後のステージである「アクメ邸」は、進行がノーヒントでありクリア方法がやや分かりにくい。分かってしまえば簡単なのだが。 --但し、体格が小さく投擲動作が遅いドゥイーブ、投擲力の低いプロフェッサ・チンおよびダニー&デミはある箇所が難関となるため一転、該当場所で詰まりやすい。 --逆に彼らのみ簡単に突破できる箇所もあるため、単純に不利というわけではない。 //おそらく難関というのはエレベーターの下で手榴弾投げ返すところだと思われる。有利になるのはドゥイーブ:二階の箱の山積みは一番上の一個だけどければ突破可能、チン:三階の廊下をダッシュで&アクメ氏の銃弾を後ろ向きで無傷、ダニー&デミ:箱の山積みを二個づつ処理できる点。ネタバレ防止にCOで。 **総評 対人戦向きのジャンルといえば格闘ゲームが主流であった当時において、このような類のない対戦ゲームシステムを構築したことは高く評価できる。シンプルながら戦術性の高いシステム、非常に"濃い"殺し屋の面々、映画風味のハードボイルドが基本ながらどことなくコミカルな演出、どれをとっても唯一無二の独特さに溢れている。どうしても回避できないアンバランスな点も抱えているが、それを踏まえても魅力の薄れない作品といえる。&br()後述する理由により、現在ではお目にかかる機会が非常に少なくなってしまったが、見かけた場合はぜひともプレイしてほしいタイトルである。 **余談 -CPU戦のハイスコア争いであるが、稼働後短期間で限界点(1400万点)達成者が多数出たため早々と集計が打ち切られている。 --全7戦パーフェクト勝利にて達成。本作の得点源は「1人プレイ時の勝利時残体力ボーナス」のみである事が理由である。 ---本作のスコアシステムは、各ステージごとに得られる報酬(ステージごとに固定)から、被ダメージに応じた医療費(こちらも、ステージごとに報酬と同様に高騰する)を差し引いた利益が得点になるというものであり、タイムオーバー決着でもペナルティは一切ない。 -漫画『ブラック・ラグーン』に登場する銀髪の双子男女・殺し屋のヘンゼルとグレーテルというキャラは、同名童話とともに本作のダニー&デミが元ネタであるとされる((作者の広江礼威氏はゲーム好きで、アーケードゲームの同人誌を出していた経歴もあることで知られる。))。 -コンセプト&デザイナーの梅田正輝は『子育てクイズ マイエンジェル』を、作曲担当の福澤正洋は『[[ネビュラスレイ]]』や『[[アカツキ電光戦記 Ausf.Achse]]』を手がけている。 -ストーリーがストーリーだからか家庭用機種には移殖されておらず((一応、プレイステーションに移植予定はあったものの結局キャンセルされてしまった。))、古いゲームゆえに基板も少ないため((ちなみに本作と同じ基板を使っている作品は『マッハブレイカーズ』のみ))、現在ではプレイできる機会が非常に限られている。 --また、ダニー&デミのキャラクター設定が極めて陰惨なものであるという設定も、移植が実現しない壁のひとつとなっているのかもしれない。 --当時の基板の出回りはどちらかといえば少なめだった影響もあってか基板の販売価格もやや高騰気味で店舗入荷・個人所有はし難い方とも言える。 //NB-2が故障多いって話はあまり聞かなかったぞ。NA-1が比較的多かったのと勘違いしてないか? --本作でもっとも魅力的である対戦台も、秋葉原等の極地に行かなければ見かける事は無いと言ってもいい。 ---一方、対戦台を導入している店舗によっては、現在でも店内規模の対戦会を散発的に行っているところもある。 //「プログラミングが複雑すぎて移植できない」という噂も見かけましたが、具体的なソースまでは分かりませんでした。ご存知の方は記述をお願いいたします。 //NB-2自体、汎用筐体向けの基板だから「古い筐体」って表現自体そもそもおかしいだろ。 --ナムコおよびバンダイナムコ開発のクロスオーバー系作品においても本作のキャラは長らくノータッチであったが、Switch作品『ファミスタ エボリューション』においてドゥイーブがブラックナムコスターズ((ナムコスターズの悪役キャラバージョン。))所属投手として登場し、ようやく日の目を見ることとなった。 -プレイヤー間では本作を語るうえでしばしば『[[スマブラ>大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ]]』が引き合いに出される。小道具を使用する点やステージが広大かつギミックが仕込まれているという点では共通しているが、本作はその小道具やステージのギミックが中心的な要素である点、『スマブラ』は素手での攻撃が基本であり、小道具やステージギミックは補助的である点が大きな違いと言える。
*THE OUTFOXIES 【あうとふぉくしーず】 |ジャンル|2D対戦アクション|CENTER:&image2(of.jpg,width=150)| |対応機種|アーケード(NB-2)|~| |販売・開発元|ナムコ|~| |稼働開始日|1995年3月16日((正式稼働は1995年だが、開発及びロケテストが1994年に行われたためタイトル画面には「©1994」という表示がある。))|~| |プレイ人数|1人~2人|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|個性豊かな殺し屋たちの仁義なき果し合い&br;FPSチックの独特な対戦システム&br;スパイアクション映画を思わせるスタイリッシュな演出|~| ---- #contents(fromhere) ---- ~ #center{&size(20){''様々な武器を駆使し、敵の殺し屋を抹殺せよ''}} ~ ---- **ストーリー 謎の美術商ミスター・アクメ。彼は7組の殺し屋達を使って、美術品鑑定士7人を暗殺した。依頼を遂行した殺し屋達に更なる指令が届けられる。~ 「他の6組の殺し屋達を始末せよ。手段は問わない(Kill your Enemy by any means.)」~ かくして多額の報酬と殺し屋としてのプライドを賭けた、血みどろのバトルロイヤルが始まる。 ---- **概要・ゲームシステム -本作は2D対戦アクションゲーム。''時間経過で刻々と状況が変化する場所を舞台にした、命がけのタイマン一本勝負。'' --制限時間は200秒で、時間内に敵の体力を全て奪って撃破するか、タイムアップ時に体力が多く残っている側が勝利となる((通常勝利の場合は"○○ WON!"、タイムアップで勝利した場合は"○○ SURVIVED."と表示される。)) --キャラクターの体力は3色のゲージで表され、ダメージを受けるごとに緑→黄→赤へと推移し、赤のゲージが尽きると敗北(死亡)となる。キャラクターにより体力の多さ(ダメージ耐性)に違いがある。 ---加えて本作の対戦では''体力ゲージが双方同量でタイムアップになっても、ダメージ耐性が高いキャラが勝利する''仕様となっている。その為、本作にはタイムアップ時の引き分けという判定が存在しない((相打ちになった場合も同様で、所謂ダブルKOにならず、耐性が高い方が生き残る仕様となっている(その場合は耐性が高い方の致死ダメージが無効になり生き残る流れになる)。))。ちなみにこのダメージ耐性は「バーナード>ジョン>イヴ>ベッティ>チン>ドゥイーブ>ダニー&デミ」の順に高くなっている((追記するとCPU専用のラスボスであるアクメ氏がバーナードより上の耐性に入る。))。 //キャラを問わず後半ほどCPU側の体力が高くなるCPU戦に関してはラスボスのアクメ氏以外は解りません。なので解る方がございましたら追記お願いします -1レバー2ボタン(ジャンプボタン・アクションボタン)制。基本動作はレバー単体では移動・ダッシュ・しゃがみ・前転などが行え、レバーとジャンプボタンを組み合わせると斜めジャンプ・足場の昇降・足場や崖端に掴まるといった更に高度な動作が行える。アクションボタンは素手状態では徒手格闘攻撃、武器を持っている状態ではそれを使った攻撃を行う。 --攻撃を受けるとその場に転倒し、起き上がり後に無敵時間が発生する((一部の威力が低い攻撃の場合は仰け反るのみで転倒しない。))。また、武器を持っている場合は落としてしまう(残弾のない銃器や破損した刀は消滅する。)。そのため、ダメージ直後は無防備に近く危険である。 ---転倒中は無敵ではないため、攻撃した側は射撃武器を使用していれば立て続けに追撃できるが、攻撃が外れて弾薬を余分に消費するリスクもある。攻撃が命中した部位や追撃等によるダメージ補正は存在しない。 --ある程度の高さから落下する、爆風を浴びる、空中でダメージを受けるなどすると、着地時に転倒→体勢を立て直すという仕草を見せる。当然ながら相手には隙を晒すこととなる。 --操作系は、ナムコの過去作品『[[ローリングサンダー]]』シリーズの発展形である(レバー2回入力によるダッシュ、斜め下入力の前転が追加された。)。 -上述の徒手格闘攻撃はニュートラル・ダッシュ中・しゃがみ中・上方向・空中下方向の5種類が存在するが、いずれも威力が非常に低いため牽制程度にしか利用できず((ダッシュ格闘攻撃のみわずかに威力が高い。))、武器(アイテム)を使用しての攻防が主体となる。 --武器の上でしゃがむことでその武器を入手できる。新しい武器の上でしゃがめば持ち替えもできる。ダニー&デミ以外は一度に一つの武器しか持ち歩くことが出来ない。 ---持ち替え時は先に持っていた武器は背中側に捨てる。これを利用して武器の入手→後退して持ち替えを繰り返し、自分の後方に武器を運んでいくというテクニックも存在する。 ---ベッティ・チン・ドゥイーブ・ダニー&デミの4キャラは、頭上の昇降可能な足場に武器がある場合、下からジャンプしてレバー下を入力することで足場に登らずに武器を入手できる。 --武器は銃器・爆発物・その他に分かれており、銃器は弾数制限があり、入手するたびに体力ゲージの上に残弾数が表示される。弾が無くなった後は投げつけて攻撃する事ができる(折れた刀やピンを抜いた手榴弾も同様)。 #region(主な登場武器) --拳銃(GUN) ---作中で最も入手・使用頻度の高い武器。装弾数7発で、全弾命中させると5割前後のダメージが与えられるという基本武器ながら高い威力を持つ。1発ごとにランダムで弾道にブレが生じるが、そのブレ幅はキャラクター毎の射撃の腕前や発射時の姿勢によって異なる。 --マシンガン(MACHINE GUN) ---装弾数80発という手数の多さと、突出した連射力を誇る武器。ブレ幅は拳銃と同じ。ボタン押しっぱなしで連射が可能で、近~中距離では連続ヒットが狙いやすく、遠距離では弾幕を張って牽制に利用することができる。ただし1発ごとの威力が低く、短時間で形勢逆転を狙うのには不向き。ちなみに壁の前に降りてきた相手に地面スレスレでしゃがみ連射を浴びせると、ハメ状態となって全発命中させることができ、その場合は拳銃・ロケットランチャーを上回る''体力の9分の7前後のダメージ''を与えられる。 //参考動画→https://youtu.be/j0GlA72kkCo?t=251 //この動画では体力がちょうど全キャラ真ん中のベッティが喰らい役になってるので、ダメージ量は6分の5よりは9分の7のほうが近いかも --ロケットランチャー(ROCKET LAUNCHER) ---着弾すると爆発するロケットを射出する武器で、装弾数3発。拳銃・マシンガンとは違ったブレ方をする。爆発ダメージは基本武器の中では単発の威力が最も高く、この武器1挺で戦況を一気にひっくり返すこともできる。相手を直接撃ち抜くのはもちろん、相手の周囲にある障害物や地形を撃って爆風を浴びせることでもダメージを与えられる。ただし爆風は敵味方関係なくダメージがあるため自爆には注意。また、ロケットは銃弾が触れても破壊されるので、拳銃・マシンガンとは相性が悪い。 --火炎放射器(FLAME THROWER/FIRE) ---まっすぐに炎を射出する武器(この武器のみブレが発生しない。)で、射撃武器と打撃武器の中間の性質を持つ。基本動作はマシンガンと同一。敵に炎を浴びせると燃え上がり左右に転がって鎮火しようとするが、鎮火動作中は無敵時間ではないため火炎放射器以外の武器で追撃できる。この他、木箱や可燃性の地形に着火して行動範囲を制限することもできる。ただし爆風同様炎もお互いにダメージがあり、燃えた相手に触れると自分にも引火する(燃やされた側はレバー入力で転がる方向を指定でき、燃やした側に引火しやすくできる。)。また射程に制限があり(発射口からおよそ木箱5個分)、炎が最大射程に達するまでの弾速も僅かに遅いため、他の射撃武器と撃ち合うと分が悪い。残弾数の代わりに燃料の残量が炎で表現されており、射出時間に応じて減少していく。 --手榴弾(GRENADE) ---ロケットランチャーと同じく強力な爆発ダメージを与えられる武器。拾ってアクションボタンを押すとピンを抜き、もう一度ボタンを押すと投げつける。ピンを抜いた手榴弾はその上にカウントが表示され、カウントが0になった瞬間に爆発する。相手の周囲に届いた時点でカウントが0になるのが理想だが、投げずに保持し続けると自爆してしまうので注意。また単純に投げるのみならず、他の武器と持ち替えてその場に置きちょっとした罠にしたり、体力差で優位を得ているならば持ったまま相手に突撃し自爆テロを仕掛けるという使い道もある。 --刀(SWORD) ---徒手格闘攻撃の強化版ともいえる、接近戦の要となる武器。近距離で斬りつけて攻撃するのが基本だが、刀身には地形による接触判定がないため、足場や障害物の向こうにいる相手を攻撃することもできる。攻撃モーションは4種類あり(素手とは違いダッシュ攻撃はない。)、ダメージは同一だがキャラによって様々。この他、銃弾・投擲武器もタイミングが合えば叩き落とすことができ、攻撃後にボタン押しっぱなしで刀身を構え、もっぱら防御に利用することもできる。ただし、可視化はされていないが刀身にはランダムで耐久力が設定されており、防弾によって耐久力が尽きると折れてしまう(攻撃だけでは折れない。)。また爆風など他の攻撃は防げない((お互いに刀で攻撃し合った場合も刀身同士がカチ合うことはない。))。 --鞭(WHIP) ---圧倒的なリーチの長さを誇る打撃武器。8方向に打ち分け可能で、刀と同様キャラによりモーションに違いがある。こちらも銃弾・投擲武器を叩き落とすことができるが、刀と違い防御はできないものの破壊されることはない。ただしダメージ量は低く、この武器でダメージを与えた相手の無敵時間は他の武器より長く設定されている。この武器のみビル・サーカス会場にそれぞれ1つずつと、出現数がかなり限られている。 #endregion --木箱やドラム缶は通常の武器とは別に使用可能。レバー+アクションボタン押しっぱなしで持ち上げ(持ち上げ中は武器変更以外の手を使う動作が制限される。)、立ち状態でアクションボタンを離すと放り投げ、しゃがみ状態では滑らせるようにして投げる。木箱は地上で相手の頭部にぶつけると目隠し状態にして強制的に前方に歩かせ(ジャンプと攻撃は可能。)、ドラム缶は相手を押しつぶして身動きを取れなくする。くらった側はいずれもレバガチャ・ボタン連打で脱出を早められる。また木箱の場合は破壊後に武器(最終ステージのみ海洋生物。)が出てくる場合がある。 ---なお、これらを持った状態で上述の転倒着地を行うと、自分が目隠しや押し潰しを喰らうハメになるので注意。また、設置されている間は地形崩落以外では破壊されないため、銃弾を避ける障害物やロケットランチャーの起爆ポイントとしても使用できるが、投げつけ後は素手以外の武器ならば一発で破壊される。 --爆発物は爆風で可燃性の地形や木箱に飛び火することがあり、火炎放射器の炎と同様のダメージを受ける。 --ステージによっては料理や機関車の石炭など、思わぬものも武器代わりになる。銃座等の固定武器が登場するステージもあり、そちらも木箱・ドラム缶同様通常の武器を持ったまま使用できる。 --どの攻撃も基本的に上下左右4方向、または8方向へ全方位攻撃が可能である。ジャンプ中に下入力のままアクションボタンで真下にも攻撃できる。 ***登場する殺し屋たち 使用キャラクターとなる殺し屋たちは全7組(大人5人+双子1組+猿1匹)。 #region(キャラクター一覧) --''ジョン・スミス'':ベビーシッターから革命の指導者まで、報酬の為なら仕事を選ばないという豪快な触れ込みの何でも屋。在日占領軍士官の息子(日系人)であり、禅の奥義を学んでいる。切り傷による隻眼と、禅の開祖たるダルマがプリントされた妙なセンスのTシャツが特徴。 ---主人公的な立ち位置に相応しく、全体的に癖が少なく扱いやすい。その上、体力が全キャラで2位という相当なタフさをも併せ持つ万能タイプのキャラ。初心者でも上級者でも存分に戦える。 ---素手状態のダッシュ攻撃が扱いにくいなど欠点が無いわけではないが、武器攻撃がメインのゲームバランスなので気にならない。 ---一人プレイで対峙する際は''ビル''を登場ステージとし、屋上に爆弾を仕掛けて待ち構えていた(詳細な目的は不明。)。2P側が戦闘開始時に爆弾を起爆(導火線に着火)する演出があり、爆弾が爆発するとビルが崩壊し始め、食堂や事務所などステージが下階へと展開されてゆく。ビルに振動が起こるたびに屋上にあったヘリコプターや食堂・応接間のシャンデリアが落下し、その下敷きになると大ダメージを負ってしまう((特にヘリの下敷きになった際のダメージは、攻撃手段(武器)・ダメージトラップ全てを引っくるめても本作最大の威力を誇る。))。戦いの場は最終的に複数個の手榴弾と手すり代わりの配管が設置された巨大な排水桝に移行し、タイムオーバーになるとここにヘリコプターが収まるように落下してくる(この場合は決着後の演出であるため実質ダメージはない。)。&br() 上述した舞台の移り変わりやギミックに加え、作中に登場する全ての武器が用意されており、食堂の食べ物や事務所の備品といったステージ限定アイテムも数多く存在するなど、バリエーションに富んだステージとなっている。また対戦プレイ時のみ、屋上エリア右上にある貯水タンクに爆風を浴びせると固定器具が破壊され、地面を転がりプレイヤーを押し潰す障害物と化す。 --''ベッティ・ドー'':7つの学位を持ち14ヶ国語を自在に操るインテリにして、狙撃の名手でもある金髪美女。表向きは「20世紀最も成功した女性実業家」に名を挙げられ、全米3位の所得を持つ。が、幼少期は貧民窟で飢えに苦しんでいたという過去を持ち、その金は文字通り「他人の血に塗れた手で掴んできた」もの。裕福な富豪となった今も殺し屋の世界から抜けることはせず、さらなる収入を狙う。 ---狙撃の名手という触れ込みに偽りなく、銃の射撃精度が極端に高いうえ、移動時の滑りが皆無。しかも射撃以外の予備動作全般も隙が少ないという安定性能が脅威。またダッシュ格闘攻撃のローリングソバットや刀の各攻撃モーションの判定が非常に強力で、接近戦にも対応できる。ただし移動速度が2番目に遅くジャンプ力にも欠け、しゃがみ時の姿勢が高すぎるという大きな難点もある。 ---しかし「静」に徹底し攻撃の確実性に特化したその性能は、攻撃手段が武器主体かつ「待ち」が強力な選択肢である本作のゲームバランスにマッチしており、作中随一の高性能キャラとして知られる。 ---一人プレイで対峙する際は''水族館''を登場ステージとし、巨大なクジラの模型を吊り下げた天井に爆弾を仕掛けて待ち構えていた(ジョン同様目的は不明。)。こちらも2P側が爆弾を起爆し、一定時間経過すると爆弾の爆発により模型が落下、水槽が破壊されて水族館全体が浸水し、上へ上へと追いやられていく。水中では泳ぐことはできるが無防備で、水位上昇に応じて水槽から解放された鮫やピラニアなど危険な海洋生物が襲ってくる。終盤になると水族館最上の天井裏にまで追いやられ、足の踏み場もなくなる%%のだが、タイムオーバー決着の場合勝者側はどうやって脱出したのだろうか…。%% --''バーナード・ホワイト'':鋼鉄の義手を身につけ、消火栓を素手で引き抜くほどの怪力を誇り、素手による大量殺人記録更新中の黒人の大男。元は米国中央情報部のエージェントだった。人間以外はゴキブリですら殺すのを嫌がるという極端すぎるナチュラリストでもある(ただし自分に敵対するものは別なようで、人間ではないドゥイーブや、サーカスステージの虎相手には特別扱いすることはない)。 ---身体(=喰らい判定)が大きいので不用意にダメージを受けやすく、移動時の細かな動作にもモタつきが目立つが、その反面全キャラ中最高の体力を持つ。多少無茶な戦い方をしてもリカバリーが効く他、自爆戦法や先行逃げ切り型の戦法、相手キャラに粘着して強引に殴りまくる戦法との相性が抜群。 ---素手による格闘攻撃がぶっちぎりの最強で武器攻撃並、設置オブジェクトの持ち上げ・投げつけ動作が非常に速い、銃撃のブレも少ない、ロケットランチャー発射時に姿勢があまり崩れない、といった体格と怪力を活かした長所も見逃せない。 ---一人プレイで対峙する際は''列車''を登場ステージとし、軍用兵器を強奪しようと企んでいた。戦闘開始時には武器が中央のコンテナに集中しており、その後はランダムで武器が出現する。火炎放射器の出現率が高く、ステージも狭いうえに可燃性の素材が至る所に使われており、炎上ダメージが多発する。中盤からは定期的にトンネルに突入する(列車上で立つとダメージを受け左側へ弾き飛ばされる。)他、列車から転落するとダメージを受けた上で最後方(ステージ左側)からの復帰となる。 --''イヴ'':仕込んだトカゲを操る窃盗の名人にして、元ポルノ女優。金目当てでポルノ女優を始め、さらなる儲けを求めて盗賊に転身、果ては高額な報酬が得られる殺し屋へと闇の稼業を渡り歩いてきた。ピンク色の長髪に奇抜なフェイスペインティング、肩に乗せている相棒のトカゲが特徴的。 ---最高のジャンプ力を持つ上移動も速い方で、盗賊上がりらしく総合的な運動能力が最も高い。ただし咄嗟に止まる・狙いをつけるといった細かい動作がやや苦手。 ---相棒のトカゲはイヴに張り付いている場合は背中側の銃弾を1回だけ防ぐ(死ぬことはない。)。撃ち落とされたあとはイヴの元を目指して動き出し、イヴと合流すると再び防弾役として使用できるが、移動中に手榴弾を見つけるとピンを抜いて持ち運ぶといった暗躍を見せる事がある。もっとも、トカゲ自体は手榴弾の有無に関係なくイヴに張り付こうとするので、合流するタイミング次第では単なる自爆を招くこともしばしばあるが…。また、通常の被ダメージ時や大ジャンプによる転倒着地でも両者が分散してしまうため、ステージによってはそのまま合流できずじまいになることも多い。 ---一人プレイで対峙する際は''サーカス会場''を登場ステージとし、彼女も出演者の一人としてサーカスに参加していた。トランポリン、空中ブランコなどのギミックが多彩。縦横無尽にプレイヤーに襲い掛かるトラ、地上を闊歩し攻撃を受けると足を上げて踏みつけてくるゾウといった動物も乱入。中盤に解禁される人間大砲は''本作の攻撃手段の中では最大の威力を誇る''(弾数制限あり)((ダメージトラップも含めた場合、ジョンステージであるビルの墜落していくヘリに下敷きになった際のダメージに次いで2番目。))。ピエロが落とす拳銃には玩具銃が混ざっており、玩具銃にはダメージが無く((銃弾の代わりにクラッカーのように紙テープが飛び出したり、旗が出たりする。))使用すると観客に笑われ硬直してしまう((ただし空中で使用した場合は着地と同時に硬直が解ける。))。 --''プロフェッサ・チン'':自らが開発した殺人車椅子に乗る謎の科学者で、中国拳法の達人。第二次世界大戦時には「東洋のアインシュタイン」とも呼ばれるほどの天才的な開発技術を誇り、暗殺術として習得した中国拳法が巡り回って自身に長寿と健康をもたらした。作中最高齢の82歳かつ車椅子使用者だが、アグレッシブな格闘攻撃や刀攻撃、少々無茶な綱渡りモーション(車椅子をシートベルトでぶら下げながら自ら綱を掴んで移動する。)を見る限り、重篤な傷病はなく五体満足らしい。どうやら車椅子はあくまでも殺人用の兵器として使用しているようだ。 ---特殊合金の車椅子により背後からの銃弾が無効、アームによりロケットランチャーを完璧にまっすぐ撃てる、ダッシュが最速と、車椅子を活かした部分的に尖った性能を持つ。しかし挙動がかなり独特で制御が難しく((例えば、前転からの停止時に慣性があるのは彼だけ。))、腕力やロケットランチャー以外の銃撃の精度に乏しいなどご老体による弱点も持つ。また、背後からの銃撃は防げるといっても密着状態での銃撃は食らってしまう上、ロケットランチャーや手榴弾などの爆風系は一切防げない。制御が難しい欠点も加わって、それら爆発物を持った相手に追い詰められると逃走もままならず一瞬でピンチに陥ることも。 ---長所と短所がどちらも極端であるため上級者向けのキャラだが、操作性を熟知し自分に有利な環境が整えられればベッティにさえ勝りうるほどのポテンシャルも秘めている。 ---一人プレイで対峙する際は''武器密造工場''を登場ステージとし、化学兵器製造の指導を行っていた(化学兵器自体は登場しない。)。工場ゆえにプレス機や溶鉱炉などダメージトラップとなる設備が多数存在し、至る所にベルトコンベアやリフトが張り巡らされているため、その場に留まっていられる足場が非常に少ない。工場内ではミサイルと拳銃が製造されており、ミサイルは木箱・ドラム缶と同様に扱え、ロケットランチャーのように爆発ダメージを与えられる((溶鉱炉から生成された材料の状態でも設置オブジェクトとして使用できるが、ぶつけると相手を転倒させられるものの、ダメージは一切ない。))。拳銃は製造ラインを最後まで通過した木箱を壊すことで使用可能で、最終的にはこれを使用しての攻防となるが、逆に通過途中のものは本体のみで装弾がされていないので注意。また、このステージのみ最後まで大きな変化がない。 --''ドゥイーブ'':バナナの為に人を殺す、世界唯一の殺人猿。武器の扱いに加え金の勘定もできるなど、それなりに知能は高い模様。タキシードで正装している様がなんともシュールな、本作の雰囲気を体現している色物キャラ。 ---体力は全キャラ中2番目に低いが、猿らしく身体能力が高く、体格が非常に小さいゆえ敵の攻撃をかわしやすい。他キャラでは前転(無防備)でしか通過できない場所でさえも、彼だけは通常移動(攻撃可能)で通過できるほど。しかし射撃がド下手であり、撃った銃弾やロケットは予想だにしない方向にブレていくことが殆ど。本作のゲームバランスでは一概に短所とは言えないものの、これが吉と出るか凶と出るか? ---射撃がらみのバクチ要素は、刀や手榴弾など「射撃武器ではない武器」を中心に使えば無視する事もできる((刀の攻撃モーションが強く、特に後方に対して判定が強い。ただし、歩行中は両手を掲げてしまう関係上刀で銃弾を受けることが出来ない欠点もある。))。射撃武器の使用頻度が高く「静」の立ち回りが有利な本作において、射撃をかなぐり捨て「動」の立ち回りを追求したその特徴は、まさしく上級者向け。 ---一人プレイで対峙する際は''軍用機''を登場ステージとし、軍需物資を南米の某地に輸送しようと企んでいた。固定銃座や機体操縦席が利用できるが背後は無防備。また固定銃座は弾数無制限だが、連続して撃ちすぎるとオーバーヒートによりしばらく撃てなくなってしまう。格納庫には多数の武器コンテナがある他、空中からヘリコプターにより武器入りの箱が投下される。中盤になると機体に落雷し、制御不能に陥り墜落していく(機首である右側が大きく下方向に傾く。)。飛行機から転落したら大ダメージを受けるが即死することはなく、ヘリコプターで運ばれて復帰する(HPが尽きた場合も復帰後に倒れる。)。 --''ダニー&デミ'':大人をしのぐ知能と冷静さで犯罪を繰り返す、邪悪な双子の姉弟。ダニーが弟(少年)、デミが姉(少女)であり、デミを先頭とし常に手をつないで行動している。発狂した学者の研究所で生み出され、実験用のハムスター達と一緒に檻の中で育てられたという陰惨な生い立ち((海外版では「シャム双生児(双子の身体が繋がって一つになった奇形児)として生まれ、事故により"分離"した」という、これまた相当に陰惨な設定となっている。))が原因で、知らない人と「戦争ごっこ」(=殺し合い)をするのが何よりも楽しみという歪んだ思想の持ち主に。ドゥイーブと双璧を成す色物キャラで、ゲーム内では知性を感じさせる描写はほぼなく、狂気に満ちた様子が全面的にクローズアップされている((体力で勝っている(=そのまま時間切れになれば勝ちになる)状況でダッシュすると笑い声を響かせるなど。))((エンディングでその狂気の片鱗を見ることが出来る。彼らが善良な市民やか弱い幼児を装うことすらせず、根っからの快楽殺人者として振る舞っていることがよく分かる。))。 ---体力・機動力が最低、子供ながら二人で行動している為喰らい判定が(特に横方向に)大きいなど基本性能の低さが目立つ。しかし「予備の武器を1つ隠し持つ事ができる((1人一つずつ別々に武器を持てるという設定。))」という、戦況を覆す爆発力があるとんでもない特性を持つ。これにより、予備の武器を持っていればダメージ後の無敵時間中に素手よりはるかに威力の大きい武器で反撃を試みることができる。上級者向け。 ---意外にも、素手によるダッシュ格闘攻撃((ダニーがデミを振り回し、デミが遠心力を活かして回し蹴りを見舞うという技。))のダメージがバーナードに次いで高い。双子の基本性能が低いため積極的に狙うべきではないが、侮れないものがある。 ---一人プレイで対峙する際は''クルーザー''を登場ステージとし、この船を利用して欧州への逃亡を計画していた。船全体が波により一定間隔で前後(左側が船尾で右側が船首。)に傾いており、時間経過に応じて傾き幅が大きくなるため、相手を撃ち抜くのが難しい。新しい武器は波間から出現するが、使用中のものも含め武器の最大出現数が5個に固定されている。このため不要な武器を使い散らして欲しい武器の出現を待つ((自発的に捨てることのできない刀が5本になると最悪詰む可能性もあるが。))、大幅にリードしていれば拳銃・マシンガンを残弾数1発にしてすり替えていき相手の反撃を手間取らせるといった作戦が使える。船の外へ投げ出されると泳ぎでの復帰が必要となる。 #endregion ***一人プレイ -使用する殺し屋を選択したあと、他の6組の殺し屋が映し出された6台(2段に3台ずつ)のモニターと、ミスター・アクメのシルエットが映ったモニターがある部屋へと画面が切り替わる。プレイヤーはミスター・アクメの指示を受け、左上モニターの殺し屋からZの字の順で戦っていく。 --ステージはキャラごとに固定であり、戦闘開始前に標的のプロフィールとステージの概形が表示され(文字は小さいため読みにくいが)、ミスター・アクメにより標的がそのステージを訪れた経緯や動機などが説明される。 ---1P側・2P側どちらからもプレイ可能であるが、ステージ構造や演出はおおむね2P側がCPUの役割として設定されている。 --対戦プレイ時とは違い、後半に登場するキャラほど体力が増加する仕様がある(最終的には体力最高のバーナードを使用してもそれを上回るほど。)。 --同キャラ選択が不可能であるため、コンティニュー時にキャラクターを変更した場合は前に使用していたキャラはそのまま入れ替わる。つまり、撃破していないキャラを選択した場合は敵として登場し、既に撃破したキャラを選択した場合はそのキャラに撃破された扱いとなる。 --6組全てを始末すると、ミスター・アクメから「報酬は手渡しで行うので、自宅までご足労願いたい」と持ちかけられ、彼の豪邸を訪れることになるが…。 ***対戦プレイ(乱入) -一人プレイ中に乱入されると"SOMEONE IS TAKING AIM ON YOU!"(何者かが狙っている!)と表示される。 -乱入時には被乱入側のプレイヤーはキャラクターを変更できず、乱入側は残る6組から使用キャラを選択することになる((最初から対戦プレイ(キャラクター選択画面で乱入側がコイン投入。)を行った場合は(早い者勝ち形式ではあるが)7キャラ全てを選べる。))。 -モニター部屋の演出が変化し、1P側キャラが左上・2P側キャラが上段中央のモニターに映し出され、他の4つのモニターは砂嵐が入る。両者はミスター・アクメから直々に報酬を巡っての殺し合いを命じられる。 --こちらはステージがランダムで選出されるため、ステージ紹介などはない。 --決着がついたあとは一人プレイに戻り、敗北したプレイヤーのキャラは既に撃破した扱いとなる。 ---- **評価点 -見ただけで解るシンプルな2D対戦システム。ライトユーザーからコアユーザーまでとっつきやすい。 -キャラクターの長所・短所や地形デザインを活かした戦略性の高さ。 --キャラクター性能面の個性は、独自の特性を持ちあからさまな性能付けをされたチンとダニー&デミ以外は極端ではないが、ドラム缶越しに攻撃できる・遠距離での撃ち合いに強い・マシンガンで攻撃されても当たりにくいと言った数々のシチュエーションで大きな差になって現れる。 --やればやるほど細かい点で思わぬキャラクターの得手不得手が分かってくる奥深さ。 ---例えば「ロケットランチャー発射時の反動」による優劣も状況によって存在する。反動で転ぶ事により身が低くなる→天井に撃っても自爆にならないと言う擬似自爆攻撃と言うべき高度な戦術があったり、反動が大きいベッティやジャンプ力最高のイヴなら「垂直ジャンプして地面にロケットランチャーを撃つ」というテクニックが安全に狙える、といった具合。 ---基本的には強キャラとされるベッティも本作上級者が相手となれば、ほぼ完璧な射撃精度が裏目に出て「射撃の弾道を読まれる」「中距離正面で射撃を回避される」といった弱点を露呈し始める。 -絶えず変化するギミックの多いフィールド。 --常に左右に揺れる船・爆発と同時に床が抜けて広大化するビル・人間大砲や象や虎と言った乱入の多いサーカス等、豊富なラインナップ。「建物や乗り物の断面図」という描写や、キャラの位置によっては全景が1画面に収まるカメラワークも独特。「殺し屋」という殺伐としたテーマの作品でありながら全体的にシュールでキレたセンスは、本作の大きな魅力といえるだろう。 ---多くのステージで、残り時間が少なくなるとお互いの攻撃以外でのダメージ源(第三者からの被ダメージ)が出現する。ちなみに、ドゥイーブステージで画面外に落ちた(輸送機から転落した)場合や、バーナードステージで線路に落ちて後方にスクロールアウトした場合は、一定ダメージを受けた後にステージに復帰させられる((どちらも復帰際の無防備状態を狙われやすく不利。特にバーナードステージではトロッコで列車に追いつき飛び乗って復帰なのだがここを狙われると再び転落しやすい。))。 -クセのある武器と、それらの優れたバランス。 --シンプルな拳銃に銃弾を防げる刀、ロケットランチャーや火炎放射器と武器は様々。その一方で「マシンガンは弾数が多く連射力が高いが、1発ごとの威力が低い」「爆発物は単発のダメージが最も大きいが、自分もダメージを受けるリスクがある」など武器それぞれに一長一短があり、単純な上位互換・下位互換が無い。 ---流石に各ステージ限定で登場する武器以外の物品(フルーツバスケットやパイなど)は威力の無い下位互換ではあるが、なんでもいいから利用するというスタンスが感じられ雰囲気抜群。それぞれ武器アイコンと入手時のアナウンスまで用意されており、フルーツバスケットに至っては残弾数欄に投げるフルーツが順番に表示されるなど、ネタっぷりも満載。&br() 列車ステージの石炭(これのみ入手アナウンスが無い)は武器コンテナ右側の荷台から無限に入手できるのだが、その関係で「荷台付近で攻撃をかわそうとしてしゃがみ、持っていた武器を石炭と取り替えてしまう」「石炭の上の武器を回収しようとしてもなかなか拾えない」といったハプニングが頻発し、使い道に乏しい下位互換であることを活かしたトラップとして機能している。 --サーカスステージでは拳銃にハズレ(玩具銃)が混ざっていることもある。ハズレは弾数表示までフェイクされており、実際に拾って撃つまで判別できず、肝心な場面で大きな隙を見せることとなる。 -世界観を彩る演出の数々。 --戦闘シーン以外では常に画面下部に英語字幕、右部に縦書きの日本語字幕が表示されるという、映画を彷彿とさせる画面構成となっている。 --勝利したキャラクターによる相手キャラの映ったモニターの処理方法にも、それぞれの持つ強烈な個性が打ち出されている。 ---例としてジョンは「DONE(済)」という紙をセロテープで貼り付ける、バーナードは画面を義手で破壊する、ドゥイーブはお気に入りの子供向け番組にチャンネルを変える、など。まともに電源を切るのはベッティのみ。 --音楽がいやに渋い。「殺し屋」をテーマにしただけある渋さで、どの曲も聴き応えがある。 ---メインテーマであるBGM「The Outfoxies」に乗せて、幕間デモで使用されるモニター画面を利用して殺し屋7人とストーリーを紹介するオープニングデモは秀逸な出来。 ---1人プレイでしか聴けないが、先のメインテーマのアレンジである殺し屋の矜持を剥き出しにしたラスボス戦BGM「Counter Blow」と、完全ピアノソロでムード満点のエンディングBGM「Enjoy Life」は特に必聴。 --黒幕であるミスター・アクメはシルエットで映し出され、変声機を用いて指示を送るなど謎の人物としてのイメージを強く印象付けており、最終ステージでその意外すぎる正体を明かして対決するというクライマックスにふさわしい展開が用意されている。 #region(ミスター・アクメ) -''ミスター・アクメ'':本作の黒幕であり最終ボス。表向きは世界的に有名な美術商だが、裏では贋作を売りさばき、文字通り法外な利益を得ている。今回殺し屋たちに始末させた美術品鑑定士も贋作売却の協力者であり、さらには殺し屋たちもストーリー冒頭の指令を出して共喰いさせ、最後に勝ち残って報酬を受け取りに来た殺し屋を自宅の罠で始末しヘリコプターで脱出するという、徹底的な口封じを画策していた。 -その正体は名前通り"ミスター"・アクメ……と思われていた美術商の男性ではなく、実は彼の''妻''である太った中年女性。彼らは夫婦で共に行動しているが、''妻が今回の計画を主導し、「ミスター・アクメ」を名乗ってプレイヤーに指示を与えていた''のである。 --なお、当の"ミスター"・アクメ(夫)はというと、せかせかと罠への誘導や作動を繰り返しては逃走する細身の男性であり、ラスボスとしての貫禄は微塵も感じられない。上述の妻の描写からして完全に尻に敷かれている様子が窺える。 -彼らとの戦いはこれまでとは打って変わって純粋なアクションゲーム形式であり、アクメの体力ゲージは道中では一切減らない。罠をかいくぐりアクメ夫妻を追い詰めていくと、最終的に館の屋上でアクメ夫妻がヘリコプターに乗り込んで上空から攻撃してくるため、プレイヤー側は装填数無限の「スペシャルロケット」で屋上から彼らの乗るヘリを制限時間内に破壊すると勝利となる。時間切れになるとプレイヤー側の死亡が確定してしまう((体力が満タンでも絶対値判定で負ける。))。なお、このステージのみ1P・2Pともにスタート地点が共通である。 --プレイヤーが勝利した場合、まず夫が落下しゲージ1本分のダメージを受け、その上に妻が落ちて''ゲージ2本近くのダメージ''を喰らい瀕死に、さらに二人の上にヘリが墜落し完全に死亡する。どうやら体力ゲージは名前通り夫のものであるらしい。 #endregion --上記BGM「Enjoy Life」の雰囲気に合わせたエンディングの演出。 ---映画のエンドクレジット風にスタッフ名がスクロールしていき、大量の札束が舞い散る中、莫大な報酬金を手にした使用キャラが曲名通りその後の人生を満喫する様子が3枚のグラフィックで描かれる((1枚目は晩餐、2枚目は他者や動物との交流、3枚目は娯楽・その他といった内容。))。主人公格らしく典型的な「男なら誰もが憧れるモノ」をほしいままにするジョン、外見やプロフィールからは想像もつかない一面を見せるバーナード、そして案の定やりたい放題なダニー&デミなどその様子はキャラクターにより多種多様ながら、いずれも死闘を生き抜いた安堵や勝者となった優越感が強く伝わってくる内容となっている。 ---そして最後に、1枚の紙幣が画面の下まで舞い落ちて終わる。これは非常に暗示的な演出であり、「どんな莫大な金でも、いつかは使い切る」「殺し屋の世界に入ったものは、死ぬまで殺し屋で有り続けるだろう」など、見る人によって様々なイメージを捉えることができ、印象深い。 ---- **賛否両論点 -ダメージソースが武器に依存しており、さらにはステージ自体の時間に応じた状況変化やギミックも実に多彩であるため、勝率を上げるにはステージごとの特徴や武器の配置の把握が必須となる((ステージの知識がなければ、ロケットランチャーやマシンガン等強力な武器を真っ先に入手する、あるいはそれを取りに行く相手を迎撃する、といった戦闘開始直後の初手すら見えてこない。))。また、銃弾・ロケット弾の弾道や特定地点での武器のランダム出現といった運の要素も勝敗に大きく関わっている。これらの要素に操作体系も合わさり独特なゲーム性が形作られているため、前述のようにとっつきやすくはあるが、プレイヤーによってゲーム性を理解するうちに好みが分かれる可能性は否定できない。 --当時流行していた格闘ゲーム等とは明らかに勝手が違っており、そのゲーム性の理解・把握にも時間を要する。プレイヤー間では本作を語るうえで後の『[[スマブラ>大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ]]』がしばしば引き合いに出されるが、小道具を使用する点やステージが広大かつギミックが仕込まれているという点では共通しているものの、本作はその小道具やステージのギミックが中心的な要素である点、『スマブラ』は素手での攻撃を基本とし、小道具やステージギミックは補助的である点が大きな違いと言える。 --そのゲーム性は、強いて言えば「2Dアクションに落としこんだ対戦型FPS」とも言うべきか。 -待ちが非常に強く、さらに相手より下の位置を取ったほうが有利なため、熟練したプレイヤーの対戦となるとしばしば待ち合いが発生し、タイムオーバーによる決着を迎える展開が目立つ。 --対戦ゲームはガンガン攻めて勝ちたいんだ、という性格の人には向かないかも知れない。 --もちろんその待ちも常時絶対的に有効な手段というわけではなく、地形を無視して攻撃できる刀や爆発系の武器を使用すれば揺さぶることができるし、(ステージにもよるが)地形の変化により待ちを解かざるを得ない状況も発生する。 ---待ち戦法以外には、バーナードの体力にものを言わせた自爆戦法、イヴやチンの機動力・銃弾への耐性を利用したリードを奪っての逃げ回り戦法、ドゥイーブの当たり判定の小ささを活かし刀を持ってひたすら粘着する戦法がよく見られる。これらを駆使しても待ちに全く頼らず戦うことは難しいが、待ち戦法があまり好きではない人は試してみてほしい。 -ズームイン・アウトが頻繁に発生するため、目の疲れが起こりやすい。 --互いにフィールドの隅と対角線上の逆隅に位置すれば全景が表示されると言った具合に、必ず両方のキャラクターが画面内に表示される仕様のため、両者の距離によって拡大・縮小が行われるカメラ設定となっている。体質によっては酔ってしまう事もあり、この体質の意味においてもプレイヤーを選んでしまうとも言える。 --両者の距離があまりにも離れると、縮小率が高すぎて豆粒のごときサイズになってしまう。 ---- **問題点 -7人の殺し屋はどれも独特の性能を持ち、代替キャラがいないのに''同キャラ対戦ができない''。2Pカラーの導入が既に当たり前になっていた当時の対戦ゲームとしては致命的であると言わざるを得ない。 --殺し屋達は唯一無二のため世界観的には仕方なかったのかもしれないが、例えばストーリー的に「偽者がいるので一旦依頼を後回しにして始末してくる」などといったような説明をすれば、同キャラ対戦が出来ても不自然ではなかったのではないだろうか。 ---もっともこの例だと、ドゥイーブに偽者がいると「世界唯一」ではなくなってしまうのだが。 --乱入時にキャラクターの選びなおしも行われないため、そのときの相手が使用している以外のキャラクターから選ばなくてはならない。 ---自分が最も使い慣れているキャラクターが既に取られている場合も想定し、最低2キャラを使いこなせるようにしておく必要も生じる。 --このため、本作の大会などは特殊なルールを設けないと行いにくく(特に後述するように強キャラで知られるベッティは使用者も多いため、ルールなしではほぼ確実に揉め事になる)、望むキャラが取れずに負けてしまった時の理不尽感も強い。 ---後述のように基本的に2P側が不利なため、大会では2P側に先にキャラクターを決定する権利を与える(1P側は2P側の選択が終わってから残る6人から選ぶ)というルールがよく見られる。 -フィールドによっては明らかに特定プレイヤー側が開幕有利の場所がある(ビルステージ、列車ステージなど。)。 --戦闘開始時のスタート地点は、各ステージごとに1P用スタート地点・2P用スタート地点が固定で用意されている仕様のため。基本的に1P側のほうがロケットランチャーまでの距離が近いステージが多く、優位を得易い。 --また、1人プレイでは(キャラクターにとって)自分のホームステージでプレイすることはないからか、多くのキャラクターにとって自分のホームステージは自分が不利になっている。 -体力が平均的で銃の扱いが非常に上手く、ブレーキング能力が高いベッティが対人戦ではお手軽に強過ぎるところがある。 --射撃精度が活きるのは足場が水平で障害物が少ないかつ広い時などであるが、彼女の場合は地形に関わらず、基本武器の拳銃を全発命中させ5割前後のダメージを与える「拳銃コンボ」が安定して決めやすすぎる点が問題視される。 --また、ダッシュ格闘攻撃や刀の攻撃の判定が強力であるという長所も、その射撃精度の高さを考慮するとやりすぎな印象を受ける。ベッティの機動力の低さを補うための措置とも考えられなくもないが…。 --CPUとして戦う場合はアルゴリズムの影響でさほど脅威ではない((むしろ開始地点近くにマシンガン・ロケットランチャーがあり、ステージ構造上マシンガンハメが狙いやすいため、彼女以外である程度射撃の弾道が安定しているキャラならパーフェクトが最も簡単。))。 --だからといってその他のキャラがどうしようもなく弱いかというとそういうわけでもない。例えばプロフェッサ・チンは背後からの銃撃を受けないため、不利な状況ではあえて振り向いて背を見せることでガードができる、ダニーとデミは武器を二つ持てることにより被弾上等のゴリ押しがしやすく、更に素手になってからもダッシュ攻撃による暴れが強いなど。 -ステージ選択が不自由。 --CPU戦では対戦相手ごとにステージが完全固定なため少し飽きやすい。 --逆に、対戦プレイ時はステージはランダム選択のみで任意決定不可能。どちらにせよ自由度が低い。 ---ドゥイーブステージは「どちらかのプレイヤーがドゥイーブを選択していないと出現しない」という謎の制約がある。またアクメステージのみ絶対に選ばれない。 -バグに起因すると思われる不可解な現象。 --ビルステージでは1P側スタート地点付近のとある場所で待機すると、爆弾の爆発後に地盤の崩落が始まっても屋上エリアに留まることができる。相手側はそのままエリアを下っていくため、やがて攻撃が届かなくなり、体力差で不利ならば詰み状態に陥る。 ---一人プレイ時のCPUのジョン相手ならともかく、対戦プレイではリアルファイトに発展しかねないのでこの現象を利用するのは自重したほうが良いだろう。%%「相手を詰ませればその時点で勝ち」という特殊ルール導入のうえで使用を容認した大会もあったが。%% --爆発物で攻撃された際、グラフィック上は完全に爆風に当たっているはずなのにダメージもノックバックも一切受けない場合がある。 --対戦に支障がないものでも、「対人戦で連勝を重ねると勝利数表示がおかしくなる」「サーカスステージでBGMが急にビルステージのものに変化する」といった現象が確認されている。 -CPU戦最後のステージである「アクメ邸」は、進行がノーヒントでありクリア方法がやや分かりにくい。逆に、分かってしまえば単なる作業と化す。 --但し、投擲力の低いプロフェッサ・チンおよびダニー&デミ、そして投擲動作が遅い上に銃火器扱いが下手で発射のブレが極めて大きいドゥイーブはある箇所が難関となるため一転、該当場所で詰まりやすい。特にドゥイーブは銃火器扱いが下手すぎるせいで、最後の無限ロケットランチャーミッションで苦労することが多い。状況によっては運ゲーになることも..... ---逆に彼らのみ簡単に突破できる箇所もあるため、単純に不利というわけではない。 //おそらく難関というのはエレベーターゾーンを抜けた後の手榴弾キャッチボールのところだと思われる。一方で各キャラごとに有利になる場面はそれぞれ、ドゥイーブ:二階の箱の山積みは一番上の一個だけどければ突破可能、チン:三階の廊下をダッシュで&アクメ氏の銃弾を後ろ向きで無傷&最後のロケランがブレないので狙いさえすれば楽に撃墜できる、ダニー&デミ:箱の山積みを二個づつ処理できる点。ネタバレ防止にCOで。 //ドゥイーブのみ手榴弾キャッチボールに加えて最後のロケランシーンもかなり難しいのでその点も追記します ---- **総評 シンプルながら戦術性の高い対戦システム、非常に"濃い"殺し屋の面々、映画風味のハードボイルドが基本ながらどことなくコミカルな演出、どれをとっても唯一無二の独特さに溢れている。特に対人戦向きのジャンルといえば格闘ゲームが主流であった当時において、このような類のない対戦ゲームシステムを構築したことは高く評価できる。どうしても回避できないアンバランスな点も抱えているものの、それを踏まえても魅力の薄れない作品といえる。~ 後述する理由により、現在ではお目にかかれる機会が非常に少なくなってしまったが、稼働店に遠方から出向いてプレイするには十分な価値があるタイトルと言えよう。 ---- **余談 -インストカードのストーリー紹介では、美術館における美術品鑑定士暗殺の一部始終が殺し屋の視点で語られているが、この殺し屋が作中のどの登場キャラに該当するのかは不明。 -CPU戦のハイスコア争いであるが、稼働後短期間で限界点(1400万点)達成者が多数出たため早々と集計が打ち切られている。 --全7戦パーフェクト勝利にて達成。本作の得点源は「1人プレイ時の勝利時残体力ボーナス」のみである事が理由である。 ---本作のスコアシステムは、各ステージごとに得られる報酬(ステージごとに固定)から、被ダメージに応じた医療費(こちらも、ステージごとに報酬と同様に高騰する)を差し引いた利益が得点になるというものであり、撃破タイムはスコアに影響しない(タイムオーバー決着でもペナルティは一切ない)ため。 -キャラクター紹介で述べた通り、バーナードは義手がトレードマークで格闘攻撃が強いという設定なのだが、その義手を使った格闘攻撃は''なぜか1種類しかない''。勝利時の演出を見ても、特に義手をデリケートに扱っているわけでもなさそうなのだが…。 --しかも存在感がやや薄い空中下方向の攻撃に充てられているうえ、義手だからと言って特別威力が高いわけでもなく、見た目通り真下にしかヒットしないため利用価値は低い。むしろしゃがみ攻撃の長身を活かした屈伸キックのほうが、リーチが長くよっぽど使い勝手が良いという妙な事態となっている。%%エンディングのギャップからしてもはやそういうキャラだと無理矢理納得するべきなのか?%% ---ちなみに立ち状態の攻撃でも予備動作で義手側の腕を振り上げているが、実際に繰り出すのは頭突きである。また、ダッシュ時には駄々っ子パンチの如く両腕を振り回して走るが、当然この両腕には攻撃判定はない。 -長年、「漫画『ブラック・ラグーン』に登場する銀髪の双子男女・殺し屋のヘンゼルとグレーテルというキャラは、同名童話とともに本作のダニー&デミが元ネタである」という噂が広まっていたが、2023年10月27日のX(旧Twitter)上にて『ブラックラグーン』作者の広江礼威氏がこの件に関して言及しており、「ゲームの存在は認識していたがキャラクターデザインをするときには特に念頭になかった」旨の見解を述べている。([[リンク>https://twitter.com/hiroerei/status/1717918616107253949?s=20]]) -コンセプト&デザイナーの梅田正輝氏は『子育てクイズ マイエンジェル』を、作曲担当の福澤正洋氏は『[[ネビュラスレイ]]』や『[[アカツキ電光戦記 Ausf.Achse]]』を手がけている。 -2013年12月にGAME*SPARK連載の企画『RETRO51』にて本作が取り上げられた([[リンク>https://www.gamespark.jp/article/2013/12/14/45285.html]])。 --同企画に参加していた須田剛一氏は本作と同じく殺し屋をテーマとした『killer7』を手がけており、同作では「車椅子で生活する殺し屋が主人公」「主人公の中には7人の殺し屋の人格とそれを統括する人格が存在する」など本作を思わせる要素が散見されるものの、実際には氏が本作を知ったのは『killer7』リリース後であり、作風の影響は受けておらず偶然の一致であるとしている。 -ストーリーがストーリーだからか家庭用機種には移植されておらず((一応、プレイステーションに移植予定はあったものの結局キャンセルされてしまった。))、古いゲームゆえに基板も少ないため((ちなみに本作と同じ基板を使っている作品は『マッハブレイカーズ』のみ。))、現在ではプレイできる機会が非常に限られている。 --また、ダニー&デミのキャラクター設定が極めて陰惨なものであるという設定も、移植が実現しない壁のひとつとなっているのかもしれない((電ファミがM2に行ったインタビューでも「バンナムがOK出してくれたらいつでも移植を開始したいけど、CERO的には駄目なのかな」という話をしていた。))。 --当時の基板の出回りはどちらかといえば少なめだった影響もあってか基板の販売価格もやや高騰気味で店舗入荷・個人所有はし難い方とも言える。 //NB-2が故障多いって話はあまり聞かなかったぞ。NA-1が比較的多かったのと勘違いしてないか? //NB-2は結構故障トラブルが相次ぐ基板ですね。主にJAMMAコネクタ差込口付近のパーツが半田割れや破損したり、当時安いコンデンサを使用していた故の故障などが近年になって頻発してます。また、基板故障については元ナムコ勤務の基板屋からの情報でした。 --本作でもっとも魅力的である対戦台も、特定の極地に行かなければ見かける事は無いと言ってもいい。 //秋葉原には2019年9月現在設置されていないようなので表現を変更。 ---一方、対戦台を導入している店舗によっては、現在でも店内規模の対戦会を散発的に行っているところもある。 //「プログラミングが複雑すぎて移植できない」という噂も見かけましたが、具体的なソースまでは分かりませんでした。ご存知の方は記述をお願いいたします。 //NB-2自体、汎用筐体向けの基板だから「古い筐体」って表現自体そもそもおかしいだろ。 --本作のキャラに関しても、クロスオーバーを盛んに行うナムコ・バンダイナムコでありながら長らくノータッチが続いていた((『ナムコミュージアム』シリーズの作品年表では(当然ではあるが)しっかり掲載されていたり、『PROJECT X ZONE』でもとあるキャラ同士の掛け合いでタイトル名が使われるなど、作品自体が忘れ去られていた訳ではない。))が、『[[ファミスタシリーズ]]』のSwitch『プロ野球 ファミスタエボリューション』においてドゥイーブがブラックナムコスターズ((ナムコスターズの悪役キャラバージョン。))所属投手として登場し、ようやく日の目を見ることとなった。%%つまり他の殺し屋達は…。%% //-上述のように引き合いに出されることの多い『スマブラ』だが、『[[DX>大乱闘スマッシュブラザーズDX]]』以降こちらでも対戦アクションでは珍しい[[二人一組キャラ>アイスクライマー]]を実装している。 //--また、『[[for3DS/forWiiU>大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U]]』からはバンダイナムコも開発に参加している他、本作のバーナードステージと同様のコンセプトである「汽車」ステージが登場している(出典は『[[ゼルダの伝説 大地の汽笛]]』で、進行方向も逆ではあるが)。 //本作と直接関係ない作品の情報だったため一旦CO ----

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