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美少女戦士セーラームーン (SFC) - (2015/07/31 (金) 23:25:17) の最新版との変更点
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//仕分け議論を経て、良作判定が決定しました。
*美少女戦士セーラームーン
【びしょうじょせんしせーらーむーん】
|ジャンル|アクション|&amazon(B000068IBO)|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|メディア|12MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|エンジェル|~|
|開発元|不明(アークシステムワークス?)|~|
|発売日|1993年8月27日|~|
|定価|9,800円|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[セーラームーンゲームリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1107.html]]''|
#contents(fromhere)
**概要
-社会現象を巻き起こした漫画及びアニメ『美少女戦士セーラームーン』のSFCでは初めてとなるゲーム化作品。ジャンルは横スクロール型ベルトアクション。
-原作では必殺技で戦うことの多い可憐な美少女戦士に、『[[ファイナルファイト]]』ばりのマッシブな肉弾戦をやらせるというミスマッチ具合が話題を呼び、特に原作ファン以外(の男子)からはバカゲー・クソゲー的な扱いを受けることが多かったが……。
**操作方法・システム
-基本的な操作方法やシステムは一般的な『ファイナルファイト』系と同じだが、独自のシステムとしていわゆる飛び道具の必殺技とプレイ評価システムがある。
--攻撃ボタンを押しっぱなしにするとプレイヤーキャラのステータスにあるメーターが溜まっていき、完全に溜まってからボタンを離すと「ムーン・ティアラ・アクション」などアニメ無印で頻繁に登場した必殺技を使う。放った弾は一直線に飛んでいき、当たった敵はダメージ+ダウン。貫通能力もある。
--ステージクリア毎にプレイ評価される。クリアまでの時間、敵の攻撃で受けたダメージ、獲得点数の3つの項目で計算される。A~Eで評価されるがランクによる影響はなし。
-隠し要素で武器システムがある。ステージ1と2と4で、特定の敵に対して初めて当てた攻撃がタメ技もしくは通常攻撃のフィニッシュの場合「ハリセン」を落とす。
--高威力+ダウン+見た目以上の判定。被ダメージかフィールド切り替えでハリセンを失う。画面内にハリセンと別アイテムがあると、ハリセンを拾うまで別アイテムが入手不可。
-難易度は「やさしい」「ふつう」「むずかしい」と隠しコマンドで選択できる「なかよし」の4種類。意外なことに仲良しは優しいより難易度が高い。
--難易度により敵のHP・移動速度が変わる。優しいと仲良しはメガクラでHPを消費しない。優しいのみ敵の出現パターンと攻撃方法が違い、2面クリアでタイトル画面に戻る。
-2人プレイ可能。隠しコマンドを入力すれば同キャラ選択もできる。
**登場人物
#region(ネタバレあり)
-プレイヤーキャラクター
--''月野うさぎ''(''セーラームーン''に変身する)
---本作の主人公。パワー重視のバランスタイプ。
--''水野亜美''(''セーラーマーキュリー''に変身する)
---スピードタイプ。
--''火野レイ''(''セーラーマーズ''に変身する)
---バランスタイプ。
--''木野まこと''(''セーラージュピター''に変身する)
---パワータイプ。
--''愛野美奈子''(''セーラーヴィーナス''に変身する)
---リーチ重視のバランスタイプ。
-味方キャラクター
--''地場衛''(''タキシード仮面''に変身する)
---本作のヒーロー。
--''ルナ''
---言葉を話せるメスの黒猫でうさぎのお供。
--''アルテミス''
---言葉を話せるオスの白猫で美奈子のお供。
--''フォボス''&''ディモス''
---レイが飼っている二羽のメスのカラス。
--''クィーン・セレニティ''
---月の王国シルバー・ミレニアムの女王。
--''ちびうさ''
---おまけで登場。「ルナPボール」という怪しげなグッズを持っている。
-ボスキャラクター
--''バケーネ''
---ステージ1のボス。バケネコの姿をした「最強妖魔七人衆」の一人。アニメではセーラー戦士と戦うことはなかった。
--''ムーリド''
---ステージ2のボス。フランス人形のような風貌。ワープを使う。
--''ゾイサイト''
---ステージ3のボス。敵組織の幹部。セーラームーンに変装して登場する。プレイヤーが負けると喜んで燥ぐ。投げが効かない。
--''クンツァイト''
---ステージ4のボス。敵組織の幹部。真空衝撃波で遠距離攻撃をしてくる。
--''キング・エンディミオン''
---ステージ5(ラストステージ)の準ラストボス。クイン・ベリルに洗脳された地場衛(タキシード仮面)。
--''クイン・ベリル''
---ラストボス。敵組織ダークキングダムの親玉で、本作のラストボス。
--''クイン・メタリア''
---ベリルに憑依している暗黒の生命体。エンディングでベリルと同化しスーパーベリルになる。
-ザコキャラクター(どのザコもHPが高くなった色違いの強化版がいる)
--''アカン''
---特撮番組のザコ敵風の外見の妖魔。名前の由来は「関西弁のアカン」ではなく「北海道の阿寒湖」。
--''ガロベン''
---オノの形状になった片手で攻撃してくる妖魔。
--''ジジ''
---狛犬と鬼を足して2で割った姿の「最強妖魔七人衆」の一人。
--''ゲーセーン''
---ゲーセン風(?)な姿の「最強妖魔七人衆」の一人。
--''ジュモー''
---不気味な人形の妖魔。
--''ムチムチ''
---ゲームオリジナルキャラ。ムチを持った少女。
--''ヒラヒラ''
---ゲームオリジナルキャラ。ピエロっぽいファッション。
--''ゴロゴロ''
---ゲームオリジナルキャラ。アメ玉みたいな服を着ている。
#endregion
**評価点
-''プレイヤーキャラが5人という当時では大人数でありながら、キャラクターのバランスと個性が取れている。''ヴィーナスが頭一つ抜けているが、総合的に見れば5人に大差はない。自分しかできない・自分ではどうしようもないことがある。
--ムーンは攻撃力が高くてあらゆる敵を簡単にパンチハメできて最強。ただしリーチは短く、素早さに欠け、投げも必殺技も無敵技も隙だらけ。
--マーキュリーは素早さを活かした各個撃破・妨害潰し・回避に向いたテクニカルキャラ。そのかわり威力・リーチ・発生が頼りなくて、安全に攻撃できない技が多い。
--マーズはバランス型だが、通常攻撃のリーチ・威力・対ボスハメ性能は平均以上。反面、投げと飛び蹴りが弱過ぎて挟み撃ちされたら危険。高い跳躍力は利点も欠点もある。
--ジュピターは攻撃力が最も高く、タイムアタックに一番向いている。難点は投げの動作と、吹き飛ばし距離が長すぎること。パンチも遅くて、ザコ敵に囲まれると悲惨なことに。
--ヴィーナスはチェーンを使った、とてもリーチの長い通常攻撃を活かして安全に戦える。ジャンプパンチと投げとメガクラの判定が強いので、接近されても大丈夫。ただし通常攻撃の威力は極端に低く、投げなどを駆使しても大ダメージはムリ。ボスに対してのハメ能力も低い。このためテンポはgdgdであり、プレイ評価のクリアタイムにも差し障る。
-ゲームバランスが良い。とても簡単だったり歯ごたえがあったりと、''老若男女問わずクリアできる難易度でありながら、アクションが苦手な人でも得意な人でも楽しめるように仕上がっている。''
--全キャラでハードモードをノーコンティニュークリアはもちろん、ノーミスクリアも十分可能なゲームバランス。
---アクションが苦手な人でもオプションでコンティニューを5回に設定すればハードをクリアできるだろう。
--回復アイテムの回復量と個数のバランスがよい。また、背景に隠されたアイテムが2個あるが、ジャンプしたり画面スクロールでチラッと見えて良心的。
--難易度が少しずつ上がっていく。ただし、5面は回復アイテムの質と量のおかげで4面より楽になっている。ステージ2や3より楽勝かもしれない。
--強過ぎたり弱すぎるザコがいない。一撃で大ダメージを与える攻撃がなく、厄介な動き方をするが対処自体はしやすい。このためザコ戦の総合的な難易度の調整が上手くできている。
--すべての敵に弱点(付け入る隙)がある。たとえばザコ共通の弱点は「プレイヤーの攻撃の方が縦軸の判定が広い」ということ。
---ベリルにはバグがあり「戦闘開始直後にベリルを投げる→ベリルの起き上がり高速移動電撃を移動してかわす」するとベリルが一歩も動かなくなり、これを繰り返せば無傷勝利も可能。
--闇雲にその場でパンチ連打するだけでは苦戦するが、ポジショニングなど少しの工夫をするだけでパンチ連打でもあっさりと勝てる。味方と敵の相性、プレイヤーの腕前の強弱、それらを考慮しているため全体の戦闘バランス感覚が絶妙となっている。
--パンチハメは絶対的ではない。攻撃が素早いザコが多い本作ではもろ刃。ハメない方が安全な状況もある。パンチハメの操作のしやすさと相まって、パンチハメをする意義としない意義が両立できている。またムーンとマーキュリーしか全ての敵を「完全ハメ」できない。
--ハードモードでも敵がそこまでタフではないのでパンチハメは不要。火力が最も乏しいヴィーナスでも1時間かからずにクリアするのは簡単。
-''子どもやアクションが下手な人に対しての救済措置、プレイのストレスを軽減する配慮が整っている。''
--ミスやコンティニューするとミスした位置から復活する。ステージ最初からやり直しがなく、復活後のポジショニングが楽。
---初期クレジットは3。コンティニューは3~5回までに設定可能。1UPアイテムが3個入手可能。スコア一定値ごとに1UPするので、上手く稼げば後半には残機が9にまで増えているだろう。少なくとも20回ほどミスしてもゲームオーバーにはならない。
--他のファイナルファイト系作品より格段にパンチハメの操作がしやすい。通常(連続)攻撃の動作終了と同時に攻撃段階が初段に戻るものと終了後しばらく段階が維持するものがある。ヴィーナス以外は最終段直前の技動作完了とともに初段に戻るのでパンチハメしやすい。
---敵は怯むと左か右に微妙に移動する。方向は敵ごとに固定。操作キャラを動かすことが肝心。ハメてない敵に周りこまれたらハメを止めるなどの対策も重要。
---ヴィーナスは動作が遅くて全段が段階維持するのでパンチハメできないが、リーチがとても長いので少しずつ攻撃を当てながら逃げる戦法が可能。
--ヴィーナスは初心者には非常に扱いやすいキャラであり、子どもやアクションが下手な人でもヴィーナスを使えばクリア難易度が大きく下がるだろう。
--後述する問題点の「二人同時プレイの強力さ」は、救済措置として受け止めることもできる。
-1人プレイでも2人プレイでも一度に敵が最大4体出現する。しかも処理落ちがほとんどなく、起きてもグラフィックが少しちらつくだけで、ゲームスピードが低速化しない。
--むやみやたらに4体同時出現しないことも、戦闘バランス調整の一環となっていて好感が持てる。
--本作発売以前のSFCでのベルトアクション作は最大3体までだった(らしい)。
-グラフィックは見やすくて、当時としてはきれいである。
-ステージ2のお菓子の家エリアで、マーキュリーの方向キー未入力投げかジュピターのキー入力投げをすると、背景の巨大プリンがプルンプルンと揺れる遊び心がある。
**問題点
-プレイヤーキャラについて。
--プレイヤーキャラは地上での被ダメージ動作中も食らい判定が消滅せず、起き上がりと同時にメガクラを使うことが不可能。
---攻撃されても大抵は、斜め後方に移動or接近して掴むor無敵技を使えば連続して攻撃を受けにくい。敵の攻撃によるが、パンチで割り込むこともできる。
--ヴィーナス以外の投げが使いにくい。近くの敵もしくは遠くの敵しか巻きこめなかったり、動作が短かくて無敵時間を有効利用しにくかったり、動作が長いせいで他の敵に隙を突かれやすかったりする。また、後述するボスの無敵時間が原因か、ボスを投げてもザコを巻き添えできない。
---投げが全く役に立たないということはないので、投げ・パンチ・メガクラを使い分けたり、キャラバランスの調整のためと思われる。
--メガクラッシュが低性能。最大HPの1/8も消費し、縦への判定が狭く、ヴィーナス(マーキュリーも?)以外は攻撃判定消滅後もしばらく動作が終了しなくて動けない。
---キャラの差別化だろうか。メガクラを使わずに済ませられる状況が多く、緊急回避としての使い道はちゃんと残されている。
--なぜかマーキュリーのみ、パンチが当たるとボタン押しっぱなしで次段技を勝手にする変な仕様(バグ?)がある。
-ボスについて。
--ゾイサイト以外のボスは、怯み解除の一定時間後・掴み解除か起き上がりと同時に無敵になる。これはある法則に従っているのだが、全体的に見て、怯み解除後の無敵発生が早く、無敵時間が長い。
---ただし、キャラによって使い勝手が違うが、どのボスもパンチハメは可能である。
--クンツァイト(その他のボスも?)の掴み判定が消滅するバグがある。パンチ派生投げがバグ発生と関係する?
-ザコについて。
--ザコキャラによって出現数が恐ろしく偏っていて、アカンは90体以上、ガロベンとジジとゲーセーンの3体は30体以上、その他は1桁である。イージーなら出現数が異なるが、それでも偏っている。
---出現パターンやステージギミックで飽きさせないようにする設計はされている。
--ザコ最強が一番出現数が多いアカン。リーチが短く密着時は外れるパンチしかしないが、高威力で出が早すぎて全体動作が短くて対空にもなる。緩急をつけた動き。タメ技に反応して縦軸移動しやすい。集団で迫る。たまにダウンモーションの最後のモーションをスキップ(起き上がり時間自体は変化無し)する。間違いなく最強。
---残りの頻繁に出現するガロベンとジジとゲーセーンは弱いので、総合的なザコバランスは保っている。
//--ガロベン系は赤い体色のタイプがHP的に最弱だが、こいつがガロベン系最強。赤ガロベンとそれ以外では攻撃モーションが違い、リーチと威力と動作時間は同じでも判定出現に大きく差がある。赤ガロベンの攻撃は1回の攻撃で判定が3回発生し(一回の判定でのダメージは他のガロベンと同じ)、至近距離で食らうと無敵技を使わない限り回避不能。
//---イージーのみガロベン系の攻撃が、なぜか赤ガロベンの動作に統一されている。つまりイージーのガロベンの攻撃は他の難易度のガロベンより凶悪。
//赤ガロベンは対空アッパーカットをしてこないので、集団戦での戦いにくさは他の色のガロベンのほうが上。総合的にはプラスマイナス0だと思う。
--大半のザコのダウン時間が長い。これはゲームバランス的にそう決めたのだろうけれど、起き上がるまでの時間が長くてイライラするかも。
-エンディングとオプション難易度設定の仕様がメインターゲットであるはずの少女には不親切。
--仲良しモードは隠しコマンド必須で、キスEDを見るためにはムーンでハードモードをクリアしなくてはいけない。幼女には厳しいであろう「ふつう」「むずかしい」でプレイする羽目になる。
---ただし、評価点で述べた通りの親切丁寧・救済措置があるため、総合的には中和されているとも考えられる。
-プレイ評価の成績計算式が全難易度・全ステージで共通。ハードにもなるとステージ4と5(ベリル硬直未使用)でAランク取得は神がかり的なプレイでもしないかぎりはまず不可能。
--そのかわり相当ムチャなプレイでなければハードでもEランクを取ることはなく、全ステージでB以上を取るのも難しくない。
-2人プレイがバランスブレイクしている。 プレイヤー2人の攻撃を同時に当てると、敵のHPが一瞬で異常なまでに減少する。「両方のプレイヤーの攻撃が同時に当たったとき、どちらかの攻撃のヒット後にもう一方の攻撃がヒット」となっているのが原因。つまり一度の攻撃で交互に複数回当たる。
--ただし、この件については救済措置として捉えることもできる。
-処理上の問題で複数の敵に同時に攻撃をヒットさせることが不可能。タイムラグが生じる。このため集団で来るアカン戦が厳しくなった。
-(ヴィーナスは武器のような通常攻撃を使うが)武器が隠しアイテムの「ハリセン」しかなく、攻撃で壊してアイテムが出る設置物が存在しなくて寂しい。
-同キャラプレイできるが、コスチュームカラーが同じ。自分がどっちを操作してるのか分からなくなることが多発する。
-ステージ1の商店街エリア以外のステージの背景が同じ背景のループとなっている。
**『セーラームーン』としての評価点
-キャラクター設定に忠実なキャラ性能と技を持っている。
--ただし、マーキュリーの「シャボン・スプレー」はシステムに合わせて攻撃技に変更された。ムーンの「ムーン・ヒーリング・エスカレーション」も攻撃技になっている。
-原作ではあるがアニメでは未使用のジュピターの必殺技「フラワー・ハリケーン」が使える。
-セーラー戦士とちびうさにボイスがあり、全キャラ合わせて39種類とボイスが豊富にある。
--変身、タメ技、無敵技、投げ、被ダメ、ミス、ステージクリアの7種×5人分。月に代わっておしおきよ!、仲良しモード出現、タイトルコール、EDのちびうさの4種類を加えて39種類。
--2人プレイの場合は、無敵技とミスとステージクリアのボイスが聞けない。片方がゲームオーバーして1人プレイになっても、これらのボイスを聞くことはできない。
-5つあるステージはすべてアニメに登場した場所。「ジュエリーショップ おさP」などのゆかりの地も登場。
--ステージ順に、十番商店街、夢ランド、秘密工場、ムーン・キャッスル、ダーク・キングダム。ステージ1の後半は異空間、ステージ4の後半はDポイントである。
-ステージ突入前にアニメのアイキャッチがある。アニメと違って使用キャラに合わせて登場戦士とペット(?)が変わる。マーズはフォボスかディモス(一回に一羽しか登場しないのでどちらか不明)、ヴィーナスはアルテミス、あとのキャラはルナ。
--公式ガイドブックに「アイキャッチで隠しコマンドを入力すると、戦士が裸足になる」と裸足画面の写真付きで記述しているが、本に書かれたコマンドを入力してもなにも起きない。
---コマンドに誤記がある可能性が高い。
-ゲームオリジナルザコキャラのムチムチ、ヒラヒラ、ゴロゴロの3体は、原作者の武内直子が本作のために書き下ろしたキャラクターである。
-オリジナルBGMだけでなく「ムーンライト伝説」をはじめとしたアニメの曲も使われている。
--本作の音楽はアニメ版と同じく故・有澤孝紀氏が作曲・編曲している。なおサウンドプログラムとそれに伴うアレンジは別の方(林克洋氏)が担当。
-アニメ版でキャラクターデザインと作画監督をした只野和子が本作のアクションなどの原画を描いている。
-プレイキャラ選択後に変身シーンが挿入される。
-ゲーム起動時(タイトル画面)の演出がアニメのオープニングと同じ。
-エンディングがアニメと同じ。
--ムーンでクリアするとエンディングのセリフが変化。また、難易度「むずかしい」をムーンでクリアするとタキシード仮面とキスをする。
--最後の最後にちびうさが登場して「またね」とちびうさのボイスが流れるオマケがある。
**『セーラームーン』としての問題点
-原作・アニメのセラムンは必殺技が中心で格闘シーンは少ないが、本作は格闘技がメインである。
--かと言って格闘技ならなんでもするというわけではなく、開発者は女性にも出来る格闘技を採用している。
-『ファイナルファイト』や『[[ストリートファイターII]]』のごとくステージ1で壊せる車(破壊すると1万点がもらえる)が現れる。なお、妖魔は車を壊さない。
--公式ガイドブックの開発者インタビューによると、テストプレイしたプレイヤーが車をスクラップしようとしていたので製品版で実現させたという。
-技モーションに合わせるためか「ムーン・ヒーリング・エスカレーション」の技名を早口で言う。なんて言ってるかわかんない。
//-セーラー戦士とタキシード仮面の足が異様なまでに長い。原作・アニメ版と比べると一目瞭然。
//いや、原作とアニメも結構壊れてるよ。
-敵キャラのグラフィックが恐い。暗い雰囲気のステージやBGMと相まって少女には恐すぎるであろう。
--原作は少女マンガの中でも残酷な描写が多々あり、アニメはRから戦闘と敵がギャグ路線になったとは言え本作は不気味すぎる。
-ボス・ザコが何を基準にして選ばれたのか不明。
--バケーネとジジとゲーセーンは「最強妖魔七人衆」のメンバーだが扱い方に大きな差がある。
--アニメでマーキュリーが仲間に加わった回に登場したガロベンならまだしも、なぜアカンとジュモーが選ばれたのだろう。
--敵組織の幹部・ジェダイトとネフライトが出てこない。彼たちを蹴落としてまでバケーネやムーリドをボスにする必要はあったのか?
-OPが用意されておらず、セラムンを知らない人にはストーリーが分からない。
-エンディングでスーパーベリルが「えーい」「うわぁー。」とやる気がなさそうなセリフを言う。せめて「!」ぐらい付けてくれ。
-マーキュリーのステージクリア時のボイスがどういうわけか「おめでとう」。クリアボイスは1人プレイでしか聴けないので、プレイヤーに対しての発言?
-ボスを倒すと生き残ったザコがアホになる。逃げ出したのはいいが画面端で見えない壁にぶつかって動かなくなりやすい。ホバリングすることもある。
**総評
-「セーラームーン版ファイナルファイト」とでも言うべきシステムは、そのギャップと見た目からクソゲー扱いをされやすい。しかし、実際の内容は、多少の癖はあるものの十分にゲーム単体で遊べる出来であり、オリジナリティのある良作と言えよう。
--当時は『ファイナルファイト』の模倣クソゲーが乱発されていた時期であり、それらと比べると雲泥の差である。
-少女マンガ原作とは思えないほど高い難易度。しかし、女の子には難しいというだけで特別難易度が高いわけでもなく、その女の子に対しても救済措置が用意されている。
--キャラバランスとゲームバランスは良好。イヤ~な仕様はあるがプレイヤースキルで大体カバーできる。
-大人数のプレイヤーキャラ、敵の同時出現数、処理落ち対策、ボイスの豊富さをはじめ、ハード性能や容量に負けずに当時の技術をフル活用している。
-セラムンらしからぬ演出が多いが、セラムンの雰囲気は保たれている。
-''「美少女戦士セーラームーンのゲームを作ろう!」''という意気込みが伝わってくる力作。
**余談
-しょこたんこと中川翔子が自身のブログで本作を''「名作」''と評価している。[[しょこたんぶろぐ・2009年4月19日>http://ameblo.jp/nakagawa-shoko/entry-10300287998.html]]
-後にwebアニメ『美少女戦士セーラームーンCrystal』で水野亜美/セーラーマーキュリーを演じた金元寿子は幼少期に本作にハマっていたことを[[コミックナタリーのインタビュー>http://natalie.mu/comic/pp/sailormooncrystal]]で明かしている。
-本作の好評から、本作の4ヵ月後に続編『[[美少女戦士セーラームーンR (SFC)]]』が発売、94年にメガドライブで本作が移植され、95年に同ジャンルのアーケード版が稼働開始された。
--マーバから発売された移植版は、システムやグラフィック、音楽など様々な要素が大幅に変更されているので、移植と言うよりリメイクと考えたほうがよいだろう。
--『[[美少女戦士セーラームーン (AC)]]』は、高い難易度でありながらもよく練り込まれた名作として知られている。
-中には『美少女戦士セーラームーンSuperS 真・主役争奪戦』や『美少女戦士セーラームーン SuperS - Various Emotion』という超絶クソ格ゲーも存在するので要注意。
//↑誰か書きません?
#co{#region(参考動画)
&nicovideo2(sm13759120)~
&nicovideo2(sm37760)~
&nicovideo2(sm37769)~
&nicovideo2(sm37777)~
&nicovideo2(sm37812)
#endregion
これらの動画を載せる必要性はないと思うのでCO。}
//仕分け議論を経て、良作判定が決定しました。
*美少女戦士セーラームーン
【びしょうじょせんしせーらーむーん】
|ジャンル|アクション|&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/167000391.jpg,height=220)|
//非常に小さい画像になっていたので差し替え
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|メディア|12MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|エンジェル|~|
//|開発元|不明(アークシステムワークス?)|~|
|発売日|1993年8月27日|~|
|定価|9,800円|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|女児向けアニメ原作でまさかの[[ファイナルファイト]]&br()原作の雰囲気は尊重した内容&br()ゲームバランスは他のベルトアクションに引けを取らない|~|
|>|>|CENTER:''[[美少女戦士セーラームーンシリーズリンク>美少女戦士セーラームーンシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
社会現象を巻き起こした漫画・アニメ『美少女戦士セーラームーン』のゲーム化作品。スーパーファミコンでは初のゲーム化タイトルで、ジャンルはベルトスクロールアクションとなっている。~
原作では必殺技を駆使して戦う可憐な美少女戦士に、『[[ファイナルファイト]]』ばりのマッシブな肉弾戦をやらせるというミスマッチ具合が話題を呼び、特に原作ファン以外(の男子)からはバカゲー・クソゲー的な扱いを受けることが多かったが、原作の雰囲気を大事にした作りで高く評価されている。
**操作方法・システム
-基本的な操作方法やシステムは一般的な『ファイナルファイト』系と同じだが、本作独自のシステムとしていわゆる飛び道具の必殺技とプレイ評価システムがある。
--攻撃ボタンを押しっぱなしにするとプレイキャラのステータスにあるメーターが溜まっていき、完全に溜まってからボタンを離すとアニメ無印で頻繁に登場した必殺技を使う。放った弾は一直線に飛んでいき、当たった敵はダメージ+ダウン。貫通能力もある。
--ステージクリア毎にプレイ評価される。クリアまでの時間、敵の攻撃で受けたダメージ、獲得点数の3つの項目で計算される。A~Eで評価されるがランクによる影響はなし。
-隠し要素で武器システムがある
--ステージ1と2と4で、特定の敵に対して初めて当てた攻撃がタメ技もしくは通常攻撃のフィニッシュの場合「ハリセン」を落とす。
---高威力+ダウン+見た目以上の判定。被ダメージかフィールドが切り替わるまで使用可能。画面内にハリセンと別アイテムがあると、ハリセンを拾うまでは別アイテムが入手不可と言う難点がある。
-難易度は「やさしい」「ふつう」「むずかしい」と隠しコマンドで選択できる「なかよし」の4種類。意外なことに「なかよし」は「やさしい」より難易度が高く、「ふつう」よりかは下と言う位置付け。
--難易度により敵のHP・移動速度が変わる。「やさしい」と「なかよし」はメガクラでHPを消費しない。「やさしい」のみ敵の出現パターンと攻撃方法が違い、2面クリアでタイトル画面に戻る。
-2人プレイ可能。隠しコマンドを入力すれば同キャラクター選択もできる。
**登場人物
''プレイヤーキャラクター''~
-''月野うさぎ''(''セーラームーン''に変身する)
--本作の主人公。パワー重視のバランスタイプ。
---攻撃力が高くてあらゆる敵を簡単にパンチハメできて最強。ただしリーチは短く、素早さに欠け、投げも必殺技も無敵技も隙だらけ。
-''水野亜美''(''セーラーマーキュリー''に変身する)
--スピードタイプ。
---素早さを活かした各個撃破・妨害潰し・回避に向いたテクニカルキャラクター。そのかわり威力・リーチ・発生が頼りなくて、安全に攻撃できない技が多い。
-''火野レイ''(''セーラーマーズ''に変身する)
--バランスタイプ。
---通常攻撃のリーチ・威力・対ボスハメ性能は平均以上。反面、投げと飛び蹴りが弱過ぎて挟み撃ちされたら危険。高い跳躍力は利点も欠点もある。
-''木野まこと''(''セーラージュピター''に変身する)
--パワータイプ。
---攻撃力が最も高く、タイムアタックに一番向いている。難点は投げの動作と、吹き飛ばし距離が長すぎること。パンチも遅くて、ザコ敵に囲まれると悲惨なことに。
-''愛野美奈子''(''セーラーヴィーナス''に変身する)
--リーチ重視のバランスタイプ。
---チェーンを使った、とてもリーチの長い通常攻撃を活かして安全に戦える。ジャンプパンチと投げとメガクラッシュの判定が強いので、接近されても大丈夫。~
ただし通常攻撃の威力は極端に低いうえ、予備動作が大きく反撃を受けやすい。投げなどを駆使しても大ダメージはムリ。ボスに対してのハメ能力も低い。このためプレイテンポがグダグダになりがちであり、プレイ評価のクリアタイムにも差し障る。
''味方キャラクター''~
-''地場衛''(''タキシード仮面''に変身する)
--本作のヒーロー。
-''ルナ''
--言葉を話せるメスの黒猫でうさぎのお供。
-''アルテミス''
--言葉を話せるオスの白猫で美奈子のお供。
-''フォボス''&''ディモス''
--レイが飼っている二羽のメスのカラス。
-''クィーン・セレニティ''
--月の王国シルバー・ミレニアムの女王。
-''ちびうさ''
--おまけで登場。「ルナPボール」という怪しげなグッズを持っている。
''ボスキャラクター''~
-''バケーネ''
--ステージ1のボス。バケネコの姿をした「最強妖魔七人衆」の一員。アニメではセーラー戦士と戦うことはなかった。メガドライブ版には登場しないが、[[AC版>美少女戦士セーラームーン (AC)]]でもボスとして登場する。
-''ムーリド''
--ステージ2のボス。フランス人形のような風貌の妖魔。ワープを使う。メガドライブ版には登場せず、[[RPG版>美少女戦士セーラームーン ANOTHER STORY]]ではザコとして登場。
-''ゾイサイト''
--ステージ3のボス。敵組織の幹部。セーラームーンに変装して登場する。プレイヤーが負けると喜んで燥ぐ。投げが効かない。
-''クンツァイト''
--ステージ4のボス。敵組織の幹部。真空衝撃波で遠距離攻撃をしてくる。
-''キング・エンディミオン''
--ステージ5(ラストステージ)の中ボス。クイン・ベリルに洗脳された地場衛(タキシード仮面)。
-''クイン・ベリル''
--敵組織ダークキングダムの親玉で、本作のラスボス。
-''クイン・メタリア''
--ベリルに憑依している暗黒の生命体。エンディングでベリルと同化しスーパーベリルになる。メガドライブ版では条件と満たすと対決可能。
''ザコキャラクター''~
-''アカン''
--特撮番組のザコ敵風の外見で、ゾイサイトが誤って妖魔にした人間。名前の由来は「関西弁のアカン」ではなく「北海道の阿寒湖」。そのため、アニメではマリモを投げつけてくる。
-''ガロベン''
--オノの形状になった片手で攻撃してくる妖魔。RPG版ではザコだが、AC版ではボスとして登場する。
-''ジジ''
--狛犬と鬼を足して2で割った姿の「最強妖魔七人衆」の一員。
-''ゲーセーン''
--ゲームセンターをモチーフとしたグロテスクな外見の「最強妖魔七人衆」の一員。RPG版にもザコとして登場。
-''ジュモー''
--不気味なマネキン人形のような姿の妖魔。RPG版とAC版でもザコとして登場。
-''ムチムチ''
--ゲームオリジナルキャラクター。ムチを持った少女。メガドライブ版には未登場。
-''ヒラヒラ''
--ゲームオリジナルキャラクター。ピエロっぽいファッションの小人。メガドライブ版には未登場。
-''ゴロゴロ''
--ゲームオリジナルキャラクター。アメ玉みたいな服を着ているデブ怪人。
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**評価点
***ゲーム面の評価点
-プレイヤーキャラクターが5人という大人数でありながら、キャラクターの個性付けとバランス取りがきちんとなされている。
--性能面ではヴィーナスが頭一つ抜けているが弱点もあり、総合的に見れば5人に大差はない。自分しかできない・自分ではどうしようもないことがある。
-ゲームバランスが良い。とても簡単だったり歯ごたえがあったりと、老若男女問わずクリアできる難易度でありながら、アクションが苦手な人でも得意な人でも楽しめるように仕上がっている。
--全キャラクターでハードモードをノーコンティニュークリアはもちろん、ノーミスクリアも十分可能なゲームバランス。
--回復アイテムの回復量と個数のバランスがよい。また、背景に隠されたアイテムが2個あるが、ジャンプしたり画面スクロールでチラッと見えて良心的。
--難易度が少しずつ上がっていく。ただし、5面は回復アイテムの質と量のおかげで4面より楽になっている。ステージ2や3より楽勝かもしれない。
--強過ぎたり弱すぎるザコがいない。一撃で大ダメージを与える攻撃がなく、厄介な動き方をするが対処自体はしやすい。このためザコ戦の総合的な難易度の調整が上手くできている。
--すべての敵に弱点(付け入る隙)がある。たとえばザコ共通の弱点は「プレイヤーの攻撃の方が縦軸の判定が広い」ということ。
---ベリルにはバグがあり「戦闘開始直後にベリルを投げる→ベリルの起き上がり高速移動電撃を移動してかわす」するとベリルが一歩も動かなくなり、これを繰り返せば無傷勝利も可能。
--闇雲にその場でパンチ連打するだけでは苦戦するが、ポジショニングなど少しの工夫をするだけでパンチ連打でもあっさりと勝てる。味方と敵の相性、プレイヤーの腕前の強弱、それらを考慮しているため全体の戦闘バランス感覚が絶妙となっている。
--パンチハメは絶対的ではない。攻撃が素早いザコが多い本作ではもろ刃。ハメない方が安全な状況もある。パンチハメの操作のしやすさと相まって、パンチハメをする意義としない意義が両立できている。またムーンとマーキュリーしか全ての敵を「完全ハメ」できない。
--ハードモードでも敵がそこまでタフではないのでパンチハメは不要。火力が最も乏しいヴィーナスでも1時間かからずにクリアするのは簡単。
-子どもやアクションが下手な人に対しての救済措置、プレイのストレスを軽減する配慮が整っている。
--ミスやコンティニューするとミスした位置から復活する。ステージ最初からやり直しがなく、復活後のポジショニングが楽。
---初期クレジットは3。コンティニューは3~5回までに設定可能。1UPアイテムが3個入手可能。スコアエクステンドもあるので、上手く稼げば後半までは残機が9まで増やせる。少なくとも20回ほどミスしてもゲームオーバーにはならない。
--他のファイナルファイト系作品より格段にパンチハメの操作がしやすい。通常(連続)攻撃の動作終了と同時に攻撃段階が初段に戻るものと終了後しばらく段階が維持するものがある。ヴィーナス以外は最終段直前の技動作完了とともに初段に戻るのでパンチハメしやすい。
---敵は怯むと左か右に微妙に移動する。方向は敵ごとに固定。操作キャラクターを動かすことが肝心。ハメてない敵に周りこまれたらハメを止めるなどの対策も重要。
---ヴィーナスは動作が遅くて全段が段階維持するのでパンチハメできないが、リーチがとても長いので少しずつ攻撃を当てながら逃げる戦法が可能。
--ヴィーナスは初心者には非常に扱いやすいキャラクターであり、子どもやアクションが下手な人でもヴィーナスを使えばクリア難易度が大きく下がるだろう。
--後述する問題点の「二人同時プレイの強力さ」は、救済措置として受け止めることもできる。
-1人プレイでも2人プレイでも一度に敵が最大4体出現する。しかも処理落ちがほとんどなく、起きてもグラフィックが少しちらつくだけで、ゲームスピードが低速化しない。
--むやみやたらに4体同時出現しないことも、戦闘バランス調整の一環となっていて好感が持てる。
--本作発売以前のSFCでのベルトアクション作は最大3体までだった(らしい)。
-グラフィックは見やすくて、当時としてはきれいである。
-ステージ2のお菓子の家エリアで、マーキュリーの方向キー未入力投げかジュピターのキー入力投げをすると、背景の巨大プリンがプルンプルンと揺れるなど、遊び心ある演出もある。
***キャラゲー面としての評価点
-キャラクター設定に忠実なキャラクター性能と技を持っている。
--ただし、マーキュリーの「シャボン・スプレー」はシステムに合わせて攻撃技に変更された。ムーンの「ムーン・ヒーリング・エスカレーション」も攻撃技になっている。
-原作ではあるがアニメでは未使用のジュピターの必殺技「フラワー・ハリケーン」が使える。
-セーラー戦士とちびうさにボイスがあり、全キャラクター合わせて39種類とボイスが豊富にある。
--変身、タメ技、無敵技、投げ、被ダメージ、ミス、ステージクリアの7種×5人分。月に代わっておしおきよ!、仲良しモード出現、タイトルコール、EDのちびうさの4種類を加えて39種類。
--2人プレイの場合は、無敵技とミスとステージクリアのボイスが聞けない。片方がゲームオーバーして1人プレイになっても、これらのボイスを聞くことはできない。
-5つあるステージはすべてアニメに登場した場所。「ジュエリーショップ おさP」などのゆかりの地も登場。
--ステージ順に、十番商店街、夢ランド、秘密工場、ムーン・キャッスル、ダーク・キングダム。ステージ1の後半は異空間、ステージ4の後半はDポイントである。
-ステージ突入前にアニメのアイキャッチがある。アニメと違って使用キャラクターに合わせて登場戦士とペット(?)が変わる。マーズはフォボスかディモス(一回に一羽しか登場しないのでどちらか不明)、ヴィーナスはアルテミス、あとのキャラクターはルナ。
-ゲームオリジナルザコキャラクターのムチムチ、ヒラヒラ、ゴロゴロの3体は、原作者の武内直子氏が本作のために書き下ろしたキャラクターなので、浮くことなく馴染んでいる。
-オリジナルBGMだけでなく「ムーンライト伝説」をはじめとしたアニメの曲も使われている。
--本作の音楽はアニメ版と同じく有澤孝紀氏が作曲・編曲している。なおサウンドプログラムとそれに伴うアレンジは元セガのファンキーK.H.こと林克洋氏が担当している。
-アニメ版でキャラクターデザインと作画監督をした只野和子氏が本作のアクションなどの原画を描いている。
-プレイキャラクター選択後に変身シーンが挿入される。
-ゲーム起動時(タイトル画面)の演出がアニメのオープニングと同じで、エンディングもアニメと同じ。
--ちなみにムーンでクリアするとエンディングのセリフが変化する。また、難易度「むずかしい」をムーンでクリアするとタキシード仮面とキスをする。
--最後の最後にちびうさが登場して「またね」とちびうさのボイスが流れるオマケがある。
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**問題点
***ゲーム面の問題点
-プレイヤーキャラクターの仕様
--プレイヤーキャラクターは地上での被ダメージ動作中も食らい判定が消滅せず、起き上がりと同時にメガクラッシュを使うことが不可能。
---攻撃されても大抵は、斜め後方に移動or接近して掴むor無敵技を使えば連続して攻撃を受けにくい。敵の攻撃によるが、パンチで割り込むこともできる。
--ヴィーナス以外の投げが使いにくい。近くの敵もしくは遠くの敵しか巻きこめなかったり、動作が短かくて無敵時間を有効利用しにくかったり、動作が長いせいで他の敵に隙を突かれやすかったりする。また、後述するボスの無敵時間が原因か、ボスを投げてもザコを巻き添えできない。
---投げが全く役に立たないということはないので、投げ・パンチ・メガクラッシュを使い分けたり、キャラクターバランスの調整のためと思われる。
--メガクラッシュが低性能。最大HPの1/8も消費し、縦への判定が狭く、ヴィーナス(マーキュリーも?)以外は攻撃判定消滅後もしばらく動作が終了しなくて動けない。
---キャラクターの差別化だろうか。メガクラッシュを使わずに済ませられる状況が多く、緊急回避としての使い道はちゃんと残されている。
--なぜかマーキュリーのみ、パンチが当たるとボタン押しっぱなしで次段技を勝手にする変な仕様(バグ?)がある。
-ボスの仕様
--ゾイサイト以外のボスは、怯み解除の一定時間後・掴み解除か起き上がりと同時に無敵になる。これはある法則に従っているのだが、全体的に見て、怯み解除後の無敵発生が早く、無敵時間が長い。
---ただし、キャラクターによって使い勝手が違うが、どのボスもパンチハメは可能である。
--ボスの掴み判定が消滅するバグがある。クンツァイトで確認差れているが、他でも起きるかは不明。また発生条件も確定情報は出ていない。
//パンチ派生投げがバグ発生と関係する?
//不明な情報なのであくまでそういうバグがあるとだけ記載
-ザコの出現数の異様な偏り
--ザコキャラクターによって出現数が恐ろしく偏っており、アカンは90体以上、ガロベンとジジとゲーセーンの3体は30体以上、その他は1桁である。イージーなら出現数が異なるが、それでも偏っている。
---しかもムチムチは3つの色違いが1体ずつしか登場しない。これならばゴロゴロとヒラヒラの登場総数を増やしたほうがいい。
---本作のメガドライブ版ではゲームオリジナルザコはゴロゴロのみになり、ミュージカル版に登場した妖魔・マネギンが1面ボスおよび後半ステージの中堅ザコとして登場する。
---出現パターンやステージギミックで飽きさせないようにする設計はされている。
//--ガロベン系は赤い体色のタイプがHP的に最弱だが、こいつがガロベン系最強。赤ガロベンとそれ以外では攻撃モーションが違い、リーチと威力と動作時間は同じでも判定出現に大きく差がある。赤ガロベンの攻撃は1回の攻撃で判定が3回発生し(一回の判定でのダメージは他のガロベンと同じ)、至近距離で食らうと無敵技を使わない限り回避不能。
//---イージーのみガロベン系の攻撃が、なぜか赤ガロベンの動作に統一されている。つまりイージーのガロベンの攻撃は他の難易度のガロベンより凶悪。
//赤ガロベンは対空アッパーカットをしてこないので、集団戦での戦いにくさは他の色のガロベンのほうが上。総合的にはプラスマイナス0だと思う。
--大半のザコのダウン時間が長い。これはゲームバランス的にそう決めたのだろうけれど、起き上がるまでの時間が長くてイライラするかも。
-エンディングとオプション難易度設定の仕様がメインターゲットであるはずの年少の女の子には不親切。
--仲良しモードは隠しコマンド必須で、キスEDを見るためには上記の通りムーンでハードモードをクリアしなくてはいけない。そのため、女の子には厳しいであろう「ふつう」「むずかしい」でプレイする羽目になる。
---幸い評価点で述べた通りの親切丁寧・救済措置があるため、総合的には中和されているとも考えられる。
-プレイ評価の成績計算式が全難易度・全ステージで共通。ハードにもなるとステージ4と5(ベリル硬直未使用)でAランク取得は神がかり的なプレイでもしないかぎりはまず不可能。
--そのかわり相当ムチャなプレイでなければハードでもEランクを取ることはなく、全ステージでB以上を取るのも難しくない。
-2人プレイがバランスブレイクしている。プレイヤー2人の攻撃を同時に当てると、敵のHPが一瞬で異常なまでに減少する。「両方のプレイヤーの攻撃が同時に当たったとき、どちらかの攻撃のヒット後にもう一方の攻撃がヒット」となっているのが原因。つまり一度の攻撃で交互に複数回当たる。
--とはいえ、プレイを想定している層を考えるとこの件については救済措置として捉えることもできる。
-処理上の問題で複数の敵に同時に攻撃をヒットさせることが不可能。タイムラグが生じる。このため集団で来るアカン戦が厳しくなった。
-武器が隠しアイテムの「ハリセン」しかなく、攻撃で壊してアイテムが出る設置物が存在しなくて寂しい。
--ヴィーナスは武器のような通常攻撃を使うが、ここではステージに設置されている、追加・後付けの武器がないという意味。ベルトスクロールアクションとしては定番の要素で、爽快感を高めたり、攻略にメリハリをつける効果も持つのだが。
-同キャラクタープレイできるが、コスチュームカラーでの区別がないため、操作しているキャラがわかり難い。
-ステージ1の商店街エリア以外のステージの背景が同じ背景のループとなっている。
-ボスを倒すと生き残ったザコがアホになる。逃げ出したのはいいが画面端で見えない壁にぶつかって動かなくなりやすい。ホバリングすることもある。
***キャラゲーとしての問題点
-原作・アニメのセラムンは「必殺技で敵を浄化して倒す」という設定で、殴る蹴るして敵と肉弾戦を行うことは基本的にない。しかし本作はゲームジャンル上、格闘技がメインである。
--かと言って格闘技ならなんでもするというわけではなく、開発者は女性にも出来る格闘技を採用している。
-『ファイナルファイト』や『[[ストリートファイターII]]』のごとくステージ1で壊せる車(破壊すると1万点がもらえる)が現れる。なお、妖魔は車を壊さない。
--公式ガイドブックの開発者インタビューによると、テストプレイしたプレイヤーが車をスクラップしようとしていたので製品版で実現させたという。
-技モーションに合わせるためか「ムーン・ヒーリング・エスカレーション」の技名を早口で言う。正直なんと言っているのか解りづらい。
-敵キャラクターのグラフィックが恐い。暗い雰囲気のステージやBGMと相まって少女には恐すぎるであろう。
--確かに原作は少女マンガの中でも残酷な描写が多々あり、アニメは『R』から戦闘シーンとザコ敵がギャグ路線になったとは言え本作は不気味すぎる。
-ボスとザコが何を基準にして選ばれたのか不明。
--ゲーセーンとジジとバケーネは「最強妖魔七人衆」のメンバーだが、扱い方に大きな差がある。
---これは原作アニメの時点で「最強妖魔七人衆」のキャラクター設定に問題がありすぎたので仕方ないといえるが。
--アニメ前期でマーキュリーが仲間に加わった回に登場したガロベンとジュピター役の篠原恵美氏が担当声優のジュモーならまだしも、なぜムーリドが選ばれたのだろうか。
---ちなみにAC版ではムーリドは登場せず、アニメ第一話のザコ敵であるモルガとジュモーと同じく篠原氏が声を当てているキュレネがボス、クイン・ベリル直属の妖魔・テティス(ただし妖魔態のみ)がザコで登場する。
--敵組織の幹部・ジェダイトとネフライトが出てこない。この2人を差し置いてまでバケーネとムーリドをボスにする必要はあったのか?
---本作のメガドライブ版ではバケーネとムーリドと入れ替わりにジェダイトとネフライトが登場している。
--原作アニメの最終決戦でセーラー戦士と死闘を演じたDDガールズも登場しない。
---もっとも、そのあまりの凄絶さで多くのファンにトラウマを与えた敵キャラクターゆえに登場させづらい一面もある。
---なお、DDガールズはRPG版にてボス格の敵として登場する。
-バケーネは原作アニメでは一度も異空間に行っていない。ちなみに本作の異空間はアニメ第9話で妖魔・ラムアが登場する場所である。
--ムーリドは原作アニメでも夢ランドで登場するので、この点は評価できる。
-OPが用意されておらず、セラムンを知らない人にはストーリーが分からない。
-エンディングでスーパーベリルが「えーい」「うわぁー。」とやる気がなさそうなセリフを言う。せめて「!」ぐらい付けてくれ。
-マーキュリーのステージクリア時のボイスがどういうわけか「おめでとう」。クリアボイスは1人プレイでしか聴けないので、プレイヤーに対しての発言だろうか。
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**総評
「セーラームーン版ファイナルファイト」とでも言うべきシステムで、多少の癖はあるものの十分にゲーム単体で遊べる出来であり、オリジナリティのある良作に仕上がっている。~
少女マンガ原作とは思えないほど高い難易度がネックではあるが、キャラクターバランスとゲームバランスは良好であり、女の子には難しいというだけでとびぬけて高すぎるというほどでもない。メインターゲットであろう女子層に対してもきちんと救済措置が用意されている。~
大人数のプレイヤーキャラクター、敵の同時出現数、処理落ち対策、ボイスの豊富さをはじめ、ハード性能や容量に負けずに当時の技術をフル活用しており、純粋なベルトスクロールアクションファンにも十分に楽しめる。~
原作らしかぬ演出も見受けられるが、原作の雰囲気はきちんと保たれているので、ファンならやってみて損はない。~
''「美少女戦士セーラームーンのゲームを作ろう!」''という意気込みが伝わってくる、力作といって差し支えない逸品である。
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**余談
-しょこたんこと中川翔子氏が自身のブログで本作を''「名作」''と評価している。[[しょこたんぶろぐ・2009年4月19日>https://ameblo.jp/nakagawa-shoko/entry-10300287998.html]]
-後にwebアニメ『美少女戦士セーラームーンCrystal』で水野亜美/セーラーマーキュリーを演じた金元寿子氏は幼少期に本作にハマっていたことを[[コミックナタリーのインタビュー>http://natalie.mu/comic/pp/sailormooncrystal]]で明かしている。
-「エルフェンリート」などで知られる漫画家の岡本倫は、学生時代にアークシステムワークスのアルバイトで本作に[[ドッターとして開発に携わっていた。>https://twitter.com/okamotolynn/status/1516767269287710724]]
-本作の好評から、本作の4ヵ月後に続編『[[美少女戦士セーラームーンR (SFC)]]』が発売、94年にメガドライブで本作が移植され、95年に同ジャンルのアーケード版が稼働開始された。
--マーバから発売されたメガドライブ移植版は、システムやグラフィック、音楽など様々な要素が大幅に変更されているので、移植と言うよりリメイクと考えたほうがよいだろう。しかし1人プレイ専用になった上に、ヒラヒラが削除されてゲーセーンが続投しているのが残念な点だが。
--『[[美少女戦士セーラームーン (AC)]]』は、高い難易度でありながらもよく練り込まれた名作として知られている。
-本作に限った話ではないが回復アイテムはスイーツである。
--アクションゲームにおける回復アイテムは骨付き肉・ハンバーガー・肉まん・握り飯…と基本的に「主食」と呼べる物が主体である。~
だがこのシリーズでは題材が題材だけにケーキ・パフェ・プリン…となっていて主に「大きなお友達」からしてみれば体力小回復のカテゴリーにしか見えず、初見では''回復アイテムの質が分かりにくい''。(あまり回復しないと思ってたら実はライフ全回復だったり、ボロボロの状態で拾ったはいいがあまり回復しなかったりと言った事が起こったりする)
---そうした事から各種回復アイテムの回復量は説明書や攻略本などがない場合は拾って確認するしかない。
--さらに「食べ物ではない物」であるバラやゲームカセットで完全回復する。
---食べ物ではないアイテムなら1UPといった回復以外の効果であるのがふつう。タキシード仮面の象徴であるバラはともかくゲームカセットで回復するのは奇抜。しかもクイン・ベリルの玉座の手前に置いてあるのでシュール。
-「アイキャッチで隠しコマンドを入力すると、戦士が裸足になる」という裏技もある。
--ただし、公式ガイドブックには誤ったコマンド((「後ろから3番目」と「後ろから4番目」が逆になってしまっている。))が載っているので注意。コマンドを入力しても裸足にならないため、データの解析が進むまでは製品版では不採用に終わった没要素だと思われていた時期もあった。
-上記の裸足の裏技について、公式ガイドブックで「容量が足りないので、(裏技で)裸足までしか脱がせられませんでした」と語っているが、ゲームの未使用データをまとめた海外のWikiで''「全裸のグラフィックが没データとして存在している」''と画像付きで暴露されている。
--全裸グラフィックを正式に採用しなかった理由は簡単に推測できるが、開発者は完全なる大嘘つきである。
--ただし、その全裸グラフィックは本来映らないはずの部分は下書き同然で、きちんと体のラインも描写されておらず、期待して見に行ってもがっかりするだけである。きちんと見せられなかった理由は「きちんと見せられるほどのクオリティで描かれていないから」であり、また、描く必要も無い部分なのだった。
---その中で、足だけは「人に見せられるレベル」で描かれているため、足だけは見せる裏技ができたのだろう。
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