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そのためブレードライガーやジェノザウラーといった当時の最新鋭機は登場せず、サラマンダーやディメトロドンといったアニメに登場しないゾイドが登場する。また、ウルトラザウルスやモルガ等、色を変えて再販売済みだったゾイドも、ほぼ当時のカラーリングに近い仕様で登場する。 先行予約特典として、旧カラーを再現したレドラーが付属していた。 **システム -ゲーム開始時に帝国と共和国のいずれかを選択し、プレイヤーは所属勢力の中隊長として戦争に参加する。 --帝国を選択した場合は皇帝直属部隊を率いる帝国軍の将軍となり、共和国を選択した場合は自ら前線で華々しく戦う共和国大統領……の、影武者という立場となる。 -部隊は複数の小隊からなり、1小隊の編成数上限はゾイドのサイズに応じたコストによって管理される。 --Sサイズは2コスト、Mサイズは3コスト、Lサイズは4コストかかる。1小隊につき最大12コストまで編成できるので、3~6機のゾイドで小隊を組む事になる。 ---コストを余らせる利点はないので端数が出ないように組み合わせる事が望ましいが、そこに固執して中~小型ゾイドばかりの小隊になると却って総合力は落ちる場合もある。 -シナリオが開始するとまず「ベースキャンプ」で次に臨む作戦の要綱が説明され、それを念頭に置いてキャンプで出撃準備を行う。 --キャンプ内では部隊編成と作戦確認の他、「工場」でゾイドの売買とパーツの売買・セットアップが可能。購入できるゾイドやパーツはシナリオ進行に伴って変化する。 ---ある程度シナリオが進むと初期のゾイドやパーツはラインナップから消えることには注意が必要。小隊に配置コストがある事と、同名パーツを複数装備できない関係上小型ゾイドや型落ちパーツにも最後まで需要が存在する。 --「研究所」では特殊なパーツを使ったゾイドの強化改造が可能。 ---「冷凍砲」などの大型追加武装の装備が可能で、取り外しは自由に行える。他にも「リミテッドセット」に代表される強化パーツ群によって一部ゾイドをMk-II仕様や限定型仕様に強化する事も可能。こちらは一度取り付けると元に戻すことは出来ない。 --「訓練」は実戦同様の模擬線マップに挑める。経験値だけでなくアイテムや資金も入手可能で何度でも挑戦可能だが、その代わりこちらのゾイドが撃破されるときっちり修理費を請求される。 -マップは2Dのヘクス(六角形)で構築されており、平地・山岳・都市など複数の地形が存在する。 --ゾイドごとに移動適正が設定されており、適正の無い地形では移動力が下がる。逆に、特定の地形に侵入すると隠蔽(ステルス)状態になり、敵に奇襲をかけられるゾイドも存在する。また、飛行ゾイドはほとんどの地形の影響を受けない。 -行動はプレイヤー先行のターン制で、まずこちらの第一小隊が全員行動すると次に敵の第一小隊が行動し、その次にこちらの第二小隊が行動し、それが終わると敵の第二小隊が……といった具合に小隊単位で交互にゾイドを動かしていく。 --小隊には基本的に小隊長ゾイドが存在し、このユニットが撃破されると小隊員は全員撤退してしまう。敵の小隊長が突出してくれば一網打尽のチャンスとなり、逆に味方の小隊長が包囲されると絶体絶命のピンチとなる。 ---第一小隊の小隊長は中隊全体の隊長機となり、撃破された場合は全小隊が撤退する。味方の中隊長が撃破されれば即ゲームオーバーである。 -ゾイド同士の戦闘は3DCGの1対1ターン制バトルで行われ、どちらかが撃破されるか逃走するまで続く。 --ゾイドごとに1~4種類装備されている様々な性能の武装から選択し攻撃を行うが、特に「速度」と「クリティカル率」が重要となる。 ---速度は相手より先に攻撃できるかどうかに影響する。基本的に射撃武装は速く、格闘武装は遅い。行動速度が遅いと余計な被弾が増え、相手の逃走を許す場合もある。 ---クリティカルが発生すると、相手のパーツ(武装含む)をランダムでひとつ破壊し使用不能にする。破損したパーツは戦闘終了時に修復されるが、戦闘中の立ち回りに大きな影響が出る場合が多い。主力武装がいきなり破壊されて大苦戦、という事も起こりうる。クリティカル率は射撃武装が低めで、格闘武装は高め。 ---その他、「ショート」「サビ」「炎上」などの状態異常を引き起こす武装も存在する。 -特殊な攻撃方法として、「範囲攻撃」と「包囲攻撃」が存在する。 --「範囲攻撃」はいわゆるマップ兵器で、射程内の決められたヘクスに存在するユニット全員に攻撃する。味方も巻き込む事には注意が必要。 ---着弾地点を指定しそこを中心にして周囲を巻き込むタイプと、向きを指定しその方向の直線に対して攻撃を行うものなどがある。 --「包囲攻撃」は、目標の敵ゾイドに2体以上の味方ゾイドが隣接している場合にのみ行える変わった攻撃。 ---包囲している味方の数に比例してダメージが上昇するが、威力は低めで攻撃回数も単発かつ、敵を囲む手間もある。しかし、ENなどのコストが一切かからずどんな地形でも攻撃出来るという利点もある。 -ゾイドにはレベルの概念があり、戦闘によって経験値を一定数得るとレベルアップしスキルポイントを得る。スキルポイントをパラメータに割り振る事で自身の能力を上昇させられる他、一定値を消費する事で特殊なスキルを取得することも可能。 --相手の命中率が常に3割減少する「疾風」や、ターン終了時にHPとENが少し回復する「再生」など有用なスキルは数多いが、スキル取得にばかりポイントを浪費すると基礎攻撃力が非常に低くなってしまうので、バランスと取捨選択が重要である。 -敵ゾイドを撃破すると、必ず「残骸」がヘクス上に残る。味方ゾイドをそこに移動させることで回収が可能で、資金やアイテムが手に入る。味方ゾイドが撃破された場合も残骸になるが、これを敵ゾイドに回収されると&bold(){キャラロスト}なので注意。味方に回収させておけば、マップクリア後に復活する。 --敵の残骸からは稀にゾイドそのものが回収できる。その場合、自中隊のゾイドとして次マップから使用できる。 -特徴的な要素として、敵ゾイドの鹵獲が可能という点が挙げられる。 --「捕獲装置」を装備した専用ゾイドを使用し、敵ゾイドに命中させられれば自軍ユニットとして運用可能になる。捕獲成功率は相手のHPが低いほど高くなるので、撃破しない程度に上手く調整する必要がある。 ---おかしな話だが、訓練で登場する敵ゾイドも鹵獲可能。その為、訓練に出てくるゾイドは事実上無限に獲得できるという事になる。 **評価点 //評価点でなくシステム説明でしかなかった部分を削除 &bold(){ゾイドの再現} -ゾイドはすべて3DCG。初代PSにしてはなかなかの高画質。ちゃんと足の逆関節・順関節も再現している。 -またモーションもバリエーション豊富。撃破されると小・中型機は豪快に吹っ飛び、大型機はアニメーションで崩れ落ちるという演出付き。 --大型ゾイドと一部の中型ゾイドは敵機を撃破すると勝利の雄叫びを挙げる。なんとマンモスやサラマンダーも咆哮する。 -オープニングムービーとエンディングムービーを担当したのはガイナックス。ガイナックスならではのケレン味も健在でアレンジも許容範囲。単に一枚絵が続くのではなく、飛んで跳ねて動き回るゾイドの姿は迫力満点かつ美しい。 &bold(){美麗なカットインムービー} -範囲攻撃を行う際に流れるムービーは、簡にして明にしてド迫力。古参のゾイド好きならば何度鑑賞しても見飽きないだけの爽快感がある。 -同様に共和国側でのプレイ時にデスザウラー、帝国側でのプレイ時にはマッドサンダーが敵として初登場した時に流れるムービーも、『敵軍の新兵器の脅威』を感じさせるものとして十分な出来。 &bold(){登場ゾイドの数と種類} -ガリウスやスパイカーといった、80年代初期に発売された初期のゾイド(「メカボニカ」のこと。俗に云う「骨ゾイド」)も登場するが、育成次第で帝国の小型ゾイドや中型ゾイドとも互角に戦える。((メカボニカを受け継ぎ、ガリウスの走行速度が時速270km/hなど設定が固まってなかった頃のゾイドなので、それが如実に反映されているとも言える。)) -基本のゾイドだけでなく、ミッション内で入手できる改造セットを使えば、旧ゾイド時代の改造機体を(ある程度)再現できる。 -取得したゾイドは改造バリエーションも含めて図鑑に登録されるため、コレクターゲームとしての側面もある。 -捕獲用ゾイドを使う事で、共和国と帝国のゾイドが混在する夢の部隊を作る事が可能。マッドサンダーとデスザウラーが揃い踏みする悪夢のような光景も実現できる。 --鹵獲機体は所属勢力に応じた特殊なカラーリングになるのも非常に嬉しい要素。深紅の帝国シールドライガーは必見。 -それほど厳密ではないが三すくみになっており、大型ゾイドは素早く回避の高い小型ゾイドが苦手、小型ゾイドは中型ゾイドが苦手、中型は大型が苦手である。やみくもに大型ゾイドだけを突進させれば勝てるというわけではない。終盤になっても、小型、中型ゾイドは大切な戦力となる。 -数こそ少ないもののノイジークロークの手掛けたBGMは概して高評価。昭和当時の旧ゾイドの雰囲気を残しながらも、ミリタリーテイスト漂う緊張感あるサウンド。 **問題点 //主に続編の仕様に関する内容を整理 &bold(){戦力の偏り} 登場するゾイドの基本性能は共和国に有利となっている。 -特にステルス特性を持つゾイドに大きな格差がある。ステルスゾイドは隠蔽状態で相手ユニットが隣接した場合強制的に戦闘を行い、1ターン目に攻撃力2倍で一方的に攻撃ができるという非常に強力なメリットを持つ。 --共和国は小型ゾイドの時点でステルス機が2種運用可能、さらに中型に格闘機のコマンドウルフと射撃機のスネークスがいるが、帝国側は中型ゾイドのヘルキャットただ一種のみ。しかも、ヘルキャットは本作のステルス機の中でぶっちぎりの最弱ユニットである。 --特定地形でのみステルス能力が発動するユニットは両軍に存在するが、これらのユニットの能力も概ね共和国の方が優勢である。ただし、敵AIが地形隠蔽を活かして進軍してくることは稀なのでここについては実質的な格差はごく小さい。 -飛行ゾイドでも共和国が有利。 //圧倒的ってほどじゃない --共和国側は再序盤から飛行ユニットの運用が可能で、本作唯一の大型飛行ゾイドであるサラマンダーも使用できる。対する帝国側は中型ゾイドしか飛行可能なユニットが存在しない。そのゾイドも、継戦能力が乏しすぎるシュトルヒ、一切の射撃武装を持たないレドラー、水空両用の代わりに基本スペックが小型ゾイド並のシンカーなど癖が強いゾイドばかり。 ---サイカーチスがダブルソーダに使い勝手で劣るなどの部分は、原作設定を考慮すると致し方ない部分もある。 -水中ユニットに関しても、水中隠蔽かつ奇襲と相性の良い高火力の格闘武装を持つバリゲーター、隠蔽こそ無いが陸でも水でも強いウルトラザウルスを有する共和国に分があると言える。 -しかしながら、ゲーム進行上のバランス格差という点においては&bold(){敵軍ゾイドの捕獲}という手段がとれるゲームなので(そこに抵抗が無ければ)実際はそれほど大きい格差があるわけではない。 --どんなユニットでも好き放題捕獲できるという訳ではないが、飛行ユニットやステルスユニットの格差についてはかなり是正できる。相手が強いなら利用してやればよいのだ。 &bold(){全体的に武装や強化パーツに関する仕様に粗がある。} 設定上使用できてしかるべき武装やパーツが無いゾイドがいくつかいる。 -シールドライガーを例に挙げると設定上((本ゲーム内の図鑑でも装備されていると記載されている。))装備されているはずのEシールドが無い上、爪での攻撃もできない。 --反荷電粒子シールドが再現されていないせいでデスザウラーの荷電粒子砲で蒸発するマッドサンダーなど、なかなかシュールな光景も。 --レーダーの様な特殊装備は特定ゾイド固有の能力ではなく全ゾイドが装備できる共通の強化パーツとして実装されているため、本来なら電子戦ゾイドとして活躍していたゾイドは特徴のないゾイドとなり、アイテムや隠蔽ゾイド探索は、レーダーを装備した飛行ゾイドが担当するようになってしまっている。 逆に、武装がしっかりと再現されている事で著しく不利な条件を背負ってしまっているゾイドが多数存在する。 -ゾイドに装備できる武装と強化パーツは、サイズに関わらず一律で合計8つまでという制約がある。 --この為、サーベルタイガー等の極端に武装の多いユニットはほとんど強化パーツを装備できない((元からシールドライガーより武装が多いのみならず、本作のシールドライガーではオミットされている爪攻撃まである。))((帝国はゾイドを専業化させず複数機能を持たせて様々な用途に使うという特徴があるため。))。 --本作はHPを強化するパーツの効力がかなり大きく設定されており、最大でHPが&bold(){2.5倍}になる。ゾイドのHPと攻撃力のバランスは強化パーツありきで設定されているため、パーツ枠が足りずHPを底上げ出来ないゾイドは非常に打たれ弱くなる。そうでなくとも、HPの強化が必須である以上それ以外の強化パーツを装備する余裕のあるユニットとの格差は大きい。 --このため、設定上は旧式であったり輸送用であったりと戦闘向きではないはずのゾイドが、武装数の少なさから強化パーツで大幅にパワーアップできるという逆転現象を招いている。一方、設定上は多彩な武装で活躍したはずのゾイドが、特に耐久面で大きなハンデを負うという理不尽な扱いを受けている。 ---武装数が多ければ状況に応じた使い分けが出来るのだからそれと引き換えともとれるが、実際は毒にも薬にもならない武装で枠を潰されていると言っていい状態のゾイドも多い。特に帝国のゾイドはその傾向が強い。 --強化セットを使うことで特定機体を強化型にすることも出来るのだが、このシステム上、装備可能パーツが減ってしまって逆に弱くなることも多い。 -また、スキルポイントが原則として一極振り安定なバランスである事も、武装の少ないユニットの評価を押し上げている。 --本作ではレベルアップで得たポイントを「格闘」「近射」「遠射」「範囲」といった各種ステータスに振り分けて基本性能を上昇させていくのだが、当然ながら使う武装数が少ない方がポイントの振り先を絞れるため、効率が良くなる。 --また、武器の属性に「補助」が付く((主にビームなどのエネルギー兵器に設定される属性))ものは補助にさえポイントを振れば強化できる。主要な武装全てに補助属性が付いているユニットはこの恩恵を非常に大きく受けることができる。さらに補助の数値は回避力、状態異常の回復率、逃走確率にも影響するため、「補助一極振り」ができるか否かで評価が大きく変わるほどである。 ---武装が少なく、一つの武装に役割が集中しているゾイドほど結果的に極振りがしやすい。高威力・長射程・対空可能で補助属性もしっかりついている「マクサー30㎜ビーム砲」たった一門で戦い抜くビガザウロなどその最たる例であろう。一方、格闘は「ハンマーパンチ」、対空は「ミサイルポッド」、遠距離攻撃は「長距離対地ミサイル」と律儀に実弾で用途別武装を揃えているアイアンコングはポイント振りにとても苦心する。範囲攻撃まで持っているのだがそこを補強する余裕などあろうはずもない。 -ただし、武装が少ないゾイドに欠点がないわけでもない。クリティカルによって数少ない武装が破壊された場合、次善の策すら打てず逃げるしかない状態になってしまう事もありうる。 --もっとも、強化パーツを大量に装備していればそちらが「デコイ」として機能する場合も多く、結局は大した問題にならない。 //以下システムの問題 &bold(){システムなどの問題} -命中率、逃走確率などの表示が実際と異なっている。命中率71%, 80%, 93%といった数字がゾイドの組み合わせを問わずよく見るがこれがあまり当てにならない。&br()これは判定の際、内部で判定が2回行われており味方側は悪いほう、敵側は良いほうの結果を取るためである。&br()つまり、味方側の命中率70%と敵側の命中率30%はほぼ同値の約50%となる。 -一部の特殊能力が強力すぎ、バランス崩壊の一因となっている。 --「精神集中」は1ターンのタメが必要とは言え格闘武装の威力が&bold(){2.5倍}かつ命中率&bold(){100%}になるという本作屈指のぶっ壊れスキルである。常時相手の命中率30%カットの「疾風」、高確率で相手を行動不能にするうえで連続使用可能な「咆哮」なども相当のパワースキルである。 ---もっとも、「精神集中」と「疾風」に関しては上記の命中不全の問題からこれくらいないとやってられないという事情もある。 --強力なスキルがあるという事はスキルポイントに余裕のあるゾイドの方が優位という事であり、そこも「武装数の多いゾイドは不遇」という傾向を後押ししてしまっている。 -敵AIの行動順が小隊長機から行動の上、小隊長から撃破されないよう控えさせるという思考が無い。そのため、先陣を切って突撃してきた小隊長機を返り討ちにすることでいきなり敵小隊壊滅という事がよく起きる。 --敵部隊のユニット数は味方部隊よりかなり多めに設定されており、ユニット性能も彼我であまり差がないゲームなので難易度調整の一環と考える事もできる。 -一部に誤字脱字が見られる。最強兵器である荷電粒子砲がムービーなどで誤った漢字で表記されてしまっている。 -説明書も記載情報が間違いが多い。ゾイドの熱心なファンでもなければ気にしないような些細なものも多いが。 --例:ウ「ォ」ディックじゃねぇ! ウ「オ」ディックだ! -機動性(命中回避修正値)が何故か隠しパラメータ。概ね小型ゾイドや飛行ゾイドが高く、大型ゾイドは低い。表記が無いうえ上記のように表示命中率が信頼できないゲームなので、プレイヤーには体感程度の非常に漠然とした情報しか把握できない。 --シールドライガーのように明らかに機動性を売りとするゾイドもいるのだが、実際に運用してみないとわからないため不便。全く気付かず使われなかったというゾイドもいるだろう。 --武器に対しては%単位の命中率が書かれているので、半端な設定である。 -昔のゲームの所為でもあるが、セーブロードに少し時間が掛かる。 **賛否両論点 &bold(){一部装備のバランス崩壊} -共和国編中盤では自軍の主力が中型が大半にもかかわらず、敵側はディメトロドンやレッドホーンといった大型機体を使用する為、苦戦を強いられる。 -敵に大型ゾイドがやたら出るのは帝国でも同様だが、苦戦する要因の一つが帝国大型ゾイド((厳密には中型モーターで駆動する四足ゾイド))の標準装備である高圧濃硫酸噴射砲の存在。攻撃力は弱く行動速度も遅いが、高確率で敵を行動不能にするショート状態に追いやる。 --中でもレッドホーンは、ショート中に当てると威力が1.5倍に増加する電磁砲を持つ為、硫酸砲→電磁砲のコンボがほぼ確定してしまう。 --とはいえ、CPUの武器選びが適当なことや、事前にスモークディスチャージャーを使って暗闇状態((回避率上昇、逃走確率95%、状態異常無効))になることで状態異常を防げるため、多少運が絡むとはいえそこまで脅威となることは少ない。逆に自軍が帝国の場合は、まさしく「当てれば勝ち」といった切り札武装になる。 -一方で共和国ゾイドは射撃武装と範囲武装が充実しており、ウルトラザウルスやゴジュラスMK-Ⅱなどの大型ゾイドを大量に投入し怒涛の範囲攻撃攻勢をかける事も可能。 --帝国側の範囲武装は、総じて威力が低く使いにくい。唯一の例外はデスザウラーの荷電粒子砲だが、加入は最終盤である。 &bold(){パイロットの存在} -主人公は存在しているが、これといったセリフは無く存在感は皆無。設定上は中隊長機に登場しているようだが、特にシステム的な優遇があるわけでもなくむしろ撃破=ゲームオーバーなので後方でアイテム回収などに努める場合が多い。 -そもそも、ストーリー上で「ゾイドのパイロット」という存在にスポットが当たる事自体が非常に稀。ごく一部のミッションではNPCパイロットの台詞もあるが、それもあくまでモブ的なものである。 -この点を味気無く退屈と感じるか、余計なオリジナル要素を付加せず好ましいと感じるかはプレイヤー次第だろう。 --続編ではパイロットにも大きくスポットの当たるシナリオ展開となったが、本作の雰囲気に好感をもっていたプレイヤーからは賛否を呼んだ。 &bold(){序盤が地味} -前述の通り共和国側だと最初は骨ゾイドしかいない%%それが良いんじゃないか%%。アニメから入った低年齢層にとっては馴染みが無い上、ビジュアルの面でも盛り上がりに欠ける((アニメではやられ役だったゴドスがかろうじている程度。ただし、隠しコマンド入力を除く))。 --帝国は帝国でアニメのやられ役兼敵であるモルガやアニメ未登場のゲーター、マーダなどの地味目な陸戦ゾイドしか居ない。 -コマンドウルフなどアニメでもそれなりに活躍した機体が登場するまでしばらくかかるため、ここに到達するまでに人によっては投げてしまう可能性がある。 &bold(){アイテムの存在} -本ゲームでは破損したゾイドの修理や武器弾薬・エネルギーの補給は該当するゾイドが行動を消費してアイテムを使うことで行われる。 -都市の上に乗るか、グスタフやウルトラザウルスに格納することで、状態異常から回復し、HPとエネルギーも徐々に回復していくという要素もあるのだが、それも非常に微々たる物であり、結局アイテムに頼ることになるだろう。 -中には残骸になったゾイドを復活させるアイテムや、退却したゾイドを呼び戻すアイテムなんて魔法じみた物までありバランス崩壊の一因となっている。ここまでミリタリーテイスト出しておきながらなぜ…と思うが、やはり低年齢の子供もターゲットにしているからだろうか。 &bold(){格闘偏重のバランス} -問題点でも指摘されていたが、「精神集中」が強すぎる。 --射撃武装は攻撃速度に優れ強化パーツで命中精度を補強可能、格闘武装は命中も行動速度も劣るが威力とクリティカル率に優れる……というバランスなのだが、精神集中でそのバランスが崩れてしまっている。 ---精神集中の影に隠れているが、1ターンだけ格闘武装の威力を2倍にする代わりに被ダメージも倍加する「捨て身の一撃」も、精神集中と違ってタメが必要ないので奇襲との相性が抜群。当たれば4倍ダメージである。 --射撃武装向きのスキルに優秀なものが少ないのも問題。 ---「連続射撃」は精神集中と同じスキルポイントで射撃攻撃を2連射、次ターン行動不能と見劣る。「一斉射撃」は全ての射撃武装で連続攻撃と一見強力だが、EN消費系武器しか対象にならず、なぜか行動速度も遅くなり、しかも修得できるゾイドがやたら少なく、おまけに必要スキルポイントも非常に多いという四十苦である。 --クリティカルによるパーツ破壊で大きなアドバンテージを得られる可能性がある点も、クリティカル率に優れる格闘偏重に拍車をかけている。 -とはいえ、「機械生命体」であるゾイドの本懐が格闘戦にあるというのはある程度頷けるところではあるし、格闘攻撃の戦闘アニメーションも非常に力の入った出来になっている。 --ゴドスのキックやシールドライガーのレーザーサーベル、レドラーの切断翼などの躍動感は必見である。 -勘の良い人は共和国、帝国の各シナリオMAPの順番を見ていけば気づくかもしれないが、共和国、帝国共にラストのEDが味気ない。 ***ゾイダー限定の問題点 -人気機種であるグレートサーベルやライジャーが登場しなかった。シールドライガーMk2やレイノスは出るのに。解せぬ。 --続編でグレートサーベルはグレートセイバーとして、ライジャーは帝国編の隠しゾイドとして登場した。 -帝国の最終兵器デスザウラーは2機までしか手に入らない。しかしデスザウラーを駆逐するために開発された共和国の切り札マッドサンダーは終盤においてショップで無限に買う事ができる。共和国側でプレイした際には、このことがバランスブレイカーともなりうる。 --アニメではマッドサンダーは存在せず、デスザウラーは1機しか無い貴重な機体だが、バトルストーリーでは双方とも量産されている(アニメと同時代(パラレルワールド)の第二次大戦でもデスザウラー30(+2)機、マッドサンダー20機が存在する)。ただし、旧大戦での共和国と帝国の国力を比べると共和国が圧倒的に優位に立っており、背景ストーリーまで踏まえた時には、この共和国側への優遇が間違いであるとは言い切れない((ただし、これはデスザウラー登場前の話。デスザウラーの登場で共和国首都は陥落、マッドサンダーを開発して首都を奪還するまでは帝国の方が国力が上だった。))。 -所持できるゾイドは99機まで。 --少なく無い様に思えるが、実戦投入機以外に武装違い(武装を変更すると戻せない)や鹵獲機を含めた全機種を揃えるとなると全然足りない。図鑑で戦闘アニメおよび鹵獲機カラーを見ることが出来れば気にする必要も無かったのだが。 ---もっとも当時は『スーパーロボット大戦シリーズ』でも戦闘アニメ鑑賞モードは無かった。あっても別売りだったりする。 -一部ゾイド、スネークスの設定が再販版のステルスバイパーの設定になっており、実際と異なっている。(元々の設定ではステルス能力などなく、水上戦闘能力に優れるという機体だった) -%%旧カラーを再現したレドラーって、おい、冗談はよせ。旧カラーのレドラーの色はもっとシックで落ち着いた赤だろ。%% -%%パッケージ絵のアイアンコング。連装ミサイルポットが何で左肩に乗ってるんだ。右肩だろ。%% **総評 アニメ版を含めた新シリーズ開始後なのに旧大戦をモチーフとした本作は旧来ファンから喜ばれた。新しいファンでもゾイド世界の歴史に思いをはせた人が居ただろう。~ 高品質なムービー、音楽、ゾイドとしての個性が反映されてキャラ立ちしているユニット達、そこそこ要求される戦略性など、「キャラゲーだからクソゲー」「トミー(タカラトミー)製だからクソゲー」という認識は当てはまらない。 **余談 -攻略本は発売されなかった。 --ゾイド再販前から活動していたゾイドファンサイトが実質的な攻略サイトとなっていた。現在は多くが閉鎖しているのは残念。 --最近長らく形だけだった攻略wikiが機能し始めたので、攻略情報はそちらで。 -2002年に続編である『[[ZOIDS2 ヘリック共和国VSガイロス帝国]]』が発売された。こちらもゾイドのゲームとしてはかなり好評。 --今作にあった問題点がかなり改善されているものの、当時のアニメ層を意識したキャラクター色強めのシナリオは賛否両論。また、演出面においてもいくつか劣化した部分がある。ライガー系ユニットの優遇や終盤の急激な難易度上昇などゲーム全体のバランス面でも一概に良化したとは言いづらく、作品としての評価は凡作から佳作に留まった。
*ZOIDS 帝国VS共和国 メカ生体の遺伝子 【ぞいど ていこくぶいえすきょうわこく めかせいたいのいでんし】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B00005OVJX)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売元|トミー|~| |開発元|ウィル|~| |発売日|2000年11月22日|~| |定価|5,800円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[ゾイドシリーズリンク>ゾイドシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 トミー(現タカラトミー)より発売された組み立て玩具・ゾイドを原案としたシミュレーションRPG。ゾイドが1999年に復刻されてからは2作品目のゲームである。(過去を含めると6作品目にあたる)。 ゾイドアニメの放送中に発売されたが、アニメや当時のバトルストーリー((雑誌や当時のゾイドのパッケージ裏に記載されていたお話。))(以下現バトスト)ではなく、1980年代の「ゾイドバトルストーリー((雑誌展開されていた、現バトスト(第二次大陸間戦争)の70年以上前から始まる「中央大陸戦争」のお話。))(以下旧バトスト)」の設定を用いた作品である。 そのため、ブレードライガーやジェノザウラーといった現バトストにおける最新鋭機は登場せず、ガリウスやマーダといった、アニメや当時の玩具売り場では見られないゾイドが登場する。また、ウルトラザウルスやモルガ等、現バトストにおいて色を変えて再販されていたゾイドも、旧バトスト当時のカラーリングに近い仕様で登場する。 早期購入特典として、ゼネバス帝国仕様(旧カラー)のレドラーが付属していた。 **特徴 ***システム -ゲーム開始時に帝国と共和国のどちらかを選択し、プレイヤーは所属勢力の部隊長として戦争に参加する。 --帝国を選択した場合は皇帝直属部隊を率いる帝国軍の将軍となり、共和国を選択した場合は自ら前線で華々しく戦う共和国大統領……の、影武者という立場となる。 -流れとしては「ブリーフィング」→「出撃準備」→「ミッション(マップ)」を繰り返す形になる。 ***ベースキャンプ 「ブリーフィング」と「出撃準備」はベースキャンプで行う。 -「ブリーフィング」 --ゲームを開始すると、まず次に臨む「ミッション」の要綱が説明される。 ---ベースキャンプには「部隊編成」「工場」「研究室」「訓練」といった機能があり、ブリーフィングの内容を念頭に置いて「出撃準備」を行う。 -「部隊編成」 --出撃は複数のゾイドで編成された小隊単位で行う。シナリオの進行に応じて出撃可能な小隊数が増えていくため、最低でもその分の小隊を編成しなければならない。 ---ゾイドには機体サイズに応じたコストがあり、Sサイズは2、Mサイズは3、Lサイズは4のコストがかかる。1小隊の編成上限は12コストまでと上限があり、それぞれのサイズの特性((Sサイズのゾイドは大量に配備できる代わりに戦闘力が低く、Lサイズのゾイドは戦闘力こそ高いものの、大量に配置することができない、Mサイズはその中間等。))を考慮した上で、無駄となる端数が出ないように配備する必要がある。 -「工場」 --ゾイド、装備パーツ、アイテムの売買・セットアップが可能。購入できるゾイドや装備パーツはシナリオ進行に伴って更新される。 --セットアップでは装備パーツの付け替えの他にスキルポイントの割り振りも可能。このポイントはゾイドのレベルアップで増加し、それぞれを割り振ることで対応した武装の性能等を上昇させられる。 ---ポイントで特殊能力を取得することも可能。相手の命中率が常に3割減少する「疾風」や、ターン終了時にHPとENが少し回復する「再生」など有用なものが多い。しかし、必要なポイントの量は多めのため、バランスと取捨選択が重要である。 -「研究所」 --ミッション中にしか手に入らない特殊なパーツを使ったゾイドの強化改造が可能。 ---強化セットや冷凍砲はゾイドの武装強化を行う。単純に武装を増やすものから、ブースターといった機能の向上を図るものまで様々あり、付け替えは自由にできる。 ---mk2セットやリミテッドセットといった改造パーツによって一部ゾイドをMk-II仕様や限定型仕様に改造する事もできる。こちらは一度改造すると元に戻すことは出来ない。 -「訓練」 --難易度別に3種類用意されたマップに挑める。大まかな仕様はミッション中のマップと同じで、シナリオの進行に合わせてマップとゾイドの内容が更新される。 ---経験値だけでなくアイテムや資金も入手可能で何度でも挑戦できるが、その代わりこちらのゾイドが撃破されるときっちり修理費を請求される。 ***マップ -帝国と共和国で分かれており、それぞれの総司令機(第1小隊の小隊長ゾイド)の撃破で勝敗が決まる。 --行動はプレイヤー先攻のターン制で行われる。まずこちらの第1小隊が全員行動すると次に敵の第1小隊が行動し、それが終了すると今度はこちらの第2小隊が……といった具合に小隊単位で交互に行う。 ---小隊には基本的に小隊長ゾイドが存在し、これが撃破されるとその小隊の全ゾイドは撤退してしまう。敵の小隊長が突出してくれば戦闘回数を減らすチャンスとなり、逆に味方の小隊長が包囲されると絶体絶命のピンチとなる。 --ゾイドには「近接攻撃」「間接攻撃」「範囲攻撃」「包囲攻撃」の攻撃方法がある。 ---近接攻撃は隣接するゾイドに行う攻撃で、移動後にも実行可能。間接攻撃は離れたゾイドに行う攻撃で、移動後には実行できない。攻撃を仕掛けると後述するゾイドバトルに移行する。 ---範囲攻撃はマップ兵器によって範囲内にいるすべてのゾイドにダメージを与える。 ---包囲攻撃は複数の味方ゾイドが相手に隣接している状態で実行可能の攻撃。反撃を受けず、どんなゾイドにも有効だが攻撃力は低め。 --一部ゾイドには「隠蔽」や「ステルス」といった機能があり、隠れている状態で隣接した敵ゾイドを奇襲することができる。奇襲は初回のターンのみ相手の反撃を受けずに倍化した攻撃が可能といったもの。 ---これらはレーダーを装備したゾイドや、範囲攻撃命中時にあぶり出すことができる。 --敵ゾイドを撃破すると、必ず「残骸」がマップ上に残る。味方ゾイドをそこに移動させることで残骸の回収が可能で、資金やアイテムが手に入る。味方ゾイドが撃破された場合も残骸になるが、これを回収しないままミッションクリアすると&bold(){そのゾイドが失われてしまう}ので注意。味方に回収させておけば損害として軍資金が少々減るものの、ミッションクリア後に小隊に残っている。 ---敵の残骸からはごく稀にそのゾイドが回収できる。その場合、自軍のゾイドとして次のミッションから使用できる。 -マップは2Dのヘクス(六角形)で構築されており、平地・山岳・市街など複数の地形が存在する。 --地形には射撃系の攻撃に対して防御や回避の上昇といった追加効果があり、市街等ではターン毎にHPとEPが回復する。 --ゾイドごとに移動適正が設定されており、適正の無い地形では移動力が下がるほか、進入することができない。逆に、特定の地形に侵入すると隠蔽(ステルス)状態になり、敵に奇襲をかけられるゾイドも存在する。また、飛行ゾイドは侵入禁止を除き全地形を移動できるが、上記の地形による効果(回復を除く)も受けない。 --水中にいるゾイドは対潜やマップ兵器でないと攻撃できず、相手を一方的に攻撃することができる。しかし、ゾイドによっては上陸することができず、なにもできなくなる場合がある。 ***ゾイドバトル -ゾイド同士の戦闘は3DCGの1対1ターン制バトルで行われ、「攻撃」「特殊能力」「防御」「回避」「逃げる」のいずれかのコマンドを選択する。どちらかのHPが0になるか、逃げるによる離脱が成功するまで双方が攻撃を繰り返す形になる。 --攻撃はゾイドごとに数種類装備されている様々な性能の武装から、どれか1つを選択し攻撃を行う。大別して射撃武装と格闘武装に分かれており、射撃武装は射程・命中・攻撃速度に優れ、格闘武装は威力・クリティカル率に優れる。 ---クリティカルが発生すると、武装とパーツからランダムでひとつが破壊され使用不能になる。破損したパーツは戦闘終了時に修復されるが、戦闘中の立ち回りに大きな影響が出る場合が多い。主力武装がいきなり破壊されて大苦戦、という事も起こりうる。 ---「ショート」「サビ」「炎上」などの状態異常を引き起こす武装も存在する。 ---相手のゾイドを捕獲する「捕獲装置」という武装も存在する。相手のHPが低いほど成功率が上昇するため、うまく調整する必要がある。捕獲したゾイドは自軍に編入される。ただし、相手の小隊長ゾイドは命中率が必ず0%になり捕獲できない。訓練に登場するゾイドも捕獲できる。 --スキルポイントによって得た、戦闘中任意で使用するタイプの能力は「特殊能力」コマンドから選択する。 --逃げるは文字通り戦闘から脱出するコマンドだが、最初の成功率は対応する項目に振られたスキルポイントの値によって変動する。戦闘ターンの経過で上昇していくため、反撃できない場合は防御や回避といった行動でのターン経過も視野に入る。 -戦闘では行動速度といった概念があり、各武装や「逃げる」コマンドでそれぞれ設定されている。 --設定された行動速度に従って交互に行動する。1ターン目の行動に関しては攻撃を仕掛けた側が必ず先攻を取れるようになっている。基本的に射撃武装は速く、格闘武装は遅い。 ---次の攻撃が相手の止めになる場合や、反撃不能の相手が逃げるを選択している場合は重要な要素((余計な被弾を減らせるほか、相手に追い打ちができるため。))となる。運がよければ先制攻撃のクリティカルで相手の選択武器を破壊することもある。 **評価点 &bold(){当時唯一の3Dゾイドゲーム} -ゾイドはすべて3DCG。今ではそんなゾイドゲームも多くなったが、当時はこれが最初にして唯一である。しかも、単に決まったムービーを再生するだけといったものではなく、プレイヤーの選択した武器に応じて動いてくれるので、ファンとしては嬉しいところ。初代プレイステーションにしてはクオリティも非常に高く、小銃といった細かいところも含め、特徴的な部分をしっかりと再現している。 --攻撃だけでなく、その他のモーションもバリエーション豊富。撃破されるとS、Mサイズのゾイドは豪快に吹っ飛び、Lサイズのゾイドはアニメーションで崩れ落ちるという演出付き。そして、Lサイズのゾイドと一部のMサイズのゾイドは敵機を撃破すると勝利の雄叫びを上げる。 &bold(){登場ゾイドの数と種類} -使用可能なゾイド数は80機以上であり、それぞれに鹵獲カラーが設定されている。 --ガリウスやグライドラーといった、設定的には間もなく旧式化した初期ゾイドも登場。育成次第では現役のゾイド相手にも戦えるゲームバランスになっているのも嬉しいところ。 --双方ともシナリオを進めるごとに新しいゾイドが登場する。ゲーム的にはもちろんだが、当時のゾイドを知らない場合はどんな機体が現れることも含めて楽しみとなる。 --当時玩具向けに改造セットが発売されており、ゲーム中の強化パーツの使用でそれらを(ある程度)再現できるのもファンにとっては嬉しい部分である。 -捕獲用ゾイドを使う事で、共和国と帝国のゾイドが混在する部隊を作る事も可能。両陣営にて最強ゾイドである、マッドサンダーとデスザウラーが揃い踏みする夢のような光景も実現できる。 --鹵獲カラーもゾイド毎に個性を持たせており、見どころのひとつである。 -取得したゾイドは図鑑に登録されるため、コレクターゲームとしての側面もある。 &bold(){幅広い戦略性と適度な難易度} -相手は高度な戦略を仕掛けてくるわけではなく、ただ待ちに徹するのと近づいてくるのの2パターンだけなので、シミュレーションゲームとしての難易度はそこまで高くない。三すくみの関係といったものもなく、相手を攻撃して撃破するだけなのでシンプル。 --各ゾイドの強さもHPといったステータスや武装によって数値上で把握できるため、攻撃を仕掛けた場合の結果もある程度予測しやすいのも大きなポイント。 -シンプルであるが故、ゾイドの個性や地形を生かして戦略的に戦うのも、訓練を重ね強化することで強引に突破するのも、自由なプレイスタイルが選べるのも評価点となる。 --必要に応じてゾイドとパーツを組み替えることで、ゆっくりと相手を全滅させたり、すばやく総司令機や小隊長機のみを狙うといった真逆のプレイも可能。 --強力なアイテムも多いので、どうしても難しければごり押しも可能といった救済処置もある。 &bold(){高クオリティのムービーとBGM} -オープニングムービーとエンディングムービーを担当したのはガイナックス。ガイナックスならではのケレン味も健在。単に一枚絵が続くのではなく、飛んで跳ねて動き回るゾイドの姿は迫力満点かつ美しい。 -範囲攻撃を行う際にはムービーが流れる。SEの効果もあって迫力があり、何度鑑賞しても見飽きないだけの爽快感がある。 --同様に共和国側でのプレイ時にデスザウラー、帝国側でのプレイ時にはマッドサンダーが敵として初登場した時に流れるムービーも、『敵軍の新兵器の脅威』を感じさせるものとして十分な出来。 -数こそ少ないものの、ノイジークロークの手掛けたBGMは作中の雰囲気にマッチしていることもあり、ファンの間でも評価が高い。 **問題点 &bold(){戦力の偏り} 登場するゾイドの関係から帝国と共和国に差が生じ、若干共和国側が有利な状態となっている。 -ステルスを有したゾイドはSサイズが0対2、Mサイズが1対2、Lサイズが双方0(帝国対共和国) --帝国側はMサイズに1体しか有していないが性能はあまりよくなく、実質0のような状態である。 -飛行ゾイドが0対2、Mサイズが3対3、Lサイズが0対2 --共和国側は序盤から飛行ユニットの運用が可能で、本作唯一のLサイズの飛行ゾイドであるサラマンダーも使用できる。対する帝国側はMサイズにしか飛行可能なユニットが存在しない。そのゾイドも、継戦能力が乏しすぎるシュトルヒ、一切の射撃武装を持たないレドラーなど癖が強いゾイドばかり。 -水中ゾイドに関しては、SとMサイズまでなら双方に一長一短があるものの、共和国にはLサイズに水陸両用の強力なウルトラザウルスを有している(帝国のLサイズは0)。 --ただし、敵として登場するウルトラザウルスは必ず地上に配置されている。 -帝国の最終兵器デスザウラーは2機までしか手に入らない。しかしデスザウラーを駆逐するために開発された共和国の切り札マッドサンダーは終盤においてショップで無限に買う事ができる。共和国側でプレイした際には、このことがバランスブレイカーともなりうる。 --ただし、マッドサンダーが対デスザウラー兵器であるに至らしめている機能((デスザウラーには強力な荷電粒子砲という装備があり、マッドサンダーはそれを防ぐ反荷電粒子シールドを装備していることで有利となっている。))はゲーム上で再現されていない。 -しかしながら、ゲーム進行上のバランス格差という点においては&bold(){敵軍ゾイドの捕獲}という手段がとれるゲームなので実際はそれほど大きい格差があるわけではない。 --どんなユニットでも好き放題捕獲できるという訳ではないが、飛行ユニットやステルスユニットの格差についてはかなり是正できる。相手が強いなら利用してやればよいのだ。 &bold(){全体的に武装や装備パーツに関する仕様に粗がある。} 設定上使用できてしかるべき武装やパーツが無いゾイドがいくつかいる。 -シールドライガーを例に挙げると設定上装備されているはずのEシールド((エネルギーシールドの略で、敵の攻撃から身を守るフィールドを発生する。))が無い上、爪での攻撃もできない。 --レーダーの様な特殊装備は特定ゾイド固有の能力ではなく全ゾイドが装備できる共通の強化パーツとして実装されているため、本来なら電子戦用として活躍していたゾイドは特徴がなくなってしまい、探索だけならレーダーを積んだ飛行ゾイドの方が効率のいい状態となっている。 逆に、武装がしっかりと再現されている事で著しく不利な条件を背負ってしまっているゾイドが多数存在する。 -ゾイドに装備できる武装と装備パーツは、サイズに関わらず一律で合計8つまでという制約がある。 --そのため、サーベルタイガー((初期武装が7つ))のように極端に武装の多いユニットはほとんど強化パーツを装備できない((元からシールドライガーより武装が多いのみならず、本作のシールドライガーではオミットされている爪攻撃まである。))。 --装備パーツによって得られる効果は大きく、HPは最大で&bold(){2.5倍}まで上昇する。また、後述する命中率の問題から、命中率を上げるパーツも装備しておきたい。しかし、武装に枠を持っていかれればその分パーツが装備できなくなる。 ---よって、ただ武装を増やすだけの強化セットは使われないことが多い。強力な武装が追加されるのならまだしも、増えるのは似たような武器ばかりである。 ---この影響で、設定上のゾイドの強さと逆転現象が起こっている。旧式や輸送用といった戦闘向きでないゾイドは武装が少なく、その分パーツを多く装備することでパワーアップするというもの。HPや命中率だけでなく、移動力の強化やレーダーまで搭載できるので使い勝手がいい。 &bold(){スキルポイントのバランスの問題} -また、スキルポイントが原則として一極振り安定なバランスである事も、武装の少ないユニットの評価を押し上げている。スキルポイントは「格闘」「近射」「遠射」「範囲」「補助」に振り分けて武装の性能を上昇させていくのだが、当然ながら使わない枠が多い方がポイントの振り先を絞れるため強くなる。 --しかもレベルアップでは4ポイントしかもらえないため、満遍なくというのはそもそも不可能。 -更に武器の属性に「補助」が付く((主にビームなどのエネルギー兵器に設定される属性))ものは補助にさえポイントを振れば強化できる。 --例えば、近接間接関係なく均等に射撃武器を使いたい場合は、「近射」「遠射」のそれぞれに均等にポイントを割り振らなければならない。しかし、それが補助属性であるなら「補助」を強化するだけで両方の効果がある。 --主要な武装全てに補助属性が付いているユニットはこの恩恵を非常に大きく受けることができる。さらに補助の数値は回避率、状態異常の回復率、離脱成功率にも影響するため、「補助一極振り」ができるか否かで評価が大きく変わるほどである。 -武装が少なく、一つの武装に役割が集中しているゾイドほど結果的に極振りがしやすい。高威力・長射程・対空可能で補助属性もしっかりついている「マクサー30㎜ビーム砲」たった一門で戦い抜くビガザウロなどその最たる例であろう。一方、格闘は「ハンマーパンチ」、近射は「ミサイルポッド」、遠射は「長距離対地ミサイル」と律儀に実弾で用途別武装を揃えているアイアンコング等はポイント振りにとても苦心する。範囲攻撃の「16連装大型ミサイル」まで持っているのだがそこを補強する余裕などあろうはずもない。 -一部の特殊能力が強力すぎ、バランス崩壊の一因となっている。 --「精神集中」は1ターンのタメが必要とは言え格闘武装の威力が&bold(){2.5倍}かつ命中率&bold(){100%}になるという本作屈指のぶっ壊れスキルである。常時相手の命中率30%カットの「疾風」、高確率で相手を行動不能にするうえで連続使用可能な「雄叫び」なども相当のパワースキルである。 --これらもまた、スキルポイントに余裕のあるゾイドの方が優位という事になり、「武装の多いゾイドは不遇」という傾向を後押ししてしまっている。 &bold(){システムなどその他の問題} -命中率、逃走確率などの表示が実際と異なっている。命中率71%, 80%, 93%といった数字がゾイドの組み合わせを問わずよく見るがこれがあまり当てにならない。&br()これは判定の際、内部で判定が2回行われており味方側は悪いほう、敵側は良いほうの結果を取るためである。 --つまり、味方側の命中率70%と敵側の命中率30%はほぼ同値の約50%となる。 -敵AIの行動順が小隊長機から行動の上、小隊長から撃破されないよう控えさせるという思考が無い。そのため、先陣を切って突撃してきた小隊長機を返り討ちにすることでいきなり敵小隊壊滅という事がよく起きる。 -可電粒子砲等やウォディック等((正しくは「荷」電粒子砲、ウ「オ」ディック))、ゲーム本編や説明書等の一部に誤字脱字が見られる。 -特定属性のダメージを軽減・反射・吸収するタイプのパーツの表記に不備がある。 --攻撃を受けた時にENを消費して効果を発揮するのだが、実は相手の攻撃が対応する属性だった場合回避してもENを消費してしまう。仕様かバグかは不明だが、どちらにしてもパーツの説明文からは読み取れない情報である。 -機動性((同じ攻撃でも相手にするゾイドで命中率が異なる))が何故か隠しパラメータ。概ねSサイズのゾイドや飛行ゾイドが高く、Lサイズのゾイドは低い。表記が無いうえ上記のように表示命中率が信頼できないゲームなので、プレイヤーには体感程度の非常に漠然とした情報しか把握できない。 --シールドライガーのようにLサイズでも機動性を売りとするゾイドもいるのだが、実際に運用してみないとわからないため不便。全く気付かず使われなかったというゾイドもいるだろう。 -所持できるゾイドは99機まで。 --少なく無い様に思えるが、実戦投入機以外に武装違い(武装を変更すると戻せない)や鹵獲機を含めた全機種を揃えるとなると全然足りない。図鑑で戦闘アニメおよび鹵獲機カラーを見ることが出来れば気にする必要も無かったのだが。 -ゾイドを引き継ぐことができない。 --クリアデータをロードすることで軍資金やゾイド図鑑の登録情報を引き継ぐことはできるが、その他のゾイド本体、パーツ、アイテムは全て失われてしまう。~ また、強制的に異なる陣営からのスタートとなる。~ 全クリするまで容易くはないため、引き継ぎ無しで周回プレイをするかと問われれば正直微妙である。 -昔のゲームの所為でもあるが、セーブロードに少し時間が掛かる。 **賛否両論点 &bold(){一部装備のバランス崩壊} -共和国編中盤では自軍の主力の多くがMサイズであるにもかかわらず、敵側はディメトロドンやレッドホーンといったLサイズのゾイドを使用する為、苦戦を強いられる。 -敵にLサイズのゾイドがやたら出るのは帝国でも同様だが、苦戦する要因の一つに帝国のLサイズのゾイドの多くに装備されている「高圧濃硫酸噴射砲」の存在がある。攻撃力は弱く行動速度も遅いが、高確率で相手をショート状態にする。この状態になると数ターン行動することができなくなり、Mサイズ故のHPの低さとLサイズ故の攻撃力によってかなりの脅威となる。 --中でもレッドホーンは、ショート中に当てると威力が1.5倍に増加する電磁砲を持つ為、硫酸砲→電磁砲のコンボがほぼ確定してしまう。 --とはいえ、CPUの武器選びが適当なことや、事前にスモークディスチャージャーを使って暗闇状態((回避率上昇、離脱成功率95%、状態異常無効))になることで状態異常を防げるため、多少運が絡むとはいえそこまで脅威となることは少ない。逆に自軍が帝国の場合は、まさしく「当てれば勝ち」といった切り札武装になる。 &bold(){パイロットの存在} -主人公は存在しているが、これといったセリフは無く存在感は皆無。シナリオを進めるのも主人公に指示を出す人物が淡々と目標を指示するだけ。設定上は総司令機に搭乗しているようだが、特にシステム的な優遇があるわけでもなくむしろ撃破=ゲームオーバーなので、後方からアイテム回収などに努める場合が多い。 --この点を味気無く退屈と感じるか、余計なオリジナル要素を付加せず好ましいと感じるかはプレイヤー次第だろう。 &bold(){序盤が地味} -前述の通り共和国側だと最初は骨ゾイドしかいない。アニメから入った低年齢層にとっては馴染みが無い上、ビジュアルの面でも盛り上がりに欠ける((アニメではやられ役だったゴドスがかろうじている程度。ただし、隠しコマンドでシールドライガーやアイアンコング等の馴染み深い機体が使用可能))。 --帝国ではアニメのやられ役兼敵であるモルガやアニメ未登場のゲーター、マーダなどの地味目な陸戦ゾイドしか居ない。 -コマンドウルフなどアニメでもそれなりに活躍した機体が登場するまでしばらくかかるため、ここに到達するまでに人によっては投げてしまう可能性がある。 &bold(){アイテムの存在} -本ゲームでは破損したゾイドの修理や武器弾薬・エネルギーの補給は該当するゾイドが行動を消費してアイテムを使うことで行われる。 --市街地を利用したHPとEPの回復という要素もあるのだが、それも非常に微々たる物であり、結局アイテムに頼ることになるだろう。 --中には残骸になったゾイドを復活させたり、小隊長機の撃破で退却したゾイドを呼び戻す物まであり、シミュレーションゲームとしてはバランス崩壊の一因となっている。アニメ世代の低年齢層もターゲットにしているからだろうか。 &bold(){ゾイドファン限定の問題点} -人気機種であるグレートサーベルやライジャー等、登場しないゾイドがある。 --グレートサーベルのライバル機であるシールドライガーMK=Ⅱは登場しており、そこに不満を感じるファンも少なからずいる。 ---ただし、サーベルタイガーはシールドライガーよりも強化パーツの点で豊富なバリエーションがある。 --続編でグレートサーベルはグレートセイバーとして、ライジャーは帝国編の隠しゾイドとして登場した。 -一部ゾイド、スネークスの設定が再販版のステルスバイパーの設定になっており、実際と異なっている。(元々の設定ではステルス能力などなく、水上戦闘能力に優れるという機体だった) -パッケージ絵のアイアンコングの連装ミサイルポットが左肩に装備されている。正しくは右肩。 **総評 アニメ版を含めた新シリーズ開始後なのに旧大戦をモチーフとした本作は、旧来ファンから喜ばれた。新規ゾイドファンも度肝を抜かれつつ、旧大戦(つまりは旧ゾイド)の存在を知ってよりゾイドの歴史に興味を持った人も居たことだろう。~ シミュレーションやキャラゲーというジャンル、トミー(タカラトミー)製のゲームは、難易度や内容からプレイを躊躇したり評価が割れることも少なくはない。~ しかし、シミュレーションとしては適度な難易度、高品質なムービー、BGMやSEによる演出、なによりもそれぞれの個性が反映されたゾイド達によって、本作はそういった認識に当てはまらない良作となった。 **余談 -攻略本は発売されなかった。 --ゾイド再販前から活動していたゾイドファンサイトが実質的な攻略サイトとなっていた。現在は多くが閉鎖しているのは残念。 --最近長らく形だけだった攻略wikiが機能し始めたので、攻略情報はそちらで。 -2002年に続編である『[[ZOIDS2 ヘリック共和国VSガイロス帝国]]』が発売された。こちらもゾイドのゲームとしてはかなり好評。 --パーツや引き継ぎといった今作の問題点の多くが改善されたことで、シミュレーションRPGとしてはかなり遊びやすくなった。 --ストーリーの内容も新バトストに沿ったオリジナルのものとなっており、個性的なキャラクターの登場やふりがなやひらがなの使用によって、当時の新規ゾイドファンである低年齢層においてもストーリーを把握しながら進めることができるようになっている。 ---しかし、これらの変更は「今作の雰囲気を引き継いだ続編」を望んだ層からは不満を生むこととなり、アニメで人気だった系統のゾイドの優遇もあって、演出面においては賛否両論となってしまった。 -へリック共和国の横暴さを描いた珍しい作品。 --旧シリーズ、旧ゲーム、アニメでも公正な共和制の善玉国家として描かれる事の多い。特にTVアニメが放送されて以降はそれが顕著であり、それ以降に発売されたゲームとしては珍しい。 --内容はOPムービーで描かれており、へリック共和国とゼネバス帝国の間で休戦協定が結ばれたが、共和国は帝国に対し「民主主義こそが至高である」との内政干渉を行って帝国の反発を買い、にも拘わらず帝国を侮り国境警備すら怠るようになった。これに対し、名誉と威信を傷付けられた帝国は挑発と解釈し戦端を開くというもの。 ---実は旧シリーズ当時から「民族差別が激しい」「多数派民族の国会議員が仲の良かったヘリック、ゼネバス兄弟の仲を裂き戦争をするように仕向けた」「マッチポンプをしている」「&bold(){選挙を行った形跡がない}(一応戦時中ではある)」とへリック共和国の暗部は描かれていた。 ---だが、インターネットの無い昔の資料で、当時のファンも中々知らないような裏設定同然の扱いでありであったが没設定ではなく、新シリーズでも「現職の大統領が出自を偽っていた(偽らないと当選できない)」「&bold(){選挙を行った形跡がない}」「ネオゼネバス帝国が再興した途端、旧ゼネバス国民が反旗を翻す(50年間、国民の融和政策に努めたが、当人たちには&bold(){同化政策}と見なされていた=権力者の自己満足)」など描かれている。 //要評価点以降の見直し

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