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*デジモンストーリー サイバースルゥース 【でじもんすとーりー さいばーするぅーす】 |ジャンル|育成RPG|&amazon(B00RBC8NCC,image);| |対応機種|プレイステーション・ヴィータ|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|メディア・ビジョン|~| |発売日|2015年3月12日|~| |定価|6,640円(税別)|~| |廉価版|Welcome Price!!&br;2016年12月1日/2,800円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|3Dモデルで蘇るデジモンストーリー&br;大人になったデジモンファンへの最新作&br;ストーリーの完成度が極めて高い|~| |>|>|CENTER:''[[デジタルモンスターシリーズリンク>デジタルモンスターシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -『デジモンストーリー』シリーズ5作目にして、前作『超クロスウォーズ』以来4年振りの新作。また、ニンテンドーDSで展開されていたシリーズ初のPSプラットフォーム作品((過去作品はロゴを見ても分かるように、デジモンストーリー→DigimonStory→DSの語呂合わせ))。 -キャッチコピーは「電脳(デジタル)と現実(リアル)が交わる時 ぼくらの物語(ストーリー)が進化する」。 -『デジモンストーリー』シリーズは伝統的に対象年齢が低めであったが、2015年はデジモンアドベンチャー15周年ということもあり、本作は「大人になったデジモンファンへ」というコンセプトのもと対象年齢がグッと引き上げられている。 -『[[デジモンワールド リ:デジタイズ]]』から引き続いてヤスダスズヒトがキャラクターデザインを担当。 --本作と『リ:デジタイズ』は一部世界観が重なっており、ゲストキャラも登場する。 -初回封入特典として、アグモン(黒)、ガブモン(黒)、オリジナルカスタムテーマ2種、サウンドトラックなどが入手できるプロダクトコードが同封されていた。 ---- **ストーリー >近未来の日本。 >インターネットに視覚的かつ感覚的にアクセスすることの出来る技術によって、「電脳空間EDEN」が人々のあいだで、もう一つの日常世界となっていた。 >セキュリティによって守られていた電脳空間。しかし人々の生活に密着するにつれ、そこで起こる犯罪も多くなってきていた。 >特殊なウィルスプログラムを利用し電脳世界に甚大な被害をもたらすハッカーたち。 >そのウィルスプログラムはAIをもち、あらゆる情報を吸収、環境に応じて多種多様に進化を遂げる能力をもっていた。 >人々は、その特殊なウィルスプログラムを「デジタルモンスター」と呼んだ… >(公式サイトより抜粋) ---- **キャラクター -''主人公''(男CV:松岡禎丞/女CV:大久保瑠美) --このゲームの主人公は男女の選択制。デフォルト名は男性が相羽タクミ、女性が相羽アミ。 --男性の場合ゴーグル型、女性の場合髪留め型のデジヴァイスを装着している。 --戦闘中の掛け声などを除きゲーム中ではボイス無し。会話デモ中も、テキストでの台詞も含め一言も言葉を発しない。この辺りは『リ:デジタイズ』の踏襲と言える。 --主人公はこの世界に暮らす普通の学生であったが、ある日EDEN内でイレギュラーな攻撃を受けてデジタルとリアルが入り混じった「半電脳」存在となってしまい、「電脳探偵(サイバースルゥース)」として活動し始めることとなる。 --初期パートナーはテリアモン、パルモン、ハグルモンの三種から選択する。 -''白峰ノキア''(CV:潘めぐみ) --主人公のチャット友達。「なるようになる」がモットーのポジティブな少女。 --本作は、彼女がネットで噂の「デジモン」に興味を抱いたことから始まる。 --いわゆる「ウザ可愛い」系キャラであり、ハイテンションで周囲を振り回しがち。しかし良くも悪くもブレない彼女の純粋な思いは、次第に周囲を動かしていくこととなる。 --偶然出会ったアグモン・ガブモンと心を通わせ、後にパートナーとなる。 -''アグモン&ガブモン''(CV:坂本千夏/山口眞弓) --お馴染み、デジモンの顔役。本作ではノキアのパートナーとなる。 --CVには『[[デジモンアドベンチャー]]』のオリジナルキャストを起用。その再現度は必聴。 --両者とも人間世界に来たショックで記憶を一部失っている。彼らの失った記憶は、本作で発生する大事件の謎を解く手がかりとなっていく。 -''真田アラタ''(CV:岸尾だいすけ) --ノキア同様、主人公とはチャット友達。一見飄々としているが、実は面倒見が良い兄貴分。そして漫画マニア。 --非日常的な出来事に惹かれ、主人公と共に電脳空間を巡る事件に迫っていく。元凄腕のハッカーのようだが、過去については多くを語らない。 --良くも悪くも格好つけであり、責任や思いを一人で背負ってしまいがち。 --パートナーはケラモン。ストーリーの進行度に応じて進化していく。 -''暮海杏子''(CV:坂本真綾) --行く当てのなかった主人公を拾った縁で、そのまま主人公を雇うことになる「暮海探偵事務所」の所長。 --電脳関係の事件を専門とする腕利きの探偵で、警察にもパイプを持つ。 --露出度が高い格好をしているが、それとは裏腹に性格は知的でクール。本人曰く「乙女心はどこかに置いてきた」。 --様々な分野の教養を持っているようで、彼女の会話には柳田國男からハインライン((SF作家。代表作「夏への扉」。序盤で探偵仲間になるワニャモンに「ピート」と名付けるのはこれが元ネタ。))まで、多様な知識が登場する。 -''神代悠子''(CV:伊藤かな恵) --暮海探偵事務所にとある依頼を頼んでくる依頼者。 --彼女の素性は軽微なネタバレに当たるので明記出来ないが、様々な事情により主人公たちに協力することとなる。 --見た目に似合わず、かなりの食いしん坊。 -''御神楽ミレイ''(CV:沢城みゆき) --デジモンの育成に欠かせない施設「デジラボ」を管理している女性。 --とある事故により肉体を失っており、電脳空間にのみ意識体として登場する。その為少女の姿をしているが、年齢は不詳。 --『リ:デジタイズ』から引き続き登場。本作ではメインストーリーで時折協力をしてくれるが、基本的にはあくまでデジモンの育成管理役。「オーキド博士ポジション」と言えば伝わるだろうか。 -''四ノ宮リナ''(CV:戸松遥) --ミレイから旧知の間柄として紹介された「並行世界」の少女。 --かつてのデジタルワールドの冒険者として協力してくれる…が、残念ながらノキア同様の「ウザカワ系」でウザさ倍増。 ---ただしリナは公式HPでも「ウザ可愛い」ことをアピールされているが、どちらかというと「おバカ&元気」なキャラで、実際は然程ウザくはない。 --3DS版『リ:デジタイズ デコード』追加キャラクターで、彼女も引き続き登場。 --パートナーも3DS版と同じ「ブイブイ」ことブイモンだが、本作では究極体の力を奪われており、これを取り戻すことがストーリーの重要ポイントに。 ---- **特徴 -''システム'' --本作は最大8体のデジモンを連れ歩き、その中から3体を選んでバトルに挑む、というオーソドックスな所謂『ドラゴンクエストモンスターズ』型RPGである。 --バトルはコマンド制。通常の「アタック」に加え、SPを払い各デジモン固有の「スキル」を使用することも可能。 --ただし本作のバトルは「アクティブターンバトル」制を採用しており、「素早さ」の値を始めとするバトル中の様々な要素により行動順が決定される。 ---よって順番かつ均等に全てのデジモンに行動順が回ってくる訳ではない。素早さに差があれば、一体のデジモンが2連続、3連続行動することも。 -''「進化」と「退化」'' --デジモンは通常の経験値によるレベル上昇に加え、固有の条件を満たすと「デジラボ」という施設で「進化」及び「退化」が可能になる。 ---デジモンの世代設定は「幼年期1」「幼年期2」「成長期」「成熟期」「完全体」「究極体」の6段階と、極少数の「超究極体」「アーマー体」が存在。~ 基本的には携帯ゲーム機やアニメなどでおなじみの設定。 --「進化」及び「退化」するとレベルが1に戻るが、「才能」のパラメータと共にレベル上限が伸びる。 ---デジモン固有の「必殺技」以外に、各デジモンがレベルアップで覚える「スキル」があり、スキルは進化・退化で引き継がれる。 --よってデジモンは「進化」すれば基本的に強く、「退化」すれば基本的に弱くなるが、必ずしも「進化」を繰り返すのが最善策という訳ではない。 ---例えば幼年期2のデジモン「コロモン」は通常レベル上限が3だが、レベル7で成長期「アグモン」に進化する。故に一旦退化で幼年期1「ボタモン」に戻し、その後コロモンとボタモンを往復させ、レベル上限を伸ばすことでアグモンに進化させることが可能になる。 --本作の育成はこの「進化」と「退化」の繰り返しが基本となる。 --通常進化に加え、更に厳しい条件を満たすことで2体のデジモンを使用した「ジョグレス進化」も可能に。 --ただし最初から全てのデジモン進化が可能な訳ではない。究極体は例外なく高い才能レベル=進化と退化を繰り返す必要があり、事前情報無しの初見ではまず不可能。 ---また、一部デジモンではストーリーの一定以上の進行、アイテムの入手を追加条件に求められることがある。 --3体のデジモンのみ「モードチェンジ」ができる。 ---インペリアルドラモン:ドラゴンモード⇔ファイターモード ---ベルフェモン:スリープモード⇔レイジモード ---ドゥフトモン:ノーマルモード⇔レオパルドモード --3体とも育成難易度の高い究極体デジモンだが、モードチェンジ自体は普通の進化・退化と同じくデジラボで自由に切り替え可能。概ね魔法寄り⇔物理寄りでパラメータが変化する。 ---「モードチェンジ」という名称から誤解するかもしれないが、アニメのように戦闘中に行うことはできない。 ---また「モード」であっても、世代設定が異なる「インペリアルドラモン パラディンモード」(本作では超究極体)、「ルーチェモン系」(成長期⇔完全体⇔究極体)はこれに該当しない。 ---ちなみに、ベルフェモンRMとルーチェモンSMは本来究極体だが、ゲーム上では超究極体扱いである。 -''デジコンバート'' --ある敵デジモンと一定回数エンカウントすると、その敵デジモンの解析が進み、そのデータを「デジコンバート」で実体化させることで仲間にすることが出来る。 --『ポケモン』等と異なり、アイテムや特定の行動を介さず、ただエンカウントを重ねるだけで自動的に可能になるのが特徴。 ---成長したデジモンほどコンバートに必要なエンカウント数も多く(成長段階によって一律)、安直なバランスブレイカーにはなっていない。 -''デジファーム'' --パーティに連れ歩かない、待機中のデジモン達を使って様々なことが行える機能。 --「特訓」して待機中のデジモンに経験値を与えたり、「開発」でデジモンにアイテムを生成して貰ったりといったことが可能。 --デジファームの利用には現実における時間がかかり、かかる時間が長い程にメリットが大きくなる。 ---例えば「特訓」の場合、30分、1時間、1時間半のコースのうち一つを選択することになるが、30分の場合短時間で大量の経験値を得られるものの「友情度」が大きく下がってしまう。1時間半のコースならば友情度減少はなし。 ---この時間はゲームをプレイしている間に限り進む。よって長時間のコースを選択して、ゲームの電源を切るといったことは出来ない。ちなみに、Vitaは長くても30分無操作だと自動でスリープになる。 -''デジライン'' --主人公のデジヴァイスには時折「デジライン」を通じて着信がある。 --着信の内容や相手は様々。現実世界の友人、親といった通常の連絡から、デジモンからの雑談や質問といったものまで多岐に渡る。 --デジファームの状態なども逐一デジラインで連絡して貰えるので、非常に便利。 --ちなみにこれを通じてデジモンがクイズを出してくることがあるのだが、その難易度がかなり高い。 ---出題は「魚へんに春と書いて何と読む?」といった常識クイズ的なものから、「○○(マイナーデジモン)の種族は?」というデジモンマニア向けのものまで様々。 -''世界観'' --本作の世界観は近未来が舞台の、サイバーなもの。 --日本では「EDEN」と呼ばれるネットワークサービスが発達し、買い物、公共事業、コミュニケーションといった、人間が生きる上で必要不可欠なことの大部分をEDEN内でまかなうことが出来るようになっている。 ---デジモンのメディアミックス作品の中でもネットが極めて発達しており、むしろアニメ映画『サマーウォーズ』((同作の監督・細田守の初監督作品が劇場版『デジモンアドベンチャー』(初代・ウォーゲームの2作)。))の世界観が近い。 --こうした世界観と、元よりサイバーな存在であるデジモンとの親和性は非常に高い。 --上記のストーリー解説ではまるでデジモンが悪のウィルスプログラムであるかのような説明が為されているが、実際はデジタルワールドから電脳世界に迷い込んだデジモン達がハッカーに捕えられ悪さをしている、といった内容。 ---このため、作中でデジモンを扱う人間は大半がハッカーと呼ばれる。テイマーと呼ばれるのは道具のように扱うことを否とする、ノキアの率いるチーム「リベリオンズ」くらいである。 -''追加シナリオ'' --無料DLC((初回封入特典で先行入手、発売から一定期間経過で無料配信))として、サブストーリーが展開される追加シナリオも用意されている。 --DSソフト・シリーズ第2作『デジモンストーリー サンバースト&ムーンライト』の女主人公・サヨ(CV:前田愛)がゲスト出演((本編のストーリーには一切関わらず、やり込み要素の一つ「コロシアム」の終盤で顔見せするだけ。))。~ 同作でパートナーのディアナモンと共に「七大魔王デジモン」を倒した後、別世界=本作におけるデジタルワールドから現れた七大魔王に敗れてしまい、~ ミレイを通じて七大魔王の討伐と捕らわれたディアナモンの救出を依頼してくる…というもの。 --七大魔王には専用ルーチン&能力が設定されており、非常に多彩。適当なものではなく、意味を持たせたものであるため当然強敵である。 ---例えば、複数の世代を持つルーチェモンやベルフェモンは撃破するごとに特性をほとんど変化させて形態変化させて襲ってくる。ルーチェモンSMに至っては、''プレイヤーの攻撃は全て無効''という凶悪仕様((しばらく戦っていると暴走の反動か自爆ダメージを負っていくので、ひたすら全滅しないように耐えればOK。七大魔王を超越するという肩書に沿いつつ撃破の余地を残した特性と思われる))。 ---プレイヤーのディアナモン進化ルート開放や、後述する「デジモンメダル」収集にも関わっており、実質的な裏ボスの立ち位置になっている。 ---- **海外版・アップデートについて -海外版は2016年2月2日にPS4/PSVitaマルチタイトルで発売。 --「強くてはじめから」「ハードモード」が追加されており、日本国内外とのオンライン対戦も可能。また、日本版にも2月5日からアップデートが実施され、同等の機能を実装した。 --更に3月10日、全世界同時配信のデジモン追加アップデートを実施。『セイバーズ』の「バーストモード」4体を含む7体が追加されている。 ---- **評価点 -''フル3Dで描かれる240体以上のデジモン'' --本作の売りは何と言ってもここだろう。幼年期から究極体に至るまでの240体以上のデジモンがフル3Dで描かれており、そのほとんどが固有のモーションを持っている((幼年期の一部デジモンのモーションはコンパチだが、幼年期のデジモンは「顔の付いた饅頭」といった形態なのでモーションの付けようがない。))。 --特にアグモンとガブモンの再現度は非常に高い。ガブモンに至っては''被っている毛皮と本体の動きに差異が付けられているレベル''で、初代「デジモンアドベンチャー」ファン感涙ものの出来である。 --パーティに設定した3体のデジモンは、電脳空間に限り、主人公の後ろを走って付いてきてくれる。この走るモーションも素晴らしく、「デジモンと一緒に冒険している」という臨場感を作ることに一役買っている。 --「240体」という数字は『リ:デジタイズ』で登場したデジモン総数を上回っており、『リ:デジタイズ』に登場したデジモンはほぼ全て登場させつつ追加されている。『リ:デジタイズ』で不参戦が嘆かれた「ユキダルモン」等もしっかり参戦。 --''「ロイヤルナイツ」が初の全員集合を果たした''というのも評価点だろう。 ---2001年のアニメ『テイマーズ』に登場した「デュークモン」の背景設定である「ネットワークを守護する13体の聖騎士型デジモン」として存在が示唆され、度々アニメ・ゲームに登場していたが、10年以上を経てようやく機会が訪れた。 ---ただし、12体目の「ガンクゥモン」は2013年のPSPソフト『[[デジモンアドベンチャー]]』、13体目の「ジエスモン」は2014年の携帯機ゲーム『デジヴァイス Ver.15th』がそれぞれの初登場であり、まともな登場の機会を始めて得た、という方が正しい。 ---ロイヤルナイツの存在はストーリーにもかなり深く関わってくる。彼らとのイベントを経ないと進化が解禁されないのが難点だが、全員育成可能。 ---ライバルともいえる七大魔王は逆にほとんど関与してこない。ただし、こちらも全員育成でき、かつ特殊な条件が全くないというフリーダム仕様。 -''完成度の高いシナリオ'' --サイバーな世界観にデジモンを上手く絡めており、デジモン世代以外の人でも十分楽しめる。 ---主人公は半電脳体として、ネットワークに「直接」ダイブする特殊能力・コネクトジャンプを使えるようになり、これを使って事件を解決していく。~ 調子の悪くなった機械にダイブして中に居座ったデジモンを説得する、端末から端末のネットワークを泳ぐように移動して施錠された扉の内側に侵入するなど、まさに「電脳探偵」として独特の活躍を見せる。 --既存のアニメ・ゲームのような異世界デジタルワールドでの冒険ではなく、現実世界から電脳世界の事件を調査し解決する、あくまで現実世界からのアプローチに重きを置いており、デジモンシリーズはむしろ初見の方が違和感なく楽しめるかもしれない。 --濃厚な人間ドラマにデジモン達の思惑が重なり、二転三転していくシナリオは必見。特にロイヤルナイツが登場する中盤以降の怒涛の展開は凄まじい。 ---ゲストキャラクターも「デジタルワールドを通じて来た並行世界の住人」として軽く触れられる程度で、違和感無く本作のキャラクターとして活躍している。 --マップもデジモン同様緻密にモデリングされており、東京都内各所で起こる事件は現実との一体感も高い。 ---拠点となる探偵事務所が入居する「中野ブロードウェイ」は、4階まであるのにエスカレーターが3階までしかない、エレベーターが入り口から見て奥にあるなど、妙に不便なところも含めて再現。また、[[アーケード版北斗の拳>北斗の拳 (AC)]]等でおなじみの中野TRFも登場。 ---「新宿」は「ダンジョン」と揶揄される駅地下構内の複雑な構造を非常にそれっぽく再現している。おまけに野良デジモンとエンカウントする、正真正銘の「ダンジョン」。%%ありがた迷惑である。%% ---「渋谷」は「タワーレコード渋谷店」の特徴的な看板が再現されて入店も可能、その他「秋葉原」「浅草」などの有名スポットも登場。 -''状態異常「液晶化」'' --状態異常の一つ「液晶化」はデジモンのスキル使用、クロスヒット等を封じるものである。 --これが何故評価点なのかというと、なんと''「液晶化」したデジモンは玩具版「デジタルモンスター」を意識したドット絵の姿になってしまう''のだ。デジモンワールドシリーズではお馴染みの状態異常だがストーリーシリーズでは初である。 --「デジタルモンスター」「デジモンペンデュラム」「デジヴァイス」シリーズの玩具を持っていたリアルタイム世代は、この姿に特別な感慨が湧くのではないだろうか。 ---「アタック」コマンドを選んだときは特有のピコピコ音と共に勇ましいポーズを取ったり、更に「眠り」の状態異常を重ねがけすると''眠りドット絵に書き換わったり''芸が細かい。 -''デジモンメダル'' --本編のストーリーには関わらないが、本作には全500種類の「デジモンメダル」をコレクションするという楽しみがある。 --本作に登場しない様々なデジモンが網羅されている他、「アグモン博士」などのマニアックなデジモンまでメダルになっている。 --レアリティに応じてメダルが色分けされている、レアメダルはホログラムシールのようなエフェクトが追加されているなど、いかにもありそうな感じのデザイン。 -''音楽'' --『[[ダンガンロンパ>ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生]]』シリーズのBGM作曲、『[[スマブラ>大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ]]』シリーズ([[X>大乱闘スマッシュブラザーズX]]、[[3DS/WiiU>大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U]])の編曲などで知られるクリエイター、高田雅史がBGM作曲を担当。 --本作特有のデジモンのサイバー感が強調されたテクノ調、探偵モノらしいミステリアス調、ノキアや野良デジモンの騒動に巻き込まれたときのポップ調など、幅広いジャンルで緩急を付けており、評価は高い。 ---ラスボス戦は「あるクラシックの名曲」をイントロに据えた、メインテーマ「THE CYBER SLEUTH」のアレンジ。ストーリー展開にも沿った選曲だが、クラシックの引用は『デジモンアドベンチャー』にも通ずるものを感じさせる。 --かなり早い段階のプロモーションで作曲者を公表し、先述の通り初回封入のダウンロード特典にサントラも含まれており、メーカーとしてもアピールポイントだったことが伺える。 ---ただし「特選サウンドトラック」ということでラスボス戦も含めて半数以上が未収録((特選サントラ24曲に対し、後述のサントラCDは59曲+未使用曲1曲。))であり、プレイヤーからは惜しまれた。 ---ゲーム発売から2ヶ月後、完全版サントラCDが発売。デジモンゲームとしてはPSソフト『デジモンワールド デジタルカードバトル』以来''15年ぶりのサントラCD発売''。 ---- **賛否両論点 -''友情度'' --パーティの3体に入れたデジモンは次第に主人公との「友情度」という値が上昇していく。 --「友情度」が上昇することで他のデジモンの攻撃を支援したりといった、様々な恩恵が受けられる。 --問題なのは、友情度が進化に関係するということ。特にアニメで主要な働きをしたパートナーデジモン達は、友情度をかなり上昇させないと進化できない。 ---友情度は店売りのアイテムを与えることで上げることも可能なのだが、本作は基本的に金欠気味でやりくりしていく必要があり、アイテムの値段も相まってアイテムで強引に友情度を上げるのはかなり厳しい。よって友情度はパーティに入れて上げるのが正攻法と言える。 --結果として、進化に友情度必須のデジモンばかりがパーティに入ることになってしまい、パーティの固定化に繋がっている。 -''才能'' --上記したように、本作の育成の基本は進化と退化の繰り返しにより「才能」を上昇させていくことにある。アイテムでも上げられるが、とてもレアなので非常手段にしか使えない。 --しかし、このシステムは育成の幅を広げている反面、例えばやっとの思いで完全体に進化したにも関わらず、次の進化条件には「才能」が足りておらず、泣く泣く退化させて育て直し…といった事態もよくある。 ---酷いのはジョグレス進化体を退化させなければならない場合。この場合、ジョグレスさせたうちの一体しか戻ってこず、もう一体は用意し直す必要がある((ジョグレス進化では、パラメータ条件は片方がすべて満たしておけばいい。ただし、一番面倒な友情だけは両方最大にしなければならない。))。主にパイルドラモン→インペリアルドラモンの進化でこの悲劇が起こる場合が多い。 --つまり一見しては分からないが、作業量、レベリングの手間がとてもかかるのである。これを単純に面倒と感じるか楽しめるかは人と場合による、といったところ。 ---デジモンによっては、あるいはレベルが99近くないと満たせないくらい高いパラメータ条件のものもいる。 ---このレベリングの手間を大幅に下げる手段として、経験値上昇の能力を持つ「プラチナスカモン」等のデジモンが存在する。ただし今度はこれらのデジモンがレベリング用に強力過ぎてパーティが半固定化されるという問題も発生する。しかも経験値上昇効果を持つデジモンは揃いも揃って「汚物系デジモン」ばかりであり、彼らを延々連れ歩きたいというプレイヤーは稀だろう。 -''初期デジモン'' --上記したように、初期パートナーデジモンはテリアモン、パルモン、ハグルモンの三種から選ぶ。「友情度」の概念も相まって、この初期デジモンとはかなり長い付き合いになるのだが…。 --正直に言って、選出理由が不明。ワクチン種、データ種、ウイルス種の中からそれぞれ一体選んだのだと思われるが、何故この三体になったのかは謎。 --パルモンとテリアモンはそれぞれアニメ「初代」と「テイマーズ」でメインキャラクターとして活躍したが、ハグルモンは本当に選出理由が不明。ウィルス種枠ならギルモンという、「テイマーズ」で主人公のパートナーを務めた人気デジモンがいるのだが…。 ---推測だが、本作のシナリオにはロイヤルナイツが密接に関わってくるので、ロイヤルナイツに進化するデジモンを意図的に避けたのだと思われる。上記のギルモンが起用されないのも、究極体でデュークモンになってしまう点を考えれば説明がつく。 ---他には動物、植物、機械で育成ルートがほとんど被らない、選ぶ楽しみがあることだろうか。しかし、それにしてもやはり取っ付きが弱い。 -''シナリオの難解さ・不可解な点'' --本作のプレイヤー層を考えると仕方がない面はあるが、シナリオはやや大人向け・難解な展開が多い。 --「電脳と現実が交差する」というキャッチコピー通り、本作のシナリオは主に「電脳空間」内で起こる事件を追う中で、電脳と現実が交錯してくる内容となっている。 ---さながらSF小説のような内容であり、ネットに関する様々な専門知識は勿論、脳科学や神学、哲学に至るまで多岐にわたる知識が散りばめられている。 --この為シナリオの完成度は高いのだが、ある程度教養のあるプレイヤーでないと展開に付いていけない。10代はおろか、下手をすると20代以上のプレイヤーすらも振るい落とされてしまいそうな程である。 ---初代デジモン世代が現在20代前後であることを考えると、ターゲット世代相応の完成度を高く評価する意見がある一方、デジモンらしい「良い意味での子供らしさ」が薄れてしまったとする意見もある。 --最後のイベントで黒幕が語る「とある理論」は、ほぼ自分で納得して呟いているだけなのでプレイヤーへの詳細な説明がない。Wikipediaに一応の解釈は載っている。 ---黒幕の最後の行動はこの理論に関連することなので、分からないといまいち釈然としなくなる可能性もある。 --DLC・七大魔王についても、これまでの立ち位置に疑問を抱く、デジモンシリーズ全体を巻き込みかねない設定が追加されている。 ---簡潔に言うと、全ての平行世界の七大魔王は''本来の力を等分された状態''。過去のゲームなどで散々キャラを苦しめた魔王たちは、全力の1割にも満たないというのである。 ---そして、一つの世界から全ての七大魔王を倒して等分の状態を乱すと''神((イグドラシルとかではなく、概念や摂理や因果などを司る、正真正銘の「大いなる意志」の方。))の怒りを買う''。「神に保護された悪の魔王」というわけの分からない状態である。 ---一応、この設定は七大魔王が完全抹殺されずに封印されたりしかされてないことへの説明にはなっている。 -''難解さを抜きにしてもハードなシナリオ'' --主人公が電脳探偵である関係上、本作は主にネットに関する事件を解決していく内容となっている。 --事件内容の多彩さには目を見張るものがある。「デジモン」という存在を上手く現実世界の問題に繋げることが出来ていると言える。 #region(close,本作で起きる事件の例。軽度のネタバレ注意。) -急にアクセス数が増加したサイトの謎を調べたところ、デジモンの間で話題になっていた。 -引きこもり少年と心を通わせた謎のアバターについて調べると、正体は人間と仲良くしたいデジモンだった。 -ある男性から「携帯電話に撮った覚えのない写真が保存されている」という依頼を受けると、中には女性型デジモンが住み着いており、デジモンが携帯の持ち主へのアピールとして自撮りしまくっていた。 --デジモンを説得して帰らせた後、そのことを依頼主に伝えると''ゲイなので興味がなかった''という衝撃のカミングアウト。 -昔行方不明になった飼い猫の気配を感じてブロードウェイに現れた老人。その猫は実は事故死しており、魂がデジモンとなってつい最近まで眠りについていた。 --実は、老人ももはや生者ではなく、無事再会できた二人は彼岸でも此岸でもないどこかで永遠に暮らしていくのだった。 --本作にはこうした、デジモンを通じて我々の社会が抱える様々な問題を見ていく事件や、我々の生活に電子機器が密着しているからこそ起きた事件が多数登場する。 #endregion --問題は、一部''とてもブラックな結末''を迎える事件があること。耐性の無い人には辛いものがあるだろう。 #region(close,以下その内容説明、やや重度のネタバレ注意。プレイ予定のある方、心の弱い方は見ないことを推奨します。) -「生き人形、死に人間」という事件では、「超スーパーリアルドール」なるフィギュアの謎に迫っていくことになるのだが…。 --実はこの事件、デジモンと人間の共謀。全身プリント可能なプリント機に潜んだデジモンが現実の女性からデータを取って作っている為、リアルなのは当然。 --問題はここから。フィギュアはエサであり、そのリアルさに嵌まってしまった人は「パーフェクトガールプロジェクト」なるプロジェクトに勧誘される。これは生きて動き、身の回りの世話を全てしてくれる理想の美少女フィギュアを派遣して貰えるが、その代わり派遣して貰った部屋から一生出てはならないというプロジェクト。 --しかし実際は、このプロジェクトに加入すると知らぬ間に意識をネットに取り込まれてしまう。つまり美少女との生活は全てネット上の幻。そして意識がネット上で覚めない夢を見ている間に、現実世界での肉体はこっそり持ち去られて悲惨な末路に…というのが計画の全貌。杏子曰く、「電脳世界への身投げ」。 -事件は主人公がデジモンを排除したことで一応解決されるが、黒幕には逃げられている。そして、デジモンがアドレスデータを落としたことでいよいよ締めに突入する。 --アドレスの場所に飛んでみるとそこには美少女に囲まれている被害者。固く現実だと信じているため一切聞く耳を持たず説得を断念する。~ そして、最後の賭けとしてログアウトを促すメールを送ったことで、ようやく若干不安になった被害者はログアウトを試みる。しかし、そこに表示されたのは''「ログアウト先がありません」''…。 --最後のメールが届くシーンは被害者がずっと後ろから映されているシーンとなっており、上記の表示を見てどんな様子なのかも分からないままブラックアウトするという、寒気を感じる形で終了となる。 --この事件に限ってはデジモンが起こしたものではなく、あくまで''人間がデジモンを利用して起こした犯罪''ということも中々ブラックである。 -共犯者のデジモンであるインフェルモン((『ぼくらのウォーゲーム』でおなじみ「ディアボロモン」の進化前のデジモン。))はカタカタとした動きに片言なセリフ、と非常に不気味。その生命らしさを感じない様子はクエストの内容とマッチしすぎていて、ことさら悪質である。 -お察しの通り、本作最大のトラウマメーカーとしてプレイヤーの間で名をはせることになった。 #endregion -''人を選ぶキャラクター'' --本作のキャラクターは良く言えば個性的なのだが、悪く言えばややアクが強く、好きになれるか否かは人による。 --賛否両論の筆頭は白峰ノキア。常にハイテンションで自信過剰、人を振り回すくせにに言葉足らず、しかも肝心な所ではヘタレ気味、なのにとある理由で強大な力を手にする…と、人によってはかなり嫌なタイプだろう。 ---勿論ノキアはこうした性格だからこそ、混沌とした世界の中でも自分の芯をブレさせずに突っ走れたのであり、ノキアが本作に欠かせない魅力を持った人物であることに疑いはない。ただ、好きになれるかと言われると人によるとしか言えないのである。 --こういった点が良くも悪くも人間臭いノキアとは似て非なる、単なるアホの子のリナ。怖いもの知らずの逞しさに磨きがかかり、パートナーの必殺技に混じって''「オイスターVソース!」''((正しい必殺技名は「シャイニングVフォース」。))などと恥ずかしげも無く叫ぶ。 --悪役の一人・ジミィKEN(ジミケン)は悪魔系バンド風のメイクと滅茶苦茶に高いテンションで「wwwww」などとネット用語を連発する、なかなかに癖の強い人物。 --また、キーパーソン「岸部リエ」の人物造形も賛否両論。岸部リエは要するに「エロいお姉さん」キャラであるが、シリアスな会話の中に下ネタをガンガン放り込んでくるので、そうした要素が嫌いな人にはつらいものがあるだろう。 ---実はこうした岸部の下品さは全て演技なのだが、その本性を知ると何故こんなキャラを演じているのかが尚更謎になる((岸部は実は本来、人間嫌い。理由はネタバレなので明かせないが、少なくともエロキャラを演じる必然性は全くない。))。 ---ちなみに岸部は公式HPで「物腰は柔らかく、おおらかで、どんな人の意見も取り入れるといったような懐の深さを見せる」と紹介されているが、実は''そんな場面はゲーム中一度もない''((一応末堂アケミというマッドサイエンティストの意見を取り入れる場面はあるが、少なくとも物腰柔らかでも大らかでもないし、そんな態度を見せてもいない。))。その理由は、プレイをすれば察することができる。 -''周回要素がない''(改善済み) --クリア後の追加クエストはあるが、2周目を始めることはできず再プレイは再びニューゲームを選ぶしかない。 ---ボリュームがあるので周回による再プレイというのもきついかもしれないが、伏線を把握したうえでストーリーを追うのができないのは少し残念。 ---性別は男女を選べるが、それによって特に展開に影響はなさそうなのが救い。逆にいえば、誰とも友人止まりで終わるということだが。 --2016年2月10日配信のパッチ1.03にて「強くてはじめから」が追加され、周回プレイが可能となった。 ---- **問題点 -''参戦デジモンの難'' --本作には240体以上のデジモンが3Dモデリングで登場しており、スタッフが凄まじい苦労をしたであろうことは想像に難くないのだが、やはり「あのデジモンが登場しない」という登場枠への不満はある。 --勿論1000体を越える全てのデジモンを登場させるというのは無理難題ではあるが、それにしてもやや格差を感じる点はある。 --本作に登場するのは携帯機シリーズでおなじみのデジモンや、アニメ主人公のパートナー格、また主要な働きをしたデジモンがほとんどで、ある程度マイナーなデジモンはほぼ出ない。 -中でも比較的有名どころとして、「デュークモン クリムゾンモード」の未登場が挙げられる。 --後に『セイバーズ』の「バーストモード」がアップデートで追加、同時期出身の「ベルゼブモン ブラストモード」も海外版限定ながら登場しており、アニメ主役格では彼のみ冷遇気味である。 -ドルモン(アルファモン)系列のデジモンの未登場も挙げられる。「ドルモン→ドルガモン→ドルグレモン→アルファモン」でアニメ『ゼヴォリューション』の進化ルートは整っているのだが…… --携帯ゲーム『ペンデュラムX』では「ドルグレモン→ドルゴラモン」で別の究極体に進化し、こちらのドルゴラモンは未登場。 --また、同じくペンデュラムXでは「ドルモン→ラプタードラモン→グレイドモン→アルファモン」の進化ルートが設定されているが、こちらもラプター・グレイドの2体が未登場。 ---アニメ・ゲームで進化ルートが混在しており、一概に間違いとも言い切れないので惜しい。ムラなく揃えるか、ドルゴラモンだけでも登場していれば…。 -ジョグレス進化体は、オメガモンとオメガモンズワルト(黒)、『02』パートナーの3体(パイルドラモン、シルフィーモン、シャッコウモン)、本作オリジナル・初登場のマスティモン、アップデートで追加されたカオスモンで全7体。 --「ジョグレス(合体進化)」という設定がデザインとして認知できるのは実際この程度((更に出すとしたらアニメ未登場の「ディノビーモン」「ミレニアモン」辺りになるだろうか。))なので、これは仕方ない((ジョグレスが始めて登場した携帯機「デジモンペンデュラム」では「モノクロモン+スターモン→ピッコロモン」のような荒唐無稽な進化もできてしまう。また、ロイヤルナイツの一体「エグザモン」も、本作では通常進化可能だが、本来はブレイクドラモンとスレイヤードラモンのジョグレス体。))。 -ここまでは「基本は抑えている」という見方なら減点するほどではないのだが、問題はアーマー体。 --フレイドラモン、マグナモン、ラピッドモン(アーマー体)の3体''のみ''。ロイヤルナイツのマグナモンは外せないのでついでに出した、とでも言わんばかりで、一握りというにもあまりに少ない。 ---せめてフレイドラモンと対になる「ライドラモン」程度は出せなかっただろうか。デジメンタルによる多彩な進化が魅力のホークモンやアルマジモンが通常進化しか出来ないのも残念。 -アニメ作品で言うところの『フロンティア』『クロスウォーズ』にのみ登場したデジモンやその進化体、また『リ:デジタイズ デコード』にも登場した「X抗体」は皆無。ターゲットを古参ファンに絞った結果だろうか。 --デジモンの一般的な世代設定に対してイレギュラーな要素が多く、育成要素への落とし込みが難しかった事情も考えられる。実際、『セイバーズ』の主要デジモンは「バーストモード」もアップデートで追加され、全て出揃っている。 -''カメラワークが固定'' --ほぼ遮蔽物の無い電脳空間では気にならないが、現実世界、特に頻繁に行き来する「中野ブロードウェイ」ではカメラワークが固定されていることへの不便さが目立つ。 --カメラが壁に遮られて全く見えない位置に、重要なアイテムやイベントが存在することもままある。それを逆手に取ったNPCのセリフもあるので、意図的なものと思われる。 -''難易度調整が雑'' --経験値は多めに入る上に、進化、退化に関しては制約はあるものの大部分は自由に行える為、序盤は味方が過度に強くなりがち。 ---例えば敵が成長期のデジモンを使用しているのにこちらは全員既に成熟期、といったことも普通に起こる。 --しかし後半に入る程加速度的に敵が強くなり、レベル上げの時間が長大化してくる。 ---これにはバトルの理不尽な仕様も関係している。例えば本作のAIはあまり頭が良くない為、NPCデジモンは基本的に燃費を気にせず強力なスキルをバンバン使う。この為だろうが、''NPCデジモンはSPが無限に設定されている''。しかしこの影響で''HP全回復スキル「ファイナルオーラ」なども敵は連打してくる''ので、特に後半になり敵のスキルが強力になるほど理不尽な敗北が多くなりストレスが溜まる。 ---加えて、本来は消費量が多めに設定されている全体強化・弱化スキルも多用してくる。本作ではこの手の効果は重複するため、速度強化を多用されると袋叩きにされかねない。 ---バステ成功率が基本的に100%なのも問題。NPC相手では狙って使わないので少々うざい程度だが、オンライン対戦だと速度極振り&バステスキル特化によるリンチのような戦法を使うプレイヤーが出てきている((この手のスキルは攻撃力は決して高くないため、戦闘が長引きやすい。))。 ---また、敵の強弱を主に防御の高低で決定しているという難易度調整なので、スティングモンなど防御力無視攻撃を持つデジモンがいれば格段に楽になる。 -''決して良好とは言えない戦闘バランス'' --各デジモンの代名詞であるごとの必殺技に露骨に格差が存在する。 --例えば一般的なデジモンの必殺技だが、如何にも強そうな演出とは裏腹に火力が通常のスキルよりちょっと強いくらい。コストも通常スキルと比べてほぼ大差ない為ガンガン打てるが、通常攻撃張りの頻度で何回も放てるためありがたみが存在しない。 ---ところが、強いデジモンの必殺技では所謂「貫通技」の性能が異常なまでに高い、上記の通常デジモンの必殺技と比べて文字通り火力の差が何倍にも違ったりするので中盤のボスともなると貫通技を何回か使うだけで1Tキルも容易。これらの必殺技はその分一般的な必殺技とは消費コストが倍近く違うのだが、1T溜めて2倍のダメージを与える「アクセルブースト」やバフ・デバフを駆使すると更に火力が高まるので差が埋め切れてない。 ---しかも上記の項目に触れられている通り、ボスの難易度は基本的に防御の高低で決められている上、後半のボスになるとHPが非常に高い。なので一般的な必殺技は豆鉄砲にしかならず、一般的な必殺技のみで攻略ともなると苦行の域に達する。しかし貫通技は文字通り防御貫通なので安定してダメージを与えられる。というかDLC等を含めると正直貫通技を前提とした攻略難易度としか思えない。 ---なのでプレイしたファンからは所謂「貫通ゲー」と称され、設定的にはいくらラスボスを張ったデジモンだろうと必殺技がしょっぱければその強さを実感できない。例えば映画で非常に高い人気を誇る上に、ストーリーや設定でも最高クラスの強さを誇る「オメガモン」だが、貫通技を持っている合体前の「ウォーグレイモン」の方が戦闘面では強かったりする。ステータスの差のなぞ無きに等しい。 --他に強い必殺技とされるのは、所謂現HPを割合で削る必殺技、固定HPを参照する為に雑魚戦ではとどめを刺せない上にHP量も相まって地味だが、なんとこの技ラスボスにさえ効く。大抵他のゲームではこのような技に関してはボスともなると耐性を持ってたりするのだが、今作では関係無しに削るので非常に強力な技である。貫通技と同じ様に相手の防御力に威力が左右されないのも大きい。 --速度の影響力が非常に高い。 ---今作の戦闘は先述の通り「アクティブターンバトル」で、順番かつ均等に全てのデジモンに行動順が回ってくる訳ではない。素早さに差があれば、一体のデジモンが2連続、3連続行動することもあるのだが。今作ではその連続行動に制限が存在しない。 ---例えば非常に速いボスキャラが存在するとして、ボスキャラが2・3連続行動する程度ならまだ反撃で普通に攻略する事も可能だが、問題はボスがバフ・デバフをかけると行動回数が更に増える。 ---バフ・デバフは時間制限で消えるものの、確定で発動する上に重ねがけ出来る為に、こちらもバフ・デバフで対抗しなければ所謂「ずっと俺のターン」が完成し、こちらが二回目の行動するまでにあっちが十回ぐらい行動してたとかザラに存在する。 ---しかもボスが1体ならまだ良い、相手もパーティを組んでるボス相手だとその分相手の行動数が三倍に膨れ上がるので、戦闘中相手の攻撃しか写ってるシーンをずーっと見続けるだけという状況も普通に起こり得る。 --相性の影響力が強いが、かなり偏りがある ---今作の戦闘に置いて火属性や水属性等の属性の相性の他にも、ワクチン・データ・ウイルス種と言ったデジモンファンにとっておなじみの種族と言った相性も存在する。この二つの影響は与えるダメージ・受けるダメージに非常に多く影響し、属性の相性は1.5倍や0.75倍、種族の相性は2倍や半減にもなる。よって戦闘には属性ごとの相性をつかむことが非常に大事。 ---これだけならまだいい、まだ良いのだが…問題は上記の貫通技である。上記の貫通必殺技は割と持っているデジモンが限られており、一応核種族毎に貫通持ちは存在するのだが、究極体の配分ではワクチン種1体、データ種1体、ウイルス種7体と一見しただけでも異常に偏っている。 ---しかも攻略難易度が高いクリア後攻略ともなると強力なボスに限ってウイルス種で相性が良いデータ種は少なく、特に最高難易度を誇る対インペリアルドラモンPMはワクチン種、DLCの7大魔王に至っては全員ウイルス種である。 --通常スキルが地味。 ---上記の通り必殺技が戦闘に置いて大事なのは理解してもらえただろうが、しかし通常スキルも勿論忘れてはならない。回復技の効果は非常に大きいし、バフデバフ技は戦闘に大きく影響する。そして状態異常技もほぼ確定するし、それを回復・防御するためのスキルの重要性も高い。 ---しかし肝心の攻撃スキルが地味、一応属性や相性を突く事でそれなりにダメージは与えられるのだが、上記の説明の通り何十回も通常スキル撃つより貫通必殺技を使う方がよっぽど有効、そうで無くても自前の必殺技で事足る事も多い。 ---それでも雑魚戦は温存の為にも役立つが、しかしボス戦ともなると非常に硬いので(以下略 ---また攻撃技そのものにも性能の差がほぼコンパチなのも難点、属性以外の差だと物理判定か魔法判定か、単体か全体か、後はスキルのレベルしか差異が無く演出以外ほぼ同じである。 -''ビクトリー・ウチダ'' --Chapter5以降、「ビクトリー・ウチダ」((「Vジャンプ」の編集者が扮するキャラクター。デジモンとVジャンプは非常に古い付き合いで、タイアップ・コラボレーションの一環である。))という人物が登場する期間限定イベントが存在する。 --ウチダを見つけて話しかけるとアイテムを入手できる。しかしウチダの出現タイミングがかなり限定的な上に、出現場所は完全にノーヒント。ほとんど現実世界にいるのがせめてもの救い。 --あってもなくても良いものならまだ我慢もできようが、育成を便利に進めるアイテム、「七大魔王」デジモンメダルなど軒並み貴重品ばかりであり、とてもつらい。 ---前者はやり方さえ分かれば「デジファーム」で大量生産できるが、後者を取り逃すと追加シナリオの七大魔王を直接討伐しなければ''メダルコンプリート不可''となってしまい、難易度が一気に跳ね上がる。~ ルーチェモンシリーズ3枚のメダルをもらえる最終章のイベントに限り、クリア後でも入手可能なのが不幸中の幸い。 ---アップデートで「強くてはじめから」が追加されており、アイテムの引継ぎもできるため、出現タイミングを把握していれば一応はフォロー可能になった。 -''特典を入手できなかったプレイヤーへの救済策がない''(改善済み) --初回特典には「黒いアグモンとガブモン」が入手出来るプロダクトコードが付属しているのだが、この二体及び進化系は通常版ではどう足掻いても入手不可能。 --問題なのはこれら黒いアグモンとガブモン及びその進化体が、しっかりと図鑑にナンバリングされており、進化ツリーにも表示されるということ。 ---幸いデジモン図鑑は完成させる必要はなく、トロフィーも問題なく取得可能。とは言え図鑑に埋められない穴があるというのは、そういったコレクター要素を気にするプレイヤーにとってはかなりの欠点ではある。 ---本作は評判が広がり人気ソフトとなった為、初回限定版は売り切れが続出。再生産やDLC販売といった救済を求める声が度々上がった。 --後に廉価版発売と共に無料DLC配信が実施され、誰でも入手可能になった。 -''「海外版限定キャラクター」の存在'' --海外版は2016年2月2日にPS4/PSVitaマルチタイトルで発売。日本の市場を考慮してPS4版を発売しない、というだけならまだ分かる話だが、~ 海外版の初回特典DLCには「ベルゼブモン ブラストモード」「ケルビモン(悪・黒)」など、日本版から追加いくつかのコンテンツ((日本版では攻略本などの関連商品の付属DLCで付属していた内容が、あちらでは展開されていないためこちらに併合されている。))が追加されている([[海外版PV>https://www.youtube.com/watch?v=iJZx96i1dNw]])。 --後のアップデートは全世界同時に配信されたが、この2体だけは''日本版では解禁されなかった''。 ---デジモンシリーズは海外でも人気があり、販売促進のため初回特典を追加しようという思惑があったと思われるが、そのためにアニメ出身の人気デジモンを海外版限定とする判断には首を傾げる。 ---オンラインで対戦することもでき、日本版にもデータ上は存在しているが、この2体が入るであろう図鑑No241&242は''欠番になっており、存在を隠蔽する((図鑑No240:ラピッドモン(アーマー体)→No243:ダークドラモンとなっており、241&242は枠自体が存在しない。))''という斜め下の対応。 ---続編『サイバースルゥース ハッカーズメモリー』発売決定に際し、続編との比較として本作の収録デジモン数が公表されているが、''「[[欧米版初回特典2体は含まない>http://digimonstory.bn-ent.net/introduction/#i01_04]]」''という、日本版では登場しないと思われる決定的発言がなされている。 ---続編の制作自体は喜ばしいことだが、それはそれとして、本作にもDLC販売でも対応が欲しかったところ。 -''トロフィー条件の一部がかなり困難'' --クリアできないほどではないのだが、「デジモンメダルのコンプリート」と「オンライン対戦で一定以上勝利」がかなり面倒。 --デジモンメダルはガチャ・フィールド上に落ちている・ドロップ・クエストの報酬・ウチダ発見で手に入るのだが、入手方法が限られたものがいくつかある。 ---ガチャとクエストはドロップでも賄えるが、敵として出ないものはガチャ・クエストでしか入手できない。クエストはそのメダルをくれるクエストが出るかがランダムで、ガチャは総数300枚と単純に手間がかかる。 ---フィールド入手は本当にそれでしか入手できないため、見落とすとかなり面倒なのだがアイテムボックスからの入手でなく地面に光っているのでうっかりすると見落としてしまう。 --オンライン対戦は、完全なるガチ勢が結構いるのでトロフィー目的の人には敷居が高い。 ---なので、過疎対策で設定されているCPUが狙い目となる。無論、チャットなどで会話してわざと負けてもらう方が早いのだが。 ---CPUのチームは番号+大文字のアルファベットという特徴的な名前になっており、分かりやすい。 ---数も3体だけと比較的勝ちやすいのだが、それでも完全体・究極体を放り込んでいる上にパラメータに補正が入っているので気楽に勝つのは無理。そして、''相変わらずSPは無限''。 ---ただし、CPUは同一チームは複数のプレイヤーと対戦できないらしく、プレイヤーが多い時間帯だと捕まらないのが難点。 ---容赦ないガチ勢以外にも、通信不良も厄介な敵。途中で通信が途切れると未セーブの勝ちが無駄に終わるので、こまめにセーブすること。 --このような仕様のせいか、2014年度末に出たこのゲームのプラチナトロフィーの獲得率が''丸一年経っても1%未満''。良くも悪くも、正にやりこみ要素である。 ---というかメダルフルコンプもオンライン対戦も1%程度と、下手なゲームのプラチナトロフィーよりもよほど低い割合となっている。にもかかわらず、''ゴールドどころかシルバートロフィー''。 ---ちなみに、メダルのトロフィーは収集段階に応じて6つあるが、4段階目(300枚収集)の時点で3%未満。3段階目(200枚収集)でも10%未満なので、プレイヤーたちがどれだけ苦労もしくは挫折しているかが伺える。 ---- **総評 「大人になったデジモンファンへ」というコンセプト通り、随所に古参デジモンファンへの愛が溢れている良作。~ 特にシナリオ面での評価が高く、デジモン好きでなくとも是非プレイして頂きたい作品である。~ 廉価版発売・初回特典DLCの無料配信も行われているので、手軽に遊べる点でもおすすめ。~ ただし廉価版は3000円ほどで買えるとはいえ、後述の続編には本作もカップリング収録されるので、よほど急いでいるのでなければそちらを待った方が得。 難易度調整が雑、育成に面倒な要素ありと、システム面にはやや細かい難点が多い。~ ただし全体的な出来が良く、長く遊べるだけに細かい粗が目立っているということには注意して頂きたい。~ 続編にはこうした点での改善に期待したいところである。~ いずれにせよ「デジモンストーリーの最新作」としては十二分に期待に応えた作品であることは間違いない。~ 古参デジモンファンに向けたファンサービスであると同時に、デジモンを知らないプレイヤーも本作をきっかけにデジモンファンにする魅力を持っている作品だと言えるだろう。~ 発売から2年を経た2017年3月、続編(あるいは完全版)''『デジモンストーリー サイバースルゥース ハッカーズメモリー』''の発売が決定。~ 日本市場の変化もあってか今回はPS4/PSVitaマルチタイトルとなり、本作もカップリング収録される。~ ----
*デジモンストーリー サイバースルゥース 【でじもんすとーりー さいばーするぅーす】 |ジャンル|育成RPG|&amazon(B00RBC8NCC,image);| |対応機種|プレイステーション・ヴィータ|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|メディア・ビジョン|~| |発売日|2015年3月12日|~| |定価|6,640円(税別)|~| |廉価版|Welcome Price!!&br;2016年12月1日/2,800円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|3Dモデルで蘇るデジモンストーリー&br;大人になったデジモンファンへの最新作&br;ストーリーの完成度、育成の自由度が極めて高い&br;良くも悪くも個性的すぎるキャラクター|~| |>|>|CENTER:''[[デジタルモンスターシリーズリンク>デジタルモンスターシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- #center(){{ ''&ruby(デジタル){電脳}と&ruby(リアル){現実}が交わる時 ぼくらの&ruby(ストーリー){物語}が進化する'' }} 近未来の日本。 インターネットに視覚的かつ感覚的にアクセスすることの出来る技術によって、「電脳空間EDEN」が人々のあいだで、もう一つの日常世界となっていた。 セキュリティによって守られていた電脳空間。しかし人々の生活に密着するにつれ、そこで起こる犯罪も多くなってきていた。 特殊なウィルスプログラムを利用し電脳世界に甚大な被害をもたらすハッカーたち。 そのウィルスプログラムはAIをもち、あらゆる情報を吸収、環境に応じて多種多様に進化を遂げる能力をもっていた。 人々は、その特殊なウィルスプログラムを「デジタルモンスター」と呼んだ… (公式サイトより抜粋) ---- **概要 -『デジモンストーリー』シリーズ5作目にして、前作『超クロスウォーズ』以来4年ぶりの新作。また、ニンテンドーDSで展開されていたシリーズ初のPSプラットフォーム作品((過去の作品はロゴを見ても分かるように、デジモンストーリー→DigimonStory→「(ニンテンドー)DS」という語呂合わせ))。 -デジモンゲームの発売順では、2013年の3DSソフト『[[デジモンワールド リ:デジタイズ デコード>デジモンワールド リ:デジタイズ]]』以来2年ぶり。(2012年のPSPソフト『リ:デジタイズ』の完全版。以下『リデジ』)~ 同作と本作では世界観の一部が重なっており、一部キャラクターが続投している。また、キャラクターデザインは本作でも引き続きヤスダスズヒトが担当する。 -デジモンゲームの中でも、特に『デジモンストーリー』シリーズは伝統的に対象年齢が低めだったが、本作では対象年齢がグッと引き上げられている。 --2013年には『[[デジモンワールド]]』のリブート作である『リデジ』の他、PSPソフト『[[デジモンアドベンチャー]]』も発売されていた上に、本作が発売された2015年はアニメ『デジモンアドベンチャー』放送15周年にあたる。 --こういった流れを汲んで、本作では「大人になったデジモンファンへ」というコンセプトのもと、アニメファン向けの登場デジモンの選出やグラフィックデザインなどを行うと共に、冒頭のキャッチコピーにもあるSF要素の強い世界観でストーリーが展開されている。 ---こうして、発売から瞬く間に''歴代デジモンゲームの中でも極めて高い評価''を得ることとなり、現在ではベスト版・完全版・移植版と様々な展開が行われている。 -初回封入特典として、アグモン(黒)、ガブモン(黒)、オリジナルカスタムテーマ2種、サウンドトラックなどが入手できるプロダクトコードが同封されていた。 -シナリオ・育成デジモンが追加された完全版''『[[デジモンストーリー サイバースルゥース ハッカーズメモリー>デジモンストーリーサイバースルゥース ハッカーズメモリー]]』''がPS4/PSVita/Switchマルチで発売されており、現在では(特殊な事情を除いて)''本作の購入は推奨されていない。'' ---- **キャラクター -''相羽タクミ・相羽アミ''(男CV:松岡禎丞/女CV:大久保瑠美) --このゲームの主人公。男女の選択制で、男性の場合はゴーグル型、女性の場合は髪留め型のデジヴァイスを装着している。 --戦闘中の掛け声などを除きゲーム中ではボイス無し。会話デモ中も、テキストでの台詞も含め一言も言葉を発しない。この辺りは『リデジ』の踏襲と言える。 --主人公はこの世界に暮らす普通の学生であったが、ある日EDEN内でイレギュラーな攻撃を受けてデジタルとリアルが入り混じった「半電脳」存在となってしまい、「電脳探偵(サイバースルゥース)」として活動し始めることとなる。 ---この辺りの経緯は、「世界観」の「イーター」についてを参照。 --初期パートナーはテリアモン、パルモン、ハグルモンの三種から選択する。 -''白峰ノキア''(CV:潘めぐみ) --主人公のチャット友達。「なるようになる」がモットーのポジティブな少女。 --本作は、彼女がネットで噂の「デジモン」に興味を抱いたことから始まる。 --いわゆる「ウザ可愛い」系キャラであり、ハイテンションで周囲を振り回しがち。しかし良くも悪くもブレない彼女の純粋な思いは、次第に周囲を動かしていくこととなる。 --偶然出会ったアグモン・ガブモンと心を通わせ、後にパートナーとなる。 -''アグモン&ガブモン''(CV:坂本千夏/山口眞弓) --お馴染み、デジモンの顔役。本作ではノキアのパートナーとなる。 --CVは『デジモンアドベンチャー』と同じキャスト。個体としては別存在ながら、その再現度は必聴。 --両者とも人間世界に来たショックで記憶を一部失っており、その真相は大事件の謎を解く手がかりとなっていく。 -''真田アラタ''(CV:岸尾だいすけ) --ノキア同様、主人公とはチャット友達。一見飄々としているが、実は面倒見が良い兄貴分。そして漫画マニア。 --非日常的な出来事に惹かれ、主人公と共に電脳空間を巡る事件に迫っていく。元凄腕のハッカーのようだが、過去については多くを語らない。 --良くも悪くも格好つけであり、責任や思いを一人で背負ってしまいがち。 --パートナーはケラモン。ストーリーの進行度に応じて進化していく。 -''暮海杏子''(CV:坂本真綾) --行く当てのなかった主人公を拾った縁で、そのまま主人公を雇うことになる「暮海探偵事務所」の所長。 --電脳関係の事件を専門とする腕利きの探偵で、警察にもパイプを持つ。 --本作の女性キャラの中でも際だって露出度の高い格好をしているが((ノキア、リナ、リエも大概な恰好だが、ヤスダスズヒト氏の全体的なデザイン傾向であり、作中では特にツッコミはない。))、それとは裏腹に性格は知的でクール。本人曰く「乙女心はどこかに置いてきた」。 --様々な分野の教養を持っているようで、彼女の会話には柳田國男からハインライン((SF作家。代表作「夏への扉」。序盤で探偵仲間になるワニャモンに「ピート」と名付けるのはこれが元ネタ。))まで、多様な知識が登場する。 -''神代悠子''(CV:伊藤かな恵) --暮海探偵事務所にとある依頼を頼んでくる依頼者。 --彼女の素性は軽微なネタバレに当たるので明記出来ないが、様々な事情により主人公たちに協力することとなる。 --線が細く儚い雰囲気の美少女という外見に見合わず、かなりの食いしん坊。 -''御神楽ミレイ''(CV:沢城みゆき) --デジモンの育成に欠かせない施設「デジラボ」を管理している女性。 --とある事故により肉体を失っており、電脳空間にのみ意識体として登場する。その為少女の姿をしているが、年齢は不詳。 --『リデジ』から引き続き登場。本作ではメインストーリーで時折協力をしてくれるが、基本的にはあくまでデジモンの育成管理役。オーキド博士のポジション。 -''四ノ宮リナ''(CV:戸松遥) --ミレイから旧知の間柄として紹介された「並行世界」の少女。 --かつてのデジタルワールドの冒険者として協力してくれる…が、残念ながらノキア同様の「ウザカワ系」でウザさ倍増。 ---ただしリナは公式HPでも「ウザ可愛い」ことをアピールされているが、どちらかというと「おバカ&元気」なキャラ。 --『リデジ デコード』の追加キャラクターで、彼女も引き続き登場。 --パートナーも『デコード』と同じ「ブイブイ」ことブイモンだが、本作では究極体の力を奪われており、これを取り戻すことがストーリーの重要ポイントに。 ---- **特徴 -''システム'' --本作は最大8体のデジモンを連れ歩き、その中から3体を選んでバトルに挑む、というオーソドックスな『ポケモン』『ドラクエモンスターズ』系のRPGである。 --コマンド式・アクティブターンバトル制を採用しており、「素早さ」の値を始めとするバトル中の様々な要素により行動順が決定される。素早さに差があれば、一体のデジモンが連続で行動することもある。 --デジモンはHP、SP、攻撃力、防御力、知力、素早さ、種族・属性、サポートスキル(SS)を持つ。 --SP/スキルポイントは、コストとして支払うことで、通常攻撃とは異なる「スキル」の発動、高威力の攻撃や特殊効果の付与を行う。 --「知力」は、スキルで発動する「回復」の効果量、「魔法攻撃」のダメージに影響する。高いほど自分の魔法の威力が高くなり、相手から受ける魔法の威力が下がる((『ポケモン』で言えば「とくこう」「とくぼう」のセット、あるいは『初代(青青緑ピカチュウ)』における「とくしゅ」))。 --種族と属性の相性によって、ダメージの増減が発生する。 ---種族は「ワクチン」「ウィルス」「データ」の三すくみと、それに含まれない「フリー」の4種類。有利には2倍、不利には0.5倍となる。 ---属性は「水⇒火⇒草(⇒水…)」、「土⇒電気⇒風(⇒土…)」で三すくみになる二組と、互いが弱点になる「光⇔闇」、それらに含まれない「無」の9種類。有利には1.5倍で、不利でも減算はされない。 ---種族と属性は重ねがけされる。例えば「ワクチン種・水属性」が攻撃した場合、「ウィルス種(2倍)・火属性(1.5倍)」には3倍、「データ種(0.5倍)・火属性(1.5倍)」なら0.75倍となる。 ---スキルで攻撃する場合は、スキルの属性で判定を行う。上記の「ワクチン種・水属性」が「風属性スキル」で攻撃した場合、「ウィルス種・土属性」の組み合わせが3倍になる。 --デジモンが場に出ている限り、SSによる特殊効果が常時適用される((『ポケモン』で言えば「特性(とくせい)」))。 ---ターン終了時に自動回復する、攻撃力など特定のステータスを上昇させる、特定の属性のダメージを増加させる、特定の状態異常を無効化するなど。 ---場に出ている3体全てのものが適用・重ねがけが可能なため、バランス良く構築しても、特化して構築しても面白い。 ---ただし、これは後述する''「バランス崩壊」の原因''でもある。 -''「進化」と「退化」'' --デジモンの世代設定は「幼年期1」「幼年期2」「成長期」「成熟期」「完全体」「究極体」の6段階と、「超究極体」「アーマー体」がごく少数存在する。基本的には携帯ゲーム機やアニメなどでおなじみの設定。 --デジモンはそれぞれ、種別(●●モン)ごとの基礎ステータス((『ポケモン』で俗に言う「種族値」))と「必殺技」「サポートスキル」、レベルアップで獲得する「スキル(継承技)」が決まっている。 --進化のためにはバトルおよびファーム(育て屋)によるレベルアップが必要だが、更に「才能」を主とした制限が課せられている。 --例えば成長期「アグモン」は通常レベル上限15に対して、成熟期「グレイモン」の進化には''上限突破のレベル16以上''を要求されており、進化できない。 ---レベル16未満でも、別の成熟期「スカモン」「ティラノモン」「メラモン」「ジオグレイモン」への進化、または幼年期2「コロモン」への退化が可能。 ---ではアグモンをティラノモンに進化させると、今後はレベル上限25、進化先の完全体は「''レベル26'':マメモン」「レベル28:メガドラモン、メタルティラノモン」……と、進化だけではすぐに行き詰まってしまう。 --レベル上限は「才能」ステータスに比例して上がっていく。 ---進化時も一応伸びるが、退化時の方が高く伸びる。完全体に進化できなかったティラノモンでも、アグモンに退化した時にはレベル上限が16以上に上がっている。 ---「素早さのステータスが所定の値を超える」などの進化条件もあるが、ほとんどの場合、才能によるレベル上限突破が前提となる。 ---更にこの先の究極体は、例外なく高レベル・高ステータスが進化条件であり、''事前情報無しの初見ではまず不可能。'' --上位種ほど、基本的には高い基礎ステータス・強力な必殺技および継承技の系統を持つ傾向にある。 ---ところが、必殺技や覚える継承技が補助技であったり、また時には種族・属性も大きく変化してしまい、バトル編成の再構築が必要となる状況も考えられる。 ---ただし、継承技は進化・退化を問わず引き継げるので、才能稼ぎも含め、進化が完全な無駄になってしまうことは無い。 --このような事情を総合して、本作では進化⇔退化の繰り返しが基本となる。 --通常進化に加え、更に厳しい条件を満たすことで2体のデジモンを使用した「ジョグレス進化」も可能に。 ---一部デジモンではストーリーの一定以上の進行、アイテムの入手を追加条件に求められることがある。 --3体のデジモンのみ「モードチェンジ」ができる。 ---インペリアルドラモン:ドラゴンモード⇔ファイターモード ---ベルフェモン:スリープモード⇔レイジモード ---ドゥフトモン:ノーマルモード⇔レオパルドモード --3体とも育成難易度の高い究極体デジモンだが、モードチェンジ自体は普通の進化・退化と同じくデジラボで自由に切り替え可能。概ね魔法寄り⇔物理寄りでパラメータが変化する。 ---「モードチェンジ」という名称ではあるものの、アニメのように戦闘中に行うことはできない。 ---また「モード」であっても、世代設定が異なる「インペリアルドラモン パラディンモード」(本作では超究極体)、「ルーチェモン系」(成長期⇔完全体⇔究極体)はこれに該当しない。 ---ちなみに、ベルフェモンRMとルーチェモンSMは本来究極体だが、ゲーム上では超究極体扱いである。 -''デジコンバート'' --ある敵デジモンと一定回数エンカウントすると、その敵デジモンの解析が進み、そのデータを「デジコンバート」で実体化させることで仲間にすることが出来る。 --『ポケモン』等と異なり、アイテムや特定の行動を介さず、ただエンカウントを重ねるだけで自動的に可能になるのが特徴。 ---成長したデジモンほどコンバートに必要なエンカウント数も多く(成長段階によって一律)、安直なバランスブレイカーにはなっていない。 -''デジファーム'' --パーティに連れ歩かない、待機中のデジモン達を使って様々なことが行える機能。 --「特訓」して待機中のデジモンに経験値を与えたり、「開発」でデジモンにアイテムを生成して貰ったりといったことが可能。 --デジファームの利用には現実における時間がかかり、かかる時間が長い程にメリットが大きくなる。 ---例えば「特訓」の場合、30分、1時間、1時間半のコースのうち一つを選択することになるが、30分の場合短時間で大量の経験値を得られるものの「友情度」が大きく下がってしまう。1時間半のコースならば友情度減少はなし。 ---この時間はゲームをプレイしている間に限り進む。よって長時間のコースを選択して、ゲームの電源を切るといったことは出来ない。ちなみに、Vitaは長くても30分無操作だと自動でスリープになる。 -''デジライン'' --主人公のデジヴァイスには時折「デジライン」を通じて着信がある。 --着信の内容や相手は様々。現実世界の友人、親といった通常の連絡から、デジモンからの雑談や質問といったものまで多岐に渡る。 --デジファームの状態なども逐一デジラインで連絡して貰えるので、非常に便利。 --ちなみにこれを通じてデジモンがクイズを出してくることがあるのだが、その難易度がかなり高い。 ---出題は「魚へんに春と書いて何と読む?」といった常識クイズ的なものから、「○○(マイナーデジモン)の種族は?」というデジモンマニア向けのものまで様々。 -''世界観'' --本作はSFテイストに溢れた近未来を舞台としている。 --日本では「EDEN」と呼ばれるネットワークサービスが発達し、買い物、公共事業、コミュニケーションといった、人間が生きる上で必要不可欠なことの大部分をEDEN内でまかなうことが出来るようになっている。いわゆるVR、メタバースの完成形。 ---デジモン作品の中では類を見ない発展ぶりであり、むしろ『[[ロックマン エグゼ]]』やアニメ映画『サマーウォーズ』の世界観が近い。 ---特に『サマーウォーズ』とは、白を基調とするネット空間の共通する描写、デジモンシリーズとの関係性((『サマーウォーズ』の監督・細田守は、劇場版『デジモンアドベンチャー』『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』が出世作として挙げられることが多く、また『サマーウォーズ』と『ぼくらのウォーゲーム』には多数の共通点が見受けられる。))から、逆オマージュとも思えるほど。 --こうした世界観と、元よりデジタルから生まれた存在であるデジモンとの親和性は非常に高い。 --上記のストーリー解説では、まるでデジモンが悪のウィルスプログラムであるかのように解説されているが、実際はデジタルワールドから現実の電脳空間に迷い込んだデジモン達がハッカーに捕えられ悪さをしている、といった内容。 ---このため、作中でデジモンを扱う人間は大半がハッカーと呼ばれる。テイマーと呼ばれるのは道具のように扱うことを否とする、ノキアの率いるチーム「リベリオンズ」くらいである。 --本作オリジナルの敵キャラクターとして、「''イーター''」なる種族が登場する。 ---電脳空間に生まれた、デジモンですらない正体不明の存在であり、データを「捕食」する性質を持つ。 ---数年前からEDEN内で人間が襲撃される事例が発生しており、生き残った主人公はまだ運が良い方で、現実世界で意識不明に陥った被害は「EDEN症候群」として真実を隠蔽されている。 ---その性質上、デジタルワールドには現実世界以上に甚大な被害を与えており、イグドラシルおよびロイヤルナイツが動くこととなる。 ---イーターのデザイン担当は漫画家・大暮維人氏((代表作『天上天下』『エア・ギア』など))。その恐怖の存在が、醜美の入り混じった独特のデザインで表現される。 -''追加シナリオ'' --無料DLC((初回封入特典で先行入手、発売から一定期間経過で無料配信))として、サブストーリーが展開される追加シナリオも用意されている。 --DSソフト・シリーズ第2作『デジモンストーリー サンバースト&ムーンライト』の女主人公・サヨ(CV:前田愛)がゲスト出演((本編のストーリーには一切関わらず、やり込み要素の一つ「コロシアム」の終盤で顔見せするだけ。))。~ 同作でパートナーのディアナモンと共に「七大魔王デジモン」を倒した後、別世界=本作におけるデジタルワールドから現れた七大魔王に敗れてしまい、~ ミレイを通じて七大魔王の討伐と捕らわれたディアナモンの救出を依頼してくる…というもの。 --七大魔王には専用ルーチン&能力が設定されており、非常に多彩。適当なものではなく、意味を持たせたものであるため当然強敵である。 ---例えば、複数の世代を持つルーチェモンやベルフェモンは、撃破するごとに特性をほとんど変化させて形態変化させて襲ってくる。ルーチェモンSMに至っては、''プレイヤーの攻撃は全て無効''という凶悪仕様((しばらく戦っていると暴走の反動か自爆ダメージを負っていくので、ひたすら全滅しないように耐えればOK。七大魔王を超越するという肩書に沿いつつ撃破の余地を残した特性と思われる))。 ---プレイヤーのディアナモン進化ルート開放や、後述する「デジモンメダル」収集にも関わっており、実質的な裏ボスの立ち位置になっている。 ---- **海外版・アップデートについて -海外版は2016年2月2日にPS4/PSVitaマルチタイトルで発売。 --「強くてはじめから」「ハードモード」が追加されており、日本国内外とのオンライン対戦も可能。また、日本版にも2月5日からアップデートが実施され、同等の機能を実装した。 --更に3月10日、全世界同時配信のデジモン追加アップデートを実施。『セイバーズ』の「バーストモード」4体を含む7体が追加されている。 ---- **評価点 -''フル3Dで描かれる240体以上のデジモン'' --本作の売りは何と言ってもここだろう。幼年期から究極体に至るまでの240体以上のデジモンがフル3Dで描かれており、そのほとんどが固有のモーションを持っている((幼年期の一部デジモンのモーションはコンパチだが、幼年期のデジモンは「顔の付いた饅頭」といった形態なのでモーションの付けようがない。))((色違いデジモンや、カブテリモン系・シードラモン系などの非人型は、種族ごとにある程度共通のモーションを利用している。))。 --デジモン達の必殺技、勝利時モーションも迫力満点に描かれる。特にアニメで活躍したデジモンは当時の演出を意識しており、被っている毛皮が本体と独立して動くガブモン、身体を縮めた反動で一気に「チクチクバンバン」を放つトゲモン、正面に手を突き出して「ナイトレイド」を放つヴァンデモン、「コキュートスブレス」で閉じた口元から青い光が溢れるメタルガルルモン、初登場シーンを再現した動きのオメガモンなどが特徴的。 --パーティに設定した3体のデジモンは、電脳空間に限り、主人公の後ろを走って付いてきてくれる。この走るモーションも素晴らしく、「デジモンと一緒に冒険している」という臨場感を作ることに一役買っている。 --「240体」という数字は『リデジ』で登場したデジモン総数を上回っており、あちらに登場したデジモンはほぼ全て引き継ぎつつ追加している。 ---前回不参戦が嘆かれた「ユキダルモン」等の他、携帯機の成熟期では唯一アニメ未登場という境遇にある「サイクロモン」((「戦いで片目を潰された」という悲惨な設定と外見が子供向けアニメ・海外展開の妨げになっている、という説が有力視されている。))、マイナーな携帯機『ペンデュラムX』初出の「タイガーヴェスパモン」「ガイオウモン」、『デコード』で初登場したばかりの「タイタモン」「ラストティラノモン」など。 --''「ロイヤルナイツ」が初の全員集合を果たした''というのも評価点だろう。 ---2001年のアニメ『デジモンテイマーズ』で初登場した「デュークモン」の背景設定である「ネットワークを守護する13体の聖騎士型デジモン」として存在が示唆され、度々アニメ・ゲームに登場していたが、10年以上を経てようやく全員集合の機会が訪れた((ただし、後付けでロイヤルナイツ所属になったデジモンもいる))。 ---ロイヤルナイツの存在はストーリーにもかなり深く関わってくる。彼らとのイベントを経ないと進化が解禁されないのが難点だが、全員育成可能。 ---ライバルともいえる七大魔王は、逆にほぼ関与しない。ただし、こちらも全員育成でき、要求ステータス自体は高いがアンロック条件はない。 -''無限大の育成プラン'' --「進化」と「退化」は一方通行ではなく、育成条件を満たしていれば自由に行き来が可能。 --たとえば究極体「ウォーグレイモン」の場合、完全体「メタルグレイモン、マメモン」の二体のどちらかを「進化」させる必要がある。 ---そして「メタルグレイモンから進化したウォーグレイモン」でも、他のデジモンがマメモンに進化したことがある場合、''「退化」は二体のどちらでも選べる''。 --これによって、全く違う系統のデジモンへ進化をやり直したり、継承技を延々と引き継ぐことが可能。 ---前者の例なら、「ウォーグレイモン→マメモン→ティラノモン退化」と一気に遡った後、「ティラノモン→メタルティラノモン→ラストティラノモン進化」のようになる。 ---後者の例なら、「プリンスマメモンで回復技を覚えてからマメモンに退化」→「マメモンを進化させた回復技持ちのウォーグレイモン」のようになる。 ---レベル上げの手間さえ惜しまなければ、育成プランは無限大に膨れ上がる。 -''完成度の高いシナリオ'' --サイバーな世界観にデジモンを上手く絡めており、デジモン世代以外の人でも十分楽しめる。 ---主人公は半電脳体として、電脳空間に「直接」ダイブする特殊能力・コネクトジャンプを使えるようになり、これを使って事件を解決していく。~ 「エラーを起こした機械にダイブして、内部で原因になっているデジモンを説得する」~ 「端末間のネットワークを泳ぐように移動して、施錠された扉の内側に侵入する」という風に、まさに「電脳探偵」として独特の活躍を見せる。 --異世界デジタルワールドの冒険よりも、現実世界から電脳世界の事件を調査して解決するという''「現実世界からのアプローチ」に重きを置いており、デジモンシリーズはむしろ初見の方が違和感なく楽しめるかもしれない。'' --濃厚な人間ドラマにデジモン達の思惑が重なり、二転三転していくシナリオは必見。特にロイヤルナイツが登場する中盤以降の怒涛の展開は凄まじい。 ---『リデジ』から続投するキャラクターも「デジタルワールドを通じて来た並行世界の住人」として軽く触れられる程度で、予備知識は不要。本作でも違和感無く活躍している。 --マップもデジモン同様緻密にモデリングされており、東京都内各所で起こる事件は現実との一体感も高い。 ---拠点となる探偵事務所が入居する「中野ブロードウェイ」は、4階まであるのにエスカレーターが3階までしかない、エレベーターが入り口(中野駅方面)から見て奥にあるなど、妙に不便なところも含めて再現。また、『[[アーケード版北斗の拳>北斗の拳 (AC)]]』の大会動画等でおなじみ「中野TRF」も登場。 ---「新宿」は「ダンジョン」と揶揄される駅地下構内の複雑な構造をそれっぽく再現している上、野良デジモンとエンカウントする正真正銘の「ダンジョン」となっている。%%ありがた迷惑である。%% ---「渋谷」は「スクランブル交差点」から地続きの「タワーレコード渋谷店」の特徴的な看板が再現されて入店も可能、その他「秋葉原」「浅草」など数々の有名スポットが登場。 -''状態異常「液晶化」'' --状態異常の一つ「液晶化」は、デジモンのスキル使用、クロスヒット等を封じるものである。 --「液晶化」したデジモンは''玩具版「デジタルモンスター」を意識したドット絵の姿((3D上ではスタンドポップや『スマブラ』の「Mr.ゲームアンドウォッチ」のように「板」が立っている状態。))になってしまう。''デジモンワールドシリーズではお馴染みの状態異常だがストーリーシリーズでは初である。 --電子玩具を持っていたリアルタイム世代は、この姿に特別な感慨が湧くのではないだろうか。 ---「アタック」コマンドでは特有の電子音と共にポーズを取ったり、「眠り」の状態異常を重ねがけすると''更に眠りドット絵に書き換わったり''芸が細かい。 -''デジモンメダル'' --本編のストーリーには関わらないが、本作には全500種類の「デジモンメダル」をコレクションするという楽しみがある。 --本作に登場しない様々なデジモンが網羅されている他、''「アグモン博士」などのマニアックなデジモン''までメダルになっている。 --レアリティに応じてメダルが色分けされている、レアメダルはホログラムシールのようなエフェクトが追加されて''カメラを回すと模様がキラキラと変化しながら輝く''など、いかにもありそうな感じのデザイン。 -''音楽'' --BGM作曲担当は高田雅史氏。『[[シルバー事件シリーズ]]』『[[地球防衛軍シリーズ]]』『[[ダンガンロンパシリーズ]]』『[[スマブラシリーズ(X以降)>大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ]]』等々、ゲーム業界の古今を問わず高い評判を受け続けている作曲家である。 --本作特有のサイバー感を強調したテクノ・パンク調、探偵モノらしいミステリアス・ホラー調、ノキアや野良デジモンの騒動に巻き込まれたときのポップ調など、幅広いジャンルで緩急を付けており、本作の楽曲も評価は高い。 ---ラスボス戦は「あるクラシックの名曲」をイントロに据えた、メインテーマ「THE CYBER SLEUTH」のアレンジ・マッシュアップ。ストーリー展開にも沿った選曲だが、クラシックの引用は『デジモンアドベンチャー』にも通ずるものを感じさせる。 --ただし「特選サウンドトラック」ということでラスボス戦も含めて半数以上が未収録((特選サントラ24曲に対し、後述のサントラCDは59曲+未使用曲1曲。))であり、プレイヤーからは惜しまれていた。 ---高い反響を受けてゲーム発売から2ヶ月後、完全版サントラCDが発売された。デジモンゲームとしてはPSソフト『デジモンワールド デジタルカードバトル』以来''15年ぶり''となる快挙。 --かなり早い段階のプロモーションで作曲者を公表し、先述の通り初回封入のダウンロード特典にサントラも含まれており、メーカーとしてもアピールポイントだったことが窺える。 ---[[ファミ通のインタビュー記事>https://www.famitsu.com/news/201503/20074448.html]]によると、プロデューサーの羽生和正氏が企画のスタート段階から直々にオファーしていたという。 ---- **賛否両論点 -''友情度'' --パーティの3体に入れたデジモンは次第に主人公との「友情度」という値が上昇していく。 --「友情度」が上昇することで他のデジモンの攻撃を支援したりといった、様々な恩恵が受けられる。 --問題なのは、友情度が進化に関係するということ。特にアニメで主要な働きをしたパートナーデジモン達は、友情度をかなり上昇させないと進化できない。 ---友情度は店売りのアイテムを与えることで上げることも可能なのだが、本作は基本的に金欠気味でやりくりしていく必要があり、アイテムの値段も相まってアイテムで強引に友情度を上げるのはかなり厳しい。よって友情度はパーティに入れて上げるのが正攻法と言える。 --結果として、進化に友情度必須のデジモンばかりがパーティに入ることになってしまい、パーティの固定化に繋がっている。 -''進化条件'' --上記したように、本作の育成の基本は進化と退化の繰り返しにより「才能」を上昇させていくことにある。アイテムでも上げられるが、とてもレアなので非常手段にしか使えない。 --しかし、このシステムは育成の幅を広げている反面、例えばやっとの思いで完全体に進化したにもかかわらず、次の進化条件には「才能」が足りておらず、泣く泣く退化させて育て直し…といった事態もよくある。 特に「一度も退化を経験していないデジモン」は、才能値の計算式の都合上、''絶対に究極体に進化できない。''一体だけ要求する才能値が低い究極体もいるが、このデジモンは後述の「プラチナヌメモン」。自分のデジモンが初めて究極体に進化した!と感動するか悩ましいデジモンである。 ---酷いのはジョグレス進化体を退化させなければならない場合。この場合、ジョグレスさせたうちの一体しか戻ってこず、もう一体は用意し直す必要がある((ジョグレス進化では、パラメータ条件は片方がすべて満たしておけばいい。ただし、一番面倒な友情だけは両方最大にしなければならない。))。主にパイルドラモン→インペリアルドラモンの進化でこの悲劇が起こる場合が多い。 --「七大魔王」のように''レベルが99近くないと満たせないくらい、異常なまでの高ステータス''が進化条件のデジモンがいる。 ---こういったレベリングの手間を大幅に下げる手段として、経験値上昇の能力を持つ「プラチナスカモン」等のデジモンが存在する。~ ただし、今度はこれらのデジモンがレベリング用に強力過ぎてパーティが半固定化されるという問題も発生する。~ しかも、経験値上昇効果を持つデジモンは揃いも揃って「汚物系デジモン(スカモン系・ヌメモン系)」ばかりであり、彼らを延々連れ歩きたいというプレイヤーは稀だろう。 --「ロイヤルナイツ」所属デジモンは、進化条件に''ストーリー最終章開始と同時解禁のサブクエストのクリア''が指定されている。 ---あまりにも遅すぎる上に、そのサブクエスト自体も下記の「問題点」にある高難易度という仕打ち。 --ただでさえ才能による進化と退化の繰り返しが必要な上に、ジョグレス、高ステータス、シナリオロック……様々な方面で進化条件の厳しいデジモンが''十数体''いる。 ---一見して分からないが''作業量、レベリングの手間がとてもかかる''。これを単純に面倒と感じるか楽しめるかは人と場合による、といったところ。 ---育成難易度の高い究極体が進化先にあるデジモンは、育成手段を確立できるまで''進化先を減らされているも同然''であり、ハズレ扱いもやむを得ない。 -''初期デジモン'' --先述の通り、初期パートナーデジモンはテリアモン、パルモン、ハグルモンの三種から選ぶ。「友情度」の概念も相まって、この初期デジモンとはかなり長い付き合いになるのだが…。 --パルモン、テリアモンはアニメでメインキャラクターとして活躍したことがあるが、ハグルモンの選出は決め手に欠ける感がある。 ---かといって、ウィルス種でアニメのメインキャラクターを務めたデジモンということでギルモンにすると、究極体は十中八九デュークモンとなり、作中に登場するロイヤルナイツの彼と被ってしまう。~ ギルモンは選出できなかったと考えるのが妥当だろう。 --強いて言えば、それぞれワクチン種・動物、データ種・植物、ウイルス種・機械であり、育成ルートがほとんど被らない、選ぶ楽しみはある。 ---また、初期デジモンをメディアミックスの人気デジモンで固めることを良しとしない人からは、ハグルモンの選出は高評価である。~ 主人公を一人のキャラとして考えた場合、他と被らないパートナーを持つことはステータスにもなり得る。 -''シナリオの難解さ・不可解な点'' --本作のメインターゲット・プレイヤー層を考えると仕方ない面はあるが、シナリオはやや大人向け・難解な展開が多い。 ---その難解さもストーリー的な深さ・複雑さよりも、単純にセリフ回しに難がある。いずれの登場人物も、普通に話せば簡潔に説明できるような事柄でもあえて回りくどく、また分かりづらい単語を並べているだけ、というのが特徴的である。 ---シナリオ全体が中二病的であり、大人向けというにはやや痛々しく寒々しい、良くも悪くもクサいシナリオになっている。かと言って子ども向けとしては、内容的にも羅列される単語量的にも分かりやすいとは言えない。 ---ストーリー全体の流れは王道的で面白いだけに、なぜわざわざ分かりづらくしているのか、セリフ回し等々シンプルにするだけでもストーリーの面白さがより良く伝わるはずなので非常にもったいない。 --「電脳と現実が交差する」というキャッチコピー通り、本作のシナリオは主に「電脳空間」内で起こる事件を追う中で、電脳と現実が交錯してくる内容となっている。 ---さながらSF小説のような内容であり、ネットに関する様々な専門知識は勿論、脳科学や神学、哲学に至るまで多岐にわたる知識がちりばめられている。 --この為シナリオの完成度は高いのだが、ある程度教養のあるプレイヤーでないと展開に付いていけない。10代はおろか、下手をすると20代以上のプレイヤーすらも振るい落とされてしまいそうな程である。 ---初代デジモン世代が現在20代前後であることを考えると、ターゲット世代相応の完成度を高く評価する意見がある一方、デジモンらしい「良い意味での子供らしさ」が薄れてしまったとする意見もある。 --最後のイベントで黒幕が語る「とある理論」は、ほぼ自分で納得して呟いているだけなのでプレイヤーへの詳細な説明がない。Wikipediaに一応の解釈は載っている。 ---黒幕の最後の行動はこの理論に関連することなので、分からないといまいち釈然としなくなる可能性もある。 --DLC・七大魔王についても、これまでの立ち位置に疑問を抱く、デジモンシリーズ全体を巻き込みかねない設定が追加されている。 ---簡潔に言うと、全ての平行世界の七大魔王は''本来の力を等分された状態''。過去のゲームなどで散々キャラを苦しめた魔王たちは、全力の1割にも満たないというのである。 ---そして、一つの世界から全ての七大魔王を倒して等分の状態を乱すと''神((イグドラシルとかではなく、概念や摂理や因果などを司る、正真正銘の「大いなる意志」の方。))の怒りを買う''。「神に保護された悪の魔王」というわけの分からない状態。光あるところに闇あり、バランスが崩れてしまう故の必要悪ということなのだろうか。 ---一応、この設定は七大魔王が完全抹殺されずに封印されたりしかされてないことへの説明にはなっている。 -''難解さを抜きにしてもハードなシナリオ'' --主人公が電脳探偵である関係上、本作は主にネットに関する事件を解決していく内容となっている。 --事件内容の多彩さには目を見張るものがある。「デジモンという存在」を上手く現実世界の問題に繋げている。 #region(本作で起きる事件の例。軽度のネタバレ注意。) -急にアクセス数が増加したサイトの謎を調べたところ、デジモンの間で話題になっていた。 -引きこもりの少年が内緒で誰かと通話をしており、心配だという家族からの調査の依頼。その正体は、人間と仲良くなりたいデジモンだった。 -ある男性から「携帯電話に撮った覚えのない写真が保存されている」という依頼を受けると、中には女性型デジモンが住み着いており、デジモンが携帯の持ち主へのアピールとして自撮りしまくっていた。 --デジモンを説得して帰らせた後、そのことを依頼主に伝えると''ゲイなので興味がなかった''という衝撃のカミングアウト。 -昔行方不明になった飼い猫の気配を感じてブロードウェイに現れた老人。その猫は実はある事情で行方不明となり、デジモンと同化してつい最近まで眠りについていた。 --無事再会できた二人は共に暮らすと告げ、どこへともなく去っていく。老人の正体さえよもやと思われるが、主人公達は彼らの言葉を尊重しその素性を調べる事はしなかった。 -本作にはこうした、デジモンを通じて我々の社会が抱える様々な問題を見ていく事件や、我々の生活に電子機器が密着しているからこそ起きた事件が多数登場する。 #endregion --問題は、一部''とてもブラックな結末''を迎える事件があること。耐性の無い人には辛いものがあるだろう。 #region(以下その内容説明、重度のネタバレ注意。プレイ予定のある方、心の弱い方は見ないことを推奨します。) -「生き人形、死に人間」という事件では、「超スーパーリアルドール」なるフィギュアの謎に迫っていくことになるのだが…。 --実はこの事件、デジモンと人間の共謀。全身プリント可能なプリント機に潜んだデジモンが現実の女性からデータを取って作っている為、リアルなのは当然。 --問題はここから。フィギュアはエサであり、そのリアルさに嵌まってしまった人は「パーフェクトガールプロジェクト」なるプロジェクトに勧誘される。これは生きて動き、身の回りの世話を全てしてくれる理想の美少女フィギュアを派遣して貰えるが、その代わり派遣して貰った部屋から一生出てはならないというもの。 --しかし実際は、このプロジェクトに加入すると知らぬ間に意識をネットに取り込まれてしまい、美少女との生活は全てネット上の幻。ネット上で覚めない夢を見ている間に、現実世界の肉体は''こっそり持ち去られて悲惨な末路''に…というのが計画の全貌。杏子も「電脳世界への身投げ」と評している。 -事件は主人公がデジモンを排除したことで一応解決されるが、黒幕には逃げられている。そして、デジモンがアドレスデータを落としたことでいよいよ締めに突入する。 --アドレスの場所に飛んでみると、そこには美少女に囲まれている被害者が。固く現実だと信じているため、一切聞く耳を持たず説得を断念する。最後の賭けとしてログアウトを促すメールを送ったことで、ようやく若干不安になった被害者はログアウトを試みる。 ---しかし、そこに表示されたのは''「ログアウト先がありません」''…。被害者の背面だけが映されており、どんな顔をしているのかも分からないままブラックアウトして終了する。 --この事件に限ってはデジモンが起こしたものではなく、''人間がデジモンを利用して起こした犯罪''ということも中々ブラックである。 -共犯者のインフェルモン((『ぼくらのウォーゲーム』でおなじみ「ディアボロモン」の進化前の完全体デジモン。))は、カタカタとした動きに片言なセリフ、と非常に不気味。その生命らしさを感じない様子はクエストの内容とマッチしすぎていて、ことさら悪質である。 -本作最大のトラウマとしてプレイヤーの間で語り草になり、現在ではGoogle検索で「ログアウトさ」まで入力すると''「ログアウト先がありません」が検索候補に出てくる''ほどの知名度を誇る。 #endregion -''人を選ぶキャラクター'' --本作のキャラクターは良く言えば個性的なのだが、悪く言えばアクが強く、プレイヤー間では賛否両論がある。 --賛否両論の筆頭は白峰ノキア。常にハイテンションで自信過剰、人を振り回すくせに言葉足らず、しかも肝心な所ではヘタレ気味。 ---実力に不釣り合いな虚勢と見栄を張っているような状態であり、しかもシナリオ中盤である理由から本当に強大な力を手にしてしまう…という、人によってはかなり嫌なタイプだろう。 ---勿論ノキアはこうした性格だからこそ、混沌とした世界の中でも自分の芯をブレさせずに突っ走れたのであり、本作に欠かせない魅力を持った人物であることに疑いはない。~ ''ただ、好きになれるかは人によって差がある''ということである。 --そんなところが良くも悪くも人間臭いノキアとは似て非なる、''単なるアホの子のリナ。'' ---怖いもの知らずの逞しさに磨きがかかり、敵デジモンに跳び蹴りを浴びせ、パートナーの必殺技に混じって''「オイスターVソース!」''((正しい必殺技名は「シャイニングVフォース」(アルフォースブイドラモン)))などと恥ずかしげも無く叫ぶ。 ---しかも被害者は、よりによって''七大魔王・バルバモン''である。ただし、こちらもこちらで「配下になるなら世界の四分の一を――」という[[有名なパロディ>ドラゴンクエスト]]を口走るなど、ギャグっぽい敵キャラにされている。 --もう一人の友人キャラクター、真田アラタも「面倒見が良い兄貴分。元凄腕のハッカー」という設定のはずが、本編中では概ねトラブルメーカーであり協調性にも難があるくせにリーダーシップを取りたがる、これも人によって好みの分かれるタイプ。 --また、登場人物の多くは主人公が持つ能力をあてにして、利用しようとしているような節が強い。実際には「頼りにしている」ということなのかもしれないが、セリフ回しや見せ方のせいで「上手く使われている」ように見える。実際、知らないうちに囮役をさせられていたりなど、友人同士の関係性とは思えないような損な役回りが多い。 --悪役の一人・ジミィKEN(ジミケン)は悪魔系バンド風のメイクと滅茶苦茶に高いテンションで「wwwww」などとネット用語を連発する、なかなかに癖の強い人物。 --また、キーパーソン「岸部リエ」の人物造形も賛否両論。要するに「エロい悪の女幹部」キャラであるが、シリアスな会話の中にもやけに色っぽい喋り方や台詞回しを含ませているため、そうした要素が嫌いな人にはつらいものがあるだろう。若干危うい言い回しも一度だがしている。 ---ちなみに岸部は公式HPで「物腰は柔らかく、おおらかで、どんな人の意見も取り入れるといったような懐の深さを見せる」と紹介されているが、実は''そんな場面はゲーム中一度もない''((一応末堂アケミというマッドサイエンティストの意見を取り入れる場面はあるが、少なくとも物腰柔らかでも大らかでもないし、そんな態度を見せてもいない。))。その理由は、プレイをすれば察することができる。 #region(リエについて補足・ストーリー中盤のネタバレ注意) -実はリエには「とある計画を企む人物」が取り憑いており、その「正体」は中盤で明らかになる。 --なのだが……それまでの台詞回しは全てが演技というわけではなく、また取り憑かれて性格が悪化したわけでもない。せいぜい「正体」と同じナルシズムが加わった程度。 ---''むしろリエの強烈なエゴの方が「正体」の性格と、本来意図されていた計画へ悪影響を与えている。'' ---その正体と計画については本編を見てもらうとして、''もうエロい目で見れないし二周目以降は笑ってしまう''という感想は珍しくもない。 #endregion ---- **問題点 -''未登場デジモンについて'' --本作には240体以上のデジモンが3Dモデリングで登場しており、スタッフが凄まじい苦労をしたであろうことは想像に難くないのだが、やはり「あのデジモンが登場しない」という登場枠への不満はある。 --1000体を越える全てのデジモンを登場させるというのは勿論無理難題ではあるが、それにしてもやや格差を感じる点はある。 -有名どころとして、「デュークモン クリムゾンモード」の未登場が挙げられる。 --後に『セイバーズ』の「バーストモード」がアップデートで追加、同時期出身の「ベルゼブモン ブラストモード」も海外版限定ながら登場しており、アニメ主役格では彼のみ冷遇気味である。 --考慮できる点として、ロイヤルナイツとしても登場する彼との混同を避ける、プレイヤーキャラとしての起用率を下げる意図は考えられる。 -ドルモン/アルファモン系列のデジモンの未登場も挙げられる。「ドルモン→ドルガモン→ドルグレモン→アルファモン」でアニメ『ゼヴォリューション』の進化ルートは整っているのだが…… --ドルモン系列が初めて登場した携帯ゲーム『ペンデュラムX』では「ドルグレモン→ドルゴラモン」で別の究極体に進化し、こちらのドルゴラモンは未登場。 --また、同じくペンデュラムXでは「ドルモン→ラプタードラモン→グレイドモン→アルファモン」の進化ルートが設定されているが、こちらもラプター・グレイドの2体が未登場。 ---元々、ゲームに対してアニメの進化がイレギュラーであり、アニメ再現としては間違っていないものの、せめてドルゴラモンが登場していれば…と惜しまれるところ。 -ジョグレス進化体は、オメガモンとオメガモンズワルト(黒)、『02』パートナーの3体(パイルドラモン、シルフィーモン、シャッコウモン)、本作オリジナル・初登場のマスティモン、アップデートで追加されたカオスモンで全7体。 --「ジョグレス(合体進化)」という設定がデザインとして認知できるのは実際この程度((更に出すとしたらアニメ未登場の「ディノビーモン」「ミレニアモン」辺りになるだろうか。))なので、これは仕方ない((ジョグレスが始めて登場した携帯機「デジモンペンデュラム」では「モノクロモン+スターモン→ピッコロモン」のような荒唐無稽な進化もできてしまう。また、ロイヤルナイツの一体「エグザモン」も、本作では通常進化可能だが、本来はブレイクドラモンとスレイヤードラモンのジョグレス体。))。 -ここまでは「基本は抑えている」という見方なら減点するほどではないのだが、問題はアーマー体。 --フレイドラモン、マグナモン、ラピッドモン(アーマー体)の3体''のみ''。ロイヤルナイツのマグナモンは外せないのでついでに出した、とでも言わんばかりで、一握りというにも少ないほど。 ---せめてフレイドラモンと対の「ライドラモン」程度は出せなかったのだろうか。デジメンタルで多彩に進化するホークモン・アルマジモンが通常進化しか出来ないのも残念。 -アニメ作品の『フロンティア』『クロスウォーズ』にのみ登場したデジモン、アルファモンの同期であり『リデジ』にも登場した「●●X抗体」も皆無((「X抗体種しか存在しないデジモン」としては、ドルモン~アルファモン系列、ファンビーモン~タイガーヴェスパモン系列、ガイオウモンが登場している。))。 --これらのデジモンは一般的なデジモンの世代設定に対して難しい立ち位置にあるが、放送順で見た場合『セイバーズ』に先を越されている『フロンティア』という状況は嬉しくないだろう。 -''カメラワークが固定'' --ほぼ遮蔽物の無い電脳空間では気にならないが、現実世界、特に頻繁に行き来する「中野ブロードウェイ」ではカメラワークが固定されていることへの不便さが目立つ。 --カメラが壁に遮られて全く見えない位置に、重要なアイテムやイベントが存在することもままある。それを逆手に取ったNPCのセリフもあるので、意図的なものと思われる。 -''雑な難易度調整・崩壊した戦闘バランス'' --経験値は多めに入る上に、進化・退化は制約はあるものの大部分は自由に行える為、序盤は味方が過度に強くなりがち。 --例えば、敵が成長期のデジモンに対して、こちらは既に全員成熟期、といったことも普通に起こる。 --しかし、後半に入る程加速度的に敵が強くなり、レベル上げの時間が長大化してくる。 ---これにはバトルの理不尽な仕様も関係している。例えば本作のAIはあまり頭が良くない為、NPCデジモンは基本的に燃費を気にせず強力なスキルをバンバン使う。この為だろうが、''NPCデジモンはSPが無限に設定されている''。しかしこの影響で''HP全回復スキル「ファイナルオーラ」なども敵は連打してくる''ので、特に後半になり敵のスキルが強力になるほど理不尽な敗北が多くなりストレスが溜まる。 ---加えて、本来は消費量が多めに設定されている全体強化・弱化スキルも多用してくる。本作ではこの手の効果は重複するため、速度強化を多用されると袋叩きにされかねない。 ---バステ成功率が基本的に100%なのも問題。NPC相手では狙って使わないので少々うざい程度だが、オンライン対戦だと速度極振り&バステスキル特化によるリンチのような戦法を使うプレイヤーが出てきている((この手のスキルは攻撃力は決して高くないため、戦闘が長引きやすい。))。 --必殺技の格差、「貫通技」の存在 ---一般的なデジモンの必殺技は、いかにも強そうな演出とは裏腹に、火力はスキルよりちょっと強いくらい。コストも通常スキルと比べてほぼ大差ない為ガンガン打てるが、通常攻撃張りの頻度で何回も放てるためありがたみが存在しない。 ---しかし、技の能力で「貫通」を持つ場合は別。''相手の防御力を無視して、自分の攻撃力だけで算出したダメージを与える''というもので、基本的に難易度が防御力の高さのみで調整されているこのゲームでは、極めて有用。なお「知力貫通」も存在する。 ---次ターンのダメージを2倍にするスキル「アクセルブースト」をはじめとするバフと併用すれば、''中盤のボス程度なら一撃必殺が射程圏内''となるほど。 ---豆鉄砲にしかならない非貫通技での攻略は苦行同然であり、貫通技を前提とした難易度だったのではないかと、思わず疑ってしまうだろう。 ---設定上は敵味方問わずいくら強いデジモンでも、必殺技の性能次第では格下扱いである。映画を中心に非常に高い人気を誇る上、ストーリーや設定でも最高クラスの強さを誇る「オメガモン」だが、貫通技を持っている合体前の「ウォーグレイモン」の方が強い。 ---貫通技持ちデジモンの種族・属性は、相性を一切考慮されておらず、究極体では「ワクチン種1体」「データ種1体」「''ウィルス種7体''」という有様。 ---貫通ほどではないが、「割合固定」の必殺技も強力とされる。雑魚戦ではとどめを刺せないので地味だが、本作ではこの技がラスボスにも効いてしまう。 --速度の影響 ---今作の戦闘は先述の通り「アクティブターンバトル」で、順番かつ均等に全てのデジモンに行動順が回ってくる訳ではない。素早さに差があれば連続行動することもあるが。今作では連続行動に制限が存在しない。 ---バフ・デバフは時間制限で消えるものの、確定で発動・重ねがけ出来るため、こちらもバフ・デバフで対抗しなければ''四回、五回の連続行動''程度の痛い目に遭うことは珍しくない。 --地味な通常スキル ---上記の通り必殺技が戦闘に置いて大事なのは理解してもらえただろうが、しかし通常スキルも勿論忘れてはならない。回復技の効果は非常に大きいし、バフデバフ技は戦闘に大きく影響する。そして状態異常技もほぼ確定するし、それを回復・防御するためのスキルの重要性も高い。 ---しかし肝心の攻撃スキルが地味、一応属性や相性を突く事でそれなりにダメージは与えられるのだが、上記の説明の通り何十回も通常スキル撃つより貫通必殺技を使う方がよっぽど有効、そうで無くても自前の必殺技で事足る事も多い。 ---それでも雑魚戦は温存の為にも役立つが、しかしボス戦ともなると非常に硬いので(以下略 ---また攻撃技そのものにも性能の差がほぼコンパチなのも難点、属性以外の差だと物理と魔法、単体と全体、後はスキルのレベルしか差異が無く演出以外ほぼ同じである。 -''「強デジモン」の存在'' --以上の様々な事情を鑑みて、ゲームバランスを破壊するほどに強力、''存在自体が設計ミスやバグのようなレベル''のデジモンが存在する。「SSが3体全て適用される」という影響力が特に大きい。 --''アルフォースブイドラモン''(ワクチン種・風属性) ---完全体のエアロブイドラモンと共通で持つSS「神速」で、スタメンに入っていると''自分含む3体全てが先制を取る((「神速」持ち同士が対面したときの判定基準は不明))''。ゲームバランスというか''アクティブターンバトルという&color(red){概念そのもの}''を破壊している。 ---神速抜きでも素早さが高い上に、必殺技「シャイニングVフォース」の「敵全体に必中攻撃+自分の素早さアップ」を重ねれば、自力で連続行動の準備が整ってしまう。 --''メタルガルルモン''(データ種・水属性) ---ガルルモン系の共通SS「野生の鼓動」で、自分が場に出ているとき''全員が素早さ15%アップ''。 ---アルフォースブイドラモンと違って必殺技に特筆すべき点はないが、こちらは''最大3体の重ねがけで45%アップの永続効果''という点が凶悪。 ---データ種のためウィルス種が弱点だが、ワクチン種のアルフォースブイドラモンと組めば、敵のウィルス種を先制攻撃したり、メタルガルルモンの交代ができる。~ また逆に、先制を取った後で次のターンを待っている敵のアルフォースブイドラモンに有利な攻撃を放てる。~ そのため''アルフォースブイドラモン+メタルガルルモン2体のスタメン''が本作における最適解の一つとされる。 --''ベルフェモンSM(スリープモード)''(ウィルス種・闇属性) ---SS「怠惰」で、自分が場に出ているとき''全員が眠り無効+全員が攻撃時に30%の確率で眠り付与''。 ---必殺技「エターナルナイトメア」で、''敵全体に知力貫通攻撃+50%の確率で眠り付与''。 ---RM(レイジモード)とモードチェンジが可能で、世界観の設定ではあちらが上位種だが、本作では敵の行動を制限するこちらの方が圧倒的に強い。 ---メタルガルルモンには強く、アルフォースブイドラモンには弱いという立ち位置だが、ターンさえ回ってくれば+相手が状態異常対策をしていなければ、逆にハメ殺し返しも難しくない。 --この他、高威力貫通攻撃持ちのリリスモンやブラックウォーグレイモン、ベルフェモンSMに次ぐ眠り付与性能を持つプレシオモンなども強力。 --とはいえ、ロイヤルナイツ・七大魔王といった設定上の強デジモン、本作では進化条件をクリア後までアンロックできないことにほぼ等しいデジモンも含まれる。 ---種族・属性による相性も影響するため「一強」を一概には決めがたく、オンライン対戦では複雑な戦術・対策も練られており、一応は「世紀末的な壊れたバランス上で成り立っている」と言える。 -''そのほか不親切な点'' --Chapter5以降、「ビクトリー・ウチダ」((「Vジャンプ」の編集者が扮するキャラクター。デジモンとVジャンプは非常に古い付き合いで、タイアップ・コラボレーションの一環である。))という人物が登場する期間限定イベントが存在する。 --ウチダを見つけて話しかけるとアイテムを入手できる。しかしウチダの出現タイミングがかなり限定的な上に、出現場所は完全にノーヒント。ほとんど現実世界にいるのがせめてもの救い。 --あってもなくても良いものならまだ我慢もできようが、育成を便利に進めるアイテム、「七大魔王」デジモンメダルなど軒並み貴重品ばかりであり、とてもつらい。 ---前者はやり方さえ分かれば「デジファーム」で大量生産できるが、後者を取り逃すと追加シナリオの七大魔王を直接討伐しなければ''メダルコンプリート不可''となってしまい、難易度が一気に跳ね上がる。~ ルーチェモンシリーズ3枚のメダルをもらえる最終章のイベントに限り、クリア後でも入手可能なのが不幸中の幸い。 ---アップデートで「強くてはじめから」が追加されており、アイテムの引継ぎもできるため、出現タイミングを把握していれば一応フォロー可能。 --ミニマップには目的地のイベントマーカーなどは設置されておらず、ダンジョンでは迷子になりやすい。 -''困難な条件のトロフィー'' --ゲーム本編とは関係の無い要素で、クリアできないほどでもないのだが、「デジモンメダルのコンプリート」と「オンライン対戦で一定以上勝利」が非常に困難。 --デジモンメダルはガチャ・フィールド上に落ちている・ドロップ・クエストの報酬・ウチダ発見で手に入るのだが、入手方法が限られたものがいくつかある。 ---ガチャとクエストはドロップでも賄えるが、敵として出ないものはガチャ・クエストでしか入手できない。クエストはそのメダルをくれるクエストが出るかがランダムで、ガチャは総数300枚と単純に手間がかかる。 ---フィールド入手は本当にそれでしか入手できないため、見落とすとかなり面倒なのだがアイテムボックスからの入手でなく地面に光っているのでうっかりすると見落としてしまう。 ---ガチャはお金を消費してひたすら回すということしか出来ないために完全に作業になる。 --オンライン対戦は、完全なるガチ勢が結構いるのでトロフィー目的の人には敷居が高い。 ---なので、過疎対策で設定されているCPUが狙い目となる。無論、チャットなどで会話してわざと負けてもらう方が早いのだが。 ---CPUのチームは番号+大文字のアルファベットという特徴的な名前になっており、分かりやすい。 ---数も3体だけと比較的勝ちやすいのだが、それでも完全体・究極体を放り込んでいる上にパラメータに補正が入っているので気楽に勝つのは無理。そして、''相変わらずSPは無限''。 ---ただし、CPUは同一チームは複数のプレイヤーと対戦できないらしく、プレイヤーが多い時間帯だと捕まらないのが難点。 ---容赦ないガチ勢以外にも、通信不良も厄介な敵。途中で通信が途切れると未セーブの勝ちが無駄に終わるので、こまめにセーブすること。 --このような仕様のせいか、2014年度末に出たこのゲームのプラチナトロフィーの獲得率が''丸一年経っても1%未満''。良くも悪くも、正にやりこみ要素である。 ---というかメダルフルコンプもオンライン対戦も1%程度と、下手なゲームのプラチナトロフィーよりもよほど低い割合となっている。にもかかわらず、''ゴールドどころかシルバートロフィー''。 ---ちなみに、メダルのトロフィーは収集段階に応じて6つあるが、4段階目(300枚収集)の時点で3%未満。3段階目(200枚収集)でも10%未満なので、プレイヤーたちがどれだけ苦労もしくは挫折しているかが窺える。 -''「海外版限定キャラクター」の存在'' --海外版は2016年2月2日にPS4/PSVitaマルチタイトルで発売。(2015~2016年当時の)日本の市場を考慮してPS4版を発売しない、というだけならまだ分かる話だが、~ 海外版の初回特典DLCには''「ベルゼブモン ブラストモード」「ケルビモン(悪・黒)」''など、日本版からいくつかのコンテンツ((海外では攻略本などの関連商品が展開されておらず、日本版で関連商品にDLCで付属していた特典が初回特典に統合されていた))が追加されている([[海外版PV>https://www.youtube.com/watch?v=iJZx96i1dNw]])。 --後のアップデートは全世界同時に配信されたが、この2体だけは''日本版では解禁されなかった''。 ---デジモンシリーズは海外でも人気があり、販売促進のため初回特典を追加しようという思惑があったと思われるが、そのためにアニメ出身の人気デジモンを海外版限定とする判断には首を傾げる。 ---オンラインで対戦することもでき、日本版にもデータ上は存在しているが、この2体が入るであろう図鑑No241&242は''欠番((図鑑No240:ラピッドモン(アーマー体)→No243:ダークドラモンとなっており、241&242は枠自体が存在しない。))になっており、存在を隠蔽する''という斜め下の対応。 ---続編『ハッカーズメモリー』発売決定に際し、比較として本作の収録デジモン数が公表されているが、''「[[欧米版初回特典2体は含まない>http://digimonstory.bn-ent.net/introduction/#i01_04]]」''として、日本版では登場しないことが決定的になってしまった。 ---続編の制作自体は喜ばしいことだが、それはそれとして、本作にもDLC販売でも対応が欲しかったところ。 -''特典を入手できなかったプレイヤーへの救済策がない''(改善済み) --初回特典には「黒いアグモンとガブモン」が入手出来るプロダクトコードが付属しているのだが、この二体及び進化系は通常版ではどう足掻いても入手不可能。 --問題なのはこれら黒いアグモンとガブモン及びその進化体が、しっかりと図鑑にナンバリングされており、進化ツリーにも表示されるということ。 ---幸いデジモン図鑑は完成させる必要はなく、トロフィーも問題なく取得可能。とは言え図鑑に埋められない穴があるというのは、そういったコレクター要素を気にするプレイヤーにとってはかなりの欠点ではある。 ---本作は評判が広がり人気ソフトとなった為、初回限定版は売り切れが続出。再生産やDLC販売といった救済を求める声が度々上がった。 --後に廉価版発売と共に無料DLC配信が実施され、誰でも入手可能になった。 ---- **総評 「大人になったデジモンファンへ」というコンセプト通り、随所に古参デジモンファンへの愛が溢れている良作。~ 特にシナリオ面での評価が高く、デジモン好きでなくとも是非プレイしてもらいたい。~ 「デジモンストーリーの最新作」として、十二分に期待に応えた古参デジモンファンに向けたファンサービスであると同時に、~ デジモンを知らないプレイヤーも本作をきっかけにデジモンファンにする魅力を持っている作品だと言えるだろう。~ 難易度調整が雑、育成に面倒な要素ありと、システム面にはやや細かい難点が多い。~ ただし、長く遊べるだけに細かい粗が目立っており、全体的には良い出来と捉えられている。~ 本作から2年半を経て、本作の続編・外伝''『[[デジモンストーリー サイバースルゥース ハッカーズメモリー>デジモンストーリーサイバースルゥース ハッカーズメモリー]]』''がPS4/PSVitaマルチ(のちにSwitchにも移植)で発売。~ 廉価版は3000円ほどで購入できるとはいえ、続編には本作もカップリング収録されている。今から始めるならあちらの方が得だろう。 ----

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