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Rhapsodia」を以下のとおり復元します。
*Rhapsodia
【らぷそでぃあ】
|ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B000A6CIHM)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売・開発元|コナミ|~|
|発売日|2005年9月22日|~|
|定価|通常版:6,980円(税込)|~|
|レーティング|CERO:12才以上対象|~|
|廉価版|コナミ ザ・ベスト&br;2006年11月16日/2,940円(税込)|~|
|備考|通常版には特典音楽集CD同梱|~|
|判定|なし|~|
|>|>|CENTER:''[[幻想水滸伝シリーズリンク>幻想水滸伝シリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
-本作は『[[幻想水滸伝IV]]』の外伝作品で、ジャンルは変わりSRPGとなり、主人公含めた主要人物も別のキャラクター達となっている。
--『IV』で登場した宿星達も多数登場し、仲間ユニットとして戦わせることも可能。
--更に『IV』のデータをコンバートすることもでき、データの状態によって仲間が増えたり、セリフの一部が変更されたりする。

-タイトルやパッケージから『IV』関連の作品だとは解らず、本作を見逃す人も少なくなかった。
--そもそも『IV』への評価が概ね芳しくなかったため、期待されずスルーされた可能性もあるが……。

**ストーリー
-物語は序盤『IV』の数年前が語られ、中盤以降はその後の話が展開される。
--海上戦で使われていた「紋章砲」を主軸に、『IV』のストーリーを補完するものとなっている。

-ストーリーは全体的に重め。
--特に序盤のスティールとの戦いで語られる主人公一行と、『IV』でも登場したブランド達の過去エピソードが立て続けに起こるのだが、中々にショッキングな展開。

#region(ネタバレ注意)
-主人公キリルの父であるウォルターが、特殊な紋章砲の力によって魚の姿をした化け物になってしまう。そして理性を失い、息子に襲い掛かる。
--部下であるアンダルクは、キリルを守るため不本意ながらもウォルターを手に掛ける。
---この出来事が原因で、キリルは魚人タイプのモンスターにとどめを刺すことができない仕様となっている。

-ブランドの親友であり、キカの恋人でもあるエドガーは、スティールの宿していた罰の紋章により死亡。
--その後、紋章の代償によりスティールは死亡し、罰の紋章はブランドへ。
---この紋章は後に、『幻想水滸伝IV』で紆余曲折を経て、最終的にIV主人公が宿すことになる。

-エドガーをみすみす死なせ、罰の紋章を宿してしまったブランドはキカ達の下へ戻らないことを語り、ペックもそれに付き従う。
--ブランドの手下であったペックは『IV』の「暗器使い」であるが、このときの紋章砲の破壊工作の影響で中途半端に魚の化け物となってしまう。
--キカは、ブランドが帰らぬこととエドガーの亡骸が入った棺桶を見て消沈する。

-上記の展開が悲劇的に流れる音楽と共に立て続けにおき、特に『IV』を知るものにとっては中々に感慨深いエピソードだった。

-主にメインストーリはほとんどこのようにシリアス。
--貧富の差から些細な出来事が原因で子供の命が奪われ、生き残った連れの子供も後に騙されて魚の化け物にされる。
--ヒロインも前途多難で、父や祖父は魚の化け物にされ、母は黒幕と不倫状態になる。
#endregion()

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**特徴・評価点
-本作の特徴として「地面属性システム」があり、アイテムや紋章などを使うことにより、フィールド上のマスの属性を変えることができる。
--ユニットにはそれぞれ属性があり、同じ属性上のマスにいると能力が向上し、行動終了後に回復する。
--逆に苦手な属性上のマスにいると能力が下がり、行動終了後にダメージを受けたりなど、メリットとデメリットの差が大きい。
--そのため、考えて各ユニットにアイテムや紋章を装備させ味方側は有利に、敵側を不利にするように立ち回ることが求められ、本作の戦略性を大きく高めている。
--他にも戦闘中でのユニットの交代が可能、騎乗による移動範囲の増加など戦略の幅は広い。

-好感度の概念があり、会話が出来るユニット同士が近くにいると、ランダムで追撃を行ったり、敵の攻撃から庇ったりなど支援アクションをする。
--シリーズ恒例の協力攻撃もある。連発ができない、配置が決まっていないといけないなど制約もあるが、どれも効果は高い。

-戦闘面でのインターフェースは良好な方。
--リトライが可能で、敗北時に即時コンテニューができる。
--マス設定や俯瞰視点が可能で、フィールドを把握しやすい。
--ダメージを与えるコマンド決定前、ダメージ期待値、回避発生率などが表示される。
--攻撃が成功した場合に倒せるかどうか、マスの属性を変えた場合にそのマス上にいるユニットに有利か不利など、行動時にユニットに与える影響がコマンド決定前にふきだしで表示され、敵味方の状態を逐一確認する手間が緩和されている。

-町やギルドでのサブイベントや、フィールド毎に異なるクリアランクによる報酬など、シミュレーションRPGとしての寄り道、やりこみ要素も申し分なし。

-前作にあたる『IV』があまりにも短いストーリーで、かつ色々と投げっ放しな部分も多かったため、それをある程度補完し、さらに敵国だったクールークが結局どうなるのかを描いており、また幻想世界とは異なる異世界からの生命体の召喚等にも触れているため、外伝というよりは実質『IV』後編と呼んで差し支えない内容となっている。

-アイテム・所持金・装備品を引き継いだニューゲームが可能となっており、周回を重ねるごとに装備品やアイテムに余裕を持ったプレイが可能になっている。但し、1回起こしたら2度と見れない支援会話等も存在する。寄り道ダンジョンの難度が高いため、1週目では無理でも周回を重ねるごとに余裕が出来るので、この手のゲームが苦手なユーザーでも全イベント・依頼のコンプリートは可能である。

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**問題・賛否両論点
-一回の戦闘が長くなりがち。
--ゲームスピードの設定変更は、ユニットの移動速度が変わるのみ。
--エフェクトは長いわけではないが、カット機能はあった方が良かった。

-戦闘前準備が面倒。
--アイテムなどは各ユニット別に装備させたものしか使えないため、消費系アイテムは一戦闘ごとに装備させる必要がある。
--本作の戦闘でのキモでもある地面属性の変更は、基本的に消費系アイテムを利用することが多いためこの作業は避けられない。

-キャラクターの等身が『IV』から下がった。
--『IV』の外伝的作品で繋がりも大きいのに、ジャンルが変わった上でキャラの基準まで変わっているため、違和感を覚えるユーザーは多かった。

-ストーリー
--本作で重要な存在である魚人というモンスターだが、『IV』ではこれといった条件もなく普通にエンカウントする雑魚モンスターだった。
--詳しく書くとネタバレになるが、本作でこれだけ重要な位置を占めることになっているのに、『IV』で全く触れられていないのは違和感がある。
--また、クライマックスで主人公の父が紋章砲を追っていた本当の理由、主人公に付き従っていた「あるキャラ」の謎が明らかになるのだが、これが中々に衝撃的で戸惑う人も多かった。

-味方ユニットの死亡
--メインストーリーに絡まない主なユニットは、やられた際に離脱せずに死亡してしまうことがあり、死亡したユニットは二度と使えなくなる。
--宿星が死亡することがあるのは、幻水シリーズでもあることだが、一戦闘が長くなりがちな本作において、死亡する可能性のあるユニットは気軽には使えない。
--死亡しないユニットとこれといって能力に優劣がつきにくいのも、死亡する可能性のあるユニットを使うことを敬遠させる理由となっている。
--戦闘で緊張感を生む要因にもなるので一概に欠点とはいえないが……。

-戦闘では、特定の条件で敵援軍が来ることがあるのだが、これが些か理不尽。
--援軍は敵を一定数倒したり、進行したりすると出現する。
--しかし初見でどのタイミングで、どこに援軍が出現するか分からないので、結果的に唐突に出現してユニットが危険に晒されることになる。
--この条件が不明瞭なまま現れることもあって、上述の死亡する可能性のあるユニットは余計に使いにくい。

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**総評
 一般的に駄作と評される『IV』と繋がりの深い作品で、ジャンルなど毛色も異なるため評価は分かれやすい。とはいえSRPGとして見れば本作の出来は申し分なく、むしろ良作といってもいい。シナリオ部分も洗練されているわけではないが、要所要所でしっかりと爪跡を残してくれる魅力がある。

**その他
-『幻想水滸伝IV』のクリアデータをコンバートすると、IV主人公とスノウを仲間にすることができる。

--IV主人公はステータスが高いことに加え、『IV』で微妙な性能だった「罰の紋章」は高性能な上にデメリットもなくなっている。また、関連する協力攻撃はどれも使いやすく優遇されている。
---今回はプレイヤーが投影するための主人公ではないため、セリフも用意されている。そこまで強烈な個性が出ているわけではないが、プレイヤーによってはイメージと違って戸惑うかもしれない。

--スノウは仲間になるのが中盤以降なのにレベル1。ある意味で彼らしい。前作同様伸びがいいのでファンなら使う価値あり。
---服装も一新されており、これで彼は『IV』含めて5種類の服装バリエーションがあることになる。子供時代のも含めると6種類と別の意味で優遇されている。

-上記にあるように今回戦死するキャラが設定されているが、あの紋章師も対象である。死亡時も悲壮感はまるでなく、霧のように消える印象である。今回の異世界から召喚されたある人物やその設定、続編となる『V』で意味深な投書をしてくることを考えると、この紋章師の正体の考察材料になる
--この紋章師は紋章世界の幻想シリーズ皆勤キャラであり、歴代の探偵達が調査を行うともれなく恐怖に支配されたり記憶操作(?)されたりで正体が判明しない。

-幻想水滸伝の外伝作品であることが解りにくかったのか、海外版タイトルは『Suikoden Tactics』となっている。
--特典CDのデータ内に『Suikoden Tactics』と表記されているものがあり、海外版のタイトルはここからきているものと考えられる。

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