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アウトフォクシーズ」を以下のとおり復元します。
*THE OUTFOXIES
【あうとふぉくしーず】
|ジャンル|2D対戦アクション|
|対応機種|アーケード|
|販売・開発元|ナムコ|
|稼働開始日|1994年|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|

**ストーリー
-謎の美術商ミスター・アクメ。彼は7組の殺し屋達を雇い、7人の商売敵を殺させた。依頼を遂行した殺し屋達に更なる指令が届けられる。~
「他の6組の殺し屋達を始末せよ。手段は問わない」~
かくして多額の報酬と殺し屋としてのプライドを賭けた、殺し屋達の血みどろのバトルロイヤルが始まる。

**概要
-本作は2D対戦アクションゲーム。''時間経過で刻々と状況が変化する場所を舞台にした、命がけのタイマン一本勝負。''
-1レバー2ボタン制。基本動作は単純に移動・ダッシュ・しゃがみ・前転・下の段に降りると言った類。
--操作系は、ナムコの過去作品『ローリングサンダー』シリーズの発展形である。(斜め下入力の回転が追加された程度)
-プレイヤーは7組(7人+1匹)から使用キャラクターを選択。残る6組をすべて殺し、ラスボスであるミスター・アクメと対戦する。
#region(キャラクター一覧)
--''ジョン・スミス'':革命の指導者からベビーシッターまで、報酬の為なら仕事を選ばないという隻眼の男。妙なデザインのTシャツが特徴。
---全体的に癖が無く扱いやすい上、体力が全キャラで2位という相当なタフさをも併せ持つ万能選手。初心者でも上級者でも存分に戦える。
--''ベッティ・ドー'':金髪美女。14ヶ国語を自在に操るインテリにして、狙撃の名手。全米3位の所得を持つが、その金は文字通り血に塗れた手で掴んできたもの。裕福な富豪となった今も殺し屋の世界から抜けることはせず、さらなる収入を狙う。
---銃の射撃精度が極端に高く、移動時の滑りが皆無。しかも射撃以外の攻撃モーション全般も隙が少ない安定性能が驚異。ただし移動速度が最遅でジャンプ力にも欠け、しゃがみ時の姿勢が高すぎて危ないという極端な難点もある。しかし「静」に徹底した性能は「待ち」が強力な選択肢である本作のゲームバランスにマッチしており、高性能キャラとして知られる。
--''バーナード・ホワイト'':鋼鉄の義手を身につけ、消火栓を素手で引き抜くほどの怪力を誇り、素手による大量殺人記録更新中のナチュラリスト(人間以外はゴキブリですら殺すのを嫌がる極端さ)の大男。
---身体が大きいので、的になりやすい(喰らい判定が大きい)が、最もタフなので自爆戦法や先行逃げ切り型の戦法との相性が抜群。素手の攻撃力が他のキャラの3.5倍近い反則レベルの腕力や、ロケラン発射時に姿勢があまり崩れないといった体格を活かした長所も見逃せない。
--''イヴ'':窃盗の名人で元ポルノ女優。奇抜な髪の色と、相棒のトカゲを肩に乗せている事も特徴的。
---最高のジャンプ力を持つ上移動も速い方で、総合的な運動能力が最も高い。ただし咄嗟に止まる・狙いをつけるといった細かい動作がやや苦手。トカゲが銃弾を1回だけ防ぎ、落ちている手榴弾を勝手にいじるといった暗躍を見せる事も。
--''プロフェッサ・チン'':自らが開発した殺人車椅子に乗る中国拳法の達人。高齢だが、アグレッシブな格闘攻撃を見る限り五体満足らしい。
---制動能力と体力の低さがネック。しかし、背後からの銃撃が無効、ロケランを完璧にまっすぐ撃てる、ダッシュが最速といった部分的に尖った性能を持つ。運用が難しいが、自分に有利な環境が整えられれば対抗できるキャラはいないだろう。
--''ドゥイーブ'':バナナの為に人を殺す世界唯一の殺人猿。タキシードで正装している様がなんともシュールな、本作の雰囲気を体現しているキャラ。
---猿らしく身体能力が高く体も小さいが、射撃がド下手で銃弾がまともに飛ばない。これが吉と出るか凶と出るか?そのバクチ要素は剣や手榴弾など射撃武器以外を中心に使えば打ち消す事もできる。上級者向け。
--''ダニー&デミ'':大人をしのぐ知能と冷静さで犯罪を繰り返す、邪悪な双子の姉弟。ダニーが弟で、デミが姉。陰惨な育ち方が原因で、知らない人と「戦争ごっこ」(=殺し合い)をするのが何よりも楽しみという歪んだ思想の持ち主に。
---体力が最低、機動力に欠ける、常に二人で行動している為喰らい判定が大きいなど基本性能の低さが目立つ。しかし「予備の武器を1つ持つ事ができる」という、戦況を覆す爆発力があるとんでもない特性の持ち主。上級者向け。
#endregion

-アイテムの上でしゃがむことでそのアイテムを入手できる。新しい武器の上でしゃがめば持ち替えもできる。
--(双子以外は)一度に一つのアイテムしか持ち歩く事は出来ないが、銃座等の固定武器を使用する場合は武器を持ったままでも可能。
--武器には銃器・爆発物・その他に分かれており、爆発物は一回だけ、銃器は弾数制限があり、弾が無くなった後は投げつけて攻撃する事ができる。
--木箱やドラム缶も壊したり投げつけたりできる。ステージによっては機関車の石炭など、思わぬものも武器代わりになる。
-どの攻撃も基本的に上下左右4方向、または8方向へ全方位攻撃が可能である。ジャンプ中に下入力のままアクションボタンで真下にも攻撃できる。

**長所
-見ただけで解るシンプルな2D対戦システム。ライトユーザーからコアユーザーまでとっつきやすい。
-キャラクターの長短を生かした地形デザイン。
--キャラクター性能面の個性はあからさまな性能付けをされたチンとダニー&デミ以外は極端ではないが、ドラム缶越しに攻撃できる・遠距離での撃ち合いに強い・マシンガンで当る弾数を減らせると言った数々のシチュエーションで大きな差になって現れる。
--やればやるほど細かい点で思わぬキャラクターの得手不得手が分かってくる奥深さ。
---例えば「ロケットランチャー発射時の反動」による各キャラクターの優劣もある。反動で転ぶ事により身が低くなる→天井に撃っても自爆にならないと言う擬似自爆攻撃と言う戦術があったり、イヴが垂直ジャンプしながら地面にロケットランチャーを撃つと一方的に攻撃できる、といった具合。
---基本的には強キャラとされるベッティも本作上級者が相手となれば、ほぼ完璧な射撃精度が裏目に出て「射撃の弾道を読まれる」「中距離正面で射撃を回避される」といった弱点を露呈し始める。
-絶えず変化するギミックの多いフィールド。
--常に左右に揺れる船・爆発と同時に床が抜けて広大化する屋敷・人間大砲や象や虎と言った乱入の多いサーカス等、豊富なラインナップ。「殺し屋」という殺伐としたテーマの作品でありながら全体的にシュールでキレたセンスは、本作の大きな魅力といえるだろう。
-クセのある武器と、それらの優れたバランス。
--シンプルな拳銃に銃弾を弾ける剣、ロケットランチャーや火炎放射と武器は様々。だが爆発ダメージの次に拳銃の威力が高く、『武器』に上位互換・下位互換が無い。
---流石に武器以外(ワックスフルーツやパイなど)は威力の無い下位互換ではあるが、なんでもいいから利用するというスタンスが感じられ雰囲気抜群。
-音楽がいやに渋い。「殺し屋」をテーマにしただけある渋さで、どの曲も聴き応えがある。
--1人プレイでしか聴けないが、殺し屋の矜持を剥き出しにしたラスボス戦BGM「Counter Blow」と、完全ピアノソロでムード満点のエンディングBGM「Enjoy Life」は特に必聴。エンディングの演出も、きちんと曲に合わせる様に考えられている。

**短所
-七人の殺し屋はどれも独特の性能を持ち、代替キャラがいないのに同キャラ対戦ができない。対戦ゲームとしては致命的であると言わざるを得ない。
--例えばストーリー的に「偽者がいるので一旦依頼を後回しにして始末してくる」といったような説明をすれば、同キャラ対戦が出来ても不自然ではなかったのではないだろうか。
--このため、本作の大会などは特殊なルールを設けないと行いにくく(特に強キャラで知られるベッティ使いは人口も多いため、ルールなしではほぼ確実に揉め事になる)、望むキャラが取れずに負けてしまった時の理不尽感も強い。
-フィールドによっては明らかに特定プレイヤー側が開幕有利の場所がある。(ビルステージ、列車ステージなど)
--試合開始時のスタート地点は、各ステージごとに1P用スタート地点・2P用スタート地点が固定で用意されている仕様のため。基本的に1P側のほうがロケットランチャーまでの距離が近いステージが多く、優位を得易い。
-体力が平均的で銃の扱いが非常に上手く、ブレーキング能力が高いベッティが対人戦ではお手軽に強すぎるきらいがある。
--絶対的に強いのは足場が水平かつ広い時などであるが、どんな時も本作最強の攻撃である「拳銃コンボ」が安定して決めやすすぎる点が問題視される。
---拳銃は1発で敵の体力を7%程度奪う地味な高威力なのだが、装填数は7発もある。しかも、被弾時のよろけ中は無敵時間ではないため連続ヒットさせる事が可能。そして、連続ヒット時に威力の補正は一切無い。つまり、全弾を一気に命中させるとワンチャンスで5割前後の大ダメージを与える事が可能なのである。
--CPUとして戦う場合はアルゴリズムの影響でさほど驚異ではない。
--他に強いキャラと言われるのはイヴ(足が速いために武器を取得できる機会が多く手数で押せ、体力も地味に高い)、ジョン・スミス(なんでもできる)あたり。
-待ちが非常に強く、さらに相手より下の位置を取ったほうが有利なため、ガチで勝利しようとするとタイムをフルに使っての壮絶な待ち合いになる点。
--対戦ゲームはガンガン攻めて勝ちたいんだ、という性格の人には向かないかも知れない。
-CPU戦では対戦相手ごとにステージが完全固定なため少し飽きやすい。また、対戦プレイ時は真逆でステージはランダム選択のみで任意決定不可能。どちらにせよ自由度が低い。
-ストーリーがストーリーだからか移殖されておらず、流石に古いゲームなので筐体も少なく、プレイできる場所が極めて少ない。
--また、ダニー&デミの出生が極めて陰惨なものであるという設定も壁のひとつとなっているのかもしれない。
--本作でもっとも魅力的である対戦台も、秋葉原等の極地に行かなければ見かける事は無いと言ってもいい。
-CPU戦最後のステージである「アクメ邸」のクリア方法がやや分かりにくい。分かってしまえば簡単なのだが。
--但し、体格が小さく投擲力の低いドゥイーブ、プロフェッサ・チン、ダニー&デミはある箇所が難関となるため一転、該当場所で詰まりやすい。

**余談
-CPU戦のハイスコア争いであるが、稼働後短期間で限界点達成(1400万点)者が多数出たため早々と集計が打ち切られている。
--全7戦パーフェクト勝利にて達成。本作の得点源は「1人プレイ時の勝利時残体力ボーナス」のみである事が理由である。
-古いゲームであるにも関わらず、稀に(店内規模ではあるが)大会が行なわれる稀有なゲームである。
-漫画『ブラック・ラグーン』に登場する銀髪の双子男女・殺し屋のヘンゼルとグレーテルというキャラは、同名童話とともに本作のダニー&デミが元ネタであるとされる((作者の広江礼威氏はゲーム好きで、アーケードゲームの同人本を出していた経歴もあることで知られる。))。
-コンセプト&デザイナーの梅田正輝は『子育てクイズ マイエンジェル』を、作曲担当の福澤正洋は『[[ネビュラスレイ]]』や『[[アカツキ電光戦記 Ausf.Achse]]』を手がけている。

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