「スーパーマリオ ヨッシーアイランド」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
スーパーマリオ ヨッシーアイランド」を以下のとおり復元します。
このページではSFCソフト『スーパーマリオ ヨッシーアイランド』と、そのGBA移植版『スーパーマリオアドバンス3』について紹介しています。
//できれば脚注は減らしたい。可能であれば本文記述に含める、細かすぎて「ここで扱う程のネタなの?」と思う情報は削除するなどしたい。協力願います
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#contents()
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*スーパーマリオ ヨッシーアイランド
【すーぱーまりお よっしーあいらんど】
|ジャンル|アクション|CENTER:&image2(yia.jpg,https://www.amazon.co.jp/dp/B000068GVL/,height=160)[[高解像度で見る>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/3609/1845/yia.jpg]] [[裏を見る>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/3609/1846/yib.jpg]]&br;&image(yi 01.jpg,https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/3609/1842/yi%2001.jpg,height=130)|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|発売元|任天堂|~|
|開発元|任天堂、エスアールディー|~|
|発売日|1995年8月5日 |~|
|定価|9,800円(税別)|~|
|プレイ人数|1人((隠しコマンドを入力することで遊べる一部ミニゲームのみ2人でプレイ可能。))|~|
|セーブデータ|3個(バッテリーバックアップ)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|ヨッシーが主役のアクションゲーム&br;「タマゴ投げ」をはじめ独特のアクションを導入&br;マリオとはまた違う面白さを打ち立てた|~|
|>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ・関連作品リンク>マリオシリーズ]]''|
|>|>|CENTER:''[[ヨッシーシリーズリンク>ヨッシーシリーズ]]''|
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**概要
『[[スーパーマリオワールド]]』に登場したマリオのパートナーキャラクター・ヨッシーが主人公のアクションゲーム。~
マリオの赤ちゃん時代の物語で、マリオとヨッシーの初めての出会いと冒険を描いた作品である。~
海外タイトルは『Super Mario World 2: Yoshi's Island』で、『ワールド』の続編扱いになっている。

本作には『スターフォックス』『ワイルドトラックス』でポリゴン描写のために使用された「スーパーFXチップ」が採用されており、回転・拡大/縮小処理の高速化や、キャラクターや背景の軟らかい動きを実現している。~
また、クレヨン画を髣髴とさせる手描きイラストタッチのグラフィックが大きな特徴で、今までの2Dアクションゲームにはなかった独特の表現方法も本作の魅力である。

**ストーリー
>''~むかし、むかしのおはなしです。あかちゃんマリオとヨッシーのはなしです~''~
~
双子の兄弟であるマリオとルイージはコウノトリに運ばれて両親のもとに向かっていたが、~
2人がいずれカメ一族の脅威になりうることを占いで突き止めたカメ一族の占い師カメックの襲撃に逢う。~
ルイージはカメックにさらわれ、マリオは衝突の拍子に海上に落下してしまうが、~
運よくヨッシーアイランドに住むスーパードラゴン・ヨッシーの背中に落ちて命拾いする。~
マリオを救ったヨッシーが仲間のヨッシーたちと相談していたところ、マリオは何かを知っているかのようにひとつの方向を指差し始めた。~
それをみたヨッシーたちは互いに協力し、ルイージを助けだして二人を親元へ届けるべく旅立つのだった。
~
|&image(yi 03.jpg,http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3609&file=yi+03.jpg,width=200)|&image(yi 02.jpg,http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3609&file=yi+02.jpg,width=200)|

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**ゲーム内容
&font(b,16){ヨッシーならではの新アクション}

ヨッシーの特技である「敵を食べる」のほかに、本作では「タマゴを作って投げる」「ふんばりジャンプ」「ヒップドロップ」などのさまざまなアクションが加わり、マリオとは異なる動きを楽しむことができる。

-''敵を食べる/吐き出す''
--Yボタンで舌を伸ばし、敵などを舌で捕まえると口にほおばる。ほおばった状態で十字キーの下を押すか一定時間が経つと飲み込む。
--主に後述のタマゴを作るために多用されるアクション。ほおばった敵を勢いよく吐き出して『ワールド』のように飛び道具にすることもできる。
---ただし、すべての敵が食べられるわけではなく、口には入れられても飲み込めない敵や、口に含むことすらできない敵、口に入れた瞬間に飲み込む敵もいる。
--なお本作では操作が多彩になった影響か、Yダッシュというアクションは存在せず、十字キーを押し続けるだけで徐々に加速し走るようになっている。
--一部の敵は口に含むと炎を一定回数吐くことができる。また、ステージ内に置いてあるスイカを口に含むと種や炎などを吐き出して攻撃できる。

-''タマゴを作る/投げる''
--敵を飲み込むとタマゴになる(ならない敵もいる)。タマゴは最大で6個まで持つことができ、ヨッシーの後ろをついてくる。
--Aボタンを押すとヨッシーが卵を抱え上げて構えると共に「タマゴを投げる方向」を示すカーソルが出現し、自動的に半円を描くように動く。~
タマゴを投げる操作は、Aボタンを2回押すと投げる「じっくりタイプ」とAボタンを放した時点で投げる「いけいけタイプ」という2種類の操作方法がある。これらはコース選択画面中であればいつでも切り替えることができる。また、カーソルが出ている間に下を押すと投げるのをキャンセルすることができる。~
カーソルの表示中は敵を食べることができなくなるが、左右への移動とジャンプ(通常よりも高度は落ちる)、空中でのふんばりは可能で、狙いをつけることができる。
---タマゴ投げは敵を攻撃する飛び道具としてはもちろん、仕掛けを動かしたり特定のアイテムを取るために使うこともできる。タマゴはまっすぐに飛んで行くが壁に当たると反射し、また水面に当たると「水切り」となって水面を跳ねていく。ステージの中にはこれらのテクニックを使わないと攻略できないところもある。
--タマゴは道中に落ちているものを拾うこともできる。またタマゴが無限に出現するブロックや、タマゴを無限に出し続ける花、雑魚敵が無限に出てくる土管といった、明確なタマゴ補給ポイントも随所に存在する。
--なおタマゴを作りやすくするためか、今作はマリオ系列では珍しく''敵を踏んで倒してもスクロールさせて戻ると復活する''。敵を完全に倒すためには、食べたりタマゴをぶつけたりする必要がある。(もちろん完全消滅させる方法は他にも存在する)
---あのクリボーですら、踏んでもペチャンコになるだけで倒せず、しばらくすると元に戻る。故に、スクロールしなくても復活するというなかなかのしぶとさを持つ。なお、潰したクリボーには乗ることも可能。

-''ふんばりジャンプ''
--ジャンプボタンを押し続けるとヨッシーが足をバタバタさせて少しだけ浮き上がることができる。タイミングよくジャンプボタンを押し直すことで何度でもふんばることができ、少しずつ高度は落ちていくが滞空時間や飛距離を伸ばせる。
--また、敵を踏んでからそのままボタンを押し続けると、マリオの踏みつけジャンプのようにふんばりで大きく上昇することもできる。~
これを利用してショートカットできる箇所は結構多い。しかも上記の通り敵は踏んでも復活するので、何度でも挑戦できる。

-''ヒップドロップ''
--空中で十字キーの下を押すと一回転宙返りして真下に急降下しヒップアタックを繰り出す。杭を押し込んだり特定の地面を削ったり敵を攻撃したりできる。
--なお、ヒップドロップ後も下を押し続けると体勢を維持し続けて地面を削り続けることもできる((逆に地盤が柔らかい所だと下の穴に突き抜けてミスになることが多い。))。後にマリオシリーズにも逆輸入された。
//---ヒップドロップ自体の初出は『[[ワリオランド>スーパーマリオランド3 ワリオランド]]』。さらに言えば操作自体は『[[6つの金貨>スーパーマリオランド2 6つの金貨]]』のスピンジャンプである。いずれも本作とは別チーム((本作はマリオの本家シリーズ同様「情報開発本部」が担当。一方マリオランドシリーズは「第一開発部」が製作。))が開発しているが、使い勝手の良いアクションを本作に合わせて調整したうえ((ワリオのそれは地面を揺らし、画面上の敵をひっくり返すことができるなど、本作と性能や使い道が全然違う。))で、積極的に取り入れるのは流石任天堂といったところ。
//この体制はしゃがみ判定ではないため、「着地した後すぐしゃがむ」をしようとすると直前で暴発してしまい、結果的にダメージを受けることにも繋がるため注意が必要。後のシリーズではいくら改善されている。
//細かすぎてあまり必要なさそうな記述なのでCO

-''モーフィング''
--特定のコースに出てくるアイテムを取ると、「ヘリコプター」「モグラタンク」「きかんしゃ」「くるま」「せんすいかん」の5つの乗り物に変身することができる。
--任意の場所で変身を解除することはできず、変身中に「ヨッシーブロック」に触れるとその地点で変身が解除される。~
一定時間が経過すると効果が切れ、変身をした場所まで戻されてしまうので、基本的には時間内にヨッシーブロックを目指していくことになる。
--モーフィング中は敵に接触してもマリオが連れ去られることはないが、一瞬だけ操作不能になる。操作不能になっている間はタイムロスになる他、その間に穴に落ちたらミスになるので注意が必要。

-''パワフル赤ちゃん''
--マリオはまだ赤ちゃんだが、特定のコースに出てくるスーパースターを取ることで一定時間「パワフル赤ちゃん」に変身、ヨッシーの代わりに操作することができる。
--赤ちゃんマリオは旧作でのスター取得時同様に無敵状態であり、ほとんどの敵は触れるだけで倒せるし、ダメージ地形も無視できる(さすがに穴に落ちるとアウトだが)。
--落下中にBボタンを押すと身に着けたマントをパラシュートのように開いてゆっくり降下する。
--壁の方向に十字キーを押し続けるとその壁を駆け上り、そのまま天井走りをすることもできる。


&font(b,16){基本システム}
-マリオが敵に連れ去られるとミスとなる。
--ヨッシー自身は敵に接触してもミスにはならない)。制限時間もない。~
その代わりにヨッシーがダメージを受けるとのけぞり((本家2Dマリオでは基本的に、ダメージを受けてものけぞることはない))、背中に乗せていたマリオがシャボン玉に包まれた状態で離れて泣き出してしまう。~
マリオが離れている間はカウントダウンが開始され、このカウントが0になるとカメックの手下が現れてマリオを連れ去ろうとし、マリオを画面外まで連れ去られると1ミスとなってしまう。ヨッシーがマリオに触れると再び背中に乗せ直して復帰できる。
--カウントは、コース中で「スターのお守り」アイテムを取ったり「中間ポイント」を通過することで、最大30まで増やすことができる。またカウントが10未満の時は、10までは時間経過で自然回復していく。
---つまり、ダメージを受けてもマリオが連れ去られなければミスにならないし、カウントが0になってもマリオが画面から消えるまでは取り返すチャンスがある。また道中であれば「おまもり」のカウントも容易に増やせるので、操作ミス=即やり直し、というケースはぐっと減っている。
---その反面、通過するのが難しい場所でマリオが離れてしまうと焦りやすくなり、マリオをさらいに来る敵もいる。ヨッシーに当たらないようにするだけではなく「マリオをさらわれないようにする」テクニックも必要となる。
--また、従来のように穴に落ちたら即死する上、溶岩や特定のトゲなど触れたら即死の地形もあるので、過去作より特別難易度が下がった訳ではない。

-各ワールドは全部で8つ(+α)のステージで構成されており、ステージ4(とりで)とステージ8(しろ)にはボスがいる。
--どのボスもやみくもに攻撃しているだけでは倒せず、それぞれの弱点を見抜いて的確に攻撃することが求められる。

-本作以降、ステージごとにサブタイトルがつけられるようになった。
--「せんリフトと おちるゆか(W5-7)」や「ビッグドンブリの とりで(W1-4)」のようにステージで主に登場する敵や特徴からつけられており、ステージのおおよその内容が予想できるようになった。

-各ステージをクリアすると、そのステージの評価が100点満点で採点される。内訳は次の通り。~
・スターのおまもり:1個1点×30=30点~
・赤コイン:1枚1点×20=20点~
・スペシャルフラワー:1個10点×5=50点((スーパーマリオワールドのドラゴンコインと同じく、同じステージで5個集めると1UPする。また、ステージクリア後のボーナスチャレンジの抽選確率にも関係しており、取った個数×10%の確率でプレイできる。))~
各ワールドの全ステージで100点を取ると、ワールドごとに「スペシャルステージ」と「ボーナスチャレンジ」が出現する。
--ステージの中には強制スクロールや一方通行で後戻りができないところもあるため、全ステージで100点を取るには相当なやり込みが必要となる。特にボス戦でダメージを受けると「スターのおまもり」の回復が非常に困難になる((一応、タマゴを壁に反射させて赤タマゴを作り、それを敵に当てるという方法でスターのおまもりを2個ずつ出現させることで補充することはできる。))ため、100点を狙ったときの難易度は急上昇する。
---一度クリアした後もすべてのステージに再挑戦可能。100点を目指して再プレイするという形でやりこみ要素にもなっている。

-ステージクリア後に挑戦できるボーナスチャレンジは次の6種類がある。
#region(ボーナスチャレンジ詳細)
-カードめくり:8枚ある中からカードをめくり、スペシャルアイテムを手に入れることができる。途中でカメックを引いてしまうと取得したアイテムは全て没収。途中で「せいさん」すれば手に入れたアイテムを全て持ち帰ることができる。最後までカメックを引かずにめくりきったら10UP((残ったカードからカメックが飛び去り、10UPのカードになる))。
-スクラッチ:7箇所のうち、3箇所を選んでめくる。出現したベビィの数に応じて残機が増える。
-くじびき:1枚だけカードをめくってそのスペシャルアイテムを手に入れられる。カメックを引いたらハズレ。
-カードあわせ:最初に14枚全てのカードが表になるので、それを参考にして神経衰弱の要領でカードを揃えていく。揃えた絵柄のスペシャルアイテムが手に入る。2回お手つきしたら終了で、パーフェクト達成で10UP((最初に表になった時は見えていないが、最後に残ったペアが10UPに変化する。そのため欲しいアイテムが10UPにならないように気を付ける必要がある。))。
-ルーレット:最初に賭けるヨッシーの機数を決め、2つのルーレットを回す。1つは「+」と「×」が回っていて、もう1つには0~3の数字が回っている。賭けたヨッシーの機数にルーレットで決定した出目を計算し、その答えの分だけ残機が増える。((例えば、5機賭けて、「×」と「2」が止まると5×2=10UPする。))もし×と0が揃ってしまうと賭けた分だけ損をしてしまうことになる。残機を賭ける性質上、ヨッシーの残機が1の時は遊べない。
-スロット:スロットを回し、揃えた柄に応じて残機が増える。
#endregion()

-ステージ道中にはミニゲームが遊べる扉もある。
--ミニゲームは全部で4種類で、いずれもヨッシーVSボロドーという対戦形式。勝利するとスペシャルアイテム1つか残機が手に入る。また、一部のミニゲームでは隠しコマンドを入力することにより、二人で対戦できるものもある。
#region(ミニゲーム詳細)
--フウセンなげ:画面に表示された4~6つのコマンドを順に入力して時間経過と共にふくらんでいく風船を渡し合う。途中で間違えたり時間のゲージが一杯になったら最初からやり直し。風船が割れたときに持っていた方が負け。
--フウセンわり:10個ある風船をヒップドロップで割り合う。1つだけある当たりの風船を割った方が勝ち。
--コインひろい:画面上部で左右に動く砲台から打ち出されるコインを集める。制限時間30秒以内に多く集めた方が勝ち。
--タネはきバトル:スイカを口に含み、種を吐き出して相手を攻撃する。先に4回ダメージを与えて相手の体力を無くしたら勝ち。たまに出てくる赤いスイカを食べると炎を吐いて倍のダメージを与えられる。
#endregion()

-ボーナスチャレンジやミニゲームで手に入れたスペシャルアイテムは、ステージ道中でポーズメニューからいつでも使用できる(ボス部屋に入ってからは使用不可能)。
--スペシャルアイテムは全部で9種類。「スターのおまもりをその場で増やす」「最大個数までタマゴを補充する」「赤コインを目視で容易に判別できるようにする」など、いずれのアイテムも強烈な効果を持っている。

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**評価点
-ヨッシーの新鮮なアクション
--マリオと異なるヨッシーらしさ溢れる独自のアクション性を確立した。
--操作方法がマリオとは大きく異なり、RLボタンも駆使したボタン使いによって『ワールド』同様にやや操作体系が複雑になっているが、序盤のステージで丁寧なチュートリアルが行われる為慣れるのは早いだろう。「タマゴ投げ」「ふんばりジャンプ」「ヒップドロップ」は今作以降、ヨッシーのアクションを代表するものになった。

-初心者から上級者までが楽しめるようにゲームバランスが調整されている。
--敵にぶつかっても即アウトではないし、スペシャルアイテムを大量にストックすれば「スターのおまもり」を気にすることもない。一度クリアしたステージは何回でもプレイできるため残機補充も楽な上、マリオシリーズではおなじみの無限増殖ポイントも存在する。タマゴは補充できる場所が多く、狙った方向に投げるのが苦手な人でも何とかなるように調整されている。たとえ全てのステージで0点を取ったとしてもゲーム進行上の支障は一切無いので、根気よくプレイしていけば、エンディングを見るのは難しくはない。
--一方で上級者向けに、遊びごたえのある探索要素とステージ評価、高難度のスペシャルステージも用意されている。各ステージで100点満点を狙うとなると難易度は格段に高くなる。
---全般的に従来のマリオシリーズに比べてステージが広く複雑な構造で、隠しアイテムや様々な仕掛けが豊富に仕込まれている。この頃のマリオシリーズとしては珍しく制限時間もないので、ステージを隅々まで探索してアイテムを発見する楽しさを味わえる。もちろん、クリアを目指すだけならそこまで複雑ではない。
---採点の対象となるアイテムは簡単に入手できることもあるが、大抵のステージにおいて、アイテムの一部は厄介なところに配置されている。特に赤コインは「隠し面に置いてある」「すぐに逃げるプロペラヘイホーが持っている」「''強制スクロール中に杭にヒップドロップし、隠れている物を入手しなければならない''」といった具合の難関揃い。しかもステージ中に置いてある赤コインは普通のコインとほぼ同じ色をしており、パッと見での判別は難しい((一応見分ける方法はある。また、前述した特定のスペシャルアイテムを使えば一目瞭然となる))。
---スターのお守りのカウントも採点基準であり、あまりダメージを受けないようにプレイしなければならなくなる為、アクションの腕も試される。特にボス戦ではスペシャルアイテムでカウントを増やすという救済措置も封じられるので、ほぼノーミスで攻略しなければならない。
---全てのステージで好成績を目指すというやり込み要素は、従来のマリオシリーズには無かったものである。また『ワールド』ではドラゴンコインの存在意義が怪しかったが、本作でのドラゴンコインに相当するスペシャルフラワーは採点基準になっており、一枚入手するだけでもボーナスゲームの可能性があるなど、ゲームとしての完成度は『ワールド』から更に高まっている。
---全ステージ100点になるまでやりこんだ人にはさらなる%%地獄、もとい%%お楽しみ「スペシャルステージ」が待っている。いずれもこのゲームの新要素と即死トラップをこれでもかと盛り込んだ奇抜なステージばかりで、特にワールド3・ワールド5のスペシャルは共に敵の猛攻とアイテムの配置の意地悪さによって本作最高の難易度を誇る。''もうやめて!おさるさ~ん!''

-グラフィック
--グラフィックは全体的に手書き調の暖かみのある絵柄で、敵味方ともにメルヘンチックなかわいらしいデザインになっている。
---しかしかわいいだけと思っていると、最後の最後で裏切られる。ラストバトルでメルヘンどころかトラウマになった人も多いのでは。
---前述のとおりグラフィック描画用の拡張プロセッサ「スーパーFXチップ」を内蔵したおかげで、オブジェクトの拡大・縮小・回転や色の変更といった機能が他のゲームに比べて多く、ステージのギミックやボス戦などにも生かされている。さりげないところではポーズ画面で「PAUSE」の文字がクルクル回っているが、あれも当時の技術の結晶なのだ。

-優れたBGM演出
--音楽はおなじみ近藤浩治氏が担当。ほのぼのとした雰囲気によく合ったコミカルな曲が多いが、城や砦ステージの曲はおどろおどろしく、ラスボスの曲は激しいロック調と、一筋縄ではいかないのも魅力。後に『スマブラX』などでアレンジされた「アスレチック」を始め、いずれも名曲との評価が高い。
---「オルゴール風のオープニング」「各ワールドをクリアするごとにステージ選択画面BGMに追加パートが施される」「最終エリアまで進めるとタイトル画面とBGMが変化する」といった具合に、BGMにも遊び心があふれている。
//--音楽はおなじみ近藤浩治氏が担当。ほのぼのとした雰囲気によく合ったコミカルな曲が多いが、城や砦ステージの曲はおどろおどろしく、ラスボスの曲は激しいロック調((特にギターの再現に力が入っており、音を伸ばした際に音が裏返る現象(フィードバック)もかなりリアルに再現されている。))と、一筋縄ではいかないのも魅力。後に『スマブラX』などでアレンジされた「アスレチック」を始め、いずれも名曲との評価が高い。
//---オルゴール風のオープニング((本物のオルゴールのようにBGMがだんだん遅くなり、BGMが止まった時にはネジを巻く効果音が挿入されるなどリアル。))、各ワールドをクリアするごとにステージ選択画面BGMに追加パートが施される、最終エリアまで進めるとタイトル画面とBGMが変化する((波音のするイントロが大胆にカットされており、異世界に突入したことを効果的に印象付けている。))といった具合に、BGMにも遊び心があふれている。
---お約束の如く「サントラがプレミア化している」という点も、この高評価ぶりの裏付けと言えるだろう。

-オートセーブ機能
--ステージをクリアする度に、残機以外のデータを自動セーブしてくれる機能が搭載された。
---地味ではあるが、本作以前はセーブの為に特定のステージをクリアする必要があったり、そもそもセーブできなかったりというシリーズ作品も多かった事を考えれば、大きな進歩と評せるだろう。
---自動セーブの為に、セーブのし忘れで努力が水の泡…となり辛い点も嬉しいところ。

-マリオシリーズの前日譚としての、良質なシナリオ
--本作はあくまでもヨッシーの物語であるが、マリオシリーズ本編の前日譚としても解釈可能。プレイヤーが操作するヨッシーを操りマリオを守るというシナリオは、見方を変えれば「今まで築いてきたマリオの伝説を守る」事にも直結していると捉えることもでき、ゲームをプレイする意欲をかきたててくれる。
--最後までマリオとルイージを守り抜いたプレイヤーは、まさしくヒーロー誕生の瞬間を味わえるだろう。

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**賛否両論点
-ミスの仕様
--ヨッシーがダメージを受けた時の硬直時間が長めなためすぐにマリオを助けにいくことができず、マリオを助けたいのに焦ってダメージを受けてまた長めの硬直時間に陥り((マリオを乗せていない時のダメージは、通常時よりものけぞり・硬直時間ともに大きくなってしまう))、結果、マリオに追いつけず成すすべもなくそのまま連れ去られてミス…といった事態が起きやすい。~
カウントが残り少なくなると泣き声のテンポが速くうるさくなり、アラームのような甲高い音も鳴るので、心理的には更に煽り立てられる。~
こうした仕様もあって、アクションゲームとしてはダメージを受けることの煩わしさを特に感じ易くなっており、ストレスを感じ易いつくりになっている。
---もっとも、これは赤ん坊が泣いているのをどうにかしようと慌てふためく…といったある種の人間らしいプレイヤーの反応を狙って、意図的に作られた仕様と考えられる。赤ん坊が泣いていて連れ去られそうなら焦るのは人間として当然の心理であろう。
---ただ、こうした演出意図を度外視すればストレス要因になりうるのも否定し難い。
--このパターンでミスした際は、マリオを捕らえたカメックの子分たちがカメラ目線であかんべーをして逃げ去っていくカットインが挿入される。ただでさえミスをして頭が熱くなっている状態でこんなカットインを見せられたのでは、余計に腹が立つ事請け合いである。
--とある海外のゲームレビューでは、この点がかなり問題視されており、執拗かつ徹底的なツッコミを受けてしまっている。

-強制スクロールや長丁場なステージが存在しており、100点満点を目指す上で繰り返しプレイする事に苦痛を感じさせられやすい。
--その最たるものが、6-5のその名もずばり「すご~く なが~い どうくつ」。このステージはほぼ全編強制スクロールであり、特に中間ポイントまでの前半部分が凶悪なステージ構成となっている。
---前半部分は「約3分間も続く低速強制スクロール」であるためテンポが悪く、触れれば即死の溶岩が随所にあり、ラストは「溶岩の上を転がってくるワンワン岩に上手く飛び乗って玉乗りする」という、それまで一度も要求されたことが無い操作を一発で成功させなければならない。最後の最後で失敗しようものなら、また最初から3分間の低速強制スクロールをやり直すハメになる。

//-ステージクリア時のボーナスゲームをスキップできない。
//--残機やスペシャルアイテムを必要としない上級者には不評。
//--ボーナスゲームは不要という場合でも、100点満点を狙っている場合ではどうしても1/2の確率でボーナスゲームに突入し、時間を取られてしまう。果たして運が良いのか悪いのか…。
//---一応、タイムアタック勢によりボーナスゲームを回避する為のテクニックは研究されている。だが本来嬉しいものである筈のボーナスを回避するテクニックというのは、何だか本末転倒な気がしないでもない。
//別に上級者のみを対象としたゲームではないので、上級者がいらないのにと不満を持っているからといって、ゲームの問題点とは言えまい。むしろ、必要だと思っているプレイヤーの方が多いだろう。

-スペシャルステージ6が、どうしても尻切れトンボとしか思えない構成になっている。
--出現条件の都合上、このステージに挑めるのは最終ボスをふくめたメインステージ全クリア後。隠しボスや真のエンディングも存在しないので、強烈な肩すかし感が否めない。

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**総評
「タマゴ投げ」をはじめとするヨッシー独特のアクションを導入して、マリオとは一味違う面白さを打ち立てる事に成功した逸品。~
愛らしいデザインとは裏腹に満点を狙うかどうかで難易度ががらりと変わるステージ構成は「初心者に優しく、上級者でもやりごたえのある」絶妙なバランスを実現している。シナリオもアクションゲームとしては屈指の出来栄えであり、ラストシーンでは感動のあまり涙するプレイヤーも見られる。

システム・デザイン・演出・シナリオと、全てが高いレベルで纏まった、まさに''任天堂の技術とセンスの結晶''と評すべき名作である。

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**余談
-本作にも多くの裏ワザが存在するが、中でも有名かつシュールなのが「''3-8のボスをある場所から攻撃すると戦闘開始前に倒せる''」というものだろう。((なんと公式ガイドブックでも紹介されていたほどである。))
--この裏技を使って倒した際に、専用リアクションとセリフがちゃんと用意されているのが芸細である。''チクショ~!''

-また、本作にはマリオシリーズ(というよりは任天堂作品全般)では珍しい隠しコマンドが存在する((ゲーム中のとあるステージにて知ることができる。))。
--入力すると、上述のミニゲームを自由に遊べる上に2P対戦もできる。また、1人用のミニゲームをクリアすればスペシャルアイテムも入手できるので、単なるお遊び要素なだけでなくゲーム攻略にも役立つ。

-従来のマリオのようにしゃがむ操作も一応あるが、今作ではしゃがみを利用する場面はほとんど無い。
--しゃがみ姿勢のままジャンプしたり、ダッシュの慣性でスライディングすることは不可能であり、そもそも姿勢を低くする必要がある場面が一部しかない。
---ちなみに『ワールド』でも、ヨッシーに乗っている時はしゃがむ利点がほとんどなかった。

-ハイスコアではなく、いかに低いスコアでクリアするかというロースコアアタックのやり込みを行う者もいる。場合によっては100点満点を狙うよりも難しい。
--ただし一度記録されたスコアより低いスコアを達成しても記録には残せない他、スターのお守りカウントが10未満の場合はカウント10まで徐々に自動回復していくという仕様や、どうしても取らなければいけない赤コインが存在している点など、公式の想定外? のプレイ故の難点はある。

-本作の主要な雑魚敵はクリボーやノコノコではなく『[[スーパーマリオUSA]]』以来のヘイホーである。またヘイホーと、お馴染みの雑魚敵であるクリボーやノコノコが同一の作品内で登場したのも本作が初めてである。
--ちなみに本作ではクリボーやノコノコは頻繁に登場するほどの敵ではなく、また珍しくワールド1では一切登場しない。クリボーに至っては見かけることは稀。
--一方、ヘイホーは頻繁に登場する上にいくつかのバリエーションがあり、後のシリーズ作品でもバリエーションが増えるなど、ヨッシーシリーズではお馴染みの雑魚敵となった。

-現在、ヨッシーの英字スペルは「YOSHI」だが、本作に限り「YOSSY」となっている。パッケージイラストや取扱説明書に書いてある他、スペシャル6に出てくるリフトの線がYOSSYと描かれていることからも確認できる。
--海外版およびGBA版では「YOSHI」となっている。

-CMは描かれたイラストが動き出すというほのぼのとしたグラフィックを印象付けるものだった。CMの最後の「今度のマリオは赤ちゃんだ!」を覚えている人も多いのでは?
--そしておそらくそれ以上に印象的なのが海外版の''レストランで男性が料理を食べまくり、最後には画面外で破裂してしまう''と言うもの。ヨッシーの食欲を強調したものの、アメリカではそのインパクトで主に悪い方に記憶に残っているようだ。

-本作は後述のアドバンス3とは異なり、バーチャルコンソール化がされていない。
--これはROMに搭載したスーパーFXチップによる描画を再現する事が出来ないためとされている。
--後に、復刻版である『ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン』のタイトルの一つとして収録された。
---発売記念として[[インタビュー>https://topics.nintendo.co.jp/c/article/cb34ab17-9135-11e7-8cda-063b7ac45a6d.html]]が掲載されている。
--『[[スーパーファミコン Nintendo Switch Online>ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online/スーパーファミコン Nintendo Switch Online]]』でも配信された。


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*スーパーマリオアドバンス3
【すーぱーまりおあどばんすすりー】
|ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B00006FRAQ,image=https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51N1KKKZ3VL.SL160.jpg)&br;&image(https://img-eshop.cdn.nintendo.net/i/57162f4fd4e946295c520ca8069b3b492d1b46597d72312342f3bf2a13010613.jpg,width=160)|
|対応機種|ゲームボーイアドバンス|~|
|発売元|任天堂|~|
|開発元|任天堂、エスアールディー|~|
|発売日|2002年9月20日|~|
|定価|4,800円(税別)|~|
|プレイ人数|【GBA】1人(マリオブラザーズは1~4人)&br;【3DS/WiiU】1人|~|
|セーブデータ|3個(EEPROM)|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)&br;※バーチャルコンソール版より付加|~|
|周辺機器|GBA専用通信ケーブル対応 |~|
|配信|【3DS】アンバサダー・プログラム&br;【WiiU】バーチャルコンソール&br;2014年10月15日/702円(税8%込)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|操作性が向上した良移植&br()追加ステージは高難易度|~|
|>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ・関連作品リンク>マリオシリーズ]]''|
|>|>|CENTER:''[[ヨッシーシリーズリンク>ヨッシーシリーズ]]''|
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**概要(GBA)
『[[マリオアドバンス(USA)>スーパーマリオUSA#id_28697f9c]]』『[[2(ワールド)>スーパーマリオワールド#id_05a55e73]]』に続くGBA移植第3弾。~
『スーパーマリオアドバンス』シリーズおなじみの『マリオブラザーズ』も収録されている。

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**変更点・評価点(GBA)
-GBAに合わせてボタンの配置が変更された。

-ヨッシーとヘイホーにボイス(『[[ヨッシーストーリー]]』のもの)がついた。
--ただし、既にチャールズ・マーティネー氏のボイスが定着していた時代だったにも関わらずベビィの声は加工音声のまま。また、マリオを担いだ時のヨッシーの声も電子音そのまま。
---もっとも、ベビィの声に関しては後に発売されることとなる[[DS版>ヨッシーアイランドDS]]でも同様の仕様となっている。意図的なものなのかもしれない。

-ステージ中に存在する「ミニゲームができる小屋」に、ステージ挑戦中は何度でも入れるようになった。
--一方で、隠しコマンドで遊べる二人対戦用のフーセン投げ・スイカたねはきバトルといった要素は削除されてしまった。

-スペシャルステージのほかに「ひみつ」ステージが追加された。
--追加された「ひみつ」ステージはゲームクリア後に解禁され、いずれもSFC時代のプレイヤーをも唸らせる高難度コースとなっている。
---特にゴールするだけなら一瞬だが、100点狙いだと途端にマップ中をくまなく回る必要があり、隠しドアに関する驚きのギミックがある「アイテムって べんり!」、普段以上に精密な操作とステージの記憶が要求される「テキをつかって きりぬけろ!」、最終ステージらしく沢山の分岐とギミックがフルに使われた「はてしないヨッシーのせかい」などは歯ごたえ抜群である。
--ステージの変更点はほとんど見られないが、1-8の中盤で安全にタマゴを補給できるスペースが追加された。

-各ワールドごとのボーナスチャレンジ出現条件が若干緩和され、ワールドごとのスコアが700点でボーナスチャレンジが解禁されるようになった。
--また、特定の点数に達したときに残機が増えるようにもなった。

-中間ゲートを通った時やPOWブロックを押した時、スターのお守りが30の状態だとコインに変化するようになった。

-他の移植同様、残機数が記録されるようになった

-ポーズ画面とスコア・スペシャルアイテム確認画面が独立した。

-ワールドマップ画面の追加。この時にBボタンを押すとヨッシーアイランド側のタイトル画面に戻れるのでリセットしなくてもファイルの変更が可能になった。

-全ステージを100点満点でクリアし、6000点満点(100点×10ステージ×6ワールド)を達成した暁には、完全クリアのデモが流れるようになった。
--デモに加え、「ヨッシーアイランドで活躍した第○○○○(ミス回数+1の数字)番目のヨッシーです」というメッセージも待っている。熟練者ならこの数字をできるだけ小さくすることがやりこみ要素の1つになるだろう。

-画面を消して電池の消費を抑える「スリープモード」が搭載された。

-ゲーム開始後のタイトル画面から「スーパーマリオ」の冠が外され「ヨッシーアイランド」のみとなった(データ上では「スーパーマリオ」のグラフィックは残っている)。

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**問題点(GBA)
-SFC版において指摘されていた問題点は、本作でも全く改善されていない。

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**総評(GBA)
携帯機でヨッシーアイランドを楽しめるだけでなく、僅かながら新ステージ・やりこみ要素も加わった良移植。~
ハード上の制約からかBGMは多少劣化しているが、原作からの明確な劣化はそれ(=ゲーム機の違いに起因するもの)位しか存在していない。~
SFCの原作では特殊チップを使って表現していたグラフィックを、GBAにおいては何の拡張もせずにほぼ完全再現できている点からは、時代に伴うゲーム機の性能向上も窺えるだろう。

マリオアドバンス系列の中では本作が3DSのアンバサダー・プログラム((2011年8月11日にニンテンドー3DSの価格が改定されたが、それ以前からニンテンドー3DSを所持していた人に対して任天堂から感謝の印として、FCやGBAのバーチャルコンソールが10本ずつプレゼントされた。))に選ばれており、マリオが主役の他作品を差し置いて選ばれる辺り、任天堂も本作の評価の高さをしっかり把握している様子である。

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