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ファイナルファンタジーXII インターナショナル ゾディアック・ジョブ・システム - (2016/11/08 (火) 11:36:29) の編集履歴(バックアップ)


ファイナルファンタジーXII インターナショナル ゾディアック・ジョブ・システム

【ふぁいなるふぁんたじーとぅえるぶ いんたーなしょなる ぞでぃあっくじょぶしすてむ】

ジャンル RPG
対応機種 プレイステーション2
発売・開発元 スクウェア・エニックス
発売日 2007年8月9日
定価 6,800円
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
廉価版 アルティメットヒッツ:2009年5月11日/2,940円
判定 なし
ポイント インターナショナルだが、北米版ベースではない
オリジナル版の難解な作りを抜本的に改める
遊びやすさ重視のコンセプト
倍速機能の快適さ、アッパー調整の爽快感
好みが分かれやすい調整
ファイナルファンタジーシリーズ関連作品リンク


概要

  • ファイナルファンタジーXII』のインターナショナル版。「FFXII IZJS」と略される。
    • オリジナル版とは違った遊びかたを目指したため、従来に比べてオリジナル版からの変更点が非常に多い。
    • またオリジナル版は難度やシステムなど遊びにくい部分が多いため、本作は『オリジナル版のイージータイプ』として遊びやすさが重視されている。
  • なお、海外で発売されていたFFXIIは本作「IZJS」ではなく、オリジナル版(無印)準拠のシステム。
    本作「IZJS」は、タイトルこそ『インターナショナル』となっているが、英語音声以外は「国内限定の内容」である。
    • 本来の海外版ではイベントが少し追加された程度でほぼ日本版無印と同様のゲーム内容だった。
    • 元々は『FFXII アネックス』という名前で発売予定だったが、大人の都合により『インターナショナル』名義に変更されたという。
    • 海外ではこの「IZJS」に準拠したものは以降も発売されず、そのタイトルに反して日本限定のゲームとなってしまっている。

変更点

  • ゾディアックジョブシステム
    • ライセンスボードを12種類のジョブ(ライセンス)から選べる。ただし一度選んだらジョブを変更することはできない。
    • 「モンク」「白魔道士」といった定番から、「ウーラン」「シカリ」などのよくわからない新顔まで、12の星座に当てはめられたジョブが揃っている。
      • ジョブ毎に特性がハッキリしているので育成の方針を迷わずにすむ。ただジョブ選択で迷いやすくなっている。
      • 各ジョブには「飛び石」と呼ばれる離れた位置にあるライセンスが存在する。
        これを習得するには召喚獣ライセンスを習得して掛け橋にする必要があるが、召喚獣ライセンスはオリジナル版同様1匹につき1人しか習得できない。
  • ガンビット
    • 初期からほとんどのものを購入可能になり、入手手段が緩和。これにより設定力の差が出にくくなった。
  • ミストナック
    • 専用のミストナックゲージが設けられ、これを消費して使用する。
      • MPは最初からオリジナル版のミストナック3つ習得した状態と同じになっている。
  • ハイスピードモード搭載
    • ワンボタンでゲームスピードを4倍速にできる。
      • 大変テンポが良くなり、ガンビットシステムとの相性もいい。ただし慣れないとあっという間にピンチになる事も。
  • ダメージ上限撤廃
    • 敵味方のダメージ・回復量の限界が無くなっている。
      • ちなみに理論上最高は後述の透明武器を使用して一撃 160万超ダメージ
  • ゲストキャラクターの仕様
    • ゲストキャラクターを操作できるようになった。
      • リーダーにできたり、レベルが上がったり、ガンビットの調整ができたり等、ほぼプレイヤーキャラと同じ感覚で使える。
      • アイテムはこちらのストック分から使うため、ゲストの回復アイテム無限使用はなくなっている。
      • ただし、強力な魔法・技が使用できるようになっていて、オリジナル版よりも頼れる。
  • 召喚獣の仕様
    • ゲストキャラクター同様、自由に操作できるようになった。
      • オリジナル版だと条件を満たさないと発動してくれなかった高威力の召喚技が、コマンド入力でいつでも出せるようなった。
  • 音声
    • 従来のインターナショナル版のように英語音声だが、北米版ベースではない。
    • 英語音声であり、通常版のようなヴァンの演技の拙さは感じられない。
  • その他
    • アイテム名が変更されている。(例、気付け薬→ン・カイの砂)

追加要素

  • ガンビット
    • 新しいガンビットが追加。より細かい指示が与えられるようになった。
  • トライアルモード
    • 本編のデータを使って次々敵と戦っていくモード。全100面。
      • 出現する敵は雑魚、ボス、モブ、レアモンスター、さらには本編には登場しないものまで網羅している。
      • 10ステージクリアするごとにアイテムを幾つか入手し、セーブができる。
      • 全ステージクリアすると、初期レベルから一切レベルが上がらない「弱くてニューゲーム」がプレイできる。
  • 強くてニューゲーム
    • 初期レベル90からスタート。本編をクリアするとプレイできる。
  • 装備品・アイテム
    • 装備品はそれぞれの種類に1、2つずつ追加されている。
      • 特筆すべきは廃人向けアイテム「透明武具」。入手率は異常に低いものの凄まじいバランスブレイカーである。裏技で量産法も確立されている。
  • ストーリー
    • オリジナル版ではカットされた、パンネロの監禁シーンが追加されている。
  • その他
    • 画面比率は従来の4:3に加え、新たに16:9にも対応している。

評価点

  • 上記の仕様で遊びやすい調整がふんだんに成されている。
    • 三重苦が解消され、ジリ貧の総力戦になりにくくなったので、稼ぎ量も少なくすむ。
  • 新モードの追加により、やり込みプレイヤーにも嬉しい調整となっている。ここから様々なやり込みも活発に行われた。
  • 遊びやすいゲームバランス
    • 後述のようにゲームバランスの変化に対する賛否はあるが、「遊びやすさ」という観点から見れば、ゲームバランス的には(「ゾディアックジョブ」というシステム的な話を別にすれば)インター版のほうが遥かに取っ付きやすい。
      • 戦術性の話もあくまでオリジナル版と比べれば低下したと言われるだけでRPG全体で見れば高水準なので、インター版の愛好者も依然多い。

賛否両論点

  • 「どのジョブを選んでもクリアできるバランスにした」との事だが、大味であることは否めないため、賛否両論である。

問題点

ゲームバランス

には粗が目立つ。

  • 「ゾディアックジョブシステム」は、育成の方向性が極端なのに制約が大きい。
    • 能力アップのライセンスが倍以上に増え、装備の性能も万能化した。
      • 特に火力の高さが問題点として挙がりやすい。ダメージ上限撤廃も拍車をかけている。
    • リバースの強化とその魔片、攻撃破壊の強化、透明武具など、個々の要素で狂っている物もある。
  • 総力戦になるほどのジリ貧展開が減ったのはいい事ではあるが、ゴリ押ししやすいという点では問題点である。
    • 例えば状態異常が有効な場面があっても「使えるジョブが居ない」という場合も発生するため、ゴリ押しするしか手がないことがよくある。
      • パーティ内で敵対心管理をしようにも、使える魔法や技が限られるので難しい。
  • 戦術性の低下
    • 当初はゲームバランスや戦術性がオリジナル版から改善されたと言われていたが、研究が進むにつれ、オリジナル版の方がバランスの取れていた面が見えてくるようになった。
    • 例えば盾キャラが敵の攻撃を引きつける上で重要な「デコイ」という魔法が、オリジナル版ではゲームが半分過ぎる頃にようやく店売りされる。これがインター版では最初から店売りされているため、組織的な戦術が序盤から組めると好評だった。
      • しかしインター版ではキャラクターのMP量が多いため盾キャラがいなくてもMP切れになりにくく、さらに回復魔法の「ケアル」が範囲魔法になったため、敵の攻撃対象など気にせずに適当に散らしてダメージを分散させるほうが回復効率がいい。敵の範囲技を受けてもケアル1回で済むため団子になって戦っても問題ない。
      • つまり組織的な戦術を組むことに、あまり意味がなくなっている。
    • 一方、そうした戦術が組めないとMP切れ・ギル不足で首が回らなくなるオリジナル版だが、その後の研究でデコイなしでも敵の攻撃対象を操作できる「ヘイトコントロール」というテクニックが確立されると評価が一転、厳しい状況を戦術やテクニックで対応する緻密さや戦術の柔軟さがインター版は劣っていると言われることが多くなる。
    • 中盤以降ややり込みでは既に上で挙がっているような粗が次々と出てくる。

総評

当初の評判は上々だったが、研究が進むと上記の問題点も指摘される様になった。
オリジナルは自由度と完成度、対するインターナショナルは快適さと爽快感が重視されており、FFXIIファンでもオリジナル派とインターナショナル派で二分されている。
どちらもそれぞれの良さがあるので、これからプレイしようという人にとっては、どちらを選ぶか悩ましい問題になっている。
重要なのはゲームをプレイする上で何を一番重視するかである。
自由度の高さを好んでいた海外プレイヤーからは、制約の多さでオリジナル版ほどの評価を得られなかった。


余談

  • 作曲家である錦織健氏はインターナショナル版(と『FFT獅子戦争』)をやり込んでいた。