「ハーメルンのバイオリン弾き」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
ハーメルンのバイオリン弾き - (2013/05/26 (日) 02:56:31) の編集履歴(バックアップ)
ハーメルンのバイオリン弾き
【はーめるんのばいおりんひき】
ジャンル
|
アクション
|
対応機種
|
スーパーファミコン
|
発売元
|
エニックス
|
開発元
|
ダフト
|
発売日
|
1995年9月29日
|
価格
|
10,080円(税込)
|
ポイント
|
フルート虐待ゲー
|
概要
-
『南国少年パプワくん』『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章』『突撃!パッパラ隊』と並ぶ少年ガンガン創刊時から連載されていた長寿作品のゲーム化。原作は10年近い連載が終わった後も高い人気を誇り、外伝や続編が発表されていた。
-
本作は『パプワくん』同様に主人公ハーメルを動かすだけでなくヒロインのフルートを様々な手段で動かし、途中の敵を倒したり仕掛けを解いたりするのだが…。
-
はっきりいってフルートの扱いが酷い
。投げられて画面一面の敵を倒すなどザラ、様々な着ぐるみを着せられて危ない所に突撃する様はリアルの芸人よりも体を張っているのではないだろうか。
-
Wikipediaによると、このシステムは当時「ギャル投ゲー」と呼ばれていたそうだ。最も、ヒロインが投げられるゲームなどそうそう発売されない為この名称が定着する事は当然なかったのだが…。
-
追い討ちをかけるように1面をクリアしてフルートが仲間になると、紐でくくりつけられたフルートがハーメルに雑に引きずられている一枚絵が映し出される。
-
フルートは主人公のハーメルとは別にHPが設定されており、満タンの場合は可愛らしい表情になるもののHPが減っていくと涙目になっていく。最もギャグ漫画調のイラストのため可愛そうにならないのが救いか。
-
念のために書いておくが、フルートが酷い目に合うのも着ぐるみを着るのもれっきとした
原作準拠である
。
-
ちなみに、ゴール地点にフルートが居ないとクリアにはならないため彼女をおいて行く事は出来ない。
評価点
-
クラシック音楽がテーマの作品なだけあり、流れるBGMは有名な作曲家の音楽ばかり。『パプワくん』と同じスタッフが手がけていることもあり、音源はかなり良い。
-
とりわけゲームをスタートさせた後に聞こえてくる鳥の鳴き声は本物と見間違う程。
-
グラフィックも丁寧に作りこまれている。前述の描写だけ見ているとフルートが酷い目に合ってばかりだが、初めてハーメルを見たときや放っておくと退屈そうにしている様子、そしてOPで心地良さそうにハーメルの音楽を聴いている様子はとても可愛い。
-
敵キャラやサブキャラも、原作の絵柄を忠実に再現している。
問題点
-
ステージは全4章しかないが、
セーブもパスワードもない
。ステージの総数は隠しステージ等を除けば32もあり、クリアまでの時間は大体4-5時間以上かかる。ゲームに慣れていないプレイヤーだと更にかかってしまうため、「息抜きにちょっと」というわけには行かない。
-
元々難易度が低くない上に長時間プレイしていると疲れてしまうため、最終ステージに行くまでに投げたプレイヤーが殆ど。
-
肝となっている着ぐるみは全部で16種類だが、「オランウータン」「怪獣」はイベントでしか使用しない。つまり
プレイ中に使っても何の役にも立たない
。
-
他の着ぐるみも性能がかぶっている物もチラホラ。例えば「トリ」は「マンボウ」の強化版と見なしても問題はない。
-
原作の途中で終わってしまうためラスボスは魔王ケストラーではなくサイザー。ライエル、オーボウは出てくるが、トロンやクラーリィ、コルは全く出てこない。まあこのゲームの時間軸ではケストラーもまだ箱の中で封印されていたのだが。
-
そのライエルも最終面ぐらいしか出てこないため、ゲームの登場キャラは実質ハーメルとフルートのみ。オーボウはステージの合間で会話に登場するが、プレイ中はハーメルの周りを飛び回っていて、フルートを呼ぶ時頭上に「CALL」のサインが出るのみ。
総評
-
「原作の再現度は高いがゲームとしてのバランスがおかしい」という典型的なパターンどおりのキャラゲー。この時期ガンガンは『パプワくん』や『魔法陣グルグル?』など様々なコミックをゲーム化しておりその流れで製作された物だが、フルートの着ぐるみシステムや音楽の美しさなど光る物こそあるものの全体的に見て作りこみが甘く他の二本ほどの名作とは言えない。中でもこの時期のソフトであれば搭載が普通だった「セーブ・パスワードの廃止」は評価を大きく下げていると言っても過言ではない。
-
また、一つ一つの再現度は高いもののあまりにも中途半端な場所で終わっているのも残念。せめてファン人気の高いスフォルツェンド編~サイザー加入、オル・ゴール登場編ぐらいまでをゲーム化できればよかったのだが…。
-
原作にあったギャグ描写を一切廃し、止め絵ばかりを多用して「紙芝居」と揶揄されたTVアニメ版同様、ファンの間では微妙な扱いを受けている。最も、一部原作ファンから黒歴史に認定されたTV版と違い「難しかったけど懐かしい」という評価を受けているだけこちらの方が救いがあるかもしれない。