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おそ松くん バック・トゥ・ザ・ミーの出っ歯の巻
【おそまつくん ばっく・とぅー・ざ・みーのでっぱのまき】
ジャンル
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アドベンチャー
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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メディア
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2MbitROMカートリッジ
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発売元
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新正工業、バンダイ
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開発元
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トーセ
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発売日
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1989年12月8日
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定価
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5,800円(税別)
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判定
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良作
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少年サンデー関連作品リンク
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概要
1988年~1989年に渡り放映していたフジテレビ系アニメ『おそ松くん(平成版)』を基にしたアドベンチャーゲーム。
プレイヤーは主人公のおそ松くん本人になり、掛け軸に描かれていたイヤミのご先祖様をきっかけとして、デカパン博士が発明したタイムマシンで時を駆け巡りながら、イヤミの出っ歯の秘密を暴いていくという内容。
しかし秘密を探っていくうちに、イヤミの出っ歯に徐々に変化が…。
プロローグ
すべては、イヤミのご先祖様が描かれた古~い掛軸から始まりました。
シェ~ッ!!
おかしいザンス。イヤミ家の血筋は代々、出ッ歯しか生まれないはずなのに掛軸のご先祖様には出ッ歯がないっ、ないザンス…。
しかし、ご先祖様はキラリと光る何かを持っていたのです。
これはあやしいっ!!
そばにいたおそ松は、イヤミから掛軸を奪い取り、デカパン研究所へ向いました。
その頃、デカパン研究所では…
ホエホエ~!
デカパン博士と助手のチビ太の手によって、ついにタイムマシンが完成したのです。コレを使わないっていうテはない!
さっそくおそ松は、掛軸の謎を解くためにタイムマシンで江戸時代へ向かいました。さあ、知恵と勇気と愛と涙と冗談の物語の始まりです。
特徴
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基本となる情報画面は1987年に発売した『さんまの名探偵』と同じコマンドシステムを採用している。
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「聞く」「物を差し出す」「調べる」「ひらめく」などの基本系のアイコン表示が配置されており、重要事項となると効果音がなる等、『さんまの名探偵』と共通する部分は多い。
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原始時代のみに現れるコマンドとして
「殴る」
というものがある。いくら相手が原始人とはいえ乱暴すぎる気もするが…。同じくタイムトラベルを題材にした『東方見文録』を彷彿させる。
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マップ画面はアイテムのシンボル表示や自身の「げんき」ゲージなどを表示。そして大きくイヤミの顔が表示されている。
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所持金に関しては時代を超える度に「えん(円)」「りょう(両)」「ストーン」と単位が変わる。
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ストーリーを進めていくとイヤミの出っ歯がどんどん小さくなり、表情も変化していく。
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マップ上では自身のほか、NPCが何人かうろついており、近寄ることで話しかけることができる。
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ヒントをくれる人もいれば、中にはおそ松くんに危害を加えてくるイヤな奴も。
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他にも「時間大王の部下」というお邪魔キャラが後半に登場。
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タイムマシンを使うことにより「現代」「江戸時代」「原始時代」と3つの時代を行き来する。
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江戸時代と原始時代のエリアは移動範囲は最初は狭いものの、物語を紐解いていくうちに移動範囲が広がっていき、訪れる場所も増える。
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江戸時代や原始時代にもおなじみのキャラクターが登場し、それぞれ独特の役割を与えられている。
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原作でも話ごとに違う時代設定やキャラクターの役割で展開しているため、特に違和感はない。一応「現代の各キャラクターのご先祖様」という位置付けではある。
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各時代に「ゲームセンター」と「くろこの宿屋」が存在する。
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ゲームセンターは神経衰弱となっており、所持金を100消費することで遊ぶことが出来る。
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同じものを2つ当てることで所持金が貰えたり、食べ物が貰えてげんきが回復できたりする。進行によってはキーアイテムをくれることも。
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連続して当て続けることが出来るが、途中で失敗すると今まで当てた分全てが没収されてしまう。
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くろこの宿屋では、所持金を2000消費して泊まることでげんきが大幅に回復できる(完全回復ではない)。
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「ずっととまる」はパスワード画面。途中で中断することができる。中断機能なので金は不要。
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後半になると選択分岐が出始め、グッドエンドの他、バッドエンドが複数存在する。
評価点
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グラフィックが美麗
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89年末の作品だけあってグラフィックはファミコンとしてはとても綺麗で、オープニングはまるでアニメを見ているかのような気分にさせてくれるほどの演出になっている。また、各キャラの表情も豊かで喜怒哀楽がはっきりとわかる芸の細かさ。
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ちなみにハタ坊が担当するパスワードの画面まで徹底しており、間違えるとツリ目になる。
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キャラクターの再現が遺憾なく発揮されている
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登場人物およびそれらの口癖や性格などは、当時放映されていた1988年アニメ版を基準として再現されており、アニメオリジナルキャラだった無精ひげの本官さんも登場する。基本的に『おそ松くん』の登場人物は特に定まった役は決まっておらず様々な役で登場するのが通常であるが、各キャラの性格や口癖である「シェー」「ホエー」「~だニャロメ」「~だじょ~」や、六つ子や家族のドタバタ劇などがそれなりに再現されている。
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更にタイムトラベルを主とした作品であるので、チビ太の喧嘩っ早さやべらんめえ口調、イヤミのころころ変わる表情、ダヨーンおじさんのとぼけっぷり、本官さんの人形好きや容赦のなさなど、各時代通して事こまかに再現している。
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原始時代では、おそ松の先祖が「オソマッツン」、イヤミの先祖が「イヤーミ」など、微妙に名前が変わっている。また何故かハタ坊だけは一切登場しない。
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徐々に変わり行くイヤミの顔
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前述のとおり、フィールドで表示されるイヤミの顔(というか出っ歯)がゲームを進める毎にどんどん変化していく。笑顔を保ちつつも冷や汗をかいて余裕が無くなっていき、最終的には縮んだ自分の出っ歯を目を見開いて凝視した表情になる。
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まさにタイトル通り「タイムトラベルに干渉して起きる出っ歯の変化」を表した作品である。イヤミは不憫だが。
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変化が出っ歯だけと乏しい作品ではあるが、過去の出来事が未来に影響する展開はタイムトラベルを主体にした作品としては当時は斬新だった。
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分岐先でしか見れないイベントやキャラクターが存在し、そこそこのやりこみ度がある。
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本作のオリジナルキャラが登場する場面があり、本当にある一場面の間でしか会えないレアキャラもいる。気づきにくい場面なので取り返しがつきにくい。
問題点
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作品自体の難易度は高め。
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ヒントをくれる場合もあるが、全体的にノーヒントかつ突飛な選択や行動が正解である事が多い。「調べる」のカーソルの判定もややシビアで、ちょっと怪しい所を指しても反応せずに見逃してしまう可能性もしばしば。
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地雷選択肢も少なくなく、無駄な行動でげんきゲージが減らされたりしてゲームオーバーになりやすい。
げんきの回復は高額な「黒子のお宿」か不安定な「ゲームセンター」のお子様ランチを当てる事のどちらかと、やや面倒。
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江戸時代独自のコマンド「土下座」はいかにもな場面以外は特に意味がないかマイナスイベントが起こる面倒なコマンドとなっている。
原始時代の「殴る」に至ってはほぼ有用な場面のない外れコマンド。これらの存在も難易度を引き上げている。
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ゲームの後半に出てくる「時間大王の部下」は、複数でマップ上を高速でうろついている上、ぶつかるだけで攻撃されげんきゲージを減らされる。0になれば当然ゲームオーバー。
建物に入って場面を切り替えることで多少出現を操作できるが、建物がない場合は理不尽にダメージを食らうことも少なくない。
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所々ゲームを進めるのに必要なキーアイテムを購入しなければならない場面があるが、どれもかなり割高。その為全編に渡って結構な所持金が要り用なバランスではあるが、効率よく稼げるのが「ゲームセンター」のみ。
1回のミスでそれまでのアイテムが全部オジャンになる神経衰弱を何度もトライして地道にやっていくしかない。
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一応、出現場所が固定で何度も復活する道に落ちているお金があるが、1回の額は雀の涙。ゲームセンターの軍資金と割り切った方が良い。
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スタッフも流石に厳しいと思ったのか、序盤のおそ松家のどこかに「へそくり」1万円が隠されている。見つけると「これを元にゲームを進めてね」というメッセージが見れる。
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原作がギャグマンガにしては少々怖い部分もある。
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暗く先の見えない3D迷路がある。構造自体は複雑ではないのだが、それに気づかないと方向感覚を見失って迷う事もある。
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BGMは低い笛の音色のような音源を使用し、和風をやや強調した地下迷路らしい良曲なのだが、それゆえに怖さにも拍車をかけており、まるでお化け屋敷を探索しているような気分になる。
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壁にぶつかったり、探検中にも「げんき」を消耗していく。さらに、奥にはボスが待ち構えているが、普通に進んでいる最中に何の前触れもなく突然出現するのでかなりビックリさせられる。
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深刻な場面に遭遇すると「デロデロデ~ン」という効果音が突然鳴ることがある。ドラクエの呪いの音楽に似た不気味な音色が使われており、特に後半は些細な事でも鳴る場合があるため、人によってはトラウマもの。
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戦闘BGMも曲自体は短いものの、かなりの緊張感がある。それに加えて場面によっては怪獣の鳴き声が響いていたりと、子供なら泣きそうなシーンである。
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観る人の主観にもよるが、ゲームオーバー時の落書きされたおそ松の顔だけが大きく表示されている画面も少々不気味である。
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バッドエンドにも、ブラックジョークネタがある。
総評
キャラクターの台詞の言い回しや立ち位置、シナリオは原作の世界観や雰囲気を壊すことなく上手く表現されており、ファミコンソフトとしてはグラフィックやサウンドの表現力も高水準。
キャラゲーとしては完成度と満足度が高い作品と言っていいだろう。
余談
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このゲームが発売するおよそ1年前にメガドライブで『おそ松くん はちゃめちゃ劇場?』が発売されたが、こちらはアクションゲームで、その出来の悪さから原作者・赤塚不二夫氏を激怒させたという都市伝説(デマ)が存在していた。
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ある時期に江戸時代の洞窟を調べると3択クイズが出るが、これは当時のキャンペーンで、正解をハガキに書いて説明書に付いている応募券を貼りバンダイに送ると、先着100名におそ松くんのコミックス1巻~30巻がプレゼントされた。