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ロックマン - (2022/09/17 (土) 19:15:34) の編集履歴(バックアップ)


ロックマン

【ろっくまん】

ジャンル 横スクロールアクション
対応機種 ファミリーコンピュータ
メディア 1MbitROMカートリッジ
発売・開発元 カプコン
発売日 1987年12月17日
定価 5,300円
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2008年7月29日/500Wiiポイント
【3DS】2012年7月18日
【WiiU】2013年6月12日/上記共に500円
判定 良作
ポイント ショット重視アクションの金字塔
骨太過ぎて違う意味でも伝説的
高いアクション性と戦略性を兼ね備える
ロックマンシリーズ


プロローグ

時は未来。ロボットが人間社会に浸透し、人間とロボットが仲良くしていた時代。
ある日、平和を願う天才科学者「Dr.ライト」の元から6体の平和利用ロボットが奪われた。
犯人は悪の科学者「Dr.ワイリー」。彼は奪った6体のロボットを戦闘用に改造し、世界征服を狙っていたのだ。

ライトのもとに残ったのはお手伝いロボットの「ロック」と「ロール」だけ。
ロックは兄弟を救う為、ワイリーの野望を防ぐ為に、ライトに自分を戦闘ロボに改造してもらうよう願う。
平和を愛するライトは渋々ながらこれを承知、ロックを戦闘ロボへと改造した。*1

かくして生まれた「ロックマン」の、正義の戦いが幕を開ける。


概要

『ロックマンシリーズ』の第1作であり、ファミコン初期にして後世のゲームにも多大な影響を与えた横スクロール・アクションの旗手。
未来の世界を舞台に、少年型ロボット・ロックマンと悪の天才科学者Dr.ワイリーの戦いを描く。


特徴

後のシリーズ作品の多くに受け継がれる主な要素は、以下の通り。

  • 攻略の順序をプレイヤーの任意で決められるシステム。
    • ステージ選択画面には目標となるボスの容姿が模されたアイコンが並び、それらを選択して各ステージへと移行する、
    • 全てのボスを撃破すると、最終面であるワイリーステージが出現する。
  • 撃破したボスの特殊武器を入手できる。
    • それぞれエネルギー消費による使用回数制限はあるものの、初期装備のロックバスターでは破壊が困難な敵に対して有効であったりと攻略に深く関わる要素である。
      また、ほぼ全てのボスがいずれかの特殊武器を弱点としており、弱点武器を用いることで優位に立つことができ、どの順番でボスを倒していくかという戦略性にも繋がっている。
    • 武器を変更すると、ロックマン自身の体色も変化する。
  • 基本システムは十字ボタンでの移動、ジャンプ・ショットとオーソドックスなもの。初期装備のロックバスターは弾数が無限で、ある程度連射も利くが威力は低め。
  • ライフ制+残機制の併用。ライフが無くなるか穴に落ちる・即死トラップの「トゲ」に触れるなどでミスとなり、復活ポイントに戻される。
    • 雑魚敵を倒すとライフ回復や1UPを落とすことがあり回復機会は多めだが、それが要因で難易度が低くなるようなことはない。
    • ミスした時の光が弾けていくような演出と「ティウンティウン」という切なげな効果音は印象深い。
    • 残機が0の状態でミスするとゲームオーバーとなり、後述するスコア(得点)が0にリセットされる。同じステージを続けてプレイ(コンティニュー)するか、ステージ選択に戻るかを選べる(倒したボスの記録はそのまま)。コンティニュー回数は無限。
  • 特定の武器で破壊できる地形が存在する。

本作固有の特徴

  • シャッターからボス部屋直前のもうひとつのシャッターまでの通路が長く、敵がいたり、障害物が設置されていたりする。これは当初ディスクシステムで発売する予定で、ロード時間をごまかすためであったという説が有力。
    • 以後のシリーズでは、この通路は1画面分になり敵はいなくなったが、「ボス前には原則として扉一つ挟んだ通路があり、ボスに負けた場合そこがリトライポイントになる」ことは伝統として引き継がれている。
  • ボスを倒した時に、上から降ってくるアイテムを取らないとクリアにならない。当然だがボス撃破直後にミス(相討ち)になると、ボスを倒したことにはならず負け扱いとなる(特に対アイスマン戦で発生しやすい)。
  • 最初に選択できるステージは、後作のような8つではなく6つ*2
    + 本作のボスと特殊武器
    カットマン ローリングカッター: ブーメランのように戻る刃を投げる
    ガッツマン スーパーアーム: 特定のブロックを持ち上げ投げつける
    アイスマン アイススラッシャー: 敵の動きを止める
    ボンバーマン ハイパーボム: 放物線を描く爆弾を投げる
    ファイヤーマン ファイヤーストーム: 火炎弾を撃つと同時に自分の周囲にも火球が回る
    エレキマン サンダービーム: 前方と上下の3方向同時に電撃を放つ。特定のブロックも破壊できる
  • 1度クリアしたステージにリトライすることはできるが、ボスも復活しているので再び倒さなくてはならない。
    • エレキマンステージに設置されている特殊アイテム「マグネットビーム」(入手するには「スーパーアーム」か「サンダービーム」が必要)が、ワイリーステージにて必須であり、その取りこぼしがないようにするためである。
  • スコア(得点)の概念があり、全ての敵キャラクターにスコアが設定されている。
    • 更に、スコア獲得用のアイテム「ボーナスボール」も存在する。敵を倒すと出現することがあり、そのステージ内で入手した数が、同ステージのボス撃破時に1個につき1000点として加算される。
  • 使用するとライフエネルギーゲージが全快する「エネルギー缶(E缶)」は無いが、代わりに「弥七」がある。後作の『7』の「S缶」と似たようなアイテムである。
    • ワイリーステージにのみ設置されており、取得するとライフエネルギーと全武器エネルギーゲージが全快する。
  • セレクトボタンでポーズ(ゲーム一時中断)をかける事が出来る。
    • スタートボタンはあくまで武器切り替えであり、厳密にはゲームを中断する機能ではないのでBGMは鳴ったままだが、セレクトボタンを押すと無音状態で停止できる。
  • パスワードが存在せず、一度電源を切ると最初からになる*3
  • ワイリーステージに登場する6体のボス再戦は選択式ではなく、決まった順番で攻略する形式であり、ワイリーステージ2で2体、最終ステージで4体それぞれ再登場する。
    • これらの再戦ボスを倒してもライフ回復アイテムが出現しない上、一度負けると、前者の2体・後者の4体それぞれリトライの際にまた対決しなければならないため、後のシリーズ作品に比べると難易度は高め。
  • ロックバスター(初期装備)は敵に通用しない武器を当てても跳ね返らず、その場で消滅する*4
    • ロックバスター以外の特殊武器は、通用しない敵に当てても消えずに貫通する。
    • 特例がスーパーアームのブロック関連とサンダービームで、ブロックは投げた場合、最初に地形か敵に接触すると4つに分かれて以後の破片はそのまま貫通するようになる。
      このブロックにサンダービームが当たった場合はビームが消滅(同時発射したビームもすべて消滅)して、ブロックが上記の破片状態になって飛んでいく(威力などはサンダービームのものになる)。
    • サンダービームをカットマンに当てた場合のみ、電撃がバラバラに砕け散る演出が発生する。ただし、ダメージを与えることはできる。
  • ダメージを受けた直後の無敵時間中でも、トゲに触れた瞬間にミスとなる。
  • 水中でもジャンプ力が増加しない(動きは鈍くなる)。
  • 地形以外の足場(リフト、マグネットビームなど)に立っている間も重力が加算されているらしく、これらからジャンプせずに足を踏み外すと、ものすごい速さで落下してしまう(出現・消滅を繰り返す点滅ブロックを除く)。
  • ハシゴの昇降で背景が1画面分まるごと移動した後、あるいは横方向にスクロールアウトした後にまた戻ってくると、ステージ中に配置されたアイテムが復活する。
    • 箇所によってはライフや武器エネルギーの回復ポイントとなる。この仕様を知っていると幾分攻略しやすくなる。
  • ライフ及び武器エネルギーが満タンの状態で回復アイテムを取得すると一瞬硬直する。

評価点

  • ステージ選択性、特殊武器によりプレイヤーが決められるゲーム進行
    • 難易度の低いステージから始めて弱点武器でゴリ押しするも、あえて難易度の高いステージからプレイして行くのもプレイヤー次第。
      さすがに開始直後だと厳しいステージもあるものの、どの面から進んでもボスまでたどり着けるし撃破も可能。
    • 発売当時、最初からこれだけ多数のステージを任意で選択することができ、なおかつ初期状態で全てのステージが攻略可能という設計のゲームは珍しかった。
    • 本作は実質的に、この形式のゲームの走りともいえる。
  • 完成度の高いアクション性
    • 敵ボスの武器を使用可能という面に目を奪われがちな本作であるが、その真髄は過去のゲームを綿密に研究しまとめあげたアクションの仕様にある。
    • 十字ボタンを短く押すことでできる、すり足移動による微調整。
    • ジャンプボタンの押し加減によるジャンプ力の高低と、それによる微妙な軸ずらし攻撃のしやすさ。
    • 踏み出した足場に戻って来られる空中制動と、それに合致したレベルデザイン。
    • 着地時のジャンプ先行入力(これが無かったら、対イエローデビル戦はさらに恐ろしい目押しゲームになっていたであろう)。
    • 等々、今なら当然と思えるような仕様を過不足なく実装・調整していたことによって、本作の快適な操作性が実現している。
  • 敵味方ともに非常に多いグラフィックパターン
    • 自機であるロックマンひとつとっても、立ちポーズ、移動時、ジャンプ時、攻撃時の他、被弾時に仰け反るアクション、ハシゴを上り切った時の「体を折り曲げている」姿、果ては数秒ごとにまばたきまで行う程である。
      • ガッツマンの地震攻撃による「のけぞりリアクション」*5や、スーパーアームを使ってブロックを持ち上げたときの独自のグラフィックパターンまで用意してある。これらの要素は基本的に後続の作品には継承されていない。
  • バリエーションに富むステージ構成
    • 「電撃飛び交うエレキマンステージ」「氷で滑るアイスマンステージ」などボスからイメージされた各ステージはそれぞれに特色があり、似たようなステージがなく飽きさせない。そのステージ限定のザコ敵もおり、個性的なステージ構成となっている。
    • 横方向にのみスクロールすることが多かった当時の他のアクションゲームに比べ、ハシゴを大量配置することで縦方向へのスクロールも多くなっている。これにより横と縦を組み合わせた多様性に富むステージ構成が実現されている。
      • 縦方向へのスクロールについては、固定画面方式であり、例を挙げるとハシゴを上り下りし切って画面最上部・最下部に到達した際に1画面分がスクロールする仕様になっている。
  • 個性的かつ温かみのある世界観
    • ロボット同士の戦いというシビアな設定ではあるが、懐かしいレトロフューチャー風味の世界観や丸みを帯びたロボットキャラのデザインに温かみがあり、殺伐さを感じさせない。

賛否両論点

  • 攻略に必須な移動用アイテム「マグネットビーム」だが、ボタンを押している時間で足場の長さが決まり、ボタンを離した時点の高さで固定される(ただし出しながら動き回っているうちにも勝手に固定される)というもので、慣れるまで操作が難しい。
    • 表示処理の関係で、長くした足場ほど視認性が悪くなる。また、非常に長く伸ばせるものの意外に保持時間は短く、最大まで伸ばした状態で乗っても最後まで行く前に消えてしまうので、場合によっては途中で次の足場を作っておく必要がある。
    • また、普通にジャンプしないで降りた(端から歩いて落ちる・時間切れでビームが消える)場合はとてつもない速さで落下するため、ジャンプしなくても(惰性で)自然落下中に足場に届くだろうと思っているとひどい目に遭う。
    • 当然だが、ロックマンより下方には出せない(上方はジャンプで調整できる)ので、画面上に行き過ぎると足場が作れなくなり危険。
  • 調整不足な難易度
    • 本作を語る上で外せないのが、シリーズ中でも一・二を争う難易度の高さである。豊富に施された様々なギミック・トラップは即死を伴うものも多く、初見でクリアするのは至難。
      • もちろん慣れれば攻略可能だが、頻繁に足場として機能しなくなる移動リフト、一定間隔で出現・消滅する足場ブロックなど後発作品に比べ難易度が高い。
      • ショットでプレイヤーを叩き落とす浮遊足場型のザコ敵「フットホールダー」は、完全にランダムで高度を変える上、何故か足場判定がなくなることもあるため運が絡む(マグネットビームで回避可能ではある)。
        要するに乱数の引きが悪ければ先に進めない。一応マグネットビームで足場を作れるが、例えアクション慣れしているプレイヤーでも一筋縄ではいかない。
      • 驚異の耐久度とダメージを誇る一つ脚の巨大なメカ「ビッグアイ」、耐久力が高めで延々とピッケルを投げつける「ピッケルマン」等、ザコ敵もなかなかの強敵が存在する。
    • ボスも手強くこちらのライフゲージが満タンでもたった3発で0にする恐るべき高ダメージの特殊武器を放ってくるエレキマンとアイスマン。この2体とそれぞれ戦った時の緊張感は凄まじいものがある。
      • ただ、6ボスの時点では初心者お断りとなるような理不尽な難易度ではない。消えるブロックや特殊ギミック、一撃死が目白押しの「アイスマン」ステージの難易度が高く設定されている一方、即死ポイントの少ない「カットマン」「ボンバーマン」ステージの難易度は低く攻略しやすい。
      • 前述したエレキマン・アイスマンも、弱点をつけば相手も3発で倒せるので、ロックバスターでの攻略に固執しなければ極端ではあるがバランスは取れている。また、ステージ・ボス共に簡単なカットマン*6から攻略する事で、エレキマンの弱点武器を先に入手する手順が成り立つ。エレキマン攻略後は他のステージ中の難関も幾つかはマグネットビームによって難易度の緩和ができる。
      • また、初心者向けのカットマン→エレキマンルートで攻略する場合、マグネットビームの回収のためにエレキマンステージに2度挑戦する必要があるが、ガッツマンステージにて、マグネットビームなしでステージ序盤の移動リフト地帯を突破できるなら(そこさえ突破できれば同ステージ自体はボス部屋までの距離は短め)、カットマンより先にガッツマンを攻略するというパターンもあり、プレイヤーの腕次第で簡略化も可能。
  • 一部のボスの凶悪さ
    • ワイリーステージ1のボスであり、そして本作における象徴的な存在ことイエローデビルは多くのプレイヤーにコントローラーを投げ出させ、多大なトラウマを植え付けた。
      • パターンとしては、横方向から19個のパーツが飛来し、合体して巨大な一つ目の怪物を形作った瞬間に目を見開いて高速弾を一発発射、すぐさま分離して逆側にパーツを飛ばし始めるという単純なもの。しかしパーツの飛来速度はかなり速く、弱点(目)以外にはダメージが通らない。そして目を開く位置(高さ)はランダムで、露出する時間はごく僅か…という凶悪さ。最初に登場する時でさえボスエネルギーゲージだけが先に出現し攻撃してくる。
      • 相手と自分の1ヒットのダメージ量は(こちらがボスの弱点武器を使用して)互角。目の出現位置以外は固定パターンなので、攻略は回避技術と集中力が全てである。
      • このイエローデビルを越えられる事は当時のステータスであり、完全にパターン化しているとはいえ、タイミングは結構シビア。その強さたるや、現在でも「裏技を使わなければ倒せる気がしない」と嘆くプレイヤーが存在するほど。
      • 他のボス同様、ミスした際はボス部屋直前から再開できることが救いか。
      • その強さのインパクトもあってか、後のシリーズでも似たようなタイプのボスがちょくちょく登場している*7
    • イエローデビルを倒しても、次にワイリーステージ2のボスであるコピーロボットが立ちふさがる。
      • こちらも攻略法を確立するまではかなりの強敵。姿だけでなく装備武器も随時ロックマンと同じものを使ってくる上、同じ武器にもかかわらず弱点武器でもダメージ量は相手の方が2倍あり、体当たりでも厳しいダメージを与えてくる。
      • さらにこのステージの途中ではカットマン・エレキマンとの再戦が待っており、回復アイテムもほとんどなくザコ敵からも稼ぎにくい。この2体のボスのどちらかでミスすると、ステージの初めから再スタートになる。
    • 一方でステージ3のボスCWU-01Pだけは妙に難易度が低い。
      • ボスは3箇所のいずれかの穴からランダムに出現するCWU-01Pを7体撃破するというもの。1体ずつ出現し倒す事に次が現れ、回避の難しい体当たりを仕掛けてくる他、1体につきロックバスター10発とそこそこ耐久力もあり、後発の個体ほど移動速度が上がっていく。
      • だが、動きは出現後部屋の外周を時計回りに回るだけなので、上穴出現時以外は人力の連射で(序盤の動きが遅い個体なら上穴出現時でも)撃破が間に合ってしまう。有効な弱点武器もわざわざブロックという形で置いてあるため、序盤の3体を連射で、残りはスーパーアームで…という戦略はすぐに思いつく。
      • 弾も撃ってくるが、こちらもタイミングが計りやすく避けるのは難しくない。
      • よしんばゲームオーバーになったとしても配置ブロックが復活する上にステージ自体が簡単かつ短いため再挑戦も容易と、ワイリーステージ1・2を突破したプレイヤーがここで詰む事はまず有り得ない。
    • ラストステージでは残りの4体のボスとの連戦があり、最奥部にワイリーが待ち受けている。
      • ワイリーに到達するまでは、これらを全て途中回復なしで撃破しなければならない。道中も他のステージほどでないにしろ決して簡単ではない。

とはいえ、このような難易度の高さは逆に本作の魅力としてプレイヤーを惹きつける要素ともなっており、必ずしも問題点とは言えない。
コンティニューはステージ毎かつ無制限であるため、まさしくシリーズの特徴である典型的な「ミスを繰り返して覚える」を体現したシステムと言う事もできる。


問題点

特殊武器関連

  • 「スーパーアーム」と「ハイパーボム」の性能に難がある。特殊武器の使い勝手に差が大きいのは本シリーズ通しての悩みではあるが…。
    • 「スーパーアーム」はそもそも持ち上げるブロックが必要で、道中でまともに武器として使えるのはカットマンステージぐらい。そこですらボス戦以外たいして役には立たない。
      • ボスに対して使おうにも、活用できるのはカットマン・エレキマンのみ。ガッツマンとの初戦では当然使えないし、他の6ボスの部屋にはブロックが無い。
        さらにワイリーステージの再戦時にはブロックが設置されていないため、これを弱点とするカットマンとの再戦時は使えない。ただ弱点とするボスには十分な効果を発揮できる。
      • 一方、「通路を塞ぐブロックの撤去」としての使い道はそこそこある。対象ブロックはサンダービームでも破壊可能だが*8、使い勝手の良さから温存されるため出番は多い。
        またサンダービームを入手するエレキマンステージにも障害ブロックはあるので、マグネットビーム入手のためにも先にスーパーアームを入手しておいた方が効率がいい。
    • 「ハイパーボム」は投擲後しばらくすると爆発する。爆発まで攻撃判定がないにもかかわらず、敵や地形に当たっても爆発せず、加えて爆発するまで次弾を投げられないため、攻撃効率は極めて悪い。
      基本的には下方への攻撃にしか使えず、よほど敵との位置関係がピッタリな場所でないと設置すら困難で、まず当てられない。せめて、ボンバーマン自身が使用するものと同様に「敵や地形に当たった瞬間に爆発する」という性能であれば、まだ使い道はあっただろう。
      • 唯一の救いは、この武器を弱点とする本命のボス・ガッツマン(爆風を3回当てれば倒せる)の動きが鈍重であること、次点のアイスマン(弱点のサンダービームなら3発、ハイパーボムでも7発当てれば倒せる)も動きが一定で比較的当てやすいことぐらいか。
      • なおガッツマンは初戦では最弱クラスのボスであり、十分にバスターで攻略できるためわざわざ使いにくいハイパーボムを使うまでもなく、難関とされるステージ最初のリフト地帯も慣れてしまえば十分に行けるため、最初のステージとしても選択しやすい。ハイパーボムが役立つのは有利な岩の上で戦えない再戦時ぐらいのものである。
    • GB移植版ともいえる『ロックマンワールド』ではガッツマンとボンバーマンが登場しないため、上記の武器も未登場。
  • 説明書には特殊武器の名称及び解説が全く載っていない。特殊武器の名称と解説が説明書に載るのは、シリーズ全体では『ロックマンワールド』、本家シリーズでは『4』以降である。さらに本作ではゲーム中にすら特殊武器の名称が表示されない
    • 次作『2』と次々作『3』では、説明書には載っていないものの、ゲーム中にボス撃破後に各特殊武器の名称は表示される。
    • ボスの弱点に関しては、推理するなり実際に当てて試せということなのかもしれないが、使い方の分かりにくい武器や道中のギミック解除に必要な武器もあるため、どんな性質を持っているのか簡単なヒントは欲しかったところ。

その他

  • 不要なシステムの存在
    • 当時のゲームとしては珍しい事ではないが、スコア表示はエクステンド(残機アップ)やランキングがないので特に意味がない。
      • 制限時間がなく、ザコ敵もスクロールアウトして戻れば無限に沸いて出てくるため、高得点を競う意味もない。
      • 本作の難易度はかなり高いため、せめて、エクステンド有り(例えば数十万点取るごとに残機アップ)にして、さらに1UPアイテムはザコ敵を倒すことでは入手出来ない(ステージ中に置いてあるものだけ入手可能)という仕様になっていればまだ意味はあったかもしれないが…。
      • ただし、当時はアクションゲームでスコア要素はあって当然であった事、本作は元々アーケードゲーム用の企画だった事を考慮すれば、結果的に形骸化してしまったものの当時のゲームとしては無くてはならない要素だったと言える。
    • セレクトボタンで使用可能なポーズによる一時停止機能も、スタートボタンによる武器選択画面と被っている。
      • ポーズを利用した裏技(後述)や無音状態で中断出来るため存在意義自体は一応あるのだが、裏技を知らないor使わなかったり音が鳴っていても構わないプレイヤーにとっては「いらない機能」として見られがち。
  • パスワード機能が無いため、電源を入れるたびに最初からプレイしていかなければならない。
    • ゲームそのものは短めだが、それでも一気に最後まですすめるのは骨が折れる。
    • ただ、この程度の長さで途中再開がないゲームは当時珍しくなかった。むしろコンティニューが無限な分、プレイしやすい方である。

総評

初代作品ゆえところどころ粗は目立つが、操作性、アクション性、ステージ構成、グラフィックなど、いずれも当時のアクションゲームの水準を越えて抜きんでた質の高さを内包しており、十分に高い完成度でまとめ上げられている。

独自色を出すべく工夫を凝らしながらも当時はあまり売れなかったが、続編以降、本作で確立されたゲーム性に更なる磨きをかけて完成度を高めつつ、ボスキャラデザインの一般公募を恒例行事として行うなどのイベントも相まって徐々に人気を高め、カプコンの看板タイトルとして順当に成長していくことになる。


移植

移植・リメイク版では総じてセーブ機能が追加されているので、今から本作を始めるのなら移植版でのプレイを推奨。

  • MD『ロックマンメガワールド』(1994年)
    • 『1』『2』『3』したカップリング移植。
    • グラフィックが一新。一方で、一部仕様が『2』『3』と共通化されていたり挙動が変化したりしている。
  • 携帯アプリ版『ロックマン Lite』(2003/2004年)
    • 当時の携帯端末の性能に合わせて調整が行われているためFC版とは内容が少々異なる。
  • 携帯アプリ版『ロックマン完全版』(2007/2008年)
    • ほぼ忠実な移植であり、1度オールクリアをすると隠し要素としてロールでプレイできるようになる。
      • ロールはロックマンよりバスターの威力が低く、特殊武器も使えない。代わりに武器エネルギーを消費して、敵を貫通するチャージショットが撃てる。
        ただし、『4』以降のチャージショットと違い、チャージから発射までがオートで行われる為、動いている敵に当てるのが難しいため難易度はロックマンよりも高い。
  • PS3/PSPゲームアーカイブス版(2009年)
    • PS版の移植。
  • Wiiバーチャルコンソール版(2007/2008年)
  • 3DSバーチャルコンソール版(2012年)
  • WiiUバーチャルコンソール版(2013年)
    • いずれも完全な移植だが、目の負担を軽減するため、FC版に比べて画面の輝度が抑えられている。

余談

  • 説明書が特殊
    • 本作の取扱説明書は、「折りたたみ式の一枚のシート」タイプの物が採用されている。
    • 説明書が一枚のみになっている関係で、探したい項目が見つけやすいという利点がある。反面、説明書自体が非常に大きく作られている事から、広げるためのスペースが必要なのが難点。
    • このシート式説明書は『2』でも採用されていたが、『3』からは冊子タイプに変更されている。
  • 裏技
    + 閲覧注意
  • セレクトボタンを押してポーズをかけてもダメージ後の無敵時間は減っている。つまり、これを利用するとボス敵の無敵時間を消す事ができる。
    • 具体的には、攻撃を当てた瞬間にポーズをかけ、無敵時間を示すエフェクトが消えたらポーズを解除し、再度ポーズを繰り返す事で連続してダメージが与えられる。
    • 作中最強と謂われるイエローデビルをアクションが苦手なプレイヤーでも撃破できる、唯一の救済策とも言える。
    • ただし、これを利用すると各ボスが軒並みザコに成り下がってしまう為、シリーズ屈指の難易度が急激に落ち込んでしまう。通常プレイでの利用はお勧めしかねる所である。
  • Dr.ワイリーは主人公のロックマンを差し置いて『クイズカプコンワールド』で一足先にアーケードデビューを果たしている。
    • 『2』でも「ロックマンは道中の雑魚なのにワイリーはボス」と優遇されている。
  • 開発途中、オリジナルキャラではインパクトが弱いという理由から『鉄腕アトム』のゲームとして作り直される可能性があった。
    • 最終的にコナミがアトムの版権を取得しゲームをリリースしたため、当初の予定通り『ロックマン』として発売されたことが『カプコンミュージックジェネレーション ファミコン音楽全集 ロックマン1~6』の付属ブックレットで語られている。
    • もし本作が鉄腕アトムのゲームとして発売されていれば、『ロックマン』シリーズの存在はなかったのかもしれない。
    • 「企画段階では鉄腕アトムのゲームであったが、オリジナルキャラのロックマンに変更された」という話も出回っているが、出典の文章を執筆した有賀ヒトシ氏が自身のツイッターで否定している。(該当ツイート
  • 「ロックマン」と言うタイトルが決まる前は、『レインボー戦士ミラクルキッド』というタイトル候補があった。
    • これは特殊武器を装備するとロックマンの色が変わるところから着想されたものとのこと。
  • 海外では『MEGA MAN』(メガマン)のタイトルで知られているが、日本版とタイトルが異なる理由は長らく謎であった*9
    • その後、アメリカのゲーム雑誌であるGame Playersの1993年3月号のインタビューで当時カプコンUSAの副社長であったジョセフ・モリッチ氏が「ロックマンのローカライズを検討中、日本で作られた「ROCKMAN」のタイトルが酷すぎて気に入らなかったんだ。それで「MEGA MAN」と言うタイトルを思いついた。そうしたらそのアイデアが採用されて北米版のタイトルになったんだ。ゲームの内容は日本版と変わらないんだけどね。」と答えている事が判明している。
    • 尚、日本ではよく『MEGAMAN』と書かれるケースが見られるがこれは間違った表記なので注意されたし。 公式では『MEGA MAN』が正しい表記である 。(要は「MEGA」と「MAN」の2語に分けての表記)
  • 海外NES版『MEGA MAN』のパッケージイラストでは、日本版のロックマンとはかけ離れた黄色と青の全身スーツ姿のマッチョな人物が描かれている(参考画像)。
    • このメガマンは海外では「Bad Box Art Mega Man(BBA Mega Man)」とも呼ばれている。
    • 尤も、当時の海外版パッケージは色んな意味でアメリカナイズされているものが多く、イメージギャップがあるのはロックマンだけに限らないのだが…
    • ちなみにこのパッケージのメガマンは、PS3/PSV版『ストリートファイター X 鉄拳』に参戦する事になった。まさかの海外パッケージ仕様のロックマンが参戦するとは誰が思っただろうか。
  • 本作に登場するボスキャラクターの1体である「ボンバーマン」は何かと不遇でマイナーキャラ扱いされる事が多い。
    • ロックマンワールド』ではガッツマンと共にオミット対象となった。
      • しかし相方のガッツマンは『2』や『7』で派生ボスが出ており、『ロックマン ザ パワーバトル』、『ロックマン バトル&チェイス』といったスピンオフ作品に出演する機会にも恵まれており、見事に汚名を返上している。
    • 一応ボンバーマン自体は『ロックマンズサッカー』に出演しているが、「同じく『1』のボスであるカットマン、エレキマン、ファイヤーマンが8大ボスに抜擢される」「アイスマンは8大ボスには選ばれなかったものの俊足型でFW向きと個性付けがされる」一方で、ボンバーマンは「平均性能であるが止められる・通用する必殺シュートの幅が少なく今一つ」なキャラクターとなっているなど、ここでも扱いの悪さが目立つ。
      • とある攻略本にも「どのポジションに起用しても力不足」と書かれた程である。
    • とどめに『ロックマン エグゼ』。初代エグゼでは終盤戦のボスという非常に美味しい役回りで、アニメ版でもN-1グランプリ準決勝でのストーンマンとのタッグでそれぞれ熱斗やロックマンを苦しめた。しかし、他のWWWメンバーがオペレーター・ナビ共々個性派揃いだった事から地味に見られがちで、以降の続編やスピンオフへの出演も無くアニメでは登場する度にかませ犬という有様。
    • 爆弾を扱うという設定であるにもかかわらず見た目が地味な事、ハドソンの同名看板タイトルの知名度の影に霞みがちな事も原因と思われる。
      • ただしキャラの名前に関しては、海外版ではステージセレクト画面で表示される名義の「ボムマン」に名称が変更され某タイトルの差別化が図られている。
        なお、本家ロックマンシリーズの8大ボスの中で国内と海外で名称が異なるボスは、彼と『11』のパイルマンとラバーマン*10の3体だけだったりする。
  • 海外ファンメイドゲーム「mega man maker」ではハイパーボムとスーパーアームに関しての上方修正が入っている。ハイパーボムは爆弾に触れるだけで即爆発するだけでなく範囲が広くなっており、スーパーアームは地形を生み出すことが出来るため発動不能状態が改善された。