ロックマンズサッカー
【ろっくまんずさっかー】
ジャンル
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サッカーゲーム
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対応機種
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スーパーファミコン
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メディア
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10MbitROMカートリッジ
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発売元
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カプコン
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開発元
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さんえる
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発売日
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1994年3月25日
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定価
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9,270円(税3%込)
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判定
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なし
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ポイント
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便乗企画にロックマンを乗せたサッカーゲー サッカーとしてもキャラゲーとしても微妙な出来 ゆくえふめいになったエンディング
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ロックマンシリーズリンク
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概要
当時のJリーグブームに便乗し、人気アクションゲーム『ロックマンシリーズ』の登場キャラを使った、8対8のミニサッカーゲーム。
ロックマン1~4、ワールド1のボスキャラ達が登場する。
CMソングは嘉門達夫(現:嘉門タツオ)氏の『WE ARE ROCKMAN』。
本家ロックマンシリーズのキャラが登場する、初のSFCソフトでもある。
使用可能キャラ
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ストーリー・対戦両モードに登場
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ロックマン、ブルース、エンカー、カットマン、ファイヤーマン、エレキマン、ウッドマン、ニードルマン、スカルマン、ファラオマン、ダストマン
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対戦モードのみ
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アイスマン、ボンバーマン、エアーマン、バブルマン、フラッシュマン、ジェミニマン、タップマン、スネークマン、トードマン、Dr.ワイリー(隠しキャラ)
ストーリー
ロック、Dr.ライト、ロールの3人がテレビでスポーツニュースのサッカー試合を見ていると、突然、ワイリー率いるロボット軍団にサッカー場が占拠されてしまった。
ロックはサッカー場を取り戻すため、ライトにサッカー用の体に改造してもらい戦いに向かうのであった。
特徴
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基本的にはオーソドックスなサッカーゲームだが、以下のような特徴がある。
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ファウルの概念がない。
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オフサイドもない。全体的にゲームテンポがゆっくりなので仮にあったとしてもほとんど意味は無かっただろうが…
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サイドライン・ゴールラインの外側に背の低い「壁」が設置されており、ボールがこの壁に跳ね返った場合はスローイン・コーナーキック・ゴールキックにならずにプレイが続行する。これを利用したテクニックも存在する。(後述)
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各キャラに「必殺シュート」があり、1試合に2回まで使用できる。
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必殺シュートは相手を吹き飛ばすのでGKから確実にゴールが奪えるが、キャラの必殺シュートによっては効かない相手もいる。
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必殺シュートは飛距離によって威力が減衰せず、シューターからキーパーまでの最短距離を進む。このため、いかに敵のディフェンスの隙間を狙って必殺シュートを放つかが攻防の大きなポイントとなる。
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各キャラ毎に使える必殺シュートは異なり、それらの必殺シュートを受けた時のアクションは、膝を付く、上空に打ち上げられる、感電、氷付け、泡に閉じ込められる、バラバラの残骸になる等々意外と豊富。
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チャンピオンシップモード
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ストーリーにあたるモードであり、8つのボスキャラのチームを自由な順番で攻略していく。
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撃破するとそのチームにいたキャラが仲間となり新たな必殺シュートが使用可能。各キャラは「足が遅いがキック力は高い」などステータスもある程度特徴付けがされている。
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8ボス倒すといつものワイリーステージが解禁されるが、戦う相手は、エンカー、ブルース、そしてラスボスのDrワイリー。エンカーとブルースも倒せば仲間になる。
評価点
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使用キャラの豊富さ。1~4のボスキャラの一部+ブルースにワイリーと、計21のキャラが使用できる。
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「足は遅いが守備とタックルに秀でたウッドマン」「守備はカラキシだが足が速いアイスマン」といった具合に、一部選手の能力がそのキャラクターの個性を捉えたものとなっている点も評価できるだろう。
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サウンドテストには、ブルースの口笛が短縮版・フルバージョンと2種類共収録されている。
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ワイリー登場デモが、『1』の「手を振るアクション」だったり、ワイリーステージ出現の際のBGMが『2』の曲(通称「実家」)のアレンジ版だったりと、芸が細かい。
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カリンカが登場する数少ないソフトでもある。本当にチョイ役だが。
問題点
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使用可能キャラについて
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1~4のボスすべてではなく、中途半端。
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『5』のキャラは出ていないのだが、なぜかボスセレクト画面のBGMは同作のアレンジ版。
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対戦モードのみ使えるキャラのうち、ボンバーマン、バブルマン、フラッシュマン、トードマンはロックマンやスカルマンと全く同じ能力である。つまり同じ能力のキャラが6人いることになり、焼き増し感が強い。
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キーパーがやたら硬い。
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センタリングからオーバーヘッドキックをすれば点が取れるのだが…それ以外の通常シュートはまず入らない。つまり点を取る手段は必殺シュートorセンタリングからのシュートの2つだけ。
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必殺シュートは1試合中に2回しか使えないので、試合の殆どの時間はひたすらセンタリングを狙うしかない。
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SFC時代のサイドビュー形式のサッカーゲームが共通で抱えている"下側から上側への逆サイドギリギリを狙う45度シュートに反応できない"問題はこのゲームでも有効なためこれでも点は取れる。
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システムの仕様を突いた攻略法で、ゴールラインに設置されている壁にわざとパスを跳ね返し、飛び出してきたキーパーの裏側にパスを通す「壁ワンツー」というテクニックも存在する。これは当時の攻略本でも裏ワザとして掲載されていた。
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キーパーのキャラにはそれぞれ必殺シュート耐性があるが、Dr.ワイリーはほとんどの必殺シュートを止めてしまう。唯一の例外はフラッシュマンの必殺シュートのみ。だがチャンピオンシップモードでフラッシュマンは仲間にならない。
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チャンピオンシップモードは、クリアするとエンディングもスタッフロールも無く唐突に終了する。
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またサウンドテストでもエンディングと思われる没なのか何なのかわからない曲を2つほど確認できる。
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実はデータ内にスタッフロールらしきものは存在している。さらに近年、有志によって通常プレイでは見ることができないエンディングが発見されている(同リンク先内に記載)。
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演出を作っているにもかかわらず没データ状態になってしまった理由は今のところ不明である。
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パスワードは、例によって方眼紙のマスにチップを置く方式だが、「8×8」とマス目が異常に多く、とにかくメモしにくい。
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保存できる内容は倒したボスだけであり、アイテムなどは存在しないのに、なぜそこまでマス目とチップが必要なのかがわからない。
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上記の没(多分)のスタッフロールは、この「パスワード表にスタッフ名が流れる」という演出になっているのだが、もしかしてそれを前提にマス目を増やしたのだろうか?
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フォーメーションの表記が一般に用いられるものとは逆の「FW-MF-DF」の順になっている。
総評
サッカーゲームとしても『ロックマン』関連作品としても、中途半端な存在である。
特にエンディングが没データというのはどうしようもない。
当時は新シリーズ『ロックマンX』がスタートするなど、『ロックマンシリーズ』自体がノリにノっていた時期ではあるが、ブームに便乗して勢いで作ってもろくな事にならないという例になってしまった。
「シリーズにはこんな時代もあったんだよ」という珍品的存在としてなら価値はある…かもしれない。
最終更新:2024年05月26日 22:28