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テイルズ オブ シンフォニア - (2017/05/06 (土) 00:34:45) の編集履歴(バックアップ)


テイルズ オブ シンフォニア

【ているず おぶ しんふぉにあ】

ジャンル ロールプレイングゲーム
(シリーズ内ジャンル名:君と響きあうRPG)

対応機種 ニンテンドーゲームキューブ
メディア 8cm光ディスク 2枚組
発売元 ナムコ
開発元 ナムコ・テイルズスタジオ
発売日 2003年8月29日
定価 6,800円(税別)
プレイ人数 1人(戦闘のみ1~4人)
セーブデータ 3ブロック(1ファイル)
レーティング CERO:全年齢対象
判定 良作
テイルズ オブ シリーズ関連作品リンク


概要

「テイルズ オブ シリーズ」のメインタイトル(後のマザーシップタイトル)第5弾で、略称は「TOS」「シンフォニア」。
キャラクターデザインは藤島康介が「なりきりダンジョン」以来、メインタイトルではシリーズ第1作目のファンタジアから久々に担当している。
「ナムコ・テイルズスタジオ」初の据え置きハード作品(デビューそのものはGBA版『ファンタジア』)で、シリーズ初の3D戦闘システム「マルチライン・リニアモーションバトルシステム(以下ML-LMBS)」を採用。
なお、要所要所でテイルズ オブ ファンタジア』との関連を匂わせる設定などが見受けられ、ファンの間では「『ファンタジア』と何か関係のある物語なのか?」と話題となった。
後に吉積プロデューサーの発言により本作が公式に「『ファンタジア』へと繋がる過去の物語」であるとされ、続編に本作の2年後の物語である『テイルズ オブ シンフォニア -ラタトスクの騎士-』がある。
吉積信は「『シンフォニア』からテイルズに深いテーマを入れる」と公言し、今作は「差別」というテーマに沿って物語が進む。


特徴

新戦闘システム「ML-LMBS(マルチライン・リニアモーションバトルシステム)」

  • 今までのシリーズでは平面上で敵と向かい合った形での戦闘となっていたが、今作の戦闘システムは操作する上では基本的な所は変わらないもののターゲットに指定した敵との間に見えないラインが引かれ、そのライン上で戦う事になる。
    一直線上での戦いではなくなったためにキャラクターの前後だけではなく脇からの敵の攻撃等も気を使う必要が出た。
    • 360度全方向が戦闘エリアになるために今までの作品では無かった戦略性が生まれ、そして何よりハードルが高すぎると批判が強かった『デスティニー2』と違って慣れるのにもそれ程時間はかからず、システムに馴染みやすい事で多くのプレイヤーから受け入れられた。シリーズに新機軸を開いたとも言える画期的なシステムである。
    • GCのマシンスペックを活かした戦闘は60fpsで動くので非常になめらかで、処理落ちも一部の重い処理を要する術以外ではほとんど起こらなかったこともユーザーに好印象を持たれた。
  • ユニゾン・アタック
    • 攻撃を当てることで画面下の「ユニゾン・アタックゲージ」が貯まり、最大の時にユニゾン・アタック始動技(以下「始動技」)のボタンを押すと繰り出すもので、始動技を当てた敵単体に戦闘参加の仲間全員で集中攻撃を浴びせることが出来るというもの。
      • 隊列番号ごとにボタンが割り振られており、事前にプレイヤーの特技同様に方向ごとに繰り出す技を設定することになり、始動技を当てた後はその設定に基づいて技を繰り出していくことになる。
      • 慣れればキャラクターごとに最大4つの技を状況に応じて使い分けることも出来るが、慣れない内はニュートラルで出す技に強力なもの・後述の複合特技を見据えたものを設定しておいて隊列に対応したボタンを押すだけですぐに繰り出せるようにした方が確実で、ゲーム中でもそのように勧められている。
      • なお、プレイヤーで操作するキャラクターは通常の術技と使用設定を共有しているため、どちらかの設定を変更するともう一方もセットで設定が変更される。
    • 戦闘参加キャラクターひとりにつきひとつの技を連続で繰り出して通常は終了するが、繰り出した技の中に特定の組み合わせがあった場合は更に「複合特技」が発生して追撃することが出来る*1
      • パターンは豊富で、状況によっては複数の複合特技の発生条件を満たしてしまうことがあるが、複合特技には優先順位が設定されているのでそのうちの優先順位が最も高い技をひとつ出して終了する。
    • 始動技は後述の秘奥義以外の全ての攻撃から繋げることが出来、更に一部例外を除いて敵の攻撃を受けて怯んでいる状態でもキャンセルして繰り出すことが出来る。
      • 更に始動技は鋼体やアーマーなども関係なく当てさえすればユニゾン・アタックは成立する。無論、始動技を外してしまうとゲージは0になる上にその時点で終了してしまう。
    • ユニゾン・アタックは技だけでなく術ももちろん使用出来、この場合の術の詠唱時間は大幅に短縮される。
      • ただし、詠唱時間が0になる訳ではなく、あくまで短縮でしかないため、元々の詠唱時間が長い術を複数指定してしまうと、術の詠唱が完了あるいは術の効果が発揮される前にユニゾン・アタックが終わってしまうこともありうる。
    • ユニゾン・アタック使用時はTPを消費しないので、仮にTPが0であったとしても問題なく技を繰り出すことが可能。
    • 始動技を当てた時点で戦闘不能、麻痺、石化、気絶、封印のいずれかのステータス異常になっているキャラクターは技を繰り出すことが出来ない。
  • オーバーリミッツ(以下「OVL」)」
    • マスク値の「テンション」の値がキャラクターごとに設定されている上限値に到達すると自動的に発動するもので、この効果中は敵から受けるダメージが半減し、敵の攻撃を受けても怯まずに行動が継続出来るといった効果がある。前作「デスティニー2」の「スピリッツブラスター」の改変版と言える。
      • 更に、終盤で使えるようになる一部の「秘奥義」の発動条件に関わっていることもある重要なシステムである。
    • このテンションを上げるための条件は主に敵からの攻撃を受ける(ガードはNG)というものになるが、それ以外にも後述の料理を実行したり、ロイドの場合は後述する好感度が一定以上のキャラクターの戦闘不能で、ロイド以外は逆に好感度が一定以上ある時にロイドが戦闘不能になることで上がる。
      • ただし、戦闘不能になったキャラクターのテンションは0になってしまう。
    • 一度本編をクリアした後のグレードショップ*2の中にある「感情度上昇」を購入することで、OVLになるために必要なテンション値が3割減される。

キャラクター育成システム「EXスキル」

  • キャラクターに「EXジェム」と呼ばれるアイテム(最大4つ)を装備させる事で戦闘中やフィールドマップ上などで特殊な効果の恩恵を受けられるというもので、このジェムには全てキャラクターの方向性を決定付ける2種類のキャラクタータイプのいずれかが設定されている*3
    • タイプはテクニカルタイプ(Tタイプ)とストライクタイプ(Sタイプ)のふたつで、つけたスキルに設定されているタイプの合計によってキャラクターのタイプがふたつのうちのどちらかに引っ張られる形となる。
      • つまり、Sタイプスキルを多くつけていれば戦闘終了毎にSタイプの方に、Tタイプであればその逆となり、どちらも同数であればそこから変動しなくなる。
      • また、特定の装飾品を装備することでキャラクタータイプを対応した方に変動させやすくすることも出来る。
    • 勿論、後述するようにジェム(スキル)そのものの効果で様々な恩恵を得られるのだが、それ以外にもキャラクタータイプによってキャラクターが覚えられる特技が異なるという効果がある。
      • Tタイプに寄っていれば「技のリーチが長めで、敵に多段ヒットする技」を、術ならば「効果そのものは弱めだが、広範囲に影響を及ぼす術」を覚える傾向にある。
      • 逆にSタイプに寄っていれば「技の威力が高めで、敵を吹っ飛ばしたり出来る技」を、術ならば「効果が高い反面、範囲は単体(もしくは狭い)の術」を覚える傾向にある。
      • ただしSタイプは連携が繋げにくい技が多くクセのある偏った能力であり扱い難く、術の全体掛けもない事などもありTタイプにするより苦労する場面も多い。
      • なお、今作では基本的にレベルアップ時に術技を習得するのではなく、レベルやベースとなる術技の使用回数等の修得条件を満たしている状態で戦闘中に術や技を「閃いて」修得する形となっている。ちなみに閃いた時に発動した術技はTPを消費しない。
  • ジェムにはそれぞれ1~4までのレベルが設定されており、そのレベルに該当するスキルを選択して付けることになる。
    また、1~4までの全てのレベルのスキルから選択することが出来るレベルMAXのジェムもある。
    • 一度つけたジェムは剥がすことが出来ないが、上から違うジェムを付け替えることは出来る。
      ただし、付け替え前のジェムはそのまま無くなってしまうのでスキルの装備は慎重に行う必要がある。
      • また、付け替えではなく既に付けているジェムのスキル入れ替えはMAX以外は同じレベルに設定されている4つの中からという制約はあるものの、自由に可能となっている。
        ただし、同じスキルはひとつしか装着出来ないので、同じレベルのジェムを2個付けてそれぞれに同じスキルを付けるという事は出来ない。
    • 上では慎重にと書いたものの、ジェムの数は有限という訳ではなく、街などにいる「ジェムねこにん」からかなり高額ではあるが一定のグレードポイントを支払うことで購入出来る上、それを利用しなくともそれなりの数のジェムは手に入るようになっている。
    • 特定のスキルの組み合わせで、元々のスキルの効果に加えて「複合EXスキル」が発現し、その効果の恩恵も受けることが出来る。(例・ロイド:Lv1「ストレングス*4」+Lv1「ディフェンド*5」=複合EXスキル「EXアタック*6」)
      • 複合EXスキルは対応するスキルの組み合わせで戦闘に突入、終了した時に発現するものでこれにはタイプの設定がない。
      • ただし複合スキルが強力である為に終盤はそれに合わせて装着する場合が多く、最終的にはどのプレイヤーも似通ったカスタマイズになりがち。
    • 特に多くのプレイヤーはロイドの「パーソナル*7」を装着するため、やはり選択の幅が狭まる。
  • 前述の通り、タイプによって技の派生に影響を及ぼしていくのだが、一度どちらかのタイプの技を習得した場合はその後でタイプを逆方向に寄せてももうひとつのタイプの派生技は習得することが出来ず、一旦技を忘れさせて再度修得させ直す必要がある*8
    • 一例として魔神剣(これはゲーム開始時から覚えているベースになる技である)でその派生を見てみると下の通りでTタイプは飛び道具として技が強化されていくが、Sタイプは飛び道具ではなく目の前の敵を攻撃する技として強化される*9
      • 余談だが、GC版ではバグにより両タイプの技を習得させることが出来たがPS2版では修正されている。
タイプ 特技 秘技 奥義
Tタイプ 魔神剣*10 魔神剣・双牙*11 魔神連牙斬*12
Sタイプ 剛・魔神剣*13 魔皇刃*14

ストーリー

  • 本作は序盤から重い展開のオンパレードである。
    • 当初こそ王道風味な旅立ちを予感させるが、主人公ロイドの親友、ジーニアスが慕っている老婆マーブルが敵の手によって異形の存在に変えられて戦う事になる上に、戦闘後に(異形の存在のままではあるが)自我を取り戻したマーブルがジーニアスの目の前で敵を巻き込んで自爆するというものから始まる。しかもその後、(自業自得もあるが)この騒乱を引き起こした責で村を追い出されるのが本格的な旅立ちの切欠となる。
    • 特に序盤のメインとなるシルヴァラントはある事情で全体的に困窮している為、雰囲気が刺々しい所もちらほらだがある。メインのストーリーは言うに及ばず、サブイベントでも重い展開を見せるものが見受けられる。
      • なお、このマーブル絡みの出来事は後々まである人物との深い溝を作る切欠となってしまう。
      • これだけではプレイヤーをいたずらに憂鬱な気分にさせるだけの鬱ゲーとなってしまうが、実際はそれに対して救いのある展開も用意されている上、ガス抜き的な明るい展開も多く挟まれており、プレイヤーのモチベーションがだだ下がりにならない配慮がされている。
    • ストーリー全体で見れば中だるみする点が全くないとは言い難く、細かい粗も散見される点は事実ながらも特筆するべき破綻などもなくストーリーはしっかり作られており、後述の賛否両論の所にある要因でキャラクター絡みで拒否反応が起こるでもない限りは十分にプレイヤーを物語に引き込めるものとなっている。
      • そのキャラクターに関してもシリーズ内での人気は高く、概ね高評価を得られている。
  • 攻略の自由度がシリーズの中では高く、シナリオを進行させる順番を自由に選べる場面がある。
    • 本来なら後半に差し掛かったあたりで発生させるある精霊の契約を序盤のうちにこなす事が出来、その場合は戦う精霊が後半で戦うより若干弱くなり*15、序盤のうちに使える精霊の数が若干増えるというもの。

3Dで表現されたグラフィック

  • 今までは2Dで2~3頭身のキャラクターで描かれていたものが今作ではフル3Dになったことでより臨場感のある表現が出来るようになった。
    キャラクターデザインを手がけた藤島康介氏の描いたキャラクターの雰囲気は十分に再現されていたこともあり、これもまたおおむね受け入れられた。
    • また、後の『アビス』や『ヴェスペリア』、『グレイセス』にも受け継がれることになる名乗ることで該当キャラクターの服装などが替わる称号(通称「コスチューム称号」)をシリーズで最初に取り入れたのも本作であり、これもまたキャラクターを3DCGで描写出来るようになった恩恵であると言えよう。
      • コスチューム称号はかなりネタに走っている物も見受けられる上、名乗っている間はイベントシーンでもその服装のままとなってしまうため、程々にしないと「海パン着用、しかも武器としてハリセンを携えて一番の山場とも言えるイベント戦闘に突入」という、「いくら何でもそれは…」と言いたくなるようなことになりかねないので注意しておきたい*16
        キャラクターのコスチュームチェンジ自体は『エターニア』の時点で既に存在しているが、そちらでは移動中かつ特定のダンジョンのみだったのに対して、本作では戦闘中でもコスチュームの変化が反映される様になった事で、プレイヤーにコスチュームの変化が認知されるようになったと言えよう。

BGM

  • 本作のBGMは戦闘曲に限らずおおむね高い評価を得ている模様。
    • 特に、『ファンタジア』に繋がる過去の物語であるが故か、精霊との戦いでは『ファンタジア』を代表する名曲と名高い「FIGHTING OF THE SPIRIT」のアレンジがかかり、とある村では忍者の里のBGM「MYSTERIOUS JAPON」のアレンジがかかったりする。
    • ただし、GCとPS2版ではBGMをよく聴くと微妙に違っているものが多く、天使戦「beat the angel」では特に顕著であったりもする。そしてGC版BGMはサントラに未収録であり、北米では2015年までPS2版基準物が未発売だった為、サントラとゲーム版が同一ではないという珍事も発生している。幸いどちらとも評価が良かったので問題化する事はなかった。 

あらすじ

  • 今作で初めて採用され、以降のシリーズにも受け継がれていったものとして「あらすじ」という機能があり、RPGなどではありがちだった「前回のプレイから間が開いてしまったために今の状況がどうなっているのか忘れてしまい、どうしたら良いのか解らない」という状況に陥らないよう、序盤から現在に至るまでのプレイヤーが歩んだ物語を場面場面ごとに記録し、それをいつでも読み返すことが出来る。
    • 現在進行中のものはあらすじのタイトルが黄色文字で強調されるので解りやすくなっている。
      • 勿論、現在進行中のあらすじも完了前から進捗に合わせて文章も増えていくので、まだやってもいないことが先に表示されてネタばらしされるというようなことはない。
    • 今作のあらすじは第三者視点での文章で書かれているが、以降の作品では登場人物達の日記という形で書かれたりと個性豊かになっていく。
    • なお、テイルズ オブ シリーズにおいては「今の状況がどうなっているのか忘れてしまった」というプレイヤーの悩みは『デスティニー』の頃からスキット*17によって解消されていたため、そういったプレイヤーへの配慮に限っては『シンフォニア』が初出という訳ではない。
      • 余談だが、もちろんスキットは今作にも存在する。目的を知らせる役目があらすじ機能に移ったことにより、今作のスキットは雑談に特化された。

好感度

  • 本作においてはゲーム中で表示こそされないがロイド以外のキャラクターにはロイドに対する「好感度」というパラメータがあり、これはゲーム中の選択肢に対する答え方やアクションによって対応したキャラクターの好感度が上下するようになっている
    • 基本ストーリーの大枠で変化が起こる訳ではないのだが、一部のイベントやエンディングにおいて僅かな変化が起こる。
      • 前述の通り、基本的にはおまけといった趣だが、ストーリーの特定部分で起きるストーリー分岐に関してはこの好感度が影響を及ぼしており、これによって登場キャラクターのうちのゼロスとクラトスの2名のどちらが最終的にパーティに加わるかが決定され、それに伴って見られるサブイベントなども勿論異なってくる。
      • クラトスが最終的に仲間になるルート(以下、クラトスルートと表記)はストーリー分岐にかかる所で彼自身のイベントを見なければ分岐せず、それ以外のキャラクターを選んでいればゼロスが加わることになる。
    • GC版では分岐イベント時点の好感度の上位3名+クラトスがイベントを起こせる候補となるためにクラトスの好感度を上げていなくてもクラトスルートに分岐出来たのだが、PS2版ではクラトスを含めて好感度上位3名のみが候補となるために影響が非常に大きくなり、クラトスルートに入るためには意識して好感度を上げていくことが必要となった。
      • GC版では仕様上クラトスの好感度が全く意味の無いもの*18だったので、当然の変更と言える。
  • なお、このシステムは好感度が女性キャラクターだけではなく男性キャラクターにも等しく設定されているが、勿論「そういうゲーム」ではない*19
    • 言ってしまえば男性キャラクターに関してはロイドを認め、強い信頼感で結ばれているといったどちらかと言えば親友・戦友といった方が自然な描写であるが、彼(彼女)らの反応をどう思うかはプレイヤー次第である。
      • しかしながらパーティキャラクターを誰彼構わず落としてしまっているかのような描写になってしまうのも事実で、その様がルートによって様々なヒロインをものにしている(=「攻略」している)ギャルゲーの主人公を彷彿とさせるからか、一部のファン達からは(勿論ネタとしてだが)「攻略王」と言われていたりもする。
    • 制作側もネタにされている点を把握していたのか、『テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー』の予約特典DVD内のドラマコンテンツにおいて「テイルズ オブ シリーズでどんなゲームを作ってみたい?」というお題に対し、ロイドは「学園恋愛シミュレーションゲーム(ギャルゲー)」と返していたりする*20
    • 後のシリーズでは『イノセンス』の信頼度や『ハーツ』のソーマリンクといった本作の好感度に近いシステムが実装されている作品も存在するが、流石に本作の様な主人公のみの対象から全員平等に変更されたりステータス画面で数値を確認出来る様になる等使い勝手も大幅に上昇している。
  • 主に本編のイベント中に現れる選択肢で好感度が変動し、サブイベントでも選択肢に沿って変動する。それ以外にもフィールドマップ上にある特定地点に接触することで特定キャラクターとの会話とそれにどう答えるかで好感度が変動する好感度スキットポイントというものがある。
    • 好感度スキットにしても本編・サブイベント内の選択肢にしてもそうだが、表示された選択肢の内容とそれに呼応しての好感度の変動およびストーリー上における展開*21が連想しにくいものもある。
      • 後に発売された『エクシリア2』でもイベント中に選択肢を選ぶシステムが備わっており、こちらも『シンフォニア』と同様に選んだ選択肢の内容から連想出来ない展開が繰り広げられることもある。

料理

  • PS版の『ファンタジア』で採用されて以来、シリーズでは定番となっている料理も今作では若干の仕様変更が施されている。
    • 今までは料理を作るために必要な食材は一部「フルーツ類」「肉類」等の大雑把な指定はあったものの基本的に完全固定であり、作品によってはキャラクターの好物であれば効果がアップといったようなものであったが、今作では料理を作るために必要な「必須食材」と作成するキャラクターごとに異なる「追加食材」とに別れて設定されている。
      • 必須食材を持っていれば料理を実行出来るものの、追加食材に指定されている食材を追加することで更に効果を上乗せすることが出来るようになる。
      • 追加食材にはキャラクターの個性が良く出ており、例えばロイドであればトマトが大嫌いなためにどんな料理でもトマトを追加することはせず、逆にビーフが好物なために可能な限りビーフを追加しようとするといったような案配。料理が致命的な下手なリフィルはありえない組み合わせの食材を平然と追加したりする。
    • また、熟練度の上限も今までは全キャラクター、全ての料理で一律で修得率の上昇度合いで差別化を図っていたが、今作ではキャラクター、料理ごとに上限が異なっているためにこれもまたキャラクターの個性が出ている。
      • 料理が得意なジーニアスやリーガルは熟練度の上限が星7つと最大であるものが多いが、逆に料理が壊滅的なリフィルはほとんどが星ふたつであったりといったような案配。ロイドは大抵の料理の熟練度上限が星5つ前後なのだが、必須食材にトマトが含まれるポワレ・ペスカトーレ・ナポリタン・ビーフシチューは星ふたつが上限となっているなど、細かく設定されている。
    • 非常に細かく設定されているのだが、結果的には追加食材が多ければ多いほどに熟練度が高ければ高いほどに効果が高まり、熟練度上限が高い場合は大抵使う追加食材も多いため、結局の所料理を作るキャラクターが固定されがちという見方も出来てしまう。
      • 勿論、効率重視であればの話であり、それ以外の選択肢が無駄ということではないことだけは付記しておく。

称号

  • 前作から称号にレベルアップ時のパラメータ上昇にボーナスが付くようになったが、前作のパラメータ上昇ボーナスにはマイナス補正がかかってしまうものも少なくなく、更にバグの存在もあって非常にややこしかった。
    • 今作では基本のパラメータ上昇は確保され、そこに称号によるプラス補正が付くという形に統一されたことで非常に解りやすくなった。
      • また、グラフィックで触れたが、レベルアップのパラメータ上昇効果は無いもののキャラクターのコスチュームを変化させることの出来る称号もあり、育成を重視するか着せ替えでネタ重視に走るか悩ましい所となった。
    • ただし、効率重視となるとある程度称号が固定化されてしまうという指摘もある。
    • その他、戦闘中の行動によって獲得出来る称号が非常に豊富で戦闘中に何もしないことや特定のアイテムを何度も使ったり、装備を何度も替えたり、戦闘中に受身を取らずに何度もダウンすることなどの要因で称号が獲得出来る。

その他

  • 移動画面でも、2P以降のコントローラからメニュー画面を開いて操作出来るようになった。術・技やEXスキル、装備を調整したい時に1Pからコントローラを借りる手間が省ける。
    • ただしロックする機能は無い為、突然メニューが開かれて移動や敵シンボルの回避を邪魔されたり、術技等を外されたりアイテムを捨てられたりするいたずらも起こりえないことはない。
  • スキットに個別タイトルが追加。
    • それに伴い移動画面でスキットが発生した際にスキットタイトルが出現するようになり、前作までのように「スキット発生タイミングを見逃してしまって特殊称号を獲得できなかった」という状況が事実上の消滅となった。
  • 新施設について
    • 街ではお馴染みの物の施設の他に「カスタマイズ屋」「ねこにん探検隊」の2種類の新施設が追加された。
      • 前者は装備アイテムに従来作では換金用だった交易品を合成させ新たなアイテムの制作が出来、つきつめれば某所でシリーズお馴染みの強力なアクセサリを複数作る事も可能。後者は時間を置く事で未発見のフィールドオブジェクトのヒントを得たり、再入不可状態のダンジョンの未開封の宝箱の回収といった指示を与えられる事が可能で、一部施設では上述の通り付近の「ジェムねこにん」からグレードを用いてEXジェムを購入する事が出来る。
        両施設のうち、前者はアイテム作成が後者では前作では不明だった所持グレードの詳細を見れる為か好評だったらしく、以降の作品でも両施設を踏襲した施設・システムが度々登場する事になった。
  • 「最適」コマンド
    • 本作の装備画面では現在所持している装備アイテムで最も数値の高い物に一律で変更する事が出来る「最適」が追加された。
      • これによって装備変更が快適化したのだが、アクセサリー類が対象外だったり、とある裏技の存在から存在意義を疑われ、結局本作限りの機能になってしまったのが悔やまれる。

賛否両論点

好みが別れる一部のキャラ描写

  • いわゆるオタク受けを狙った性格付けや、そういった描写がしばしば見られることがその原因である。
    • 例えばヒロインのコレットは、生まれながらにして世界を再生させる宿命を背負っているにも関わらず、天然でかなりのドジっ娘という、どうにも噛み合わない設定である。普段の言動や振る舞いに於いても「萌え要素」を意識した言い回し等が多い。
      • これを受け入れられない層からはしばしば批判されるものの、前述の通りキャラ人気自体は高く、分かり易いキャラが多くのプレイヤーに受け入れられたのもまた事実である。
      • 前述のコレットも世界再生を担う『神子』という重責ある立場や宿命に苛まれ、神子としての力を身につけるたびに徐々に人間性を失う恐怖を堪えて気丈に振舞ったり、その純粋無垢な想いがゼロスやリーガルの心を癒したりと、他者の心を癒したりと、奥行きあるキャラクター描写がきちんと成されており、表面上の属性を主張するだけで終始する萌えキャラという訳ではない。
    • この点は個人の好みに依る所が大きく、一概に問題点ということは出来ないだろう。
  • 一方、物語の前後や背景を踏まえるとあんまりな言い草*22であったり、ストーリー展開上、「お前がそれを言えた義理か」と言いたくなるようなことを「寧ろ俺だからこそ」と言わんばかりに平然と言ってのけるキャラクターがいたりなど、そういった理由で受け付けないという意見もあったりする。
    • 特に批判の対象にされやすいのはロイドが発した「どこでもいいさ」という発言。
      これはハーフエルフの敵が出した「何処に行っても疎まれる。人に心を開こうとも、どこへ行こうとも虐げられてきた僕達はどこに行けば良かったんだ?」という問い掛けに対しての返答。
    • 言っている事自体は確かに正論だが、物語の背景を見るとそんなぼっと出の正論ひとつでは到底収まらない規模の事態になっており、種族差別の深刻さを目の当たりにしている割にはあまりに無責任な発言として彼が嫌いになったというプレイヤーも少なくない*23
      • この敵自身も人間より長命なハーフエルフという事で、ロイドより遥かに長い間人間と歩み寄ろうとするがそのたびに裏切られ、果ては自身の姉を殺される…と悲惨極まりない経験の元にこの問いを投げかけている為、「相手の立場を考える力が欠如している」と批判されている。

要所要所の展開がワンパターン気味

  • サブイベントやギャグシーンならまだしも、メインストーリーにおいて上記の「コレットのドジ」で解決する展開が多数散見される。敵の罠といった急遽解決策が必要な状況を「転ぶ」だけで悉く脱出する様は粗い3D表現も相まって稚拙に映る。
    • これらを「お約束」と見るかスタッフの「引き出し不足」と見るかはプレイヤーによるだろう。

「クラトスルート」のストーリー展開について

  • ゼロスではなくクラトスを恒久的に加入させるルートなのだが、このルートを選ぶとその直後のダンジョンでゼロスが裏切り彼と戦闘になり(ゼロス生存ルートだと違う敵との戦闘になる)、ゼロスは死んでしまう。彼の最期を看取る際の会話も、彼の家族関係を考えると後味がかなり悪い。ゼロス生存ルートでは「敵からある重要なアイテムを入手する為、あえて味方を欺き自然な裏切りを演出した」という彼らしい理由になっており、直後に再加入する。
    • しかもその戦闘の前のイベントで、案を出したゼロスをロイドが「信じていいのか?」疑る場面があり、ロイド達と戦う切欠の1つになった事も明かされる。今迄仲間を信じてきたロイドが唐突に仲間を疑うという所も不自然である。ゼロス生存ルートの場合は、ロイドの台詞も「信じているからな」になっている。
    • 本作のストーリー展開は基本的にゼロス生存ルートが正道であり、後の派生作品などのストーリーも、基本的にゼロス生存ルートで進んだ前提で作成されている。ゼロスルートはゼロス・クラトスどちらも生存している円満ENDを迎える所からも、クラトスルートはあくまでクラトスを最後まで加入させたい人向けのIFストーリーと言っても良いが、やはり要所要所の不自然さは目に余り、以下で挙げるように全体的に取ってつけて実装したかのような構図になっているのはいただけないところである。
      • あげくEDでは生存ルートにおけるゼロスの部分が丸々と無くなっている。せめてゼロスの死を振り返るシーンや、今際の際に述べた彼の遺言を果たすようなシーンなど入れるべきだっただろう。
      • また、クラトスとのシーンはクラトスルートでもゼロス生存ルートと変わらない。シナリオでは最後までロイドと共闘する形になる為、それを意識した差別版が欲しかったところである。
    • クラトスはGC版ではゼロスが習得しない*24専用魔術「ジャッジメント」を最初から習得しており、装備品もかなり貴重なものを持っている他、GC版のみだが下記するバグの恩恵にあやかれる為、単純な戦闘面ではクラトスの方が有利な面が多い。
      • ただし終盤に発生するサブイベントの多数ではクラトスは参加せず、それらの一部ではゼロスが死亡すると同時に無くなってしまう。

『ファンタジア』の過去の物語として見た場合の矛盾が程度の差はあれど存在する

  • 『ファンタジア』のファンからの反応も賛否あり、多少の矛盾は割り切って楽しんでいる*25者もいれば、矛盾している事象の内容が内容なので受け入れられないとする者もいる。
    • 後付けである以上は多少の矛盾は致し方ないと言う事も出来なくはないが、内容的に多少と言うには些か無理がある矛盾もあるため、これを「『ファンタジア』の過去の物語」とするのは明らかにおかしいといった反発が出るのもやむなしであろう。
      • また、二作を繋げてしまったがために今作におけるエンディングの大団円が、『ファンタジア』と擦り合わせてしまう事によって台無しになっている。
    • 無論、これらはあくまで『シンフォニア』を「『ファンタジア』の過去の物語である」とした場合に引っかかってくるものであり、『シンフォニア』という作品単体で見た場合でもストーリーが破綻しきっているという類のものではない事だけは断っておく。
    • ちなみに、のちに発売される『テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョンX』同様に本作の製作スタッフに『ファンタジア』の開発に関わっていたスタッフはひとりも居ない。

一部の称号の呼称について

  • 気にしすぎの嫌いはあるが、些か称号として名乗るには微妙なモノもある事を指摘する意見もある。
    • リーガルの「むさい」、ジーニアスの「学習しない」、コレットの「気にしない」・「廊下は静かに」等々。

バグが多い。

  • 多いといってもゲームの進行に致命的な影響を及ぼすようなもの(フリーズ・ストーリー進行不能など)はほとんどない。むしろプレイヤーに有利なバグの方が有名である。
    • 特に有名なもので先述したキャラクタータイプにかかる技の習得バグや、クラトスのEXスキル「スラッシャー*26」に関するバグで、クラトスのみ「スラッシャー」単体でも通常攻撃4発目以降からの特技等への連携が可能となっている…などがある。

パズルダンジョン

  • 『シンフォニア』では序盤で入手する指輪「ソーサラーリング」がダンジョンの攻略の鍵を握るキーアイテムとなっている。
    • ダンジョンは様々あるものの、そのほとんどがこの指輪を使って攻略する形となり、ダンジョン内にある装置を使う事で指輪の効果を変質させる事が出来、それを利用した様々な仕掛けがある。
  • 仕掛けのパターンは多く、少なくとも初回プレイならば十分に楽しむ事が出来る。
    • 反面、中盤以降からはそのギミックが凝った物になっており、人によっては作業感を受ける。答えを知っていても時間が掛かる物もあり、終盤はプレイヤーからは二度とやりたくないという意見もよく上がるほどの高難易度あるいは面倒なダンジョンが続く。
      そもそもテイルズ オブ シリーズは謎解きをメインにしたゲームジャンルではない為、こうした複雑な仕掛けの連続を単なる負担や面倒としか捉えられないプレイヤーが居ても仕方が無い。
    • パターンは多いのだが、結局は「指輪頼み」と言って差し障りないほどソーサラーリングの機能に依存しており、それに頼らない仕掛けも数えるほどしかないために単調だとする意見もある。

問題点

戦闘

粗が多い3D戦闘
システムそのものは前述の通り画期的ではあるのだが、初の3D化による戦闘システムだけに粗も多い。

  • 3Dフィールドでの戦闘である為、詠唱している味方にも敵が一直線で向かって攻撃して来るようになった。
    • 一方で3D化したにも係わらずプレイヤー操作キャラはロックオンした敵へ前後にしか行けず、戦闘フィールドを自由に動けない。このため詠唱中の味方のもとへ駆けつけ難い。ちなみにプレイヤー操作でない仲間や敵は自在に動ける。プレイヤー操作に限れば3D表現の2D戦闘レベルである。
      • 制作スタッフ内でも開発中の段階で指摘はあったようだが、フィールド上を自由に動けるようにすることがゲームバランスを崩壊させかねないとしてこの形に落ち着いたという経緯がある。のちのシリーズでは「フリーラン」と呼ばれる、プレイヤー自身も自由に移動できるシステムが備わっていく。

ユニゾン・アタックのコマンド入力の猶予が少なめ

  • 入力受付時間がひとりにつき約1秒程で、途中で時間切れになるとたとえ技を出していないキャラクターがいようともそこで強制終了となってしまっており、慣れないうちは宝の持ち腐れにしてしまいがち。

秘奥義が少ない

  • 前々作『エターニア』より実装されてからお馴染みの要素となる秘奥義だが、本作では全キャラに実装されておらず、その数も下記の召喚術を含めなければ仲間全員で3つと極めて少ない。
    • 発動条件も他作品に比べて厳しく端的に書くと「特定装備でHP16%以下でボタン入力」「特定術技使用時にランダム発動」「オーバーリミッツ中に特定の技使用*27」と見ての通り狙って発動する事が困難な上、終盤にならないと使えない秘奥義もある。
      • 前作『デスティニー2』では全パーティキャラと一部の敵キャラに秘奥義に相当する技が数多く実装されていた事や、数自体も『エターニア』より少ない事を付け加えておく。
    • また、秘奥義のジーニアスの物は本来は『デスティニー2』の敵専用技からの流用で新鮮味が無い上、本作でも敵にも使われている事から、他と比較しての使いやすさも相まってもはや秘奥義というよりも単なる威力の高い技として扱われている節がある。

秘奥義の仕様について

  • 発動中であっても発動したキャラが無敵になっておらず、これにまつわるバグも存在している。また秘奥義の途中でも敵のHPが0になったらそのまま倒されたりオーバーリミッツになったりと、「派手な演出付きの奥義」の域を出ない扱いになっており、不完全さが拭えない。
    • 前作では基本的に発動されたキャラクターは無敵で、秘奥義を使用しているキャラクターは秘奥義が終わるまで敵にトドメを刺さないなど、普通の特技や奥義との差別化はしっかりと図られていた。

しいなの召喚術の強さについて

  • 『ファンタジア』のクラースと同様、イベントで契約した精霊を戦闘中に召喚して攻撃出来るのだが、本作の場合はオーバーリミッツ中でないと召喚不可能とかなり使いどころが限られてしまっており、彼女をスタメンで起用していても精霊をお目にかかる機会がどうしても少なくなりがち。
  • では、発動条件に見合う程精霊の攻撃が強力なのかと言うとNOである。汎用的な術技よりは威力がかなり高く、陣の中に居るキャラクターにプラスの効果をもたらすのだが、それでも秘奥義程圧倒的なわけではない。かと言って『ファンタジア』のように無制限で召喚するとなると些か強すぎる…と、「帯に短し襷に長し」な状態となってしまっている。
  • もっとも、本作以前に召喚術が登場した『エターニア』でも威力が高い割に召喚条件が限られている事が難点になっていたが、こちらは本作の物とは異なりパーティーの状態に関係無く使用出来る点から、殆ど気になる点ではなかった。
    • 召喚術以外はほぼ何も出来ないクラースと異なり、札を扱った味方や敵のステータスの増減、属性の付与といった支援向きな特技で立ち回る事が出来、移動速度もトップクラスに速い為、しいな自体戦えないキャラという訳ではない。

味方AIが極めてアホ

  • どの程度アホかといえば、プレイヤー側の設定だけではフォローしきれないほど。
    • 作戦設定を適切なものにし、状況に応じて技の使用設定なども変更すればある程度はカバー出来るものの、敵陣のど真ん中にわざわざ行って詠唱を始めたり、中衛キャラが何もせずウロウロしていたりなどという、作戦設定ではどうにもならない理解に苦しむ行動も目立つ。
    • また、新しい術技を覚えるためには、その下位の術技の使用回数を増やす必要があるため、作戦「術技だけを使え」を選ぶ人も多いと思われる。その際、走って敵に近づいておきながら攻撃するでもなく詠唱するでもなく、ただ棒立ちになる。
      • 基本的に味方AIはやたらと攻撃に消極的で、操作キャラの援護をしてはくれない上に、通常攻撃が6連撃できてもわざわざ2~3撃で手を止めてコンボを切るなど、イライラを募らせる要因が多く存在する。

戦闘時のパーティ編成に制限がかかる場面が多い

  • 代表的なのが、精霊を契約する際の戦闘。これは全てしいなが戦闘に参加しなければいけない。他にも幾つかだが特定のキャラが居ないといけない場面が散見される。
    • そのキャラクターを操作しろというわけではないので、不慣れなキャラクターでの戦闘を強制されるわけではないのだが、プレイヤーによっては2軍送り状態になっているキャラクターを戦闘に強制参加させられてしまう形になりかねないため煩わしさに繋がってしまう。

戦闘時のカメラの性能が悪い

  • 1Pとターゲットとなる敵が左右に並ぶことを前提にカメラが回っている為、協力プレイを行う際に例えば

     2P
    1P敵

  • という隊列になってしまうと、2Pは左右どっちに移動すれば敵に近づけるのか判断が難しくなる。

ラスボスが弱い

  • 第1形態は戦闘フィールドをしきりにワープしてこちらの動きを翻弄し、回避の難しい吹き飛ばし攻撃や強力な上級魔法を鋼体を纏った上で連発し、一定HP以下で全員を複数のステータス異常を与える技を使ってくる等、かなりの強さである。
    • しかし、第2形態は無駄に体が大きくなり、前衛数人で袋叩きに出来てしまう。更に此方を壊滅に追いやるような強力な攻撃をしてくる訳でも、動きが特別素早い訳でもなく、厄介な特性を持っている訳でもない。
      • 形態が変わるような演出も無い。第1形態に勝利するとそのまま、いきなり巨体な第2形態との戦闘に続くという超展開である。そして撃破後何故かそのボスは第1形態(本来の姿)に戻っており、第2形態になった理由等についても全く触れられないままイベントが進んでゆく。
      • それより以前にイベントで第2形態の機体と思われるモンスターと戦闘が出来、これが何らかの関係があると思われ、撃破していればラスボスのステータスに変化もあるなどのだが、ストーリー内での一切の描写が無い以上分からずじまいである。

ストーリー

敵組織の拠点への侵入法が稚拙

  • 毎回ほぼ裏口を使って侵入するのだが、裏口が何の為にあるかは説明されず、その裏口の警備も毎度手薄。中には入り口を岩で塞いでいるだけというずさん…という以上に手段と目的がごっちゃになっているパターンまである。
    • 突入の展開になるたび「警備が厳重」と言及される上、序盤では侵入者の顔貌まで判別できるモニターがある一大施設であるにも関わらずこのザルさな為、ご都合主義的な印象が否めない。

差別に対する描写不足

  • 前述の通り本作のテーマは差別であるが、ハーフエルフが人間とエルフの両種族から執拗な差別を受けている理由や背景について、本編ではさほど触れられない。
    • これらはサブイベントで判明する事になるが、ストーリーの重要な背景の掘り下げをサブイベントに委ねてしまうのは、シナリオを理解する上でもあまりよいことではないだろう。ちなみに『ファンタジア』とはまた別の理由である。

一部、不親切なイベント進行

  • 後半はイベントの進行に自由度があるが個々のイベントがストーリーに沿って作られてないゆえに、一部に不親切な部分がある。
    • 特に「闇の神殿」へは本筋で行き先を提示されない為、説明不足である。行き先が分からずレアバードでフィールドを飛び回っていたら変な建物があったので、何となく入ってみたらそこが闇の神殿だった…というプレイヤーがほとんどであろう。
    • 「学園都市 サイバック」の学園内には食料の品揃えの良い店があるが、入って早々学園内には近寄れないようになり、後半のイベントが発生してからではないと店に行けないという煩わしさがある。2周目以降で料理レシピなどを引き継いでいる場合はそこに注意しなければならない。
      • もっとも、この点に関しては前作『デスティニー2』でも同じく訪れるのは中盤辺りで食料の品揃えの良い店があるが再訪は終盤になるまでお預けというカルバレイス地方の「チェリク」「ホープタウン」が存在している事から、本作のみの問題とは言えないのだが、何故二作続けてこうなってしまったのだろうか。

既存作との類似点

  • ひとつのゲームのストーリーとして見た場合はスクウェア・エニックスのRPG『ファイナルファンタジーX』に前半部分のプロットが似通っている点が見られるために、オリジナリティという点で問題視されることもある。
    • あくまで『微妙に似通ってる』程度のもので、実際のシナリオ等は別物。また、被っている部分に関してもプロット自体は王道的なものであるため被ったとしても不思議な事では無いのだが、発売日が比較的近い事とタイトル自体の知名度の高さからファイナルファンタジーXを連想したユーザーは多かったと言える。
  • 類似点という意味では、主人公のロイドも『サクラ大戦シリーズ』の主人公である大神一郎とキャラクター性がよく似ている*28事も指摘されることがある。
    • もっとも、この辺はパクった云々よりは双方に共通点が多いという事でネタにされる事がままあるといった程度だが。そもそも、設定やプロットが類似しているだけでは、法律的にはなんら問題のない話しである。

その他

  • 細かいミスとして仲間にいないはずのキャラクターがイベントに登場してくるシーンがあり、多くのプレイヤーの頭を「?」にさせた。
  • 施設が存在するのにカジノで遊べない。
    • とある街でカジノに入る事が出来るのだが、何らイベントが存在せず実質単なる背景でしかない。何の為に作ったのか不明である。同じ街にある遊園地でも遊んだりは出来ず、単なるオブジェ群と化している。
  • 前作と比較してイベントのボイス量が少ない。
    • 前作『デスティニー2』では大容量のPS2に移行した影響でメインイベントの殆どがフルボイスになっていたが、後発の本作ではボイスの量が減少してしまいエターニア時代に逆戻りしてしまっている。
    • 中でもプレセアやリーガルにとっての仇であるヴァーリという悪役がいるが、彼との決着はボイス無しのイベントであっさりとついてしまう。それまでに三者の間の重々しい因縁が語られ、大きなイベントになるであろうと期待して肩透かしを食らった人も。
    • 戦闘のボイスも弱点・耐性ダメージを与えた時や味方の戦闘不能時などが前作から引き継がれのみで、アドバイスなどは無くなった。ボス戦の会話もラスボス前の戦闘のみ。
      • 特定のボスでは、戦闘開始直後に特定のキャラクターとの掛け合いのシーンが挟まれる。
    • スキットのうち好感度上昇タイプの物もボイス無しである。
      本作の選択肢付きかつボイス無しスキットは据え置き作品での登場は本作限りだが、ボイスが無い事に着目したのか、後に容量の少ないニンテンドーDS作品で多用される事になった。
    • ただし、ゲームキューブのディスクの容量は1.5GBと、PS2のソフトであるDVDの3分の1程しかなく2枚組の本作でも劣るほか、シナリオ自体が『デスティニー2』よりも長いため容量的にフルボイスにするのが不可能だった可能性もある。
      • もっとも、これに関しては後に発売されたOVA版で補完されているが、本編ではボイスの無かったキャラクターにも新規のボイスが追加されてたりする。

システム

初3D作品の為か、演出面が力不足なのは否めない

  • 特にイベントシーンでは、場面とキャラクターの表情が全然合っていないとしばしば指摘される*29。デフォルメを利かせた従来の2D作品では特に目につく所ではなかったが、リアリティのある3Dで表現された本作ではかなり目立つ。
    • キャラクターのモーションも乏しく、同じような仕草ばかり繰り返して終わるイベントも少なくない。特にキャラが発言する時は、シチュエーション問わず律儀に決まった仕草を取る事が多く、見栄えが乏しいどころか違和感にすらなりうる。モーション自体も全体的にぎこちなく、動きが少ない。
    • 戦闘でもSE・エフェクトともに過去作に比べて劣っており、秘奥義では動きが少なく「光るだけ」のものが多く見られる。
      • 恐らく当時の技術では限界があったのだと思われる。これらの問題点は、次回3D作品の『アビス』で大幅に解消、進化を遂げる事となる。
    • 余談だが、制作時の裏話としてロイドは初期設定では眼鏡*30をかけ、更にマントを付けていたのだが、眼鏡はともかくマントは3Dでの再現が難しいという理由で没となり、現行の首にハチマキ状の垂れ下がった帯を付ける形になった。
      • 技術の向上によって、次の3D作品である『レジェンディア』ではマントを付けたキャラクターも登場するようになった。

探索における快適性の欠如

  • ストーリー中に入手する移動手段の利便性および操作性が壊滅的である。後半に入手するものは比較的ましではあるが、それでも3Dマップの接触判定とのつり合いが良いとは言いがたい。
    • エレベーターや自動床の立体化など3Dならではの表現が盛り込まれているが、大抵移動までの動作が妙に長い上にないもない同じ構図のエリアが並んでいるマップも多くあり、「3Dで表現してみたかったこと」と「ゲームの充実性」が伴っていない。

スキットのシステム

  • シリーズでおなじみのキャラクター同士のおしゃべりなどを楽しめる「スキット」だが、本作では一部の宿に泊まった時やイベントで自動的に始まるもの以外はゲーム中でスキットタイトルが表示された時にスキットボタンを押すことで見ることが出来る。
    • 裏を返せば任意のタイミングでスキットを見ることが出来ないということであり、軒並みフィールド上やダンジョン内で決められた時間経過する事で見ることが出来るのがほとんどとなっており、前作より量も少ない。
      つまり、ストーリーの進行を最優先にしてしまうと、場合によっては満足にスキットを楽しめないままクリアしてしまうこともあり得るということになり、その中には本編の伏線になっている物もある*31
    • スキットを楽しむスタイルを取るとなるととにかくマップ上で時間を無駄に潰す事を強制される*32ため、プレイ時間が必要以上に掛かってしまう要因となっている。
    • 加えて、スキットタイトルが表示されているタイミングで戦闘に突入したり、ダンジョン内のマップ切替えを起こしてしまうとまた相当な時間待たないとタイトルが表示されずにスキットが見られない。
      • これは『リバース』以降の作品ではスキットの出現時間も大幅に短縮される様になり、この点も改善される事になった。
    • スキットは特定の場所でまとめて鑑賞出来るが、称号を獲得出来るスキット*33に関してはそこで鑑賞出来ず、あくまでプレイ中に発生させなければ見られない事や、前作はそこもフォローされている為に残念に思う者が多い。
      • また、歴代に比べるとスキットのソートは結構めちゃめちゃ。『デスティニー』や『ファンタジア』のように参加人数順という訳でも『エターニア』や『デスティニー2』のようにシナリオ順という訳でもない。

サウンドテスト画面が従来に比べて使いづらくなった

  • 従来と違い、一度ゲームをクリアしないと解禁されない。
  • メインシナリオやスキットのボイスが聞けなくなった。
    • 前者は今作が好感度システムによってシナリオがやや変わるシステムであり、発言内容が被ったりネタバレになったりする可能性があるから、フルボイスではなくなった為ボイスだけ追いかけてもチグハグになるから、といった理由が存在するため、廃止されたのは致し方ないことかもしれない……。
    • 後者は前述の「特定の場所」にて視聴可能。
  • BGMやSEはイベントや戦闘画面等のシチュエーション別、ボイスはキャラ別といった具合に『デスティニー2』では細かく区切られていたものの、これらが『エターニア』以前のように一括りにされて探しづらくなってしまった。
    • 『デスティニー2』に存在したBGMのパート(楽器)を個別にONOFFし、主旋律やドラムパート等を好きなように付け外しして遊ぶ機能も削除された。これは内蔵音源ではなく音質を重視したストリーム再生を採用しているため。

モンスター図鑑に記されたとある敵のシャレにならないネタバレ

  • その敵とは何度か戦うことになり、解説文の内容を読む限り、その次で戦う際の解説文とそこで戦う際の本来表示されるべき解説文を誤って入れ違えて表示されている。その内容が核心に迫る要素の一部であるために笑えないミスになってしまっている。
    • これも各種バグ同様にPS2版では修正されている。
      • もっとも、当時ならばともかく、今となっては未プレイ者であっても外伝作品などにみられるそのネタバレになる部分を匂わせる描写などもあって広く知られてしまっているであろうから、そこまで致命的ではないのではないだろうか。…ミス自体はフォローのしようがないが。

ソフトリセットが出来なくなった

  • 移動中は追加された「ロード」のコマンドを使えば問題ないが、ボス戦中に控えの装備を引き出したい、EXスキルを付け替えたい、技構成や複合特技の問題でメンバーを入れ替えたい等の理由で戦闘を諦めたくなった時には、わざと全滅したり本体のリセットボタンを押したりする必要がある。
    • このゲームはかなり起動が遅いので、出来れば後者の手段は取りたくないものではあるが……どちらが手っ取り早いかは状況によるだろう。

ムービースキップ、イベントスキップが出来ない

  • デスティニー1,2にあったボタン長押しでテキスト高速送りも不可。
    • コンプリートに周回必須であるにも拘わらずこれは不親切。3D化によりキャラクターの挙動が増え、結果全体的にイベントが冗長になっているため余計に欲しい機能だった。
  • ムービースキップはこれまでの作品では必ず出来たのになぜ廃止したのか理解に苦しむ。例外的にOPアニメのみスキップ可能。

総評

細かい粗やバグは見受けられるものの、全体的には無難に纏めてきた良作といった評価が大勢を占めている。
特に戦闘システムに関しては、前作のデスティニー2とは違い、旧作に近い戦闘システムであったため、前作の高いハードルについて行けなかったプレイヤーには好意的に受け入れられた。 同時にシリーズは今作の流れを持つライト向けの戦闘システムと、高難易度のコア向けの戦闘と枝分かれしていく。

ストーリー面では、本作は重いストーリーがメインとなるために人を選ぶものの、内容自体は大筋では破綻や超展開と言われるようなものは少なく、しっかりと纏められたものとなっていたため概ね高評価を得ている。
キャラクターも魅力的で、一部の描写をあざといと感じるプレイヤーがいるものの、基本的には高い人気を誇る。


PS2版

対応機種 プレイステーション2

メディア DVD-ROM 1枚
発売日 2004年9月22日
セーブデータ 49KB以上(1ファイル)
廉価版 PlayStation2 the Best
2005年7月7日/2,667円(税別)
判定 良作

※GC版と内容を同じくする項目は割愛し、異なる内容の項目のみ表記する。

変更・追加要素一例(PS2)

  • ロゴの色が赤になった。
  • アニメムービーの追加。
    • GC版では中盤以降に用意されていたが、前作に比べてイベントムービーの数が少なかった。よって序盤の方に追加された。
    • ただし幕間アニメーションに出てくるキャラはほぼロイドとコレットのみであり、アニメ内で喋る場面はPS2版でもEDのみである。
  • 新技、秘奥義追加。
    • 「ユニゾン・アタック」の複合特技が大幅に追加されており、複合特技が1つも無かったリーガルにも幾つか追加されている。
    • GC版では秘奥義はロイド・コレット・ジーニアスの3人しか実装されていなかったが、PS2版ではしいな以外の全員に秘奥義が実装され、近年シリーズとほぼ同等の量となっている。
      • 元々OVL中でなければ使うことの出来ない各種精霊召喚を行うしいなには新たな秘奥義は用意されていないが、召喚発動時にカットインが入るようになった。
      • また、プレセアの追加秘奥義は2段階カットイン、高威力、本編とマッチしている豪華仕様で外伝作品でも採用されている。
      • ゼロスもクラトスと同じく「ジャッジメント」を習得するようになり、それに伴って秘奥義も2つ追加されている。
      • ただゼロスの秘奥義のひとつがOVLかつ瀕死時にしか使えない*34というOVLの発動条件の問題点の影響をモロに受けている。またゼロスは2つ秘奥義を持つ他のキャラと仕様が異なり、この秘奥義自体がもう一つの秘奥義習得の前振りでしかなく、秘奥義とは思えない程に威力がかなり低い、それにも係わらず他のキャラとは段違いの面倒くささとなっている。*35
      • 秘奥義発動中の敵味方の挙動も改善され、後のシリーズに準じたものとなり、秘奥義でトドメを刺した際の専用の掛け合いも追加されている。
    • 味方のみならず、ラスボスや隠しボスにも秘密奥義が実装されている。
      • 特に隠しボスの方は、味方の秘奥義を多数使ってくるようになり、最高難易度の『マニア』になると、開幕早々秘奥義を放ってくる事をはじめ、戦闘中何度も秘奥義や全体攻撃を仕掛けてくる恐ろしいボスと化している。一種類だけだがカットインも追加されている。
    • 他にもGC版では没となっていた技や魔法も多く採用されている。
      • 特に一部のボスに追加された「タイムストップ*36」は絶大な性能を誇り、更に戦略を練る必要性が出てきた。
    • なお、コレットの秘奥義はGC版では詠唱時『TARGET』と味方へ表示されなければ発動するサインとして見分ける事が出来たが、術その物に表示自体が無くなった。
      • その術自体が全体掛けであるため本来あるべき仕様になったと思われるが、やはり分かり難くなった事ではあるので残念に思う者もいる。
  • OVLの発生を確認しやすくなった。
    • OVL状態に近づく度にステータスバーのフェイスアイコンを徐々に激しく光らせ発動するタイミングを確認出来る様にすることである程度のコントロールを可能にした。
  • ユニゾン・アタックの技入力の猶予が3秒に延長。
    • これにより、ある程度余裕を持って技を入力する事が出来るようになった。
  • 戦闘バランスが調整された結果、全体的に敵が強化された。
    • 弱いと言われたラスボスも第1形態に秘奥義が追加され強化されている。第2形態は強化されず。
  • GC版では地の神殿で登場するドラゴンが獲得出来る経験値・ガルド(お金)共に豊富で中盤の稼ぎポイントとなっていたのだが、PS2版では獲得経験値が減少し、ガルドに至ってはGC版の10分の1(10,000→1,000)にまで減少してしまった。
    • ただし、終盤のダンジョンであるトレントの森に登場するゴールドドラゴンから獲得出来るガルドが1052から8300と大きく増加しているので稼げるポイントが後になっただけで無くなった訳ではない。
      • ドラゴンは登場個所もダンジョン入り口近くで、マップを切り替えたそばに出て来るのでシンボルを復活させるのも容易*37だったので稼ぐのが非常に楽だったのだが、ゴールドドラゴンはそういう意味ではやや面倒になったのは否めない。また稼げるタイミングが中盤だったのが終盤と大きく遅れているのも気になるところ。
  • 隠しダンジョンが拡張され、新規のボスも追加された。
    • 特に最深部では、本作を語る上で欠かせないキャラ達がボスとして立ちはだかる。それぞれの強さがラスボス級と言っても過言ではなく、本作屈指の強敵である。
  • サブイベントが追加され、本編の内容を補完する話もある。
    • GC版では背景同然だったカジノにミニゲームが追加されたので遊ぶことが可能になり、専用のBGMも追加されている。貯めたコインで景品や称号を得る事が出来るようになった。遊園地でもちょっとしたサブイベントが追加された。
    • 追加されたサブイベントはクラトスも参加するようになった他、GC版では途中半端に終わっていたイベントに一応の顛末が追加されている。
  • バグが殆ど修正された。
    • しかし、本作の場合はGC版でもあるように、寧ろ裏技的に使える有利なバグが多かった為、それを残念がったプレイヤーは多い。有利なバグは問題点とされない好例と言える。
      • 後の『グレイセスf』ではゲームバランスに過剰な影響を及ぼすバグ以外は修正されていない。
  • 主題歌がGC版の「day after tomorrow」が歌う「Starry Heavens」から歌い手は変更無いが「そして僕にできるコト」に変更。
    • これにより救いの塔でかかるBGMも「Starry Heavens(hiroic)*38」から「そして僕にできるコト(hiroic)」に変更。
      • 権利の都合なのかこのBGMはどちらもサウンドトラックには収録されていない*39
    • 当然OPアニメに変更は無く完全に後付けであるため映像に合ってない所も目立つ。
      • シリーズの移植でボーカルの変更や曲のアレンジなどがされたものはあれど後にも先にも主題歌そのものが変更されたのはこのPS2版移植のみである。
  • スティックを使った際のダンジョンや町での移動速度が上昇した。
    • ただし、GC版ではこの速さが再現出来ないという訳ではないということを付け加えておく。しかし、GC版でその速さを体感するには、GC本体にDS2(PS2コン)を繋げるアダプタを噛ませる、スティックを傾けた状態でGCコンを繋げ直してから反対の方向へ傾けるといった手間が必要になる。
    • 余談だが、フィールド画面では方向キーで移動する方がやや速い。さらに余談だが、PS2版はGC版に比べるとフィールド画面での処理落ちが目立ち、下手をすれば『デスティニー2』のそれよりもギクシャクしている。

賛否点(PS2)

  • クラトスルートの条件が変更された
    • GC版では好感度に関係なくクラトスルートに突入できたが、PS2版では好感度上位3人にクラトスが入っていないとルートに入れない。1人だけ好感度に関係なかったのがおかしかったとも言えるが、彼以外の場合はゼロス生存ルートのため、単純にルート突入が面倒にもなった。

問題点(PS2)

  • インターフェースの劣化
    • GC版に比べると全体的にロードが長くなり、フレームレートもGC版の60fpsから30fpsに低下した事で、キャラクターの挙動も若干とはいえギクシャクしたものとなってしまっている。ロード時間はPS2のソフトの中では長くはない方だが、GC版プレイ者は落差を感じる者が多い。
      • これはGCとPS2の処理能力の差故の現象で、やむない部分もある。あくまでGC版と比べた場合であって、ゲーム自体は通常プレイに支障をきたす程では無い事を付け足しておく。
      • 一方、GC版では処理落ちが起こる一部の複合特技や演出が改善されている。
  • 追加コスチュームの条件
    • 全員に追加されたが、一つを除いて特定キャラのルートでないと入手できず、最短でも5週必要で、場合によっては更にかかる。だがGC版同様イベントスキップの類は存在しない。
  • ダンジョン内に置いてあることがあるブロックの掴み判定が異常に厳しくなった
    • GC版では多少ずれていても画面右下に「掴む」というナビゲーションが表示されていたが、PS2版では真っ正面に立っていても表示されないことがある。ブロックを掴んで何かをするといったダンジョンもソーサラーリングほどではないがそれなりに見受けられるので、先述のギミックの多いダンジョンと相まって箱を掴むことに時間を割かれてしまうことになり、イライラの原因になるという意見もある。
    • スティックを少しだけ傾けてゆっくり近づくことを心掛けると若干掴みやすくなる。

総評(PS2)

マシンスベック故にやや長い時間を要するようになったディスクおよびメモリーカードアクセス、多発するようになった処理落ちやフレームレートの半減などの描写周りの観点ではGC版から劣化、快適性が大きく損なわれたのは確かである。
しかし、それをフォローするかのように大量の追加要素が用意されているので、比較対象となっているGC版未プレイ者ならば十分楽しむことが出来るだろう。

これらの追加要素はサブイベントの補完やゲーム性の強化に比重が傾いているため、画質や快適なプレイ環境・サントラ未収録でPS2版と少し違うBGMなどを重視するならGC版、粗い部分を気にせずボリュームを求めるならPS2版といった棲み分けも十分に考えられる。
持っているハードや自分のプレイ嗜好を見て決めると良いだろう。


その後・余談

  • OVA化され、足掛け5年の歳月をかけて全11本がリリースされた。ちなみにロゴはPS2版の色。
  • 本作の攻略本はGC/PS2共にナムコ公式自らが出した物のみが発売された。
    • 本作の攻略本は、従来のファミ通の攻略本が主に用語集方面の解説が非常に濃い点に定評があったのに対して攻略情報重視の内容で若干味気ないと賛否両論であり、その為か次作『リバース』以降は攻略中心のナムコ版と解説中心のファミ通版の2種類が発行される事になった。
    • ちなみにGC版の方では誤植が非常に多い。詳細はこちら
      • 一応書いておくと、PS2版の攻略本及び次作『リバース』の攻略本は流石にここまで酷いことにはなっていないのでご安心を。
  • GC版の発売から10周年となる2013年10月10日に、続編である『ラタトスクの騎士』とセットにして『テイルズ オブ シンフォニア ユニゾナントパック』のタイトルでPS3へHDリマスター版が発売された。
    • 公式HPではどこかリメイクであるかと思わせるようなアピールをされているが、実際はあくまでPS2版をほぼそのまま「HDリマスター」を行っただけなので、抜本的な改良などを期待すると裏切られることになってしまうので注意。
    • ロード時間や処理落ちはPS2版に比べ改善されているため、快適なプレイが可能。出力解像度は720pに対応しているものの、あくまで2003年の作品であり、当時としてもそれほどのレベルではなかったため、グラフィック面での過度な期待は禁物。
    • 秘奥義発動時のカットインが全て描き下ろしとなっているが、PSP版『デスティニー2』で可能だった旧カットインへの変更は不可能。
    • 『エクシリア2』や『ハーツR』に引き続き、同ハード作品とのデータ連動要素があり、PS3の4作品のセーブデータがあるとゲーム開始時に歴代キャラのコスチューム称号が手に入る(データがない場合はクリア特典として2周目で入手)。
  • ロイドの愛称として「攻略王」があるのは前述したが、それ以外に「Dイド」というものがあったりする。
    • 本作では3種類のフォントからプレイヤーが自由に選ぶことが出来るのだが、初期設定のフォントだとロイドのカタカナの「ロ」の字がアルファベット大文字の「D(ディー)」に見えてしまうというところから来ている。
      • 初期設定以外のフォントであればちゃんとカタカナの「ロ」に見えるようになっているのだが、初期設定のフォントであり、あとから変更するにしても変更できるようになるまでの間で幾度となく目にすることになるため、印象に残ってネタにされているといえる。
      • 同様にこちらはあまり見かけないが、パーティキャラクターのゼロスもやはり「ゼDス」と書かれることもあったりする。
    • とはいえ、GC版やPS2版では「そう言われてみればそう見えなくもない」といった案配で、無理矢理感も無いわけではなかったのだが、PS3版ではより明確に…と言うよりももはや完全に「D」に見えるようになってしまっている。
      • これは、元々SD画質だった作品をHD化する際に文字は純粋に横に引き延ばす形の処理をしたからではないかと思われる。
  • 2007年12月13日に発売された『ソウルキャリバーレジェンズ』では本作よりロイドがゲスト出演した。
    • ただしアニメ調な本シリーズとは違うリアル路線なデザインになっている為、ファンからの評価は否より。「きれいなロイド」などとネタにはされているが。
  • 更にその後は2015年7月31日に『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS/Wii U』のMiiファイターの追加コスチュームとしてロイドセットが配信されている。
    • なお、Miiファイターがそういう特徴なので致し方ないが一刀流であり、本来の特徴である二刀流のロイドは再現できない。腰にもう一本剣があるのに……。
      • だが、負けても「剣が一本足りなくて200の力が出せなかったから」と言い訳出来る。
      • GC版には一刀流になるバグ技*40がある為、それのリスペクトかもしれない。