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イースI/II - (2014/06/08 (日) 02:48:39) の編集履歴(バックアップ)
Ys
【いーす】
Ys II
【いーすつー】
ジャンル
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アクションRPG
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対応機種
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PC-8801(mkIISR以降)
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発売・開発元
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日本ファルコム
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発売日
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I:1987年6月21日 II:1988年4月22日
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定価
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I/II共通:7,800円
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分類
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良作
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イースシリーズリンク
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ここでは、初出となるPC88版を基準に説明します。
発売リスト
(国内のみ、()内は日本ファルコム以外の発売元)
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国産パソコン
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PC-8801 mkIISR以降、PC-9801 VM/UV以降、X1<Iのみ>、X1Turbo<IIのみ>、FM-7/77<Iのみ>、FM77AV、MSX2(Iはソニーより発売)、X68000(電波新聞社)<Iのみ>
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Windows
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エターナル、エターナルVE(デジキューブ)<Iのみ>、完全版、I VE(メディアカイト)、I&IIクロニクルズ
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家庭用(単体)
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ファミリーコンピュータ(ビクター音楽産業)、セガ・マークIII/マスターシステム(セガ・エンタープライゼス)<Iのみ>、セガサターン(日本ビクター)、ニンテンドーDS(インターチャネル・ホロン)
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家庭用(I・IIカップリング)
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PCエンジン CD-ROM2(ハドソン)、プレイステーション2(デジキューブ)、プレイステーション・ポータブル
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配信
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VC…PCE、PCEA…PCE、ProjectEGG…イース大全集・PC88・PC98・MSX2・FM77AV、その他各種携帯アプリ
概要
今でも系譜が途切れない、国産ARPGの金字塔的作品。
赤毛の冒険家、アドル・クリスティンの最初の冒険を描いたもの。
キャッチコピーはIが「今、RPGは優しさの時代へ。」、IIが「優しさから、感動へ。」
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この点について解説すると、当時のパソコン向けRPGは「難しければ難しいほどよい」「プレイ時間が長いゲームほど良いゲーム」という風潮があり、これに風穴を開けたのが『イース』である。
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もっとも当のファルコムも前年まで『ロマンシア』や『ザナドゥ シナリオ2』といった最凶難度のゲームを出しており「お前が言うな」との声も少なからずあった。一方で、自らの問題点を踏まえたからそことも言える。
特徴
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「優しい」、しかし「易しい」訳ではない、誰でもクリアに到達できる絶妙なゲームバランス。どちらも物語中盤あたりで殆どの場所で事実上無限に全回復できる装備品が手に入り、またボス戦以外でどこでもセーブが出来るというある意味大甘設定にも関わらずのこのバランスは、驚嘆に値する。
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中盤以降のボスは攻撃パターンをおぼえなければクリアは難しい。いわゆる「死に覚え」で、現在の感覚からすればアクション難易度は高い。リメイク版の「イース・エターナル」では難易度を引き下げるパッチも用意された。それでも理不尽な死に方をすることは少なく、冷静に考えれば倒し方が見えてくる。これも「優しさ」の一種であろう。
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「体当たりで敵を攻撃」「半キャラずらし」等の単純で覚えやすい操作感覚。
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この時代、ファルコムの作品も含めRPGは「プレイヤーへの挑戦状」とでも言えるような相当な高難易度のものが主流であった。そこに「優しさ」の概念を持ち込んだのがイースであり、万人がクリア出来る難易度は当時新鮮であった。
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筋の通ったストーリー。
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実質的にI/IIの2つで一つの物語を成している。Iから張り巡らされた伏線をひもといていく『II』のエンディングは今でも語り継がれる名シーンであり、キャッチコピーに恥じないものとなっている。
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良質なサウンド・ビジュアル。
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当時のPC界にゲーム音楽の地位を成立させた古代祐三氏によるハイクオリティなBGMの数々は今でも数々のアレンジが発表される程完成度が高い。また、IIのオープニングでヒロイン「リリア」が振り向くシーンは話題となり、その後のメディアミックスと合わせて「ギャルゲーの元祖」とも言われることがある。
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『イースII』のOPデモの凄さは現在でも色褪せることはない。OPテーマ曲の「TO MAKE THE END OF BATTLE」は現在でもファンの多い名曲である。他にもIのフィールド曲「FIRST STEP TOWARDS WARS」やIIの村の曲「TOO FULL WITH LOVE」等、ついついコントローラー(キーボード)を置いて、聞き込んでしまう曲がたくさんある。
問題点
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正面からしか住人に話し掛けられない。
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話し掛けようとすると突然方向転換したりするのでゲーム的には不便。動きも早い。
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だが現実であれば「身も知らない他人に背後から話し掛けるのは失礼」なのでリアル感はある。
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「イースII」では改善している。
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I単体ではボリューム不足に感じられる。慣れれば5、6時間でクリアできる。
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もっとも、当時はゲームのボリュームを難易度の高さで補っていた点があり、同時期の作品に比べ極端にボリュームが無いわけではない。なお、IIはIの倍近くのボリュームを誇る。
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Iではレベルが中盤で上がりきってしまうため、以降は成長の要素はなく、アクションの技術が必要になる。
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アクションが苦手な人でもレベルさえ上げればクリアできる、というものではない。
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一方、IIでは最高レベルでないとラスボスに勝つのが非常に困難なため、経験値稼ぎを怠ると終盤に作業としての経験値稼ぎを強いられることになる。
総評
あらゆる要素がその後のゲーム業界に変革をもたらし、PC用あるいは家庭用を問わず様々なハードに移植され、今日に至るまで愛され続けている。特にストーリーについては、昨今のストーリー重視系RPGの先駆けになったことを特筆すべきであろう。
国産RPGとしては、最も多くのハードで発売されている作品であることは間違いない。
なお、今プレイするなら、今なお「イース移植の最高傑作」と評されるPCエンジン版をVC(Wii)もしくはPCEA(PS3/PSP)でダウンロードするか、ファルコム自社移植で追加要素も豊富なPSP版をおすすめしたい。
余談
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移植がとにかく多い。
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特にWinにはエターナル→完全版(セット)→同バラ売り→同Vista対応版→PSP版逆移植…と何種類に渡って発売された。
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エターナル版から優しさを振り払い高難易度路線を模索している。
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完全版はエターナルからたった1年でPC版が再び出たということや、「もうほとんど特典の値段!ソフトはただのおまけ・・・・・・?」という迷キャッチコピーもあいまって、揶揄されまくった。
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元々IとIIは1作のゲームとして企画されたが、フロッピー3枚組にすることが許されず、ストーリー前半部分に登場予定ボスを集結させ前半用のラストダンジョンとラスボスを追加した形でIが作られた。
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詳細はPCE版に携わった岩崎氏がオリジナルスタッフから聞いた話を公開しているので、氏のブログ参照。